巷では「男のスーツ姿は3割増し」、「男のスーツ姿は女性から人気がある」など言われているようですが、あなたは自分のスーツ姿に自信がありますか?
もし自信が持てないのであればお勧めしたいのがイギリスブランドのスーツ。
ブリティッシュスーツは「鎧のよう」と表現されることもしばしあり、男性のたくましさを強調するシルエットが特徴と言われています。
威厳のある男、頼り甲斐のある男、責任感のある男、もしそんな男性像を目指しているのであればブリティッシュスーツがお勧めです。
そこで今回は8つのイギリスのスーツブランドをピックアップし、私見ではありますがランキング順位にまとめました。
それぞれ異なった背景や特徴があるので是非チェックして頂き、気に入ったものが見つかれば嬉しく思います。
ブリティッシュブランドのスーツの魅力とは?
スーツは大きく「イタリアンスーツ」と「ブリティッシュスーツ」の2つに分かれると言われています。
厳密にはアメリカであったりドイツであったり、他のスタイルも存在するのですがアメリカやドイツもどちらかと言うと今回紹介するブリティッシュスーツのスタイルに近いかもしれません。
そんなブリティッシュスーツの特徴として良く挙げられるのが、厚めの肩パッドを使用することにより作られるカッチリとしたショルダーライン。
また、袖山を盛り上げる傾向もあり、ナチュラル志向のイタリアンスーツに比べると構築的なデザインが特徴です。
ショルダーラインの他にも固めの生地を使ったり、馬毛の固い芯を使ったり、耐久性や丈夫さもキーワードになっています。
またイタリアンスーツに比べるとブリティッシュスーツはVゾーンが浅めなので、よりビジネス感、フォーマル感が出るのが特徴です。
これらの理由からブリティッシュスーツは男性のたくましさやフォーマル感が強調されると言われ、頼りがいのある、そして責任感のある印象を与えられるスタイルのスーツと言えるかもしれません。
そういった魅力をもつ8つのイギリススーツブランドをピックアップしました。
第8位Aquascutum
Aquascutumの創業は1851年。
仕立て職人のジョン・エマリーによってロンドン西部にて紳士服店が開かれたのがキッカケです。
当時から優れた品質で人気を得ていましたが開業から二年後、ジョン・エマリー氏は防水加工を施したウール生地で特許を取得したのですが、この防水技術を織り込んだトレンチコートやレインコートがヒットし、1895年にはロンドンの中心部リージェント・ストリート100番地に旗艦店をオープンしました。
Aquascutumの品質の高さは折り紙つきで、イギリス王エドワード7世からグレンチェック柄のコートの依頼を受けて以来、英国王室からその品質の高さが認められ1897年には王室御用達の「ロイヤルウォレント」を授与されています。
また王室以外でもジョン・メージャー元首相やマーガレット・サッチャー元首相など、大物政治家にも愛用者が多く、1996年には英国オリンピック
代表チームの公式ユニフォームも担当しました。
そしてAquascutumのスーツの魅力は高級感。
「ミラクルクリンプ」と呼ばれるペーパープレス加工を施した生地など、光沢感、弾力性、ぬめり感といった特徴を持つ生地が多く、イタリアンスーツに比べると着心地が劣るとしばし言われるブリティッシュスーツですがAquascutumは着心地も評判です。
日本では三越、大丸、松屋、高島屋、その他各百貨店に直営店が展開されているので、良ければチェックしてみてください。
第7位HACKETT LONDON
HACKETT LONDONは1983年にロンドンのニューキングス・ロードにて創業したメンズブランド。
ブリティッシュスタイルのウェアをヨーロッパ全土、そして世界各国に広めたブランドとして知られています。
創業当初は紳士服の古着を中心に扱っていましたが、クオリティの高さから評判となり徐々に供給が追い付かなくなったことから、1985年に自社ブランドを立ち上げオリジナル品の取り扱いをスタートさせました。
その勢いは国内に留まらずスペインをはじめヨーロッパにも広まっていき、現在では日本にも「ハケット・ジャパン」を設立し、丸の内店、銀座店、伊勢丹新宿店、越谷レイクタウンアウトレット店と4店舗を展開しています。
特に銀座店はロンドンのリージェント・ストリートにある本店と似たデザインが施された店舗とのこと。
1階はカジュアルウェアやスポーツウェアそしてキッズウェアが、そして2階にスーツコレクションや特注であるメイド・トゥ・メジャーのラウンジが設けられており、HACKETT LONDONの魅力を存分に味わう事ができる店舗作りになっています。
ブリティッシュスタイルらしいショルダーラインのシルエットや、程よくシェイプされたウエストなど、イギリスらしい伝統的なデザインが特徴のHACKETT LONDONです。
また日本にも路面店が展開されており、その世界観に直に触れることができるのも魅力ですね。
第6位MACKINTOSH LONDON
Machintosh Londonは英国を代表するアウターウェアブランド”Machintosh”から生まれた、トラッドテイストなアイテムを中心に扱うトータルブランドです。
“Machintosh”の代名詞とも言えるのが「ゴム引きコート」と呼ばれる、2枚の薄い生地の間に溶かした天然ゴムを塗るもので、その優れた防水性能から乗馬用として扱われたり、後には英国陸軍や英国国有鉄道でも採用されたりしています。
Machintosh Londonではこのゴム引きコート製作でのノウハウを活かしており、重厚的なデザインと軽やかな着心地を両立させたスーツ作りが高い評価を得ています。
こちらは”New Bridge”と呼ばれるシリーズで、滑らかな肌触りと通気性に優れたフレスコ無地スーツとなっています。
肩周りや前身の柔らかさが特徴で、生地の通気性も相まって春夏にお勧めの一着です。
もう一つ紹介したいのがこちらの一着。
ブリティッシュブランドながらもこちらはイタリア製の生地を使用しており、細番手の糸が使用された生地なので軽量な目付になっていて、肌触りも滑らか。
左右の内胸ポケットはパスポートポケットとなっており、長財布も収納しやすく機能的な面も見逃せません。
第5位Hardy Amies
Hardy Amiesは「スーツの聖地」との呼び名も高い、サヴィル・ロウに本店を構えるイギリスを代表するテーラー。
エリザベス女王のドレスを手掛け、1955年には英国王室御用達の「ロイヤルワレント」を授与し、半世紀以上にわたって英国王室に仕えたと言われています。
また1968年にはスタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」の衣装デザインを担当。
創業者のHardy Amies氏は史上はじめてメンズウェアとレディースウェアの両方を扱ったデザイナーと言われており、現在ではメンズ、レディースウェアはもちろんのこと、イギリスのシューズブランド「エドワードグリーン」とのコラボレーションや、日本のブランド「タケオキクチ」とのコラボレーションなど幅広い活動を行っています。
そしてこちらがHardy Amiesからの一着。
軽い着心地が特徴のハーフキャンバス仕立て、細身のトレンドを反映させたウェストシルエット、そしてフォーマル感の出るフラップポケットなど、トレンドを押さえつつ大人っぽさも演出できるブリティッシュスーツとなっています。
尚、日本国内では伊勢丹新宿メンズ館の「インターナショナルラグジュアリーフロア」である4階にて扱っているので、気になった方はチェックしてみてはいかがでしょうか?
第4位DAKS
DAKSは1894年にシメオン・シンプソン氏によってロンドンに設立されたブランド。
元々は別の名称でしたが1933年に創業者のシンプソン氏の愛称である「Daddy」と「Slacks」を組み合わせて「DAKS」となったのが由来とのこと。
DAKSは世界で初めて機械を使用した生産を成功させたブランドと言われており、当時主流だったハンドメイドのスーツと同様クオリティのスーツを量産したと言われています。
また、二代目のアレクサンダー・シンプソン氏は”Dacks Top”と呼ばれるベルト無しで着用可能なスラックスを開発し、特許も取得。
1950年には英国ご用達ブランドの仲間入りを果たし、70年代には贅沢な繊維として知られるキャメルとビキューナを基に作られた「ハウスチェック」柄が人気を呼び、DAKSの人気を不動のものとしました。
現在ではメンズウェア、レディースウェアをはじめとして、ゴルフウェア、子供服、時計、財布、バッグ、ジュエリー、ボールペン、名刺入れなど多岐に渡るアイテム展開をおこなっています。
DAKSのスーツはトレンドに左右されない落ち着いた雰囲気が特徴と言われており、英国紳士を彷彿させる大人っぽいデザインをお求めの方におすすめです。
尚、DAKSは日本全国の各百貨店内に直営店を展開しており、地方にいる方にも手が届きやすい販路展開となっています。
第3位Anderson & Sheppard
Anderson & Sheppardはイギリスのロンドンにて1873年に創業した老舗テーラー。
Anderson & Sheppardもスーツの聖地「サヴィル・ロウ」に店を構えていますが、140年の以上の歴史を持ちます。
「ロンドンカット」と呼ばれる手法を駆使し、袖ぐりを若干小さ目に設計することにより首元にゆとりを与え、ナチュラルなボディラインに仕上げることを得意技としています。
ゲイリー・クーパー、ローレンス・オリヴィエと言った俳優をはじめ、チャールズ皇太子なども愛用しており、そのクオリティの高さは折り紙つきと言えるのではないでしょうか。
特にチャールズ皇太子は2005年に結婚式を挙げた際、Anderson & Sheppardのモーニングスーツを、冬はAnderson & Sheppardのダブルコートを、そしてスーツもよりリラックスしたテイラリングと美しいドレープを求めてAnderson & Sheppardの物を愛用しているとのこと。
Anderson & Sheppardのスーツはクラシックなデザインが魅力とも言われており、この点においても伝統を重んじるチャールズ皇太子の好みと一致したのではないでしょうか。
老舗中の老舗のAnderson & Sheppard。
ブリティッシュスタイルの中でも古くから伝わる伝統的な一着に興味をそそられたら、是非チェックしてみてください。
第2位Ede & Ravenscroft
Ede & Ravenscroftはロンドン最古の老舗テーラーブランドと言われており、その創業は1689年。
ロイヤルワレントに関してはエリザベス女王、エジンバラ公、チャールズ皇太子からそれぞれ授与されており、文字通り王室御用達の格式の高いブランドとして知られています。
創業者はWilliam Shudall氏とMartha Shudall氏の二名で、当時は別のブランド名でしたが1902年にEde & Ravenscroftに改名。
王室をはじめ、政治家、弁護士、裁判官、一流スポーツ選手など、上流階級に愛用者が多いことで知られています。
尚、Ede & Ravenscroftのスーツは「Classic」と「Modern British」の2ライン構成。
「Classic」はトレンドに左右されない昔ながらのシルエットを継承したデザインが特徴で、「Modern British」はトレンドであるスリムフィットを取り入れた現代的なデザインとなっています。
日本での知名度は他のブランドに比べると低いかもしれませんが、不定期にパターンオーダー会が開かれているので、気になる方は日頃から情報をチェックしておくと良いでしょう。
尚、これだけの実績ですから相当の金額になるかと思いきや、パターンオーダーでも10万円前後からの扱いとなっており、数十万円もする高級ブランドが多いことを考えると意外にリーズナブルな価格設定となっています。
第1位AUSTIN REED
AUSTIN REEDは1900年にロンドンのフェンチャーチ・ストリートにて1号店が創業した老舗のラグジュアリーファッションブランド。
その成長は著しく、創業から10年あまりの1911年には英国王室が不動産を管理するリージェント・ストリートに旗艦店を構え、今では豪華客船の「クイーン・エリザベス号」、「クイーン・メリー号の」の船内にも店舗を展開しておりラグジュアリーという言葉が相応しいブランドです。
また愛用者もそうそうたる顔ぶれで、一例を挙げるとウィンザー公、チャーチル元首相、ケリー・グラント、そしてビートルスのメンバーも着用していたことで知られます。
そしてこちらがAUSTIN REEDのスーツ。
深みのあるネイビー生地に控えめなチェック柄があしらわれており、上品な品格が漂う一着です。
伝統的なシルエットですし、ビジネスでの使用にもピッタリではないでしょうか。
こちらはさらりとした風合いの生地を使用した一着で、吸汗性に優れているので夏場にお勧め。
シワになりにくく、軽量なので着心地もよく実用面も優れているのがポイント。
尚、AUSTIN REEDは伊勢丹、阪急、東武、三越、松坂屋等の日本全国の百貨店に直営店を展開しているので、気になった方は最寄りの百貨店をチェックしてみては。
まとめ
威厳のある男、頼り甲斐のある男、責任感のある男。
そんな男性像を目指している人達へのお勧めとして、8つのブリティッシュスーツブランドを紹介しました。
冒頭では世界を代表するもう一つのスーツである「イタリアンスタイル」との違いを説明しましたが、イタリアンスタイルは「柔らかさ」や「ナチュラルさ」がキーワード。
それに対してブリティッシュスタイルは「耐久性」、「男らしさ」と言った要素がキーワードになっており、よりビジネス感、フォーマル感のあるスーツとしてブリティッシュスーツは認知されている旨を説明しました。
そして、本編では以下8つのブランドを紹介しました。
-Aquascutum
-HACKETT LONDON
-MACKINTOSH LONDON
-Hardy Amies
-DAKS
-Anderson & Sheppard
-Ede & Ravenscroft
-AUSTIN REED
Aquascutumhahaは防水加工生地を使用したトレンチコートやレインコートをヒットさせたブランドですが、高級感のあるスーツが人気。
HACKETT LONDONはブリティッシュスタイルらしいショルダーラインや程よくシェイプされたウェストラインが特徴で、銀座にアジア最大規模の旗艦店を構えており、特注であるメイド・トゥ・メジャーも受け付けています。
MACKINTOSH LONDONは「ゴム引きコート」で一世を風靡した「Machintosh」のトラッドブランドでして、ブリティッシュブランドながらもイタリアの生地を使用することもあり、ジャンルに捕らわれない品質の高いスーツ作りが特徴。
Hardy Amiesは「スーツの聖地」との呼び名も高い、ロンドンのサヴィル・ロウに本店を構えるテーラーで伝統的なデザインを継承する一方で、日本のブランド「タケオキクチ」とのコラボレーションも行う等、幅広い活動を行っているブランドです。
DAKSは世界ではじめて機械を使用した高級スーツ作りを成功させたブランドと言われており、またベルトやサスペンダーなしで着用可能なスラックスも生み出しています。
Anderson & Sheppardもサヴィル・ロウに本店を構えるテーラーですが、チャールズ皇太子が愛用するスーツのブランドとしても知られており、伝統を重んじるデザインが特徴。
Ede & Ravenscroftは1969年の創業でロンドン最古の老舗ブランドと言われており、イギリス王室、政治家、弁護士、裁判官、一流スポーツプレイヤーなど、上流階級に愛用者が多いことで知られる高級ブランドです。
AUSTIN REEDは英国王室が不動産を管理する「リージェント・ストリート」に旗艦店を構え、豪華客船「クイーン・エリザベス号」、「クイーン・メリー号の」の船内にも店舗を展開するラグジュアリーブランド。
尚各ブランドとも日本国内で展開されている路面店、あるいは百貨店についても触れているので、気になるブランドがあった場合は是非お近くの店舗へ足を運んでみてください。
以上となりますが、この記事をキッカケにブリティッシュスーツに身を包み、目指す理想の男性像に近づくことができればとても嬉しく思います。