男はキャリアが上がるに従い、身だしなみが大切になってきます。
仕事では会社の業績を左右する商談に臨んだり、展示会やセミナーに参加したり。
プライベートでもドレスコードのあるレストランに行ったり、友人の結婚式に参加したり。
人を見た目だけで判断してはいけないかもしれませんが、仕事で成功されている人達はそういった場でのファッションにも気を使っています。
とは言っても、何から手をつければ良いのか、分からない場合もあるかもしれません。
そこでお勧めなのがジャケット。
ジャケットがあれば大抵の場には対応できますし、だからこそジャケット選びは重要なのです。
ジャケット選びはブランドのチェックも大切ですが、最後はやはり実際に手に取ってチェックしたいもの。
サイズ、色、素材などはもちろんですが、どんなお店にいくか。
またどんな格好でお店へいくのか、なんていうのも意外に重要です。
そこで本記事ではジャケットを選ぶ際のポイントについてお話してきます。
その格好で試着大丈夫?まずは服装チェック
休日のおでかけ、あなたはどんな格好をしていますか?
もしジャケットを見に行く事が予め決まっているならば、ジャケットを着る事を想定した服装で家を出る事をオススメします。
例えば、シャツにジャケットを合わせる事が多いのにTシャツを着ていってしまったり、ボトムスにチノパンを合わせることが多いのにスエットを履いていってしまったりしたら、ジャケットを試着しても完成形がイメージしにくくなってしまいます。
ですので、新しいジャケットに合わせる予定のシャツやズボン、そして靴で出かけると良いかもしれません。
どこで買うか?お店選び
次にお話するのがお店選び。
お店の種類によって品揃え、価格設定、品質は様々です。
今回は「百貨店」、「ファッションビル」、「スーツ量販店」、「セレクトショップ」の四つのカテゴリーを紹介するので
家から近いお店を選んだり、入りやすいお店も選んだり、品質重視で選んだり、自分のニーズに合わせて選んでみてください。
百貨店
大手は「三越」、「高島屋」、「伊勢丹」、「そごう」、「西武」、「東急」、「阪急」、「小田急」、「京王」、「大丸」、「松屋」など。
百貨店には必ずと言って良いほど紳士服の専門店が入っており、イタリア、イギリス、アメリカなど世界各国のブランドが扱われています。
また百貨店のセレクトということで、安心できるのもポイント。
そういった豊富且つ安心のラインナップから、自分好みのブランドを探すことができるのが最大のメリットと言えるかもしれません。
尚、百貨店は30代あるいは40代以上の年齢層をターゲットにしており、ブランドやデザインも30〜40代向けのものが多い傾向にあると言えるので、その点も検討材料に入れると良いかもしれません。
ファッションビル
ファッションビルは「丸井(OIOI)」、「パルコ」、「ルミネ」といったショッピングセンターの括り。
百貨店に似ていますが、ターゲットの年齢層が20代から30代と低く、デザインも流行を意識した物が多いのが特徴です。
新しい店舗も多く、新たな流行の発信源となっているとも言えるでしょう。
歴史のある定番なものではなく、これから流行になるような新しいものを求める人にオススメです。
スーツ量販店
「洋服の青山」、「AOKI」、「紳士服のコナカ」、「紳士服はるやま」などの紳士服専門店。
スーツ、ネクタイ、革靴、ベルト、コート、バッグなど、紳士服関連全般が販売されています。
就活生向けの商品も扱っていますが、それ以外は百貨店と同じく30代、40代以上がターゲット。
洗濯機で洗えたり、肩こりを軽減させたり、シワがつかない形状記憶を謳ったりと、付加価値をつけた製品の取り扱いが特徴です。
また全国展開していて路面店が多いので、店舗が広く、サイズ、種類共に豊富で何店も回らずに済むのもメリットと言えるでしょう。
セレクトショップ
「SHIPS」、「BEAMS」、「UNITED ARROWS」、「EDIFICE」、「TOMORROWLAND」などのショップが代表格。
メーカーやブランドを問わず、各ショップのコンセプトに沿った商品をセレクトしたり、あるいはオリジナルブランドとして売り出したり、そういった趣旨の店舗になります。
「SHIPS」、「BEAMNS」、「UNITED ARROWS」はカジュアルからフォーマルな製品まで揃っているので、ユニクロやジGUなどのファストファッションから次のお洒落に、という人にオススメ。
「EDIFICE」、「TOMORROWLAND」は上記のショップよりも価格設定が高めで、セレクトされているブランドも高級なものが中心です。
生地・素材の種類(まめ知識も合わせて)
一言に「ジャケット」と言ってもスーツの様にフォーマルな質感のものから、ジャージー材を使用したカジュアルな質感のジャケットまで様々です
ジャケットに使われる代表的な素材である「ウール」、「コットン」、「ツイード」、「ジャージー」の四つを紹介しますがそれぞれの素材に関するまめ知識も合わせてチェックしてみてください。
ウール
ウールは羊の毛が基となっており、保温性・伸縮性・弾力性に優れています。
またシワになりにくく、型くずれしにくいので、スーツやジャケットに使われる素材としては最もポピュラーなものと言えます。
ヨーロッパの高級生地ブランドはこのウールの質に拘るので、羊を育てる自前の牧場を持つほど。
フォーマルな、ドレッシーな、ジャケットを探しているのであれば、ウールのジャケットで間違いなしです。
コットン
コットンとは「綿」のことで、繊維の先端が丸み帯びているため、チクチクせず柔らかい肌触りが特徴。
見た目もコットンに比べるとツヤが抑えられていて、休日のリラックスした装いにマッチします。
通気性が良いのもメリットで、春や夏の時期に着るジャケットとしてもオススメ。
また豆知識ですが、コットンは他の素材よりも電気抵抗が低く、静電気を起こしにくい性質を持っています。
静電気が気になる人はコットン製の服を揃えると良いかもしれません。
ツイード
原材料はウールと同じく羊の毛ですが、ウールは均一した長い毛を使用するのに対し、ツイードは短い毛や、くず糸を使用します。
そのためウールよりも厚く、保温性が高い生地に仕上がるのが特徴。
そんなツイード製のジャケットは、シャツやチノパンと合わせればフォーマルなジャケパンスタイルに。
デニムパンツと合わせればカジュアルな装いになり、フォーマルとカジュアルの両方に対応します。
ちなみにツイードの発祥はイギリスとスコットランド。
「ツイード」という名称は「綾織」の意味を持つ「ツイル」という単語が語源で、元々スコットランドでは「ツイール」と呼ばれていました。
しかし、商標登録の際にロンドンの商人がスコットランドの「ツイード川」が発祥と勘違いし、「ツイード」という名称で登録してしまい、今では「ツイード」という名称で呼ばれています。
ジャージー
「ジャージ」と呼ばれるスポーツウェアがありますが、その生地を使用したジャケット。
原材料にポリエステルが使われており、強度があり、シワになりにくく、乾きが早いのが特徴です。
しかし一番の魅力は伸縮性。
運転時間や電車移動が長い人にオススメで、体の動作に合わせて伸びてくれるので着心地が抜群です。
また「ジャージ」ときくとラフでカジュアルな装いをイメージするかもしれませんが、ウールの様なフォーマルな見た目の物もあり、チェックする価値大ありです。
色選び(色彩学も交えて)
素材の目星がついたら次に決めたいのが色。
定番のブラック、ネイビー、グレー、ブラウンを、色彩学の情報を交えながら紹介します。
それぞれの色が持つイメージを、自分と重ねながら検討してみてください。
ブラック
最も選ばれやすいカラーとも言えるブラック。
その理由はフォーマルなカラーとしてド定番なこと、そしてボトムスにデニムやスニーカーを合わせればカジュアルにも着こなせる、という着回しやすさではないでしょうか。
しかし色彩学上、黒は見る者に「威厳」、「強さ」といった印象を与えると言われています。
それゆえフォーマルな場にマッチするのですが、着回しが効くとは言え、合コンや友人との食事会で着ることが前提ならば、他の色を選ぶ方のもありかもしれません。
一方で仕事着のジャケパンがメインで、誠実な働きっぷりをアピールしたい、という場合はブラックで間違いないでしょう。
ネイビー
ブラックのフォーマルさと、ブルーの爽やかさを併せ持つネイビー。
ブラックの着回しやすさを持つ一方で、ブラックが持つ堅苦しさをブルーが和らげてくれます。
例えば白パンと合わせる場合でも、黒と白は両極端の配色になり「キメた」感が出がちですが、ネイビーと白ならばそこまでになりません。
ですので、ビジネスのジャケパンにおいても相手に圧迫感を与えることなく、柔らかい印象を与えることができます。
ちなみに、色彩学上で青系統の色は「知性」というキーワードを象徴し、海から連想される安心感を与える、とも言われています。
青系統の中でもネイビーは、黒に近い暗さを持つため、「冷静」、「信頼」できる、という印象にも結びつくので参考にしてみてください。
グレー
黒やネイビーと違い、淡さが特徴のグレー。
ジャケットの色が薄い分、パンツやシャツに濃い色を持ってくることができるので、黒やネイビーのジャケットとは逆算のコーディネートが楽しめます。
様々な色との相性が良いグレーですが、あえてジャケット以外のアイテムを白、黒、ネイビーといった似た系色の色で合わせると、まとまりのあるコーディネートに仕上がってオススメです。
また灰色からは「協調性」や「調和」といったキーワードが連想され、物腰の柔らかい、温厚なイメージを醸し出すことができます。
仕事場においては親しみやすい存在、合コンや食事会では初めてでも声の掛けやすい人、灰色はそんなアプローチに有効な選択と言えるかもしれません。
ブラウン
最後に紹介するブラウンは、今まで紹介した色よりもちょっと冒険だけど、派手過ぎないカラー。
紹介したブラック、ネイビー、グレーのスーツは良く見かけますが、ブラウンのスーツはあまり見かけないですよね。
なので、カジュアル要素のある色なのですが、グリーンやレッドといった色に比べれば落ち着きのある色ですし、コーディネートもしやすいはず。
オススメはベルトと靴もブラウンで合わせるコーディネートで、統一感を出しやすく、シャツやパンツの選択肢も広がります。
尚、茶色は「木」や「土」といった自然界を連想させるので、「温もり」、「安心感」といった印象を与えると言われています。
先に紹介した色よりかは上級者向けかもしれませんが、常に身近にある色ですし、ひと味違うコーディネートに挑戦したい人の第一歩としてオススメです。
サイズチェック(3つのポイント)
素材、色と決まったら最後はサイズのチェック。
どんなに上質な素材で、どんなにマッチした色のコーデでも、ダボっとしていたり、ピチピチしていたりしたら台無しです。
立ち姿
まずはジャケットのボタンを留めましょう。
ボタンが二つある場合は、上のボタンだけを留めれば大丈夫です。
そして立った状態でチェックですが、まずは首回り。
ワイシャツの襟と、ジャケットの襟のフィット感を確認してください。
ワイシャツの襟とジャケットの襟が隙間無くフィットしていればOKです。
立って何もしていない状態で隙間がある場合は1サイズ小さめのジャケットに変え、逆にきつい場合は1サイズ大きめのジャケットに変えましょう。
次は体全体を動かし、ジャケット全体のフィット具合を確認します。
体を動かすと、シャツとジャケットの間に隙間ができますが、元の姿勢に戻った時に隙間が無くなっていれば問題なし。
袖丈
袖丈の確認も行いましょう。
まずは立った状態で腕を下し、ジャケットの袖が手のどの位置までかかっているか確認してください。
手の甲までかかっているとオーバーサイズでだらしない印象になってしまうので要注意。
目安は手首の骨がギリギリ隠れるぐらいです。
手首の骨が見えてしまうと短過ぎるので、チェックしてみてください。
尚、序盤でボタンを留める旨をお伝えしましたが、ボタンを留めていないと袖丈の長さが1センチ程長くなってしまうので、必ずボタンは留めてチェックしましょう。
そして袖丈と関わってくるのがジャケットのシルエット。
ジャケットやスーツには4つのシルエットの種類があり、Y体、A体、AB体、BB体に分かれています。
Y体はおなか周りが細いシルエットになっており、A体、AB体、BB体となるに従ってお腹まわりが大きめのシルエットになっています。
自分に合ったシルエットのジャケットを選ばないと、肩幅や袖丈がピッタリでもボタンが留められない、といった事態になってしまいます。
ですので、自分の体型と相談しながらシルエットを選んでいきましょう。
背中の皺
最後のチェックポイントは背中。
「男は背中で語る」なんて言われるぐらいですから、要チェックです。
尚、背中は自分では見えないので、店員さんにチェックしてもらいましょう。
(自分で無理に鏡を覗いても、その動作でシワができてしまいますので)
まず大きすぎるジャケットを着るとどうなるでしょうか。
余分な生地が左右から中央に押され、縦のシワが浮き出てきます。
逆に小さすぎるジャケット着ると、どうなるでしょう。
今度はボタンで留められていない、ジャケットの下の部分から上に生地が引っ張られ、横方向のシワが出てきます。
対処法は自分の体型にフィットしたジャケットを選ぶしかありません。
上記でお話した通り、サイズとシルエットの両方から自分にあった物を選びましょう。
まとめ
ジャケット選びのポイントは
・見に出かける時の服装
・お店
・生地・素材
・色
・サイズ
・お店
・生地・素材
・色
・サイズ
という6つの項目。
本記事では上記6つを網羅しましたので、是非チェックして頂ければと思います。
生地と色選びでは、豆知識や色彩学の情報一緒に紹介しましたが、内容につて納得頂くことに役立っていれば幸いです。
本記事で紹介したチェックポイントはどれも大切ですが、どれが最重要か強いて言うならば
・サイズチェック
かもしれません。
スペックの高いジャケットでもフィットしていなければ意味がありませんし、逆にスペックが低くてもフィットしていれば、そのジャケットはあなたの魅力的に見せてくれます。
あるいは、「もう少しだけ金額を上乗せすれば、フィット感が上がる」という状況ならば、そこは金額を上乗せする価値があるかもしれません。