ビジネスシーンにおけるスーツ。
男性にとっては「戦闘服」と例えても過言ではないでしょう。
たかが洋服。
たかがスーツ一着でビジネスでの立場変わる。
なら、自分にぴったりあった「戦闘服」を手に入れたいもの。
ただ、ちょっと待ってください。
これからお話しすることを知らないでスーツを選ぶと、
戦闘服のつもりが休日家族サービス服になってしまいます。
そこでこれから、失敗しないために知っておいてほしい、
スーツの基本である各部の説明をお届けします。
これ、知らないと、お店の人との会話が成立しませんよ。
よくわからないまま「あ~、はい」なんて言ってしまっては、
あなたにぴったりな「戦闘服」が手に入らないかもしれません。
ジャケット
上着のことですね。
最近では生地に伸縮性のあるフリース素材を使ったようなものもありますが、
各部の呼び方や意味は一緒ですので、これからお話しすることを覚えておいてくださいね。
ゴージ
ジャケットの襟を見てみると、
・上襟(カラーと呼びます)
・下襟(ラペルと呼びます)
に分かれます。
この上下の襟を縫い合わせている部分、細い線が入る部分をゴージと言います。
ただの上襟と下襟の縫い合わせ線ですが、
高さや角度によって、ジャケットの印象がガラッと変わります。
フラワーホール
下襟にある、よく社章をつけている部分をフラワーホールと言います。
パーティではホストが花を挿していたりしますね。
胸ポケット
左胸にあるポケット。
ここは携帯とかペンを入れたり挿したりするところではありません。
本来はポケットチーフと呼ぶ、装飾としてのポケットです。
ポケットだからと、物を入れるポケットではないことを覚えておきましょう。
ラペル
下襟の形を言います。
先が尖ったピークト・ラペル。
直角なノッチト・ラペル。
ジャケットの個性を決める大切な部分です。
いろいろな形を見せてもらいましょう。
腰ポケット
左右の腰についているポケットです。
これもラペルと同じで、様々な形がありますので、
好みのものを見つける楽しさがありますね。
フロントライン
ジャケットの前身頃の中心部分から左右の裾へ向かうラインをフロントラインと言います。
ゆるいカーブのレギュラーライン。
丸みをおびたラウンドカット。
ラペルからのびるラインですので、ジャケットの印象を決める大事な部分です。
ショルダーライン
肩のラインのことです。
ジャケットを羽織ったときのフィット感が大切です。
形よりもフィット感で選んでくださいね。
ベント
後ろ身頃の裾から入るスリットのことです。
真ん中にスリットが入ったセンターベント。
左右にスリットが入ったサイドベント。
スリットが入っていないノーベントもあります。
切羽
袖のボタンの下にあるボタンホールの飾り刺繍をこう呼びます。
ほとんどの袖は切羽ですが、
本当にボタンで袖の部分を開閉できる本切羽というものもあります。
パンツ
スラックスとも言われます。
どんなパンツでも共通して言えることは、しっかりとアイロンがあたっていること。
これが大事ですね。
ベルトループ
ベルト通しのことです。
ベルトが使えるからと言って、ウエストが合ってないパンツを選んではいけません。
ベルトはあくまで飾りです。
タック
パンツの前身頃の左右に入った“ひだ”のことをタックと言います。
タックの数が多いほど、ゆったりとしたシルエットになります。
最近のパンツはノータックで、すっきりタイトなシルエットが流行です。
サイドポケット
両側にあるポケットです。
ポケットには、いっぱい物を入れないように。
スマートでスッキリが好印象です。
ピスポケット
後ろのポケットのことです。
ピスポケットの「ピス」は、
もともと後ろのポケットに「ピストル」を入れていたので
「ピス」と呼ばれているらしいです。
ボトム
ボトムと聞くと、パンツそのものを指しているように思います。
でも、スーツでは、そうではありません。
パンツの裾口をボトムと呼びます。
シングル、ダブル、モーニングカット。
この3つに分かれます。
年齢やシルエットで選ぶのがおすすめです。
まとめ
お店の人は、こちらが「知っているだろう」と思って話してこられることが多いです。
また、おしゃれに強い人ほど、専門用語を使いたいもの。
腰ポケットや後ろポケットと言った方がわかりやすいのですが、
あえてファッションの場では、サイドポケットやピスポケットと呼ぶようです。
ショルダーラインはいかがですか?
ベントはどのようなのを?
切羽は本切羽がよろしいですか?
タックはノータックでしょうか?
ボトムはどうしましょう?
こんなことを質問されても、さらさらと答えられたら、あなたもおしゃれ上級者。
お店の人も慎重に丁寧な対応をしてくれることでしょう。