肌寒くなってくると、ファッションも秋冬物が主役になってきますが、秋冬用のジャケットとしてオススメなのがツイード生地を使用した、ツイードジャケット。
ツイードとは元々、スコットランド産の羊毛から作った太めの糸を使用し、平織り、あるいは綾織された厚手の織物生地ですが、
保温性が高く、またその質感と外観がマッチすることから、秋冬の定番の素材として人気です。
そんなツイード生地を使用したジャケットは、秋冬のメンズコーデにもピッタシ。
そこで今回は、世界からオススメのブランドを5つピックアップし、私見ではありますが、ランキング形式で紹介するので、あなたのツイードジャケット選びの参考になれば幸いです。
ツイードジャケットランキング
ピックアップした5つのブランドは
・SHIPS
・Harris Tweed
・Ralph Lauren
・Lardini
・Boglioli
・Harris Tweed
・Ralph Lauren
・Lardini
・Boglioli
イタリアンブランドが中心ですが、日本とアメリカのブランドも混じっていますね。
それでは、それぞれのブランドについてお話していきます。
5位 SHIPS
SHIPSはBEAMS, UNITED ARROWSと並んで「日本の三大セレクトショップ」と称されるセレクトショップ。
SHIPSは1952年に上野のアメ横にて「三浦商店」として出店されたのが始まりで、その後現在の代表である三浦義哲氏が1977年に”SHIPS”1号店を銀座にオープンしました。
国内の他のセレクトショップが多店舗経営に注力し、若年層のラインナップに展開するところ、SHIPSは全国各地の店舗数を80前後に留め、大人向けのデザインの品ぞろえに拘っています。
そんなSHIPSからオススメなツイードジャケットがコチラ。
このジャケットのポイントは何と言っても、90年以上の歴史を持つ、イタリアの高級生地ブランド”LORO PIANA”の生地が使用されている点です。
LORO PIANAは繊維の生産から、糸の紡績、生地の織り上げまで、全てを一貫して自社で行うメーカーでして、その質は世界を代表するKITONやBRIONIといった高級スーツブランドも、生地に採用するほどです。
そんなROLO PIANAがプロデュースするのが本製品に使用されている、”Dream Tweed”と呼ばれるツイード生地。
ウール繊維の細かさを示す世界標準規格のスーパー表示は”120’s”で、1本の糸に対して2本の繊維を編み合わせた束を2本する”4PLY”製法を採用することにより、他のツイード生地よりもしなやかで、柔らかい仕上がりになっています。
一般的なツイード生地は、堅くて重いのがデメリットと言われがちですが、本製品はそういったデメリットを無くし、従来のツイード生地よりも薄め織られたDream Tweedを使用することで、軽くて柔らかいジャケットに仕上がりました。
また、Dream Tweedを使用したオーダージャケットは、およそ7万円~8万円の相場と言われているところ、本製品の価格は59,400円となっており、Dream Tweedのジャケットとしては、お手頃な価格設定となっています。
4位 Harris Tweed
Harris Tweedはしばし「ツイードの王様」と称される、有名なツイード生地メーカーです。
Harris Tweedは、ツイード生地の起源であるスコットランド北部、アウター・ヘブリディーズ諸島のウールを、現地の職人が人力織機を使用して織っているのですが、この製法は100年以上続いており、今でも「ハリスツイード協会」による品質管理が行われています。
Harris Tweedの特徴としてしばし挙げられるのが
・ツイードらしい「硬さ」と「ゴワゴワ感」
・10年以上、着続けることができる「耐久性」
「硬さ」と「ゴワゴワ感」は否定的に捉える人もいるかもしれませんが、これこそがツイード本来の質感であり、手織りの温かみが感じられる質感として、ツイードファンを魅了しています。
またHarris Tweedは耐久性に優れているため、定期的なクリーニング、そして裏地の張り替えなどメンテナンスを行えば、自分から子供へと引き継ぐこともできるのです。
尚、Harris Tweedはあくまでも「ツイード生地のメーカー」であり、ジャケット等のアパレルブランドではないので、Harris Tweedの生地を使用したジャケットというのは、メーカーを問わず存在します。
例えばこちら。
こちらは国内セレクトショップのBEAMSから売り出されているものですが、テーラードジャケットと、フライトジャケットのデザインがミックスされており、フォーマル過ぎず、カジュアル過ぎないデザインのバランスが特徴です。
続いてEddie Bauerより、Harris Tweed生地を使用したジャケットを紹介。
Eddie Bauerは1920年にアメリカのシアトルで創業したファッションブランドです。
創業者のEddie Bauer氏は元々スポーツ用品店を運営しており、登山用のダウンウェア等、アウトドア向け製品のラインナップを強みとしています。
上記のジャケットも、プリーツの入った胸ポケット、背面のたたき付けベルト、襟元のストラップなど、「スポーツジャケット」を意識したデザインになっているとのことです。
3位 RALPH LAUREN
RALPH LAURENは1939年創業の、高級スーツや、ポロシャツ等のメンズファッションで知られるアメリカ発のファッションブランド。
創業者のラルフ・ルーベン・リフシッツはブルックス・ブラザーズでセールスマンとしての経験も持ち、後にネクタイ店「ポロ」をオープンしました。
婦人服も手がけるようになった後、1970年代には映画「華麗なるギャッツビー」や「アニー・ホール」でRALPH LAURENの服が着用されたことをキッカケにブーム。
それからは1980年代にはパリ、ロンドン、2000年代には日本にも進出し、2009年にはRALPH LAUREN株式会社が設立されました。
もちろん、本国のアメリカでも 1992年に、ファッションデザイナー協議会からの賞を4つ獲得したり、高級店ばかりが並ぶニューヨークの5番街にフラッグシップ店をオープンしたりなど、人気の高い高級ブランドとして浸透しています。
そんなRALPH LAURENから紹介したいのがコチラ。
スリムなシルエットと、程よくカジュアルデザインが特徴の一着。
生地はRALPH LAUREN特注のアイルランド産のウールツイルとのことです。
ジャケパンコーデのように、別パンツとの組み合わせ用を意味する「スポーツジャケット」タイプとのことでチノパンと合わせればキチっとしたコーデに。
ジーンズと合わせれば、休日の大人コーデに仕上げられるでしょう。
2位 Lardini
創業者のルイジ・ラルディーニは、18歳の時にメンズウェア製作の道へ入りました。
その後、父の財政面のサポートや兄弟の協力もあり1978年に仕立屋をオ−プンし、数年の間に顧客は増え、その中には国際的な著名人の名前も入っていたとのことです。
会社が発展した後も家族での体制は変わらず、ルイジは服のデザインを、兄のアンドレアはコンピュータエンジニアリングを学んだ経験から生産体制管理等の技術面を担当、姉のロレーナは経営と財務を管理したとのこと。
尚、現在ラルディーニでは通常のメンズウェア以外に、以下のラインを掲げています。
-英国風を意識した「ガブリエレ・パシーニ」
-国際的に有名なデザイナーニック・ウースター氏とのコラボレーションによって生まれた「+ラルディーニ」
-「天候に応じて個性や外観を変化させる=リバーシビリティ」をコンセプトにした、「RVRラルディーニ」
そして本日、ラルディーニは日本、韓国、ロシア、忠告、アメリカ等の国々の高級デパートなど550の店舗に販売網を持つブランドへと成長しています。
そしてラルディーニからオススメしたいツイードジャケットはこれ。
ガンクラブチェックの柄が特徴のツイードジャケットですが、ウールのネクタイと合わせるのもオススメ。
また生地の性質上、重くなりがちなツイードジャケットですが、このジャケットは裏地が無いため、軽い着心地も特徴です。
そして”EASY”と名付けられた、こちらのシリーズもオススメしたいところ。
こちらも同様に裏地が省かれており、着心地が軽く、気軽に羽織ることができます。
1位 BOGLIOLI
BOGLIOLIは1890年創業の、イタリアを代表するメンズウェアブランド。
「クラシック&モダン」をコンセプトに2003年には「Kジャケット」、2008年には「ドーヴァ」といったヒット作のジャケットを作りだし、世界でトップレベルのブランドとして認知されています。
「Kジャケット」は、縫製などを終え、製品が仕上がってから最後にジャケット全体を染める「ガーメントダイ」と呼ばれる手法を採用し、当時の常識を覆す製法によりできたKジャケットに人々は衝撃を受けた、とのことです。
「ドーヴァ―」は肩パッドを省き、全体のシルエットも丸み帯びた形にし、全体の色合いもガーメントウォッシュ法を採用することにより、適度に使い古した雰囲気を演出しています。
これはガーメントダイやガーメントウォッシュと言った型破りの手法を採用し、当時は前例のなかったドレスダウンされたテーラリングスタイルとしてBOGLIOLIのジャケットは一躍有名になりました。
そしてツイード生地はBOGLIOLIの得意分野。
こちらはBOGLIOLIの代名詞でもある「ドーヴァ」の新シリーズである「ニュー・ドーヴァ」です。
従来のシリーズよりも背幅の分量を増やし、肩パッドや芯地といったパーツを省いたアンコン仕立てにより、着心地、動きやすさが向上しました。
こちらのKジャケットも見逃せない一着で、複数の色がヒューチャーされたチェック柄のツイードジャケットになります。
また近年の新しいシリーズである「RETFORD」もオススメ。
上襟と下襟が接する、ゴージラインが高い位置に設定されているため、身長を高く、スリムなスタイルに見せる効果があると言われています。
またツイード生地でカジュアルな雰囲気を出しつつ、白黒のモノトーンによりシャープな一面も秘めており、BOGLIOLIでも珍しいデザインのようです。
質感を合わせてウールパンツと合わせるのはもちろんですが、コットンパンツやデニムとの相性も良い一着です。
ツイードジャケットに合わせるオススメのアイテム
オススメのツイードジャケットブランドを5つ紹介しました。
ジャケットが決まったら、合わせるインナーやパンツも、ツイードジャケットに似合う物を選びたいですよね。
そこでインナーとパンツについても、いくつかピックアップしたので紹介します。
これで全身、秋冬のコーデはバッチシのはずなので、参考にしてみてください。
インナー
まずオススメしたいのがシャツ。
シャツの中でもチェックシャツは、ツイードジャケットのカジュアルな雰囲気とマッチして相性が良いです。
ちなみにこちらのシャツはトルコのシャツ地メーカー”SOKTAS”のフランネルチェック。
襟にキーパーが入っており、形が崩れにくくなっているのがポイントです。
また、チェックだけでなく、無地のシャツも相性が良いですね。
そして、シャツ以外ではウールニットはいかがでしょう。
ウールニットはツイードと同じく秋冬の素材として人気で、ツイードとの相性がよく、秋冬にマッチしたコーデに仕上がります。
近年はタートルネックタイプも人気ですが、クルーネックタイプもシャツ等との重ね着がし易くてオススメです。
また、保温効果も高いので、外観のみならず実用面でもメリットがありますね。
パンツ
ジャケットとインナーが決まったら、最後はパンツ選び。
おすすめはまずネイビーパンツ。
ネイビーでオススメなのが、PT01の”WINTER TRAVELLER”。
PT01はイタリアのパンツ専業メーカーですが、デザイナーが上記でも紹介したBoglioliでのデザイン経験を持つMario Stefano Maran氏を招き入れており、細身のシルエットと履き心地の良さが売りと言われています。
尚、WINTER TRAVELLERは縦、横の2WAYストレッチとのことで、快適に過すことができるとのこと。
また履いていて収縮性が高いということは、シワになりにくいというメリットにも繋がり、出張等でトランクに入れて持ち運んでも問題ないことから、”Traveller”の名が付けられたようです。
ネイビー以外にもベージュ系もマッチするでしょう。
こちらは同じくPT01の「FORWARD」シリーズ。
ワークパンツをベースに、大人っぽさを醸し出す、強い過ぎないウォッシュ加工に拘った一着とのことで、シルエットも細身でキレイなスタイリングになります。
そしてもう一つ紹介したいのが、デニム。
デニムはドレスダウンコーデにピッタリで、ツイードジャケットのカジュアルさとの相性が抜群。
特にオススメなのが、イタリア産デニムのJacob Cohen。
Jacob Cohenのコンセプトは「仕立ての良いテーラードジャケットに合わせるジーンズ」とのことですから、ジャケパンスタイルにはピッタリ。
上記画像の” J622 LIMITED”の特徴ですが、
元々履き古しによる生地の伸びがほとんど無いと言われているJacob Cohenのデニムですが、本製品では生地に競技用水泳儀にも使用されている「エラストマルチエステル」が混じっており、従来の生地の耐久性をキープしつつ、ストレッチ性の向上に成功しています。
また、Jacob Cohenはウォッシュ加工技術が世界トップレベルと言われており、J622でもヒップ部分のフェイド具合は本物の洗い落ちとしか思えない仕上がりに。
そしてJacob Cohenの製品にはオリジナルの香水がふりかけられており、インド原産の植物である「パチュリ・パチュリー」がベースになっている香りとのこと。
尚、この香水は非売品ですが、本製品にはJacob Cohenのロゴ付きのボトルに入って付属します。
まとめ
以上、ツイードジャケットについて、5つのオススメブランドと、ツイードジャケットに合わせたいインナーとパンツについてご紹介しました。
紹介したブランドは
・「日本三大セレクトショップ」の一つと呼ばれるSHIPS
・ツイード生地らしい厚さと、手触り感が特徴のHarris Tweed
・アメリカ発の高級ファッションブランド、RALPH LAUREN
・イタリアンブランドで外観と着心地を両立したLardini
・独自の手法により、「Kジャケット」や「ドーヴァ」といったヒットジャケットを世に送り出したBOGLIOLI
SHIPSは国内の商業に施設に店舗を展開しており、割と身近にお店があるので休日に気軽にチェックしにいけるのではないかと思います。
Harris Tweedのツイード生地はジャケットのみならず、財布、バッグといったアパレル以外の製品にも使用されているほど人気で、一着目のツイードジャケットを探している人には、定番でオススメです。
ラルフローレンは、ブルックス・ブラザーズと並ぶアメリカの高級ファッションブランドで、こちらも間違い無しの一品。
Lardiniは40年近い歴史を持つイタリアンブランドで、今でも手作業での生産にこだわっているのですが、職人の手作業によって作られたジャケットは着心地が非常によく、他メーカーのものとは、ひと味もふた味も違うと言われています。
そしてBOGLIOLIは「Kジャケット」や「ドーヴァ」と言ったヒット作品を生み出したイタリアンブランド。
アンコン仕立てとしばし言われますが、肩パッドを省き、ウォッシュ加工を施すことにより、程よい古着感は今でも多くのファンの心をつかんで止みません。
こうしたBOGLIOLIの風合いは、カジュアル感のあるツイード生地と相性がとても良いと言われています。
ツイードジャケットについては以上となりますが、折角なのでツイードジャケットに合わせたいアイテムとしてインナーとパンツを紹介しました。
特にオススメが
・チノパンツはPT01の「WINTER TRAVELLER」シリーズと「FORWARD」シリーズ
・デニムはJacob Cohenの「J622 LIMITED」
の二つ。
これらを組み合わせれば、ツイードジャケットの着こなしが楽しくなるはず。
是非、秋冬のファッションを楽しんでください。