スーツ、ジャケット、シューズ、時計、バッグ、ネクタイ・・・
どれも大人のメンズなら拘りたいアイテムなはず。
そんな中、今回紹介するのは「シャツ」。
スーツのブランドと違い、シャツとなるとブランド名が思い浮かばない人もいるでしょうし、ちょっとマニアックな世界かもしれません。
ですが、直接肌に触れるアイテムなので品質には拘りたいところですし、知っている人は知っているもの。
そこで今回はシャツの専業メーカーをはじめとして、世界を代表する高級シャツメーカーを5つピックしました。
そして私見ではありますが、ランキング形式にまとめたので、楽しんで頂ければ幸いです。
また、ブランドの紹介以外にも終盤ではオーダーメイドについても触れます。
世界を代表する高級シャツメーカーはこれだ
世界を代表するメーカーを5つピックアップしたところ、偶然全てイタリアのメーカー、という結果になりました。
イタリアはスーツのメーカーでも有名ですが、その理由は古くからファッション業界が盛んであったということ、そして更に遡ると豊富な水や温暖な気候という恵まれた環境もあるようです。
そんなイタリアの5つの高級シャツブランドですが、やはり「着心地」や「美しいシルエット」といったテーマが共通しています。
金額はどれも数万円のものですが(中には数十万のものもありますが・・・)、それだけの価値は大いにあるので是非チェックしてみてください。
5位BORRIELLO
BORRIELLOは1980年、ナポリの郊外のバーラという小さな街でクレリア・ボリエッロ氏によって創業した高級シャツメーカー。
現在は2代目のファビオ・ボリエッロ氏が代表を務めていますが、創業から今なお生地の選定から裁断、縫製までベテランの職人が行っており、30年以上そのスタイルは変わっていません。
その成果は有名メゾンブランドにも認められ、OEM生産も数多く手掛けているとのことです。
また、ハンドメイドながら金額が2万円代ということで、その点も魅力ではないでしょうか。
例えばこちらの一着。
・襟型セミワイド
・前立て無し
・背中ギャザー
・襟付け
・袖付け
・ボタンホール
・前立て無し
・背中ギャザー
・襟付け
・袖付け
・ボタンホール
といったスペックで、ロンドンストライプが特徴の一着。
またBORRIELLOでは袖口の内側にオックスフォード地の別布が当てられているモデルもあり、袖をまくると別布が顔を覘かせるのでファンには堪らないはず。
日本製のシャツは脇から袖にかけて一本の線で縫い上げることが多いようなのですが、BORRIELLOでは身頃と袖を別々のパーツとして作った後に縫い合わせます。
手間が掛かる製造法ではありますが、着心地の違いは比べものにならず、BORRIELLO以外でもイタリアの高級ブランドでは度々採用される製造方法とのことです。
またアームホールも作りがコンパクトなため、腕を動かしやすくて着心地の向上に一役買っています。
こうした着心地を優先した作りのBORRIELLOですが、このレベルを2万円代で手に入れられるのはBORRIELLOだけかもしれません。
4位Finamore
1925年創業、イタリアのナポリにて生まれた高級シャツブランドのFinamore。
創業のキッカケはカロリーナ・フィナモレ氏がナポリ中心部に開いた小さなアトリエで、何人かの顧客のために完全ハンドメイドのシャツをつくりはじめました。
そのアトリエと技術は後に息子達に引き継がれ、今では本拠地をナポリからサン・ジョルジオ・ア・クレマーノへ移転し、4代目とのこと。
今では4代目のシモーネ・フィナモレ氏が引継ぎ、兄弟3人で商品の開発や工場の責任者としてFinamoreを引っ張っています。
世界中に名が広まった今でも工場は必要以上に大きくせず、工場はほぼ女性の約50名の体制。
細かな作業を得意とするスタッフを集め、1日に生産されるシャツの量は約300枚。
Finamoreの中でも有名なのがこの「シモーネ」。
120番双糸を高密度に織り上げた結果生み出される美しい光沢感が特徴ですが、着丈が短めなのでタックアウトしてカジュアルにも着こなせるデザインになっています。
カラーはベーシックなホワイト以外にも、ネイビー、ブラックの計3色。
ドレッシーな雰囲気にも、カジュアルな雰囲気にもマッチするオススメなシャツです。
尚、Finamoreはスポーティなカジュアルラインも人気を得ており、こちらはチェック柄の一着。
老舗のワザである仕立ての良さはキープしつつ、洗いを掛けて味を出し、凝りすぎないデザインと快適な着心地がFinamoreの魅力と言われています。
3位 LUIGI BORRELLI
LUIGI BORRELLIは1957年に、イタリアのナポリで創業したシャツメーカー。
創業者はルイジ・ボレッリ氏ですが、シャツ作り自体は彼の母親である、アンナ・ボレッリ氏が近所の若者達のために自宅で仕立てたのがはじまりです。
母のアトリエを引き継ぎついだルイジ氏は、シャツ作りのビジネス化を目指し、ミシンと手縫いを使い分けることにより、体に絶妙にフィットする着心地の良さと、量産体制を両立させることに成功しました。
ちなみに「袖つけ」、「衿つけ」、「ヨーク」、「前立て」、「かんぬき」、「ボタン」、「ボタンホール」、「ガゼット」の8工程は今でも手作業で行っているとのことで、柔らかい着心地と、長く着られる耐久性を実現しています。
こうしたハンドメイド作業は着心地に影響を及ぼしており、「リラックスして着られる」という感想は多くのLUIGI BORRELLIファンから聞こえてくるものです。
体が動く際、緊張しがちな部分を手作業で微調整されており、構築的な、理にかなった生産体制となっています。
尚、創業者のルイジ・ボレッリ氏から現在では二代目のファビオ・ボレッリ氏に引き継がれており、職人気質のルイジ氏でしたが、ファビオ氏は自社に新しい流れに取り込むべく、スーツ、ジャケット、アウター、ジーンズ、ニット、下着といったトータルブランドになりました。
素材選び、ナポリの伝統を引き継ぐ職人達の技術、独特な色彩感覚、そういった要素から生み出されるLUIGI BORRELLIのシャツは着心地も見た目も一流品。
例えばこちらの一着はいかがでしょう。
こちらは「Luciano」と呼ばれるモデルで、近年のトレンドである細身のシルエットに合わせて「衿羽根」、「衿腰」、「前台衿」の三か所が従来のモデルよりも短く、低くデザインされています。
こうすることで従来のLucianoのバランスを崩すことなく、現代の細身のスーツコーデや、ジャケパンコーデに合わせることができます。
尚、実店舗は都内にもいくつか存在しますが、オススメは表参道の「LUIGI BORRELLI TOKYO」。
「空間の連続性を意識した非ストレス空間」と謳われた店内は、ほとんど区切りが無く、特別な雰囲気が味わえるデザインになっています。
また、東京店ではス・ミズーラ(パーソナルオーダー)が常設されており、生地、襟型、前立て、カフなどを特注することができるのです。
有名セレクトショップで経験を積んだ豊田氏や、ファッションディレクターの顔も持つ血脇氏など、経験豊かなスタッフによる採寸により体型のクセも反映することができますし、初心者の方でも安心なはず。
また、メンテナンス面でもLUIGI BORRELLIのシャツの大切な要素の一つであるシェルボタンの交換も対応しています。
美しい輝きを放つせっかくのシェルボタンですから、欠けたり割れたりした際は新しいものに交換してもらえるのはありがたいですね。
2位Barba
Barbaもイタリア発祥のブランドで、1964年にナポリにて創業。
創業者はアントニオ・バルバとヴィットリオ・バルバの兄弟で、シャツ以外にもパジャマなども生産していましたが、90年代に著しい成長を遂げます。
2代目のラファエレとマリオが継ぎ、ラファエレはパターンと縫製、マリオは素材の仕入とそれぞれ得意分野に特化し、工場のオペレーションやブランディングも一新。
しかし1代目から引き継いだハンドメイドの技術、パターン・カッティングの技術を活かし、Barbaの名は世界中に広まっていきました。
アームホールが細く、細身の美しいシルエットを実現しながらも動きやすく着心地は抜群。
そのノウハウを活かし、シャツ以外でもネクタイやパンツも手掛けています。
バルバの人気の理由は常にトレンド先取りする生地の選択や、シルエットの美しさと着心地の良さの向上を目指しパターンや縫製の修正を止めないこと、などが挙げられます。
また2代目のラファエレとマリオ兄弟は自らモデルも務めているのですが、自分達が着たい細身のシャツをコンセプトにした、と言われている「ブラックレーベル」が人気。
2代目のラファエレとマリオ兄弟は二人とも身長が175cm前後で、サイズが46前後ということで、日本人体型とも言える体型。
彼らが自らに合わせてデザインすることにより、日本人にもフィットするデザインとなっており、日本では人気のラインです。
ちなみ上記のシャツは衿先をボタン留めできる、ボタンダウンシャツ。
アイビールックご用達のアイテムですが、Barbaの美しいシルエットでキメてみてはいかがでしょうか。
尚、ビジネスユースにはこちらのオックスフォードのドレスシャツがオススメ。
こちらのシャツは生地の表面に凹凸があり、汗をかいても肌に張り付くことが少なく、通気が良いので湿度と気温が高い春夏のシーズンにはもってこい。
また、高番手の糸が使用しているため光沢感が美しく、あなたのビジネスコーデに一味加えてくれることでしょう。
1位Fray
Frayは1962年にイタリアのボローニャで創業した、高級シャツブランド。
創業者のルチア・バシン・ランディ氏が、祖母のレース工場を引き継いだのが創業のキッカケとのことですが、高級ブランドのハンドメイドが謳われる中、マシンメイドの特性を活かし繊細で繊密なシャツを作りあげるのがFrayの魅力と言われています。
マシンメイドとはいっても、生地の裁断から縫製といった部分に関しては大量生産体制を敷いている現在でも人間の手によって行っており、シャツの裏地、ボタンホールといった細部も職人が担当しているとのこと。
尚、FrayではALUMO, Thomas Masonといった高級生地を使用しており、「生地の宝石」と呼ばれるCarlo Riva社の生地を使用していることでもFrayは有名です。
これらの最高級生地を用い、特性を見極め正確に裁断し、最小2mmのピッチで縫われていくとのこと。
Frayからまず紹介したいのが、こちらの一着。
ビジネスコーデにピッタリなネイビーストライプ柄ですが、ネクタイを締めた時の収まりがよい設計で、ステッチが端から3cmの位置に入っていることにより、美しいVゾーンを作り上げます。
また白蝶貝を薄く削り込まれたボタンが使用されており、さりげない主張で生地の上品さを引き立ててくれるバランス。
もう一着、グレーの渋さが堪らないドレスシャツを紹介。
シルク100%の生地で、シルク独特のしなやかな肌触りが存分に楽しめる一着。
ツイル織りなので適度な厚みがあり、しっとり感もラグジュアリー感を演出してくれます。
尚、ネックサイズに対して3サイズ下のボディなのでフィット感が高く、シャツ単体では美しいシルエットが際立ちますし、ジャケットと合わせるのもピッタリです。
拘るならオーダーシャツもおすすめ
イタリアンブランドの高級シャツブランドを5つ紹介しました。
どれもとってもオススメなブランドですが、もうひとつ紹介したいのが「オーダーシャツ」という選択肢。
高級ブランドも魅力的ですが、自分の体に合わせた特注品も気になりませんか?
次はオーダーシャツについてお話します。
オーダーシャツを勧める3つの理由
オーダーシャツが人気の理由はまず「自分の体にピッタリのシャツが作れる」という点。
人の体はそれぞれ特徴があり、まったく同じ形状の体を持つ人はそういないでしょう。
シャツメーカーは既製品でも豊富なサイズを展開していますが、それでも全ての人々のサイズをカバーできる訳ではありません。
そこでオーダーシャツならばプロがあなたの体を採寸し、首や腕の長さはもちろん、ちょっと体の癖まで把握し、あなたの体にピッタリなシャツを仕上げてくれます。
これにより着心地が良いという利点もさることながら、デザイン的にも美しいものに仕上がると言われているのです。
続いてのポイントは「生地やデザイン」を選べる、という点。
「サイズはちょうどいいんだけど、自分が欲しいデザインではない」、「デザインは自分好みだけど、ちょうどいいサイズがない」、服を選んでいるとそういった場面に遭遇することがあるかと思います。
そんな悩みもオーダーシャツならば自分の思い通り。
生地、襟の形、袖口の形状、ボタン、シャツのあらゆるパーツを自分の好みに合わせてデザインすることができます。
そして最後、3つ目のポイントは長持ちして最終的にはお徳かもしれない、ということ。
もちろんオーダー内容によっては数万円どころか、数十万円にもなってしまいますが、オーダー内容によっては今まで買っていた数千円のシャツを何着も短期間で着古すよりも、数万円のオーダーシャツを長期間着続ける方がお徳な場合があるかもしれません。
実際、テーラーによっては中間業者が入っていないことから、同価格帯の既製品よりも上質な生地を使用することができる場合もあるようです。
オーダーシャツで特注できるパーツ
オーダーシャツの特徴は各パーツを自分の好みに合わせて特注できることにありますが、シャツには具体的にどんなパーツがあるのでしょうか?
まずは「襟型」。
レギュラータイプのものからワイド、ボタンダウン、カッタウェイ、ナロー等々、テーラーによっては選べるデザインが60以上もあります。
続いて「前立て」と「ポケット」。
前立てとはシャツの前ボタンの部分のことで、これも実は種類があり、ポケットにも形や縫い目に種類があります。
そして「バックスタイル」。
バックスタイルはシャツの背中側のデザインを指し、これも意外かもしれませんがたくさんの種類があるのです。
またもう一つ選べるのが袖口の「カフス」のデザイン。
ボタンの数や種類、袖口のデザインなど、カフスにも様々な種類があるのです。
もちろん細かい部分はテーラーによって異なりますし、テーラーによってはもっとたくさんの要素を特注できる場合もあれば、特注要素が少ない場合もあるので、あくまでも一例として参考にして頂ければ幸いです。
まとめ
世界を代表するシャツブランドを5つピックアップし、ご紹介しました。
紹介したブランドは
-BORRIELLO
-Finamore
-LUIGI BORRELLI
-Barba
-Fray
-Finamore
-LUIGI BORRELLI
-Barba
-Fray
の5つ。
“BORRIELLO”は高級ブランドが採用するパーツ別に縫い上げる製法を採用しながらも2万円台の金額を実現しており、コストパフォーマンスが魅力。
“Finamore”は今でも工場を50人程の少人数体制に抑え、1日の生産量は300枚前後なので、かなり1着1着の価値はかなり希少。
“LUIGI BORRELLI”の着心地は数ある高級ブランドの中でもトップクラスと言われており、日本にも直営店を構えることによりパーソナルオーダーやメンテナンス対応も充実しています。
“Barba”はトレンドを先取りする生地のチョイスや、シルエットの美しさと着心地の良さの向上に余念がなく、毎年モデルに数mmの修正が入るとのことで、2代目である兄弟自らが着たいシャツをコンセプトに掲げる「ブラックレーベル」が人気。
そして”Fray”は「マシンメイド」、「最高級生地」、「正確無比・繊密なシャツ作り」がキーワードのFrayはイタリアの中でも最高峰のシャツブランドと言われており、政治家やセレブにも愛用者が多数いるとのこと。
以上5つのブランドを紹介しつつ、6つ目の選択肢としてオーダーシャツについても紹介しています。
・自分の体にピッタリのサイズ感
・生地やデザインを選べる点
・既製品よりもお徳になる点
といったオーダーシャツを勧める理由を紹介し、オーダーシャツで特注できる
・襟型
・前立て
・ポケット
・バックスタイル
・カフス
・前立て
・ポケット
・バックスタイル
・カフス
といった点についてもお話しています。
「高級ブランド」をキーワードに、5つのブランドとオーダーシャツについてお話しましたが、あなたが求めるシャツに出会えるキッカケになれば嬉しいです。