もうすぐ夫の誕生日。
何がいいか、いろいろ悩んだ挙句、ジャケットをプレゼントすることにした。
しかも、オーダーメイドの。
ジャケットでオーダーメイドなんて、ちょっと贅沢でしょ?
生地はもう決めてある。
高級なのに、なぜかお手頃価格なカノニコ。
本当はゼニアとかで作ってあげられたらいいんだけど、まぁ見かけがゼニアと似てるっていうことだし、手触りだってゼニアに負けてないっていう評判だから、主婦には嬉しいブランドよね。
カノニコってある程度高級ってことは知ってるけど、どのくらいのレベルなのかしら?
それに、お手頃価格と言っても、どのくらいから作れるのかしら。
やっぱり具体的な価格は、主婦には気になるところよね・・・。
カノニコでジャケットを作ることに決めたあなたは、非常にやりくり上手な方とお見受けします。
カノニコは生地が最高級ブランドと並ぶ高品質であること、価格がお手頃なことはご存知の通りですが、この記事ではさらに、カノニコというブランドについてもう少し詳しくご紹介します。
カノニコについての詳細を知ることで、安心してオーダージャケットを作れますよ。
カノニコ・オーダージャケットの価格
カノニコのオーダージャケットの魅力は、高品質で低価格というところ。
既製品では手に入れることのできないフィット感を、5万円前後で実現できます。
なぜカノニコは低価格なのかといえば、ひとつには原毛の買い付けから紡績、機織、染色そして仕上げまでと、一貫して自社で行うミルであるということ。
ゼニアもミルですが、ゼニアはsuper130’sを標準にしているのに対し、カノニコはsuper110’sを標準としています。
この数値に関しては後で詳しく述べますが、数値を落としている分、モヘア混を多めにして光沢を出す工夫を施し、モヘア自体もキッズモヘアを使用するなどのこだわりを持っています。
また、super110’sはデイリー使用にピッタリな、耐久性に優れたビジネスユースな生地。
カノニコは、普段使いでちょっと上質感を求める人にピッタリなブランドです。
ただし、気をつけなければならないのは、お店によっては、「本当にカノニコ?」と思われるような品質のものを置いている可能性があること。
カノニコの低価格生地の中には、そうしたものもあるそうです。
信頼のおけるお店なら、高品質のカノニコしか取り扱わない、という理念の下に仕入れていると聞くので、安心とは思いますが、オーダーする前にはきちんとそのお店のテーラーと話をしてみる必要があります。
もし事前に足を運ぶのが難しくても、きちんとしたお店なら自社のホームページを作っています。
ホームページで生地やオーダーの紹介をしていますから、チェックすることをお勧めします。
カノニコは数あるブランドの中でも、ハイクオリティーかつリーズナブルに、生地を提供しているブランドです。
そのカノニコの真価をよく理解している、信頼出来るお店でオーダーしたいものです。
カノニコとは
1663年創業のカノニコ(CANONICO)は、織物商と靴職人からスタートしました。
着々と事業を拡大し、産業革命の頃には、いち早く機械化を取り入れていた別企業と提携するなど、精力的に手を広げていきました。
1900年代に入ると電力の供給が始まり、工場も更に設備を充実していきます。
1915年には南北アメリカ、イギリス領インド諸島、中国への輸出も開始、その後工場も順調に増え続けています。
世界大恐慌を経て、第二次世界大戦の頃、経営者の世代交代があり、企業は更に発展しました。
まさに、時代の流れと共に躍進してきたブランドです。
2013年、350周年を迎え、今や世界にその名を知らしめるカノニコ。
現在もハイクラスのテーラーメイド・ファブリックを創造し続けています。
カノニコの生地
現在世界40か国以上に輸出しており、ヒューゴボス、バーバリー、アルマーニなど、世界でも有数の高級アパレルで使用されています。
生地の特徴は軽くてなめらか、光沢がある上、イタリア生地ならではの発色の良さも兼ね備えています。
特筆すべきなのは、高品質のわりに低価格なこと。
その質の良さは、近年イタリア生地の最高峰と言われる、高級ブランドゼニアで取り扱われていることからもうかがい知ることが出来ます。
カノニコの生地は主にSuper 110’sで織られています。
「Super」は生地の品質を表すもの。
数字が大きくなればなる程、糸が細くて生地が薄くなり、繊細になります。
繊細さで知られるロロ・ピアーナの番手はSuper 130’s~190’s。
ゆえに最高級と言われるのですが、生地が薄いため耐久性に弱いというデメリットもあります。
Super 110’sが主流のカノニコの生地は、デイリーユースで着用できるスーツとして多くのファンを魅了する耐久性を持ち合わせています。
例えばカノニコの2016年春夏の生地は、super110’sですが、ざっくり感のある、太い繊維であるモヘアとウール素材を混紡することで、ウールのしなやかさを保ったまま耐久性、弾力性やシワのできにくさを実現。
更に素晴らしいのは、シルクに勝るとも劣らない、光沢感を出すことに成功していること。
糸の番手は押さえながら、混紡を工夫することでコストパフォーマンスの良さを実現しています。
カノニコの「モヘア・クワトロ」は、“4シーズン着用可能な服地”をコンセプトとしています。
このシリーズの生地は、全体のおよそ4分の1がモヘア混。
高いクオリティーのこの生地は、欧州諸国をはじめ、日本でもとても人気があり、春夏を中心とするオールシーズン着用のコレクションです。
カノニコの春夏といえばABITO&GIACCA。
今年は「ラスティック・トロピカル」シリーズが新しく加わり、日本の蒸し暑い夏には嬉しい、軽量で薄手のコレクションが増えました。
また、「メッシュ・ジャケット」は、その名の通りメッシュ素材で出来ており、夏のビジネスシーンで大活躍する一品。
すぐれた通気性と抜群の防シワ性があり、イタリアらしい発色も充実しています。
夏はジャケットを脱いで持ち歩く機会も多いもの。
防シワ加工のおかげで、夏の終わりまで型崩れすることなく着用できます。
また、最近の夏の傾向となっている突然のゲリラ雷雨で濡れてしまっても、通気性が良いので早く乾燥し、シワにもなりにくいので助かります。
グラン・クリュ1663
カノニコの350周年を記念して作られた、スペシャルな生地、グラン・クリュ1663。
ベルルッティ社のみに独占生産しているという、この類い稀なる生地は、ごく希少なオーストラリアの羊、サクソン・メリノを使用。
しかも、選び抜いた肥料を使い、細心の注意を払って、自社で飼育して得たフリースを用いています。
1メートル200gという繊細な糸は、高級感とパフォーマンスの融合に成功、しなやかな肌触りと着心地を約束します。
張りを持たせるために3糸(!)でバランスよく撚りをかけたというツイル仕上げは、何年も着られる丈夫な使用。
しかも、耐久性が良いばかりでなく、繊維の優しさを損なわないよう、締め付けすぎないように敢えてゆるめで撚っています。
ワンランク上の着こなしを求めるビジネスパーソンにとって、理想的ともいえる着心地と、見ただけで違いの分かる高品質なジャケットに仕立て上げられるでしょう。
カノニコのジャケット生地
では、実際の2016年春夏最新のカノニコのジャケット用生地をご紹介します。
<ホップサップ・ブルー>
ホップ撒布は夏用の生地で、数種類の繊維をミックスしたことから作られる独特な表面が、若々しい印象を与えます。
シワや摩擦に対応するため、全て純毛で織られ、3重構造で弾力にもよく富み、耐久性に優れています。
安定感のあるブルーが、織りの素材感の醸し出す活動的な雰囲気とマッチし、スポーティーにもビジネスにも使用可能です。
<ダブルフェイス・スポーツジャケット>
この春夏の新製品です。
珍しいリバーシブルのこの生地は、ほとんど目に見えないくらいの繊細な糸を使用し、ウーレン生地を貼り付けています。
2枚の生地を貼り合わせているにも関わらず、メートルの重さはわずか370g。
温かみのあるカントリー調で、クラシックな重厚感のある見た目とは裏腹に、裏地を全く用いない、軽いジャケットを作ることが出来ます。
<ミルド・ツイード・ジャケット>
アイルランド・ツイードの持つ適度な無頓着さを持つ、見る度ツイード・ジャケットは、ダイナミックで伝統の強さを知る男性のためのテキスタイル。
経糸のウーレン糸に、緯糸の生き生きとしたネップが重なり、草原の花々や森のきのこ、湖の水面の落ち葉のように広がるようです。
平織で抑えられた重量に加え、高級ウールが醸し出す柔らかな手触り、魅力的なナチュラルカラーは、季節を越えてオン・オフともに活躍するでしょう。
カノニコのジャケット
カノニコについて、いろいろと知っていただいたところで、いよいよカノニコのジャケットをご紹介します。
もっと詳しく知りたい!というあなたは、ぜひ、お店に足を運んで実物を手に取ってご覧ください。
実際に手に触れて、その滑らかさを体験すると、画像とはまた別の感動が味わえます。
軽やかな生地で仕立てられた、落ち着いたチェック柄のジャケット。
ポケットに注目。
ハンドメイドの丁寧な仕上げです。
inに着ているのはデニム生地のシャツでしょうか。
ジャケットは、オンにもオフにも使えるのが最大の強みです。
冬用素材のジャケット。
クラシカルな感じが落ち着いた印象を与えます。
チーフで工夫すれば小洒落た感じに。
普通のグレーのスラックスでも、チェックのジャケットを合わせると、とたんにオシャレな雰囲気になりますね。
今年はクラシック回帰でダブルのジャケットが流行りそうな予感。
シャツは第2ボタンまで外してラフな演出をしています。
夏のオフシーンの装いに真似したいコーディネート。
こんな装いの旦那様と、10周年記念のデートはいかがですか?
こちらもダブル。
ブルーは今年の流行り色なので、ブルーグレーでしかもダブルとは、まさにドンピシャですね。
カラフルな夏らしいシャツと、アイボリーのハットを合わせた、粋なコーディネート。
さりげなく胸ポケットにさりげなくかけたサングラスの柄は、是非真似したい上級者のオシャレ。
個性的なストライプのジャケパン。
ダークな色合いとストライプで、スレンダーな印象を与えています。
今年は太いストライプも流行るので、ストライプも要チェックです。
ネイビーのジャケットはやはり王道。
グレーのパンツに白いシャツという、最もスタンダードな組み合わせにすんなり馴染みます。
ベルトと靴に、黒ではなくこげ茶を持ってきているあたり、トラッド感を高めていますね。
まとめ
カノニコについてと、カノニコのジャケット用生地、そしてジャケットを用いたコーディネートなどをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
カノニコは糸の番手や混紡を工夫して、高品質でしかも低価格を実現している、非常に良心的なブランドです。
デイリーユースに耐えうる生地は丈夫で軽く、シルクのような光沢感を味わえます。
手触りも滑らかで、アルマーニやバーバリーの製品が、カノニコの生地によって織られているというのも、何よりカノニコが高級メーカーから信頼されている証拠。
特に350周年の記念に作られた特別な生地と同じ時間に居合わせ、その生地でジャケットをオーダーできるというのはとてもラッキーなことです。
旦那様へのオーダージャケットを作るなら、信頼のおけるお店で作ることをオススメします。
なぜなら、残念ながら、安価というだけで生地をよく見定めずに仕入れてしまうお店もあるという事実があるからです。
良心的なテーラーのいるお店は、カノニコの真価を良く知り、カノニコの生地の中でも、高い品質のものしか取り扱わないとのこと。
特に大切な人への誕生日のプレゼントとしてお考えなら、お店を良く調べて、この世にたった一つのジャケットを作ることをご提案します。
旦那様はオーダージャケットというビッグプレゼントに胸躍り、奥様はお財布への打撃が少なくて、しかも妻の格も上がりホクホクです。
さあ、二人で連れ立って、デートを兼ねて、オーダー店へ出かけましょう。