水面に反射する光は美しいですね。
でも、スーツに反射する光はちょっと・・。
他人が着ているスーツのテカリが目に付くことはありませんか?
あなたのスーツは大丈夫ですか?
スーツは長く着ていれば、いろいろなところに当ったり擦れたりして、
繊維が潰れ、どうしてもテカリが出てきます。
このテカリは結構目立ち、スーツが安っぽく見えます。
このスーツのテカリとお別れできれば嬉しいですね。
ですから、気付いたらすぐに直したいし、できればテカリが出る前に予防したいものです。
ここでは、テカリのでる原因を知り、その原因に対処してテカリを直し、
また、その原因を未然に防ぐことで
テカリを生じにくくする方法についてお知らせしたいと思います。
テカリの原因
そもそもなぜテカリが生ずるのでしょうか。
2つの理由があります。
ひとつは、生地が押し潰されていることによります。
押し潰されることにより、繊維が倒れると同時に圧着されて生地表面の凹凸が少なくなります。
そうすると、起毛状態では散乱されていた光が、
潰れて平板状になった生地で反射して光って見えるのです。
もうひとつは、繊維が削れて表面のキューティクルがはがれ、
繊維自体の表面が滑らかになることによります。
繊維自体が光を反射して光って見えるのです。
このように、生地が潰れたり繊維表面が削れたりするのは、
生地が何かに長時間押し付けられたり、擦られたりするのが原因です。
テカリを直す
ブラッシング
まず、行なうべきことは、繊維をたたせることです。
そのためには、ブラッシングを行なって下さい。
生地が押し潰されているだけならこれで治る場合があります。
ただ、繊維自体のキューティクルがなくなっているような場合は、ブラシでは対応できません。
スチームを当てる
次の手段として、スチームをあてて起毛させるという手があります。
ウールに湿気を吸わせて繊維表面のでこぼこを開くのです。
スチーマーやアイロンのスチーム機能を使用して下さい。
スチームは、におい取りやシワ伸ばしにも有効なので、
テカリを感じなくても積極的にあてて、スーツを良い状態に保って頂きたいと思います。
ブラッシングして起毛した後にスチームを当てれば一層効果的です。
ベンジンで叩く
スチームでダメな場合は、薬品の出番です。
ベンジンを使います。
ベンジンを布にしみこませて、その布でテカリのある部分を軽くたたいてください。
その後でスチームをあて、ブラッシングすることで繊維が起毛しテカリがなくなります。
ただし、引火性が強い薬品なので取り扱いに注意して下さい。
アンモニア水で叩く
それでもダメなとき、最後の手段はアンモニアです。
アンモニア水8mlを水100mlで薄めた液を使って、ベンジンと同じようにしてください。
作業中は強烈なニオイがしますので喚起を十分にしてください。
衣類にニオイは残りませんのでご安心ください。
テカリを予防する
まず、押し付けたり擦ったりすることのないように注意することです。
かばんを肩にかける方は、同じ場所で持たないようにしてください。
長時間座ったり押し付けられたりした場合には、ブラシで起毛させると効果があります。
また、水分の多い状態を長く続けるとテカリが生じやすいので、
風通しの良い場所にかけて乾燥させるようにしてください。
新しくスーツを購入される場合、テカリにくい生地のスーツを検討されてはいかがでしょう。
弱くつぶれやすい繊維を使ったものは避けた方が良いと思います。
購入の際に販売員に聞いてみてください。
まとめ
テカリの原因とその対処法・予防法をご紹介しましたが、参考になりましたか?
せっかくスーツで決めているつもりなのに、テカリがあるとがっかりですよね。
スーツも、それを着ている人も安っぽく見えてしまいます。
テカリを見つけたときは、すぐに直していただき、
その後も予防のため、例えばブラッシングを毎日行なったり、
週に一度スチームをあてたりして頂ければずいぶん変わると思います。
テカリとお別れしましょう。
何事においても別れはつらい場合が多いのですが、この別れは嬉しいですね。
日ごろからスーツのテカリを生じやすい部分に注意を向け、
テカリと再会しないよう行動や動作に気をつけていただき、
万一再会してしまっても速やかに追い返してやってください。
これからは、テカりを気にすることなく、
お気に入りのスーツを穏やかな気持ちでスマートに着こなしていただきたいと思います。