40代を過ぎてくると、アリストンなどの良いスーツをふだんから着こなしてみたい、と思う人が増えているようです。
憧れは、サッカーの三浦知良選手。
年齢を増すごとに、風格も増してきた彼は、ゴッドファーザーのような品格と、剛健だけではない柔らかさを兼ね備えています。
しかしアリストンは高級ブランド、経済的に少し気おくれがしてしまう・・・というあなたに朗報です。
オーダーと言っても、一からすべてを作るフルオーダーだけがオーダーではありません。
この記事では、賢いオーダーの選択やお薦めするアリストンの生地をご紹介します。
アリストンとは
1920年にインパラート社によって設立されたアリストンは、自社で毛織物の工場を持たないマーチャントながら、イタリアの高級アパレル業界で絶大な信頼と支持を得ている老舗ブランド。
生地ブランドにはミルとマーチャントがあり、ミルは毛織物工場のこと。
自社で糸から生地を製造しているブランドのことで、イタリア語のラニフィーチョと同義語です。
マーチャントは毛織物商社のことで、自社で生地作りは行っておらず、生地屋さんのようなものです。
現在は、100年以上続く老舗ブランドの場合、ミルでもマーチャント業務を行っていたり、マーチャントでもミルを傘下に抱えていたりするなど、その線引きは曖昧になっているとのこと。
だから、ミルとマーチャント、どちらを選んでも、品質にはそう大差はありません。
ミル系ブランドで有名なのは、カノニコ、ゼニア、アニアナ、ロロピアーナ、日本ではミユキなどです。
マーチャント系ブランドで有名どころなのは、ドーメルやスキャバル、そしてアリストンなど。
アリストンはメインサプライヤーとして、カルロ・バルベラ、セルッティ、ロロピアーナ、マルゾット、イー・トーマス等を選んでおり、高級アパレルメーカーのアットリーニやキートン、イサイアの生地として取り扱われています。
このことからも分かるように、アリストンが取り扱い、扱われるメーカーは、非常にレベルの高い、最高級ブランドばかりが結集されています。
それが、マーチャントでありながら、イタリアで絶大な支持を得続けている理由です。
オーダーと既製品の違い
スーツを買おうとするとき、既製品にするか、半既製品にするか、色々と考えると思います。
既製品の特徴は、何と言っても価格が手に届きやすいというところ。
そして、待たずにその場で購入できるのも魅力です。
既製品のスーツはサイズが決まっており、特定のサイズで量産するので、低価格が実現しています。
工場で大量生産しているため、原価は驚くほど安く、激安スーツとして販売しているスーツもあるほどです。
デザインから縫製まで、専門の業者が行って小売店に卸すシステムですが、紳士服専門店のように、自社で有名ブランドとライセンス契約を交わし、独自ブランドとして販売し、差別化を図っている会社もあります。
既製品のデメリットは、フィット感に限界があることです。
オーダー品が自分の身体に限りなくフィットする出来なのに対し、既製品は微調整に制限があります。
オーダーの手間ひまを省いて低価格に押さえることができる分、フィット感には妥協しなければならないというのが、既製品のメリットでありデメリットであると言えるでしょう。
現在ではインターネット上だけで完結する通信販売のスーツも人気とのこと。
サイズを自分で測り、入力するだけでスーツが手に入ります。
インターネットでスーツを購入するメリットは、低価格、ネット限定品がある、品数が豊富である、などがありますが、注意しなければならないのがサイズです。
インターネットでのスーツ選びは試着が出来ないのが最大のデメリットでしょう。
ネット上のサイズ表を見て、自分の該当するサイズを選択するわけですが、それにはまず、自分のスーツのサイズを知る必要があります。
特にウエストは、男性のサイズの中で、最も変動の大きい場所です。
ウエストは昔のデータではなく、その都度測るようにしましょう。
ウエストサイズは、通常ベルトを締めている位置より少し高めの位置を測るようにするのがポイントです。
身長とウエストを把握しておくと、インターネット通販でも、店舗で既製品を購入する際にも、買い物がしやすくなります。
イージーオーダーとは
スーツを作るには、いくつかのパーツに分かれた型紙を組み合わせます。
イージーオーダーは、既存の型紙の中から自分に合うものを選び、組み合わせて作る方法です。
既成の型紙は100種類以上あり、標準体型ではない人でも、自分の体型に合ったスーツを作ることが出来ます。
デパートなどに入っているオーダーメイド店は、ほとんどがこのイージーオーダーか、パターンオーダーのどちらかです。
工場の持つ型紙が100種類~500種類以上、工場によってはそれ以上持っているため、既製品ではしっくりこない人も、イージーオーダーなら自分のサイズに合ったスーツを作ることが可能です。
価格帯は大体5万円からと、フルオーダーよりはかなりお得に作ることが出来ます。
スポーツをしていて胸板が人より厚い、腕や足の筋肉があって太いという人や、おなか周りや背中が太めで既製品だと窮屈だという人におすすめです。
パターンオーダーとは
初めてオーダースーツに挑戦する人にお勧めしたいのが、パターンオーダーです。
パターンオーダーは、既製のスーツの型紙の中から、自分のサイズに一番近いものを選び、その型紙で作るスーツのこと。
既製品との違いは生地を選べることです。
体形が標準体型なら、こちらもとてもお得。
ウエストや腕、足の太さ、肩幅などの細かな調整はできませんが、値段も2万円台からと、かなりお手頃です。
最近では高級化が進み、有名ブランドと提携した高額商品も登場しています。
フルオーダーとは
その人のサイズを測って型紙を作り、それをもとにスーツを作るオーダーシステム方法です。
人にはそれぞれ身体のクセがあり、右肩が少しだけ上がっている人や、肩が内側寄りに入っている人、背中がそり気味の人など、本当に様々。
フルオーダーは採寸して一から型紙を起こすため、そういった一つ一つの体のクセに対しても、全てにおいて指定が可能です。
ただし、その分手間と時間がかかるため、値段も平均18万円からと高額になります。
フルオーダーでも、ある部位は職人による手縫い、ある部位は工場による機械製法でしているお店と、完全に職人による手縫いで仕上げているお店があります。
価格もそれによって左右してきますので、作る前に、そのお店はどんな工程で作業するのかを確かめておくのも一つの大事なポイント。
既製品のスーツを購入するにしても、オーダーで作るにしても、気になるのは、生地とデザインです。
デザインはある程度トレンドがあり、ブリティッシュ型やアメリカン型、イタリアン型などから好みのモデルを選ぶことができますが、生地は、光沢やなめらかさなど、素材によって出来上がりをかなり左右するため、とても重要。
今回はアリストンをオススメしますが、なぜアリストンなのか、生地の特徴でご説明します。
アリストン生地の特徴
アリストンの生地の特徴は、他のブランドにはなかなかない、色や柄を取り揃えていること。
発色の良さや肌触り、特殊な混紡による素材感、特にSuper130’s以上の高い番手のウールを使用して織り上げた生地は、きめ細かく滑らかな光沢感を実現しています。
そのため着用する人がストレスを感じず、仕事に集中できる、本当の意味での最高級なスーツが作れるのです。
ほんの数年前まで「知る人ぞ知る」と言われていたアリストン。
2011年頃から著名人たちが着るようになり、じわじわと人気が高まってきましたが、2016年に入って、春夏の生地からアリストンを扱えるテーラーが国内60店舗限定になりました。
そのため、日本では希少価値の高い高級ブランドに。
人と差をつけたい人には、まさにオススメのブランドです。
高級ブランドの生地と遜色のない、ものによってはそれ以上の手触りとなめらかさで、その品質の良さを世界に認められているアリストンの生地。
しかし、アリストンの魅力はそれだけではありません。
ゼニアなどの高級ブランドと同じレベルの高品質や、エレガントな雰囲気を保ちながら、ゼニアよりもリーズナブルに手に入れられることが、人気の一つになっています。
また、用途によって多彩な生地を揃えていることも人気の理由。
ビジネスユースのスーツ用だけでなく、結婚式や公式行事などの華やかなイベント用生地も豊富に取り揃えており、独特な光沢感は周りの人との差別化を図れます。
ジャケットの生地も多彩で、他にはない色柄は、イタリアの伊達男のような粋なジャケットを作ることができ、人とは違ったジャケパンスタイルをしたい人にピッタリです。
アリストンのビジネススーツの生地ご紹介
4STAGIONIはオールシーズン着られる優れた生地です。
100%ウールでSUPER130’Sの番手、ダブルツイスト。
ダブルツイストとは、経糸と緯糸に双糸を使用しているツイル生地のことです。
1本の糸が2本の糸から作られていて、その糸で生地が織られているため、通常のものよりもシワになりにくいという利点があります。
ご紹介する生地の画像の上に英数字がありますが、これはアリストンが実際に振っている生地の番号です。
店舗でスーツを探す時にご活用ください。
ストライプ
アリストンには、いったい何種類のストライプがあるのでしょう。
ここにご紹介するのは、本当にほんの一部です。
全てをご覧いただけないのが、本当に残念です。
今年は太めのストライプも流行るとの噂。
アリストンのストライプは要チェックです。
福岡のbespoke SUIT 110というお店では、しっとりとしたアリストンのストライプスーツを紹介しています。
そして、アリストンのストライプ生地のラインナップがこちら。
A811-79
アリストンのストライプは、ラインの綺麗さで有名です。
A811-302
A811-120
ネイビーの生地にブルーのライン。
とてもスマートですね。
A811-108
こちらはより細いライン。
遠目に見ると、生地の滑らかさを強調出来ます。
A811-65
A811-286
交互の織の違いで表現された、ストライプ。
上品です。
A811-232
A811-36
A971-31
A913-91
この手のストライプが、今年のストライクゾーンに入って来る予感。
無地
基本はやっぱり無地。
無地の生地こそ、布のうねりや光沢、しなやかさがダイレクトに分かり、本当の価値が現れます。
bespoke SUIT 110のアリストンの無地のスーツ。
とても素敵ですね。
このスーツの生地に使われているのがこちら。
A913-146
薄くて軽そうな、ちょっとピンクが入ったネイビー。
A811-190
A811-294
一口にネイビーと言っても、これだけの選択肢。
A811-80
A811-02
A811-05
A811-233
無地でも織の違いで表情が変わります。
A811-57
A971-36
チェック
洒落者なら1着は持っていたいチェック。
どんなシャツ、どんな靴を合わせるかが、腕の見せ所です。
再びbespoke SUIT 110さんにご登場願います。
ブルーがダークトーンなので、チェックのお洒落さは残しつつ、落ち着いた雰囲気のジャケットです。
bespoke SUIT 110 公式サイト:http://www.suit110.com/
A811-157
落ち着いたチェック。
チェックの中でもトライしやすい柄です。
A811-158
A811-53
A811-275
A913-54
A913-114
A913-102
ちょっとお洒落感のある、ワンランク上を感じさせるチェックです。
A913-127
A913-98
もっと生地が見たい!という人は、アリストンの公式サイトをご覧ください。
(ログインするためには、無料登録が必要です)
アリストン公式サイト:http://www.aristonfabrics.com/index.html
まとめ
スーツのつくり方の違いやアリストンの魅力についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
この記事では、以下のことをお伝えしました。
・アリストンはイタリアでは有名な高級ブランドの一つ
・既製品スーツとイージーオーダー、パターンオーダー、フルオーダーの違い
・アリストンの生地は希少価値が高く、ゼニアと並ぶ最高級である
・オールシーズンのスーツ生地のご紹介
アリストンはゼニアと同じ最高級の品質でありながら、ゼニアよりもリーズナブルに購入できてとてもお得です。
そのうえ生地の種類も豊富で、ちょっと他にはないような色や柄を見つけることが出来ます。
そろそろいいスーツを普段から着てみたい、というのでしたら、ぜひ、アリストンを試してみることをオススメします。