普遍のアイドル、TheBeatlesビートルズのスーツを着てみたい!
熱烈なビートルズファンなら一度は思うもの。
実際私の友人も、ビートルズと同じモッズスタイルのスーツをオーダーで作り、見せてくれたことがあります(舞台衣装を模したので、とても外に着て行けませんけどね)。
ただ、オーダーならともかく、同じような既製のスーツを探しても、ビートルズのようなスーツはなかなか見つからない、というのがほとんどの人の共通意見でしょう。
そんなあなたにご紹介したいのが、オースチン・リード。
何を隠そう、ビートルズはこのオースチン・リードの顧客だったのです。
舞台衣装ではあまり着用していないかもしれませんが、ビートルズの数々のスナップショットには、オースチン・リードのスーツが数多く登場しているかもしれませんよ。
あなたもビートルズが着たのと同じブランドに、腕を通してみませんか?
ビートルズがスーツをトレードマークにした理由
もともとアーリー・ビートルズ時代の革ジャンスタイルから、大々的にビートルズを売り込むため、マネージャーのブライアンが考え出した「ビートルズ・スタイル」。
それこそが、イメージ戦略の先駆けとも言える、「スーツの着用」でした。
もちろんビートルズがヒットしたのは彼らのサウンド以外の何ものでもありませんでしたが、無名の彼らをまず知ってもらうには、イメージから入る必要があるということだったのですね。
ビートルズとマネージャー契約をして2ヶ月後、3月24日にブライアンが彼らを連れて行ったのは、リヴァプールとマージー川を挟んだ対岸にあるバーゲンヘッドの「ベノ・ドーン」というイタリアン・テーラーのお店でした。
そこで購入した初めての舞台衣装としてのスーツが、のちに語り継がれることとなった「ベノ・ドーン・スーツ」。
彼らが有能なマネージャー、ブライアンと巡り合ったのは幸運でした。
のちにジョージは、「スーツを着ることには特に、ジョンとピートが頑なに拒否した。僕だって嫌だったさ。でも、僕たちはもっと仕事をしたかった。そのためには、なにをしなきゃいけないかということに気がついたんだ」と言っています。
また、イメージ戦略とは別に、初めてのラジオの収録を行ったのが、BBCラジオだったということが、ビートルズがスーツを着ることになったきっかけだという声もあります。
ラジオと言っても国営のBBCは、日本でいうNHKのようなもの。
しかも観客を入れてのスタジオ収録だったそうです。
スタジオに入るのにもドレスコートがあり、いくらロックンロールバンドといえども従わざるを得なかったのかもしれません。
しかし、お揃いのスーツを購入しに行ったのは24日で、収録時に着たスーツは、それぞれの自前だったと言います。
ちなみにラジオの収録日が1962年の3月7日、初めてのスーツでのステージが3月24日(ステージ当日に購入したのですね!)なので、収録説の方が本当なのかもしれません。
兎にも角にも、「ロックンローラーは黒い革ジャンにジーンズ」というスタイルの真逆を行く黒のスーツスタイルは、今でいうギャップ萌えが成功したとも言えるでしょう。
細いラペルが特徴?ブリティッシュスーツとは
ビートルズがお揃いで最初に作ったベノ・ドーン・スーツは、ラペル幅がとても狭いことが特徴です。
そもそもブリティッシュスーツは、イタリアの幅広ラペルと比べられることが多いのですが、ラペルのみならずシルエットもスリムなのが特徴。
また、肩パットは厚く、Vゾーンが狭いので、まるで鎧のようなスーツと形容されることもしばしば。
ボタンの位置は比較的高く、高身長の人が着用すると、よりスマートに見えます。
イタリアのスーツと比べると、イタリアの3つボタンは、一番上のボタンがラペルの折り返しで隠れてしまうのに対し、イギリスは3つボタンの上から折り返します。
だから、よく言えばきちっと、悪く言えばちょっと窮屈に見えるのですね。
ブリティッシュスーツといえばサヴィル・ロウのビスポークが真髄とされています。
ブリティッシュスーツは立体的で、テーラードショルダーと呼ばれる角ばった肩と、絞られたウエスト、長めの丈によってできるX字のような形。
このように立体的で、体にフィットするスリムな形を構築的(コンストラクテッドConstructed)と言います。
イタリアのスーツに見られる芯材裏地なしの形をアンコンと言いますが、アンコンはConstructedの否定形(アン)からきた言葉で、構築されていない、リラックスした、という意味です。
また、スーツはその地域の気候によっても左右されます。
イギリスは年中曇っている印象ですよね。
雨や霧の日も多く、多湿な気候のため、自然と目の詰まった重くしっかりとしたスーツが作られるようになりました。
生地の目が詰まっていれば、当然耐久性も高くなります。
イギリスのスーツはよく質実剛健という言葉で言い表されますが、目の詰まったしっかりとした生地で耐久性が高く、肩パッドが入り、ウエストがくびれて体にフィットし、スリムでかっちりとしている、それがブリティッシュスーツです。
最近ではスタイリッシュなモダンブリティッシュスーツも人気で、スペンサーハートやティモシーエベレストなどは若者の間にも浸透していますね。
そして最後に、忘れてはいけないのが「チェンジポケット」。
上着の片方のポケットだけ2つついているスーツをよく見かけますよね。
これをチェンジポケットと言い、ブリティッシュスーツのトレンドマークのようにもなっています(ないものもあります)。
チェンジポケットは、釣り銭や小銭を入れた名残りとも、狩りの際に鉄砲の発射薬を詰めるための容器を収納する場所の名残りともいわれています。
ビートルズ愛用のオースチン・リードについて
オースチン・リードは1900年に設立された老舗の英国紳士服ブランドです。
顧客には冒頭でご紹介したビートルズを始め、ウィンストン・チャーチル、ケリー・グラントなどのそうそうたる顔ぶれが並びます。
また、1994年にはチャールズ皇太子から、翌1995年にはエリザベス女王から「英国王室御用達」を認められ、世界中からブリティッシュトラッドの最高峰として知られるところとなりました。
日本で販売されているオースチン・リードは、株式会社キングのライセンスブランドという位置です。
これからご紹介するのは、イギリスのオースチン・リードの公式サイトの物ですので、日本で見るものとは内容が若干異なるかもしれません。
しかし、源流を見ることで、このブランドのスピリッツをご理解いただけると思います。
オースチン・リードコレクション
まずは、やはりスーツからご覧いただきましょう。
ビートルズの着用したスーツと似たものがあるかどうか、よくご覧くださいね。
オースチン・リードのスーツ
REDコレクションブラックLFLスーツジャケット 105ポンド
ビートルズファンならブラックスーツ、ということで、まずはブラックスーツからのご紹介です。
細いノッチドラペルが特徴的な、シャープなスーツです。
パンツもノータッグでとてもスリム。
フロントは4つボタンとファスナーがついているタイプです。
以下、パンツは別売りでセットになっていますが、いずれもタッグなしでスリムなシルエットなので、こちらでは上着の特徴をご紹介させていただきますね。
バウムチャコールツイルスーツ 279.30ポンド
イタリアの有名なLanificio F.lli Cerruti工場で作られた、プレミアムウールを採用した、チャコールグレーのスーツです。
チャコールの豊かな風合いを出すために、複数の糸を使用しています。
裏地は100%キュプラで肌触りもなめらか。
ウェストミンターネイビーのピックアンドピックスーツ 279.30ポンド
ウェストミンターのプレミアムウールで作られたクラシカルなスーツです。
ピックアンドピック織りで微妙な質感を出した風合いと、体にフィットする形状で、オフィススタイルには欠かせないスタンダードな一着。
ネイビープレーンウエストミンスタースーツ 279.3ポンド
伝統のシルエットとフィット感の軽量スーツ。
使いやすいネイビーは、毎日のビジネスシーンでもヘビロテ間違いなしですね。
ブラウンプリンスオブウェールズ・ウエストミンスタースーツ 314.3ポンド
ウエストミンスターで作られたプリンスオブウェールズ柄の繊細で美しいスーツです。
裏地の深いネイビーともとても良く合っていますね。
ネイビーピンストライプウエストミンスタースーツ 314.3ポンド
イギリスの極細メリノウールから作られた、非常に柔らかなスーツです。
クラシカルなピンストライプは、ビジネスシーンで信頼感を与えてくれます。
チャコール・セトルチェックウエストミンスタースーツ 314.3ポンド
微妙な風合いのグレースーツ。
ブリティッシュ・スーパー100sのウールで作られた新コレクションで、白いシャツを着た時にシャツが映えるよう研究された色調のスーツです。
Paul Costelloeグレースーツ 244.3ポンド
一つ前のグレーとは、また微妙にグレーの色味が異なるスーツですね。
生地はイタリアのPaul Costelloeのもので、裏地がとても洒落ています。
チャコールシャークスーツ 279.3ポンド。
ポケットのカットやシャークスキンの生地がモダンな美しさを醸し出すスーツです。
プレミアムウールを使用。
レッドライトグレージャケット 139.3ポンド
AR REDコレクションのジャケットで、スリーピースとしてセッティングできます。
裏地はRED限定のダイヤモンド・ジャガードで、結婚式やイベントなどにも最適なスーツジャケットです。
Paul Costelloe ストライプスリーピーススーツ 244.3ポンド
クラシカルなストライプのスーツです。
白のラインとグレーのラインが交互に入った柄は、グレーのスーツをよりエレガントに見せてくれます。
バウムラーネイビートラベルスーツ 279.3ポンド
活動的な男性にぴったりな、防シワ加工のスーツ。
ウールとエラスタンを混紡した生地で作られ、ブルーの異なる色調の糸で織られています。
レギュラー・フィットグレー・バードアイ・ジャケット 188.30ポンド
バーズアイの豪華なウールで作られたジャケット(パンツは別売り)。
オースチン・リードカットのモダンフィットブラックジャケット237.3ポンド
現代的でフィット感のあるプレーンなジャケットです(パンツは別売り)。
ウール100%でクラシカルなスタイルは、オンにもオフのジャケパンにも使える汎用性の高いジャケットです。
レギュラーフィットネイビーヘリンボーンジャケット 209.3ポンド
100%ウールのヘリンボーン柄ジャケット(パンツは別売り)。
端正な佇まいで、何にでも合わせやすいジャケットですね。
チェルシースレートブルージャケット 188.3ポンド
スレートブルーのシャークスキン生地を使用したジャケット(パンツは別売り)。
チェルシーコレクションの一部で、100%ピュアウールで織られています。
ダークグレーに近いような、ダークブルーの糸を使用しています。
レギュラーフィットチャコールのヘリンボーンジャケット 209.3ポンド
よりフィット感の強い、ウエストを絞ったシルエットのジャケット(パンツは別売り)。
アルフレッド・ブラウン・ウーステッド・ミルズの豪華な英国産ウールを使用しています。
オースチン・リードメニスブルージャケット 188.3ポンド
オースチン・リードカットのブルーコットンとウールの混紡ジャケットです(パンツは別売り)。
綺麗なラインの出るフィット感あるジャケット。
別売りのパンツと合わせてスーツとして着用できます。
オースチン・リードカットブルーチェックジャケット 262.5ポンド
美しいブルーチェックの生地のジャケット(パンツは別売り)。
落ち着いた雰囲気なので、様々なシーンに着用できます。
裏地に使われている七色の糸が楽しげ。
オースチン・リードライトグレーテクスチャージャケット 237.3ポンド
オースチン・リードカットのグレーウールジャケット(パンツは別売り)。
滑らかな100%ウールを使用しており、綺麗なフィット感を実現します。
オースチン・リードのジャケット
レギュラーミッドブルーリネンコットンブレザー 139.3ポンド
艶やかな高級リネンとコットンのブレザー。
風合い豊かなリネンとネイビーコットンの裏地付きで、クラシカルな印象のブレザーです。
裏地も英国紳士っぽいデザインですね。
グリーン&ピンクのオーバーチェックジャケット 209.3ポンド
カーキ色のベースにグリーンとピンクのオーバーチェックが施されたジャケット。
ピュアウールを使用したモダンなシルエットとフィット感を楽しめます。
ネイビーリネンジャケット
100%リネンの夏用ジャケットです。
時代を超越した普遍的で魅力的なスタイルは、春先から秋口まで活躍してくれます。
裏地には海を連想させるブルーとホワイトのストライプ生地を使用した、爽やかな一着です。
サンドリネンジャケット 139.3ポンド
夏に一着は持っていたい、ホワイト系のリネンジャケット。
リネン100%で作られたシンプルなジャケットは、さらりと着心地の良い一着です。
ネイビーギンガムチェックブレザー 160.3ポンド
イタリア産の生地で作られた、春夏用のブレザー。
コットンとリネンの混紡で、春夏を快適に過ごせます。
ネイビーとライトブルーのマイクロギンガムチェックなので、落ち着いた雰囲気で着用できます。
チノパンなどにも似合いそうですね。
現代的なフィットハニカムコットンリネンブレザー 195.3ポンド
短めな丈が新鮮なモダンなスタイルのブレザーです。
汎用性の高いネイビーのブレザーは、ジャケパン派の必須アイテム。
程よくシェイプされたウエストがフィット感ある着心地を約束してくれます。
ネイビーチェックジャケット 195.3ポンド
ウールと天然コットンから作られた夏用ジャケットです。
落ち着いた色目の中に、上品なチェック柄が施され、ビジネスシーンでもカジュアルシーンでも活躍してくれそうなジャケット。
また、ちょっとしたイベントなどにも最適です。
Paul Costelloeストーンヘリンボーンジャケット 174.3ポンド
夏の涼しげなスタイルのために作られたストーンヘリンボーンのジャケット。
リラックス感とフォーマルな雰囲気が同居した、使いやすいアイテムです。
ヘリンボーンは普通秋冬の柄と思われがちですが、夏に着用することで新鮮な驚きを与えてくれます。
オースチン・リードまとめ
ビートルズのメンバーが愛したオースチン・リード。
彼らがスーツをトレードマークとすることになったのは、敏腕マネージャー、ブライアンの発案でした。
当時ロックンロールグループの定番は、黒の革ジャンにジーンズというスタイルでしたが、それを鮮やかに覆した戦略は、ビートルズサウンドと共に、世の中に衝撃を与えたのです。
ラペルが細いブラックスーツや、ボタン位置の高い3つボタンのモッズ風のジャケットは、ビートルズのスタイルとして定着し、私たちがよく目にするビートルズのスナップ写真の多くに映し出されています。
そんな彼らを支えたと言っても良い、オースチン・リードの現代のラインナップは、
・REDコレクションブラックLFLスーツジャケット
・バウムチャコールツイルスーツ
・ウェストミンターネイビーのピックアンドピックスーツ
・ネイビープレーンウエストミンスタースーツ
・ブラウンプリンスオブウェールズ・ウエストミンスタースーツ
・ネイビーピンストライプウエストミンスタースーツ
・チャコール・セトルチェックウエストミンスタースーツ
・Paul Costelloeグレースーツ
・チャコールシャークスーツ
・レッドライトグレージャケット
・Paul Costelloe ストライプスリーピーススーツ
・バウムラーネイビートラベルスーツ
・レギュラー・フィットグレー・バードアイ・ジャケット
・オースチン・リードカットのモダンフィットブラックジャケット
・レギュラーフィットネイビーヘリンボーンジャケット
・チェルシースレートブルージャケット
・レギュラーミッドブルーリネンコットンブレザー
・グリーン&ピンクのオーバーチェックジャケット
・ネイビーリネンジャケット
・ネイビーギンガムチェックブレザー
この豊富なラインナップの中には、ビートルズも着用したような、細いラペルのブラックスーツも存在します。
あなたもオースチン・リードを手にいれて、時代を超えてビートルズとブランドを共有してみては。