夫のスーツをオーダーするにあたって、この機会にワイシャツも新調しようと思っていたときでした。
いつも利用しているワイシャツ店とは違う店舗へ、夫といきました。
そこは、いつものお店よりワイシャツの量も多く、オーダーも行っているお店でした。
オーダーもいいね、と言いながら眺めていると、何十種類もの襟の形を選べるシステムになっていたのです。
「襟ってこんなに種類があるんだ!」
夫は知っていたようですが、私ははじめて目の当たりにしたので驚きを隠せませんでした。
これまで、夫のワイシャツの色とネクタイの組み合わせをみてあげることはあっても、シャツの襟まで気にすることはありませんでした。
いくつかのタイプの襟があるのは知っていますが、とりあえず標準のものを買っておけばつぶしがきく、そんな程度でした。
店員さんによると「スーツにこだわる人は多いけれど、シャツに気を配る人はまだまだ日本には少ない」とのこと。
イタリアの伊達男は、シャツのシルエットと襟元を重視して選ぶといいます。
その店舗には30数種類の襟の種類がありましたが、テーラーによっては50種類もの襟を用意しているところもあるようです。
数がありすぎて迷ってしまい、ワイシャツを選ぶモチベーションが下がってしまうのではないかと思ってしまいます。
ですが、そんな私の心配をよそに、かえって襟を選べる数が多いテーラーほどワイシャツにこだわった人が集まり、本当に自分に合ったものを選んで満足して帰っていくそうです。
ワイシャツは顔まわりに一番近い場所のオシャレ。
パートナーの表情を華やかにも、誠実にも演出してくれる大切な役割を担っているのです。
つい、スーツやネクタイばかりに気をとられてしまいますが、そのネクタイを土台として支えるのはワイシャツの襟元なのですね。
襟を立てたクールな着こなしと、それに適したシーン。
または、丸み帯びた襟のシャツを着ていくのに適した場所など、一社会人として、大人の男としての常識も、シャツの襟で問われているのです。
今回は偶然にも、スーツをオーダーする機会にちょうど目にとまったワイシャツの襟ですが、もっと早くシャツの襟の重要さに気づくべきだったと思います。
シャツは上にジャケットを羽織ってしまうので、それほど重要視しない人も多いです。
ですが夏のクールビズの際、シャツの着こなしはビジネススタイルのキモとなる部分です。
これまでのシャツの選び方を改め、襟に注目してチョイスしていくつもりです。
以下の動画は、シャツの選び方についてBEAMSのクリエイティブ・ディレクターが解説しているものです。
シャツの襟について触れているので、ぜひ観てみてください。
【意外と知らない「シャツ」の正しい選び方!BEAMS中村氏がシャツ選びのポイントを特別解説/ BEAMS中村達也 Vol.3 B.R.CHANNEL】
ここでは、ワイシャツ選びのキモである襟全般の知識と、いつ、どんなときに、どの襟が適切かをまとめていきます。
シャツの印象は襟次第
顔の印象に大きく影響するシャツの襟。
クールビズなどのシャツだけのときでなく、ジャケットを着た時も、見える部分なので手を抜くわけにもいきません。
襟の形やデザインによって、相手に与える印象も大きく変わります。
ワイシャツを着用するのは、主にビジネスシーンが多いですが、それだけではありません。
相手に失礼のないように、また大人の男としての常識を損なわないように、ワイシャツのカラーをみていきます。
7種類の襟型
ここでは、7種類の代表的な襟をまとめます。
襟はVゾーンをきめる重要なポジションです。
襟の印象が、顔全体のイメージを決定しているといっても過言ではありません。
レギュラーカラー
襟の長さが標準的で、どんなスーツにも合い、どんなシーンでも適しています。
ビジネスでもフォーマルでも大丈夫。
どんなカラーシャツを選んだらよいか分からない時は、レギュラーカラーシャツを選んでおけば間違いはないです。
レギュラーカラーの基準として、カラーの羽の開きが65度くらいのものと考えておけば大丈夫です。
便利なカラーシャツなので、複数枚持っておくと便利です。
ボタンダウンカラー
襟の先端をボタンで身ごろに留めているシャツのことです。
襟の大きさはレギュラーカラーと同じくらい。
ノーネクタイスタイルのときや、クールビズのときに大活躍します。
もともと、乗馬スポーツ用として作られた形で、カジュアルでかっこいい印象があります。
カッタウェイ
フォーマルスタイルにオススメのカッタウェイ。
襟が180度以上開いているカラーです。
見た目もとてもスタイリッシュで、海外のオシャレメンズに大人気のカラーです。
上にジャケットをはおっていても、カッタウェイのシャツの存在感を静かにアピールし、着る人の全体的な印象を挙げてくれる優れもの。
ビジネスシーンでも、カジュアルスタイルにも万能で、ネクタイを外して着ると大人の男っぽさが増します。
夏のクールビズスタイルに最適です。
ラウンドカラー
襟先が丸く仕立ててあるカラーのことです。
ビジネススタイルにも、カジュアルスタイルにも、フォーマルにも応用できます。
角々しくないので、優しい穏やかなイメージを与えてくれます。
ワイドスプレッドカラー
襟が100度〜130度前後開いたもので、レギュラーよりもやや長めの襟となっています。
首まわりがスッキリとするので、レギュラーの次にメジャーなカラーです。
イギリスのウィンザー公爵が好んで着ていたことから、「ウィンザーカラー」とも呼ばれています。
ウィングカラー
首の後ろ部分は立ててあり、襟先は前に折れているカラーです。
タキシードなどの際の蝶ネクタイやアスコットタイと相性がよく、フォーマルスタイルで活躍します。
ウィングカラーは、鳥が翼を広げるように襟先が折り返されていることから、このような名前がついています。
タブカラーシャツ
タブカラーシャツは、一般的な襟よりも少し小さめです。
首元にフィットするスタイルです。
シャツを着てネクタイをした後、タブを留めて襟元を引き締めるようにして着用します。
タブには小さなボタンホールがついていて、これを留めて襟を整えます。
あまりビジネスシーンではみかけないカラーですが、ボタンダウンと同じようにビジネスでの着用も問題ないです。
『007スカイフォール』でダニエル・グレイグが使用したことで人気がさらに増しました。
シーン別に見る襟の選び方
冠婚葬祭やイベント、パーティーや会議など、シーンによってネクタイを使い分けるのはビジネスパーソンとしての常識だけでなく、大人としての常識です。
この時、ネクタイとセットで考えなければいけないのは襟の形。
ネクタイと襟はセットで考慮しなければなりません。
ビジネスだけでなく、お付き合いや打ち合わせなど、シーンによって変わるシャツのカラーをどのように選んでいけばいいだろう・・・とお悩みの方へ、状況によっての適切なシャツカラーをご案内します。
ノーネクタイの際のシャツ襟
クールビズやカジュアルな着こなしの際のノーネクタイスタイル。
そんなときは、ボタンダウンカラーがおすすめ。
ボタンと身ごろが固定されているので、襟を立たせた状態を保てるので、ネクタイがなくても首元を殺風景なイメージにしません。
美しく独立された襟は、シャツをそのまま着ていても、上にジャケットをはおっても、収まりも良く、もたつきもありません。
ビジネスシーンでの襟
ビジネスシーンで間違いないのが、レギュラーカラー。
道をそれない誠実さと、真面目な印象を与えます。
まわりと差をつける、または周囲と差別化して個性を出すことは、レギュラーカラーでは高度なことですが、スタンダードさを出して安心感を与えられるのは、レジュラーカラーが最適でしょう。
結婚式やパーティー
フォーマルなシーンでは、ウィングカラーがおすすめです。
タキシードと合わせると、さらに気品が増します。
アスコットタイと合わせるスタイルが、ウィングカラーを一番美しく魅せる見せ方です。
体格別にみる襟
襟は顔に一番近い位置のオシャレです。
見せ方によって、顔の大きさや印象に大きく影響を与えています。
襟元のゾーンの印象が与える、顔や全体のイメージを考えながら体型別に襟の選び方をみていきたいと思います。
細身の体型
細身の男性には、襟の大きさが小さいものを選ぶとよいでしょう。
襟が小さいものを選ぶと、首元がしまってみえるので、体を大きく見せる効果があります。
また首の細さが気になる人は、襟高の高いものを選ぶと良いです。
ガッチリで大ぶりな体型
ガッチリ体型の男性には、ワイドカラーのような襟の大きなものを選ぶとよいでしょう。
大きな襟のシャツを選ぶと、顔を小さく見せる効果があります。
ノーネクタイスタイルができるときは、第一ボタンを開けておくと首元がスッキリするので、爽やかでスタイリッシュな印象を与えることができます。
顔の大きさが気になる人
大きな顔が気になる人は、襟が大きめなシャツを選びます。
ワイドカラーがオススメです。
逆に、小さい顔が気になる人は、反対に襟が小さめなシャツを選ぶと良いでしょう。
襟の大きさと、気になる顔の大きさは、相対的に見えると覚えておくと忘れないです。
首が太めの人
首が太くて短く見えてしまう人には、襟台が低めのシャツをおすすめします。
太めのネクタイを合わせると相性も抜群です。
首が細すぎるのが悩みな人
首が細くて長いのが悩みの男性は、襟の面積が大きく、襟の長い形のシャツを選ぶとよいでしょう。
首が細長くみえるのを防ぐ効果があります。
まとめ
いかがでしたか?
男性のシャツを選ぶときに、襟にフォーカスしてこんなに真剣に考えたことがあったでしょうか。
私自身、自分の洋服を買うのにも似合うか似合わないかと、ただイメージでしか考えていなかったので、今後、自分の洋服選びのときにも襟の捉え方が変わりそうです。
男性と女性とでは形も選び方も違うと思いますが、襟選びの大切さは一緒です。
第一印象にも大きく影響する、シャツの襟にも、今後きちんと配慮しながら夫のコーデを手伝っていけたらと思います。