モヘア(アンゴラ山羊の毛でつくった毛織物)と言えば、テディベア。
その次に有名なのが、ドーメルのスーツかもしれません。
それはなぜでしょうか。
ドーメルは1957年、当時モヘア混紡は難しいと言われていた時代に、驚くほどの光沢と見事なドレープ感を実現したモヘア混紡生地「トニック」を発売。
そして瞬く間にベストセラーに。
それ以来、モヘア生地と言えばドーメル、と言われるようになったのです。
ドーメルファンのみならず、ドーメルのモヘア生地と聞くと、ピクンと反応してしまう方もおられるのでは?
今日はそんなドーメルのモヘアコレクションの紹介です。
ドーメルとは
1842年、ジュールス・ドーメルがイギリスから毛織物を輸入し、フランス国内で販売することで始まった、世界最古のフランスの服地商社です。
イギリスにある傘下のミル工場にて生産されたドーメルの最高品質の生地は、世界80ヵ国以上に供給され高い評価を受けています。
すべてはここから始まった「トニック」
1957年発売。
当時実現されていなかったモヘアの高混紡生地を、5年の歳月をかけ研究し開発に成功したのが、この「トニック」。
1960年代に世界で80万メートルを販売し、伝説的なメガセールスを記録しました。
ドーメルの名を世界に知らしめたのは、このモヘア生地「トニック」と言えます。
ちなみにこの「トニック」という名は、生地の完成をジントニックで乾杯したことから、「トニック」と名づけられたのです。
ドーメルのモヘアコレクション
それでは、現在のモヘアコレクションの紹介です。
名作トニックを継ぐもの、「トニック2000」
50年前のトニックオリジナル製法を現代風にアレンジして、横糸にウールとモヘアのブレンド糸を使用し、しかりした打ち込みでありながら軽量化に成功。
モヘアの光沢を上品に表現したのが、この「トニック2000」です。
(モヘア30%、ウール70%、325g)
サマーモヘアの絶対王者、「スーパーブリオ」
サマーモヘアで絶対的な地位を確立している「スーパーブリオ」。
ドーメル独自に厳選した軽量キッドモヘアを使用しているため、光沢とシワの回復力、そして最高のドレープ感、そのすべてを満足させます。
(モヘア60%、ウール40%、250g)
よりエレガントに、「ニュートニック」
これまで、モヘア60%以上の混紡は不可能と言われていたものを、ドーメル独自の技術で克服、90%のキッドモヘアを使用した「ニュートニック」。
エレガントなスーツ、またサマージャケットにも最適な生地です。
(キッドモヘア90%、ウール10%、300g)
贅沢な混紡、「ウール&モヘア&シルク」
モヘアにウール、さらにシルクまでミックスさせた、独特の表面感と光沢のある新しい生地が「ウール&モヘア&シルク」です。
(モヘア40%、ウール50%、シルク10%、250g)
モヘアファンも納得、「ミスティック」
5%のモヘア混紡でありながら、厳選された最高級モヘアのみを使用しているため、モヘアファンも納得の光沢と性能、そしてシワ回復力を堪能できる「ミスティック」。
(モヘア5%、ウール95%、250g)
まとめ
研究に5年を費やし、1957年にモヘアとウールの混紡生地を加熱したスチールローラーにかけて完成させた「トニック」は、素晴らしい光沢と見事なドレープ感、そしてシワになりにくい生地。
その見事な生地は、注文して納品まで数カ月かかるという伝説的なメガセールスを記録しました。
そんなドーメルのモヘアコレクション。
・トニックの製法を継ぐ「トニック2000」
・無敵のサマーモヘア「スーパーブリオ」
・キッドモヘア90%のエレガント「ニュートニック」
・シルクを加えた新しいタッチで独特な表面感の「ウール&モヘア&シルク」
・最高級のモヘアで少ない混紡でも十分にモヘアを堪能できる「ミスティック」
モヘア生地は光沢と上品さ、そして軽くて涼しくシワ回復力にも優れているのが魅力。
そのすべてに、最高レベルの品質でこたえるドーメルのモヘアコレクション。
一度、袖を通してみるのはいかがでしょう。