特に打ち合わせのときは、主役よりも派手になるのは論外かと。
しかし年齢とともに、おしゃれにも気を配っていないと、アッという間にオジサンな見た目になってしまう。
そして、残念なことに、オジサンな見た目になると、立ち振る舞いや言動にも影響してくると、最近の同僚を見ていて気が気じゃない。
こんなお悩みをお持ちの方が、今、この記事を読んでいただいているのだと思います。
確かに人は、年齢とともに体型も含めて「見た目」が変化していきます。
だからといって、その変化に流されたままというのでは、立ち振る舞いや言動、あなたのカリスマ性にも影響することでしょう。
だから、いつもおしゃれには気をつけておきたいところですが、おしゃれにし過ぎて「派手」になっては、気づかない間に敵を作っているかもしれません。
そこで、今回ご紹介するアイテムですが、このアイテムは露骨なおしゃれアピールをしません。
でも、チラッと覗いたときのインパクトは大なのです。
それでは早速、お話していきたいと思います。
露骨にならない隠れたおしゃれアイテム、サスペンダーです。
サスペンダーとは
サスペンダーと聞くと、
・子供のもの
・女性のファッションアイテム
・ちょっと古くさい
・女性のファッションアイテム
・ちょっと古くさい
というイメージをお持ちかもしれません。
しかし、現在のクラシックブームによる英国調スーツの人気も相まって、サスペンダーが流行のアイテムに引っ張り出されてきました。
まず、サスペンダーという言葉ですが、これはアメリカ風な呼び方です。
本場、イギリスでは「ブレイシーズ」と呼ばれています。
イギリスで「サスペンダー」というと、「ガーター」や「アームバンド」を意味していることもありますので、「ブレイシーズ」と覚えておきましょう。
日本では昔から「ズボン吊り」という呼び方が一般的でして、ブレイシーズやサスペンダーとは言いませんね。
でも、ここではファッションにフォーカスしていますから、サスペンダーやブレイシーズという呼び名を使います。
サスペンダーはクラシックブームによって、セレクトショップなど流行に敏感なショップやテーラーさんの店頭で見かけることが増えました。
でも、見かけることは増えても、サスペンダー単体を見ていると「あれは、インパクト強すぎて使いにくいだろう」という印象を持ってしまいます。
ここがポイントで、サスペンダーは正しい基本の着こなしを知っていると、非常に使いやすいアイテムになってくれるのです。
そこで、まずはサスペンダーの基本の着こなしを知る前に、サスペンダーはどういったパンツに向いているのかを覚えておきましょう。
サスペンダーは、そもそもベルトなしでパンツを留めるアイテムです。
とはいえ、パンツの正しいサイズはベルトなしでも落ちないものが、適正なサイズとされていますから、ベルトもサスペンダーも不要のはず。
どちらも装飾用と言ってもかまわないアイテムです。
しかし、このような適正サイズのパンツが手にはいるようになったのは最近のことで、昔のパンツは今ほどタイトではありませんでした。
ウエストも太股も太くて広いのが当たり前。
股下も深めだったので、ベルトやサスペンダーがなければズリ落ちてしまうのが常だったのです。
そこでベルトを使ってウエストをギュッと締めると、パンツはズリ落ちなくなりますが、パンツのシルエットはシワが出たり織り目が綺麗に出なくなり、パンツのシルエットから美しさがなくなります。
そして、このおしゃれでない状態を解決したのが、サスペンダーなのです。
おわかりでしょうか?
ということは、現在のサスペンダー主な目的は実用性ではないということです。
だから、街中や仕事場の同僚を見ても、サスペンダーを使っている人は多くないはず。
多くないからこそ、使ったときおしゃれに見えるのですが、使い方を間違えると他のおしゃれアイテムと同じく、残念な人になってしまいます。
でも、実のところ、大きな声では言えませんが実用的な面もあるんです。
それは「お腹」です。
年齢が進むにつれ「お腹」まわりが出たりして、ウエストが苦しくなることもあります。
出来ればベルトをしないでおきたいけれど、スーツにベルトなしはおしゃれじゃない。
他人から見ると「ただの間抜け」に見えるかもしれません。
そんなとき、サスペンダーを使うと、お腹周りの苦しさからも解放され、ベルトをしない理由にすることができます。
そして、サスペンダーでパンツを吊り下げることで、パンツ本来の美しいシルエットを保つこともできますから、一石二鳥の効果が期待できます。
いかがでしょうか?
サスペンダーは敬遠するアイテムではなく、おしゃれで美しいシルエットを提供し、体型からくるストレスも軽減してくれるのです。
では、次は、サスペンダーを着こなすための基本をお話します。
サスペンダーの基本を知る
サスペンダーをおしゃれに着こなすための基本として、必ず覚えておいていただきたいのがコレです。
『サスペンダーは、隠す』
これが正解です。
サスペンダーは「見せるアイテム」ではありません。
靴下と同じような感覚だと思ってください。
「ホラ、見て、見て!」というように、見せるためのものではなく、動いたとき「結果的に見えてしまった」という表現がふさわしいアイテムです。
この考え方は、スーツ発祥の国であるイギリスのドレススタイルから始まっています。
イギリスのドレススタイルでは、スーツと言えばスリーピースが当たり前。
ご存じのように、ジャケットにベスト、パンツの3つがセットです。
そして、サスペンダーはどこに付けるのかというと、シャツとベストの間に使うものでした。
そう、ベストでサスペンダーを「見せない」のが基本。
スーツが作られてから100年以上経った今でも、この考え方は変わっていませんし、ビジネスシーンで使うならスーツの基本としても覚えておきたいポイントです。
ビジネスシーンでの基本ということは、フォーマルなシーンでも同じことが言えます。
タキシードを着用するブラックコードの場合、ベルトやボタンを見せることは下着を見せるのと同様という理由から、パンツには必ずサスペンダーが使われます。
そもそも正統派のタキシードパンツには、ベルトループが備わっていませんので、サスペンダーを使うことになります。
このポイントも合わせて覚えておいていただきたいと思います。
このように、サスペンダーは「意図せず見えた」ときのおしゃれです。
サスペンダーを留める位置にも注意が必要で、ジャケットのボタンを少し開けただけでは、サスペンダーが見えない位置へ付けるくらいを意識しておきましょう。
あくまでも、ジャケットの裏地、靴下という位置づけに近いことを意識しておくことが、サスペンダーをおしゃれに楽しむ基本のポイントです。
サスペンダー初心者にはコレ
サスペンダーを初めて使うときのポイントをお話します。
(1)スリーピースに合わせてみよう
いきなりツーピースのスーツにサスペンダーを付けて出勤するというのは、意外にも勇気が必要です。
だって、異常に目立ちますから視線が痛いかもしれません。
ですから、初めてサスペンダーを使ってみようという方には、スリーピースに合わせることがおすすめします。
スリーピースなら正統派の装いとして、サスペンダーをベストの下へ隠すことができます。
まずは、スリーピースにサスペンダーを使って、使い心地やパンツの履き心地を確かめてみてください。
サスペンダーを使ったスリーピースの着こなしは、スーツ本来の着こなしとも言えますから、スリーピースを最も美しいシルエットにしてくれます。
(2)色を合わせる
スリーピースに使うとき、どんな色や柄がいいんだろう。
はじめてなら、悩むことだと思います。
そこで、どのような合わせ方があるのかをお話します。
まず、初めてならサスペンダーの柄は「無地」を選びましょう。
「ドクロ柄」や「水玉」「花柄」は、馴れてからのお楽しみと言うことにしておくのがいいでしょうね。
次に色ですが、基本はネクタイと同色系のサスペンダーを選びましょう。
紺系のネクタイなら、紺系のサスペンダー。
茶系のネクタイなら、茶系のサスペンダー。
最初から冒険する必要はありません。
ネクタイ以外に色を合わせるなら、ジャケットの裏地に合わせるのもいいですね。
チラッと見えたときに、ジャケットの裏地と合っているのは、大変おしゃれに見えるものです。
ネクタイと合わせるよりも、ジャケットの裏地と合わせた方が、より自然に合わせた感じになります。
(3)ジャケパンなら自由度がアップ
サスペンダーにはルールがありますが、ジャケパンで仕事されるなら、もっと自由な使い方も可能です。
本来、スリーピースに使うものですから、ベルトループは外から見えないのが前提です。
しかし、ジャケパンなら自由度をあげて、ベルトループが付いているパンツにサスペンダーを使うものOK。
ジャケットが開いたときに、シャツの上にあるサスペンダーがチラッと見えるだけで、いつものジャケパンスタイルがアップデートされます。
サスペンダーは素材を見極めろ
サスペンダーには、大きく分けて2つの素材があります。
ひとつは伸縮する素材。
もうひとつは伸縮性がない素材。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
(1)伸縮する素材
エラスティックというゴムを使うことで、伸縮性を出しているサスペンダーです。
サスペンダーで有名な、イギリスの「アルバート・サーストン」からも多くの種類が発売されています。
伸縮する部分はサスペンダーによって違いがあり、サスペンダー全体が伸縮するものと、背中の一部だけが伸縮するものとがあります。
(2)伸縮しない素材
グログランと呼ばれる「平織り」のひとつで、手触りのいい生地感があります。
グログランは、元は絹を使った織物でしたが、現在はレイヨンなどの化学繊維をと絹を合わせた混紡生地を使っています。
ゴム製とは違い、織り柄が美しいので、サスペンダーに派手は色づけや柄が必要ありません。
柄のない無地でも、織物としての上品な印象が際だちますので、使っていて気分も上がってきます。
サスペンダーの留め方には個性がある
サスペンダーの留め方には、2つの方法があります。
留め方は、パンツを固定する大事な部分。
あなたに合った留め方を試してみてください。
(1)ボタン留め
サスペンダーの基本は「ボタン留め」です。
古くからある方法で、正統派の留め方と言えるのではないでしょうか。
パンツのウエスト部分の内側に、サスペンダーを留めるためのボタンが縫いつけてあります。
このボタンに、サスペンダーのボタンホールが付いたループを引っかけることで、美しいシルエットにパンツを吊ることができます。
オーダーなどの場合には、あらかじめサスペンダーを使うことを話しておきましょう。
最も適した位置にボタンを付けてくださいます。
ボタン留めは、サスペンダーは外れにくいのでおすすめです。
パンツの生地を傷めることも少ないですし、パンツのシルエットが安定しているのもいいところです。
(2)クリップ留め
ウエスト部分にボタンがなくても、ワンタッチで留められるのが「クリップ留め」です。
ベルトループのあるパンツへ、急にサスペンダーを付けたくなった場合にも、簡単に取り付けができます。
丁寧な作りのサスペンダーなら大丈夫ですが、サスペンダーとパンツを留めるクリップの内側は確認しておきましょう。
クリップでパンツを留めたときに、できるだけパンツの生地が傷みにくいものを選んでおきたいものです。
クリップで留めたけれど、一日履いて家に帰ってパンツを見ると、ウエストの生地が激しく傷んでいた。
そんなことには、なりたくありませんよね。
サスペンダーでハズせないブランド
では、サスペンダーと言えば、どのようなブランドが思い浮かぶでしょうか?
ここでは、サスペンダーを検討するときに、ハズせないブランド「アルバート・サーストン」を紹介します。
アルバート・サーストンは1820年に、ロンドンで創業した紳士用サスペンダー(イギリスなのでブレイシーズ)とベルトを扱うブランドです。
アルバート・サーストンの顧客には、
・チャールズ皇太子
・レーガン元大統領
・レーガン元大統領
をはじめとする国王や王子、大統領や俳優などが名を連ねています。
また、アルバート・サーストンのブレイシーズは、映画「ウォール・ストリート」でマイケル・ダグラスが使ったことでも有名になりました。
アルバート・サーストンは職人たち手作業で高い品質を保ったまま、今も製品を提供しています。
そして、アルバート・サーストンは、イギリスの著名なブランド
・ギーブス&ホークス
・ハケット
・ダーンブル&アッサー
・オースチン・リード
・ハケット
・ダーンブル&アッサー
・オースチン・リード
などにも、ブレイシーズの提供を行っています。
このように、サスペンダーを語る上でハズせないのが「アルバート・サーストン」であり、名実共に世界ナンバーワンのブランドと言われています。
旬のサスペンダー7選
(1)ALBERT THURSTON(アルバート・サーストン)
濃色でまとめたスーツの差し色として、サスペンダーを使うのも効果的です。
ビジネスシーンでさりげないアクセントとして着こなせます。
(2)BRETELLE & BRACES(ブレテッレ&ブレイシーズ)
上級者のハズしに最適な、ミラノ発のサスペンダーです。
ポップなドット柄。
トレンドのミリタリー柄で、いつもと違うジャケパンに変身できます。
(3)TIE YOUR TIE(タイ・ユア・タイ)
ジャケパンにぴったりな、渋い色で合わせやすい細身のサスペンダーです。
背中が二股に分かれたX型なので、ジャケットを脱いだときにはイタリアの雰囲気を表現できます。
(4)TOMORROW LAND(トゥモロー・ランド)
イタリア製の素材を使ったサスペンダーです。
流行のトラッド感に合わせた伝統のアーガイル柄が特徴です。
(5)WATSON(ワトソン)
本場イギリススタイルにこだわるなら、ワトソンのサスペンダーはシックなスーツにうってつけです。
スーツとのコントラストを楽しむ中級者におすすめです。
(6)J.PRESS(J.プレス)
はじめてサスペンダーを購入するなら、合わせやすいベーシックなものはいかがでしょうか。
日本製のクオリティと、定番カラーのツートンなので、どんなスーツにでも合わせやすくなっています。
(7)CHARVET(シャルベ)
高級感のあるサスペンダーなら、シルク地のバンドという贅沢でエレガントなシャルベのサスペンターを手にとってみてください。
格式のあるシーンで、正統派スリーピースでキメたいときに、なくてはならないサスペンダーではないでしょうか。
まとめ
サスペンダーを付けている同僚、あなたのまわりに何人いるでしょうか。
ほとんどいないと思います。
カジュアルシーンでは、流行に乗ってサスペンダーをファッション小物として使っている人もいますが、職場のおしゃれで使っている人は皆無でしょう。
そんな場所で、ジャケットの内側からチラッと覗くサスペンダーは、目にした人の視線を釘付けにすることでしょう。
正しい着こなしをすれば、嫌みのないおしゃれですから、反感を買うこともなく、相手の視線を釘付けにすることもできる便利なアイテム。
お腹の心配も解消されますし、同時におしゃれなイメージも手に入る。
今年はスリーピース+サスペンダーで、さりげないおしゃれをキメてみてはいかがでしょうか。