「じゃあ行ってくるね」
朝の混雑したバスを途中で降り、市役所へ向かう夫。
私はそのままバスに乗って駅へ。
もう10年以上も同じ、私たち共働き夫婦の朝の儀式だ。
夫はこの市の市役所職員。
通勤はもっぱらバスだ。
夏になってクールビズが始まったけど、家から近いという安心感からか、いつも半袖のポロシャツにチノパンという、あまりぱっとしないファッション。
私も学生時代に、夏に市役所で実習したことがあるから、他の職員も夏はポロにチノパンが定番だってことは知っている。
だけど、クールビズも定着してきたんだし、そろそろオシャレにも気を使ってもいいんじゃない?とも思う。
現に、私の勤める会社では、みんなそれなりに工夫を凝らして、ジャケパンが主流になってるし、素敵なサマージャケットを着てきたりしてるもの。
市役所にはお年寄りとか色々な人が来るから、職員は真面目なイメージの方が安心感を与えられるのかもしれない。
でも、別に派手にしてっていうわけじゃなく、なんていうかトラッドスタイルで、もう少しオシャレができないかなぁと思うのよね。
オシャレなんて言うと、夫はかしこまっちゃうかもしれないけど、生地の良いジャケットを羽織るだけで雰囲気がけっこう変わると思う。
それにおしゃれ心が芽生えてくれたら、私も休日に一緒に出掛けるのが楽しくなるし、もしかしたら服に合わせてダイエットも始めてくれたりして、健康にもいいかも。
そういえば、会社の木内部長が着てた、リネン混のジャケット。
襟のステッチが明らかにハンドメイドなのに、高級ぶってなくてさりげなくオシャレだったな。
今度どこのブランドか、教えてもらおう。
クールビズが定着して久しいですね。
だけど、街を見ると、ただスーツの上着を脱いだだけのような恰好や、ポロシャツにチノパンという格好の人が多いような気がしてちょっと残念なのは私だけでしょうか?
今日は、夏を機会にジャケパンにチェンジすることをご提案。
ジャケットにパンツの組み合わせは、色々なバリエーションを楽しむことができ、オシャレの幅が広がります。
ちなみに木内部長の着ていたジャケットは、ロロ・ピアーナ。
それにカラーパンツを合わせて、ジャケパンスタイルにしていました。
オシャレにも心が行き届く人は、仕事もできそうな印象を与えます。
この記事ではクールビズの基準や着こなしを、ロロ・ピアーナの製品をご紹介しながらお伝えします。
クールビズの基準
年々暑さを増している日本の夏。
夏の装いに苦戦しているビジネスマンも多いのではないでしょうか。
クールビズは6月の衣替えと共にやってきますが、クールビズの基準は、実は今のところ定義化されていません。
職場ごとのドレスコードにもよりますが、大抵の職場ではノーネクタイ、半そでシャツ、薄手のジャケットといったところでしょうか。
定義がない分自由と思いがちですが、派手になって目立ちすぎるのもよくないし、組み合わせや、シャツとジャケットの色柄、パンツの素材など、コーディネートには毎朝頭を悩ませますね。
そんなときは、要になるジャケットを決めてしまうと、他のアイテムもあわすぇやすくなり、コーディネートが楽です。
また、半そでシャツもボタンはどこまで外すのかなど、職場によって暗黙の了解もあると思いますので、分からなければ先輩にアドバイスをもらうのが一番です。
さらに、参考になるのはニュースを読むテレビのアナウンサーです。
時間帯にもよるかもしれませんが、ビジネスマンがテレビを観られる朝や夜は、ビジネスユースのクールビズ姿のアナウンサーがニュースを読んでいます。
宮崎県の日南市や神奈川県の茅ヶ崎市の市役所、中央省庁などでは、アロハシャツやポロシャツによるスーパークールビズも登場し出しましたね。
ただし、外回りがある日や不意の来客、役員との打ち合わせなどがあるときには、スーパークールビズというわけにはいかないこともあるでしょう。
そんな時、一枚持っていると重宝するのが、サマージャケットです。
サマージャケットは素材が工夫されているので、涼しく着られ、見た目にも清涼感があり好感が持たれます。
また、薄手でもきちんと感が出せるため、あらかじめ中に着るシャツに気を配っておけば、準スーツの役割を果たしてくれます。
外での時も、夏の強い日差しから肌を守ってくれるので、おすすめです。
それでは、どんな素材が夏向きなのか、ちょっと見てみましょう。
素材-コットン
コットンとは、綿のこと。
コットンの良いところは、手入れが簡単で吸湿性と通気性に富んでいることです。
また、天然素材のため肌に優しく、丈夫で長持ちします。
ハリのある生地なので、薄くてもきちんと感が出しやすいのが特徴です。
コットンを使った織り方には種類あり、夏向きなら経糸に色のある糸、緯糸に白い糸を組み合わせて織られるシャンブレ―(霜降り状の色合い)や、表面に畝(うね)や模様を出した平織のピケなどがあります。
素材-リネン
リネンは麻とイコールで使われることが多いのですが、実は麻には20程種類があり、リネンはその中のひとつです。
麻は麻ひもにみられるように、ガサガサゴワゴワしたイメージがありますが、リネンは麻の中で最も肌に優しい繊維で、使い込むほどに柔らかくてしなやかになります。
スーツやジャケットに用いれば、独特のシャリ感と上品な光沢があり、肌の上で滑るような独特の清涼感を感じられる素材です。
リネンはフラックス(亜麻)という植物から作られます。
収穫時期は7~8月で、フラックスの草を抜きとり、しばらく表皮を発酵させた後、残った茎を乾燥させてくしけずり、上質な繊維だけを選りすぐって糸にします。
リネンの花は朝にしか咲かないため、早起きをしなければみることができません。
花は紫色で、一面に広がるロマンチックなリネンの湖を見ることができたら幸運だと言われています。
リネンができるまでの工程は、他の繊維と比べると大変手間がかかっています。
それが、リネンが高価である理由の一つです。
リネンは糸の番手によっても表情を変える繊細な素材で、番手が大きければ繊細な肌触りに、番手が小さくなると丈夫でカジュアルな顔になります。
現在作られている糸の最も細いものは150番手で、リネンの最高級品と言われています。
最近ではその独特な風合いや光沢、通気性がよく、肌と程よい距離感を保つ機能性が注目され、リネンを使った衣服の人気が高まっています。
パンツ
ビジネス仕様のジャケパンならスラックスが無難です。
センターに折り目のついたスラックスは、それだけできちんと見えます。
スラックスも夏用の薄いもの、素材も薄手のウールやコットン、リネン混のものとあり、意外と選べるものです。
スラックスなら色に走らず、まずはグレーから。
グレーはどんな色とも合うので、濃淡1本ずつは持っていると便利です。
夏のジャケパンなら、コットン素材のカラーパンツやチノパンもあり。
カジュアルになり過ぎず、ビジネスユースのパンツを選ぶコツは、形と色です。
形はタッグの入っていない、タイトかストレートがベスト。
タッグが入っているとダフッとして見え、ともするとだらしなくなりがちです。
色はスタンダードなベージュがおすすめ。
ベージュはネイビーやブラック、グレーなど、どのビジネス基本色とも相性が良いのです。
ジャケットが薄い色ならネイビーやブルーグレーもおすすめです。
ブルーグレーは少しカジュアル色が強くなりますが、ベージュのジャケットと合わせれば、全体的にやさしく、上品な色味のコーディネートになります。
PANTA FLAT (Stretch Cotton)
わずかにストレッチの効いた、きわめて柔らかなコットンパンツ。
FOURPOCKET SPORT (Cotton & Linen)
コットンとリネンの混紡パンツ。ひんやりとした着心地です。
MY GOLF PANTS (Rain System Cotton Jersy)
ロロ・ピアーナ独自の製法によって開発された、防水・撥水加工されたパンツ。
コットンとジャージーの混紡で、軽くカジュアルな印象です。
夏特有の、突然のゲリラ豪雨でも安心です。
涼しいジャケットとは
次に、ジャケットの選び方です。
夏のジャケットはなるべく涼しく着たいもの。
そこで、夏のジャケットの選び方をご紹介します。
アンコン
アンコンとは「アンコンストラクテッド」の略で、アンは否定、コンストラクテッドは「組み立てられた」という意味。
つまり、ジャケットやスーツなどの裏地や芯地、パッドなどを省略した仕立てのことを言います。
裏地などの布が少なければ少ないほど、軽く涼しく感じられます。
「夏用」として売られているジャケットのほとんどは、アンコンなので、それほど注意しなくても良いのかもしれません。
ロロ・ピアーナのジャケットは、セミ・コンストラクテッドのものが多くあります。
ほどよいカジュアル感や軽やかさを残しながらも、アンコンよりもきちんと感が出て、ビジネスユースにはピッタリのジャケットです。
軽さ
夏に羽織るジャケットは、脱いで手に持つことも多いですよね。
その際に重さのあるジャケットだと荷物になってしまい、意外とストレスを感じるもの。
夏のジャケットを選ぶときは、軽さも大切なポイントです。
軽さは素材によって左右されるので、リネンやカーディガン感覚で羽織れるニットジャケット、ジャージー生地などがおすすめです。
ロロ・ピアーナのジャケット
SOFT JACKET (Linen)
リネン100%のロロ・ピアーナのジャケットです。
仕立てのほとんどが最高の職人の手作業で行われており、セミ・コンストラクティッドでビジネスシーンにも対応できます。
シャリ感のある清涼感となめらかな肌触りは、着込めば着込むほど風合いが出て、愛着のわく1着になるでしょう。
SWEATER JACKET (Wool,Linen & SilkJersey)
ウール、リネン、シルク・ジャージーのセータージャケット。
軽く着心地の良い、軽快なジャケットです。
SWEATER JACKET (Cotton,Silk & LinenJersey)
コットン、シルク、リネン・ジャージーのピケで作られた、サマー・セーター・ジャケットです。
襟の後ろのスエードのルネットや、右の片玉縁内ポケットが、カジュアルになり過ぎない大人のサマージャケット。
左内ポケットには電磁波を防ぐシールド付きで、携帯やスマホを入れられる配慮がなされているのもうれしいところ。
ハイクラスなカジュアル・モダンの装いが楽しめます。
SOFT JACKET (Linen & Cotton)
リネンの光沢が美しい、デコンストラクティッドなリネン、コットンのジャケット。
ロロ・ピアーナの高い水準を持つ職人の手作業で作られたジャケットは、非常に洗練されたフォルムと、確かな着心地が約束されます。
見返しと襟にはハンドステッチの補強がなされ、内側は折り伏せ縫いと、どこまでも丁寧に作られています。
着こなし
ジャケパンは、ジャケット+パンツのことですが、中に着るインナーや、全体の印象を決める組み合わせも大切です。
クールビズはノーネクタイでもOKですが、それだけにだらしなくならないよう、品位を保つことを心がけましょう。
例えば胸元が大きく開き過ぎるVネックのTシャツや、ジッパーのついた襟のカットソーなどは避けるべき。
夏のジャケットのインナーは、基本白かそれに準じたパステルカラーや、サックスなどの薄い色にすると好感が持たれます。
クールビズに使えるシャツ
クールビズはタイありでもタイなしでも、どちらでも対応できるシャツを用意すると便利です。
レギュラーシャツは、基本的にタイをすることを前提としているので、タイなしで着ると襟が寝てしまいがちです。
おすすめは、ワイドカラーやボタンダウン、スナップダウンなど。
スナップダウンは襟先を見ごろにホックで留められるようになっている襟のことです。
タイなしが基本のイタリアンカラーという選択もありますが、胸元が開くため、会社のドレスコードと考え併せて利用した方がよさそうです。
襟と袖に白い生地を使用したクレリックも、オシャレでおすすめです。
クレリックは襟と袖の白が、シャツの柄を際立たせて新鮮な印象にしてくれます。
また、ノーネクタイでもフォーマルでドレッシーな雰囲気を醸し出し、オンでもオフでも着用しやすいシャツです。
顔に近い襟が白いため、品よく清潔感があり、好印象を与えてくれます。
ALAIN (Cotton Muslin Stripe)
夏にピッタリの、爽やかなストライプのシャツ。
ストライプの幅は細かければビジネスユースに、広くなればなるほどカジュアルテイストになります。
このシャツは、先染めのモスリンの特性を利用し、シャリ感を出しています。
襟はノーネクタイでもオシャレに決まるホリゾンタルカラー。
ANDRE (Linen)
リネン100%の涼しく快適なシャツ。
ワンピースカラーの襟は、ノーネクタイでもきちんとした装いに見せてくれます。
コーディネート(色)
クールビズのファッションで見落としてはいけないのがベルトです。
ジャケットを脱ぐ機会も多い夏場は、ベルトがどうしても目立ちます。
スーツと同じベルトをしているとちょっと残念なコーデに。
ベルトはアクセントをつけられる、大切なアイテム。
ベルトで全体の印象を締めましょう。
夏は清涼感のある、メッシュタイプの革のベルトがおすすめです。
ベルトはアクセントになるので、プレーンなものよりも、バックルがデザインされたものや、細かなディテールに凝ったものなどを選ぶと個性を発揮できます。
また、ベルトはシューズと同色や同素材のものを選ぶことがコツです。
同じ色目を上下に配置することで、全体の統一感が出ます。
ポケットチーフ
ジャケパンにノーネクタイでちょっとカジュアルすぎるかなと思ったら、ポケットチーフがおすすめ。
胸元にチーフをのぞかせるだけで、フォーマルでドレッシーな印象を与えることができます。
チーフは単色だけでなく、夏らしく色柄で遊んでみるのも楽しいでしょう。
まとめ
この記事では、クールビズについての基本や、ロロ・ピアーナのジャケットやパンツの魅力をお伝えしました。
クールビズは何と言っても着る人の涼しさと、見た目の清涼感が大切。
夏向きの生地は、肌触りの良いコットンやリネンが気持ち良いですね。
また、夏の装いは軽さも重要。
アンコンのジャケットは必須です。
ジャージー仕立てのジャケットなども、軽やかに見えて使いやすいアイテムです。
パンツもコットンにすれば、ひざ裏に汗をかきやすい季節も頻繁に洗えてうれしいですね。
ジャケットとパンツは反対色を合わせるのが基本。
中でもネイビー、ブラック、ホワイト、グレーのうちの2色を使えば、間違いのないコーデに仕上がります。
ベルトやシューズは全体を引き締めてくれる大事なアクセント。
ベルトとシューズを同色か同素材にしてジャケパンと合わせれば、もう完璧です。
この夏から旦那様をジャケパン派にして、職場でも一目置かれる存在にしちゃいましょう。