ジャケットをお探しのあなたへ。
ショッピングモールでいきなり現物を探すのも良いですが、素敵なジャケットを見つけても知らないメーカーだと買いづらくないでしょうか?
自分が知らないだけで本当は有名なブランドなのか・・・。
あるいは実際に知名度が低いブランドなのか・・・。
そこでお勧めなのが、あらかじめブランドの目星をつけてから現物を見に行くこと。
しかし、
ブランドのリサーチは時間がかかりがち。
雑誌を立ち読みしたり、いくつものウェブサイトをチェックしたり、何かと大変です。
この記事では世界を代表する7つのブランドをピックアップし、そのブランドの歴史や特徴について説明していきます。
目次をご覧頂ければ分かる通り、記事の終盤ではジャケットを選ぶ際のポイントについても触れています。
Burberry(バーバリー)
バーバリーは日本でルイ・ヴィトンに続く、売上第二位の海外ブランドです。
創業は1856年、イギリスのハンプシャー州にて。
バーバリーがブレイクするきっかけとなったのが、1879年に発表された「Gabardine(ギャバディン)」と呼ばれる耐久性と防水性に優れた新素材。
農民が羽織っていた上着にヒントを得て発明され、1888年には特許を取得、1917年には製造権を独占しました。
この素材は探検家向けの防寒具や、飛行機パイロット用の操縦服などに使われ、「Royal Warrant(英国王室御用達)」の称号も授かっているほど。
そしてバーバリーのもう一つのヒット作が、1967年のファッションショーでリリースされた「バーバリーチェック」柄です。
元々はコートの裏生地に使われていた柄をコートの表側へ、そしてコート以外にもバッグやマフラーにも採用し、バーバリーの代名詞となりました。
しかし1970年代以降、バーバリーの服は暴力的なサッカーのファン集団である「フーリガン」や、不良学生にも広まり「バーバリーは不良ご用達の服」というイメージがついてしまい、ブランドのイメージが急降下してしまいます。
業績も下がりしばらく低迷期が続くのですが転機となったのが1997年、ローズマリー・ブラヴォー氏が社長兼CEOに就任しました。
ブランドイメージを挽回すべく、クリエイティブディレクターを入れ替え、ブランド名も「Burberry’s」から「BURBERRY」へ変更。
この改革が功を奏し、2002年にはロンドン証券取引所に上場するまでに成長し、2009年にはロンドンに新しい本社をオープンしました。
今では子供服ライン、デニムとアウターライン、スポーツウェアラインも展開しており、定番の高級アパレルブランドとなっています。
Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)
ラルフ・ローレンはブルックス・ブラザーズと並んでアメリカを代表する紳士服ブランド。
創業者のラルフ・ルーベン・リフシッツは元々ブルックス・ブラザーズに営業担当として勤務していましたが、1967年に独立し、ネクタイ店「POLO」をオープンします。
「POLO」では従来よりも太い4インチ幅のネクタイを販売し、これがヒット。
ビジネスが軌道に乗った彼は紳士服、婦人服のラインも展開していくのですが、1971年にアメリカ、ロサンゼルスのビバリーヒルズに「ラルフ・ローレン」名で一号店がオープンしました。
それから4年後にはハリウッド映画「華麗なるギャッツビー」と「アニーホール」でラルフ・ローレン製の衣装が使用され、ラルフ・ローレンの名は瞬く間に全米中に広まります。
その勢いは海を越え、1981年にはロンドンのニューボンストリートに路面店をオープンし、1986年にはパリにもショップをオープン。
その後、高級メンズスーツライン「Purple Label」、スポーツウェアライン「RLX」、16歳から25歳のメンズとレディースをターゲットとした「Rugby」とラインを展開していきました。
日本にも東京の表参道、原宿、新宿に直営店がオープンし、人気のブランドとなっています。
今では香水、財布、バッグといった製品も取り扱っており、服だけでなくライフスタイルを提案するブランドとして人気を博してします。
Hugo Boss(ヒューゴ・ボス)
ヒューゴ・ボスはドイツ発祥のブランド。
創業者のフーゴ・フェルディナント・ボスの両親が婦人服店を営んでおり、1903年にその店を引き継ぎ形でヒューゴ・ボスの歴史は始まりました。
しかしドイツは第一次世界大戦へ巻き込まれ、彼も徴兵されることに。
1918年、無事帰還しますがその後も国の財政難や世界恐慌からビジネスは軌道に乗りません。
そんな時、転機が訪れます。
1931年にナチスの軍服生産を受注し、倒産したという説がある程業績が低迷していましたが、ヒューゴ・ボスの軍服はドイツ中に広まり、売り上げも右肩登りに。
しかし1945年、終戦を機にヒューゴ・ボスはナチスとの関係から制裁金と事業停止が課せられ、ボス本人は制裁の最中に63歳で亡くなってしまいました。
ですがヒューゴ・ボスの歴史はそこで終わりません。
娘婿が後を継ぎ、1950年代にメンズスーツを発表すると大ヒットし、息を吹き返したヒューゴ・ボスはその後、香水や靴など製品のラインナップを増やしていき、世界83カ国に店舗を持つブランドに成長しました。
2013年には売り上げと利益が過去最高記録を更新し、インターブランド社による「2015年の世界ブランドランキング」にも見事ランクイン。
ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ハリソン・フォードといったハリウッドセレブも愛用しており、世界中の人々から支持を受けるブランドとなりました。
Armani(アルマーニ)
正式名称は「ジョルジオ・アルマーニ」。
設立は1975年で、アパレルブランドの他にも化粧品、リゾート、高級レストランといった事業も展開しており、総じて「アルマーニ」と呼ばれています。
いくつかある事業の中でも、アパレルブランドこそがアルマーニのルーツなのですが、始まりはイタリア、ミラノの百貨店「ラ・リナシェンテ」から。
創業者のジョルジオ・アルマーニ氏は仕入れを担当し、ここで彼は服の流通や生産工程に関する知識、そして業界のトレンドを学びました。
7年間の勤務の後、彼は紳士服専門店「ヒットマン」から声がかかり、デザイナーへと転職します。
「ヒットマン」ではデザイナーの師匠であるニノ・セルッティの基でデザインを学ぶのですが、後に共に起業することとなる建築家セルジオ・ガレオッティと出会い、独立を勧められます。
そしてジョルジオ・アルマーニは独立し、フリーのデザイナーに。
独立から5年後には独立を勧めたセルジオ・ガレオッティと共に「ジョルジオ・アルマーニ社」を創業しました。
それまではメンズのデザインだけを手がけていた彼ですが、この頃からレディースも手がけるようになり、これが展示会で高評価を得ます。
そして1980年にはリチャード・ギア主演の映画「アメリカン・ジゴロ」の衣装を担当。
彼のデザイナーとしての名は海を超えて、世界中の人々に知れ渡るようになりました。
その後も新しいラインを展開し、「タイム」紙の表紙にも掲載され、香水も発表、などと勢いを増していきます。
そんな矢先に、不幸が訪れます。
創業を共にしたセルジオ・ガレオッティ氏が1985年に白血病により他界。
失意に陥ったジョルジオ・アルマーニはそれから数年間、表舞台から遠ざかります。
しかし、悲しみを乗り越え復活。
1991年にはストリート、ダンスカルチャーをヒューチャーした新しいラインを立ち上げ、スキーウェア、ゴルフウェアとスポーツウェアのラインナップを発表します。
「完璧主義者」、「モード界の帝王」、「巨匠中の巨匠」といった呼び名を持つジョルジオ・アルマーニ。
彼のデザインはこれからも人々を魅了し続けていくことでしょう。
Lardini(ラルディーニ)
ラルディー二は1978年創業のイタリアンブランド。
創業者のルイジ・ラルディーニがデザインを担当し、兄のアンドレアはコンピュータエンジニアリングの学位を活かして技術面を担当、姉のロレーナは財務管理、妹のアンナリタは品質管理をと、家族それぞれが役割を担い、家族経営でスタート。
仕立工房のオープンから順調に顧客は増え、ラルディーニはジャケット、コート、パンツ、ベスト、ワードロープと取り扱い製品を増やしていきました。
2000年からスタートしたサービス「メイド・トゥ・メジャー」は、ラルディーニのほとんどの製品をカスタムオーダーできるサービスで、生地はもちろん、裏地、ボタン、ボタンの穴、裏襟、刺繍、といったディテールまでオーダーする事ができます。
現在、創業地であるイタリアのフィラットラーノでは毎日2,000以上の衣料が生産され、日本、中国、韓国、ロシア、アメリカと世界中へ販路を持つブランドへと成長しました。
Boglioli(ボリオリ)
ボリオリは1890年創業のイタリアンブランド。
その歴史は創業者のピエロ・ボリオリ氏に始まり、その後ボリオリ家三代に渡って引き継がれています。
ピエロ・ボリオリ氏は創業時、腕の良いテーラーとして知られていましたが、店舗を構えていませんでした。
当時は店舗を構えず、お客さんのもとへ訪問し、そこで採寸する営業スタイルが主流だったためです。
こうして始まったボリオリですが、二代目として後を継いだのが息子のジェゼッペ。
父は仕立て職人として活動してきましたが、二代目のジェゼッペは時代の流れに合わせアトリエを工場に転換し、職人を何人も雇い、ビジネスの規模を広げていきました。
やがてボリオリは三代目へ。
三代目は三人兄弟で、代表作品である「コート」、「Kジャケット」、「ドーヴァー」といったヒット作を生み出したことで知られています。
これらのヒット作の特徴は洗い加工を施した「ガーメントダイ」と、肩パッドや芯地などを使わず仕立てる「アンコン」。
洗い加工は古着のニュアンスを出し、肩パッドを抜く事でカジュアルなフォルムに仕立てる事に成功したのですが、フォーマル一辺倒だったそれまでの紳士服業界に革命を起こしました。
ボリオリはこの手の仕立ての第一人者で、イタリアのみならず、世界中に広まっていきました。
Tagliatore(タリアトーレ)
タリアトーレはイタリアの最南州プーリア発祥のブランド。
前身のLERARIO(レラリオ)は1960年代の創業で、タリアトーレは2代目のピーノ・レラリオ氏が立ち上げたブランドです。
タリアトーレの魅力を知るためには、イタリアの北部と南部でのファッションの違いを理解したいところ。
北部ではビジネスライクでフォーマルなファッション、一方南部では派手で、男らしさが際立つスタイルが好まれるようです。
そしてタリアトーレの本拠地であるプーリア州はイタリアの最南地。
よってタリアトーレはイタリア南部らしさ全開で、男性のセクシーさをアピールすべく、派手なボタン、体をたくましく見せるボディラインなどが特徴です。
またカスタムオーダーできるサービスも用意されており、ボタンの種類、ステッチ、肘パッチなど、自分だけの一着を作る事ができます。
Brioni(ブリオーニ)
ブリオーニの創業は1945年。
イタリアのローマにて「アトリエ・ブリオーニ」としてその歴史は始まりました。
元々スーツ職人だった創業者のブリオーニですが、フィレンツェのピッティ宮殿でメンズファッションショーを行ったり、香水を発表したりと、創業から他社と違う試みで名を広めていきました。
しかしブリオーニが有名になった一番の理由は本業のスーツ。
創業当時、イタリアでのトレンドは顧客一人一人に合わせたオーダースーツでしたが、ブリオーニはそのトレンドの真逆をいき、既製品に拘ったのです。
柔らかい生地を使う事により誰にもフィットする一方で、熟練の技術により誰が着てもシルエットが崩れないような作りを実現しました。
これはブリオーニが自らのビジョンを実現すべく、理想の生地と自分の技術を融合させた結果です。
また映画「007」もブリオーニを世界に広めることに一役買いました。
ジェームス・ボンド役を演じたピアース・ブロスナンとダニエル・クレイグはブリオーニのスーツを着用し、日本でもブリオーニの認知度が高まったのです。
ブリオーニは世界で最も高級なスーツブランドの一つで、金額は軽く数十万を超えます。
もしかすると購入は難しいかもしれませんが、もし目にする機会があれば、是非一度触れてみてください。
ジャケット選びのポイント
7つの一押しブランドを紹介してきましたが、ブランドについて調べつつ把握しておきたいのが、ジャケット選びのポイント。
サイズ、シルエット、生地、という三つのポイントから解説したいと思います。
サイズ
まずチェックしたいポイントは肩幅。
肩の骨の先端部分とジャケットの肩部分の位置が重要で、ジャケットに余りが無いか、またジャケットの肩部分が自分の肩よりも内側に入り込んでいないか確認しましょう。
次は着丈。
お尻が全部隠れてしまうほど長い、あるいはベルトが見えてしまう程短いのはNGです。
お尻の半分より若干短い着丈がお勧めです。
そして最後は袖丈。
目安としては、腕を下した時に手首の骨が隠れ、腕を前に伸ばした時に手首の骨が見えるぐらいです。
素材
代表的な生地の素材はコットン、レーヨン、ポリエステル、リネンなど。
コットンとレーヨンは、肌触りの良さ、優れた耐久性、ツヤのある見た目が特徴。
フォーマル感があり、ビジネスやドレッシーな場に適しています。
ポリエステルとリネンは柔らかくでストレッチ性があり、どちらかと言うとカジュアルよりの素材です。
程よくラフ感を出すことができるので、ちょっとしたお出かけにピッタリ。
カラー選び
サイズ感も重要ですがカラー選びも気になるところですよね。
着回しや印象を意識しながら選んでいきましょう。
ブラック
フォーマルな場にもカジュアルな場にも使える定番カラー。
デニムやチノパンなどボトムスの種類を選ばず合わせられるので、着回しが効きます。
頼りがちなカラーですが、一着目としては鉄板のカラーと言えるでしょう。
グレー
ブラックにちょっと飽きてきた人にお勧めのカラー。
ブラックよりも明るい雰囲気を出すことができて、他のカラーとの相性も良いです。
フォーマルな場にも対応できる色なので、ブラックに続いて持っておきたいカラー。
ネイビー
ネイビーも人気のカラー。
ネイビーは知的な印象を与える色と言われており、ビジネスライクなジャケパンには持って来いの色です。
ホワイト、同系色のブルー、グレー等の色と相性が良いので、コーデもまとめやすいはず。
まとめ
オススメのジャケットブランドということで、
・バーバリー
・ラルフ・ローレン
・ヒューゴ・ボス
・アルマーニ
・ラルディーニ
・ボリオリ
・タリアトーレ
・ラルフ・ローレン
・ヒューゴ・ボス
・アルマーニ
・ラルディーニ
・ボリオリ
・タリアトーレ
と、合計7つの世界を代表するブランドを紹介しました。
それぞれのブランドに山あり谷ありのドラマがあり、前から知っていたブランドでも、生い立ちを知ることによって、今までと違う魅力を感じるようになるかもしれません。
例えばバーバリーの代名詞でもある「バーバリーチェック」の誕生秘話、ヒューゴボスの第二次世界大戦からの復活劇、アルマーニ創業者に降り掛かった悲劇からの復活や、どれひとつして平凡な運命を辿ったブランドはありません。
またブランドの紹介だけでなく
・サイズ
・素材
・カラー
・素材
・カラー
といったジャケット選びに重要なポイントも紹介しています。
焦らず納得できるまで試着して、長く着ていけるジャケットを見つけてください。