「人は見た目が9割」とは、劇作家・竹内一郎氏によるものですが、あながち間違いではないということはお気づきでしょう。
人は初対面の人と会ったときのほんの2〜3秒の第一印象で、どんな人かを判断するといいます。
だとしたら、ビジネスマン、特にセールスに携わる人ならまず見た目を重視しなければなりませんね。
例えば車を購入するとき。
1着2万円台と30万円台のスーツを着ているセールスマンがいたら、迷わず30万円台のスーツを着ている方のセールスマンから買いたいと思うでしょう。
ビジネスパーソンは第一印象で信頼を獲得します。
もちろん長期にわたっての付き合いになれば、その人となりを分かってもらえるので、そう気にすることもないでしょう。
しかし、新規のお客様の信頼を勝ち取りたいなら、着ているスーツを今一度、見直す必要があるかもしれません。
コミュニケーションでは視覚情報が重要
冒頭でご紹介した「見た目が9割」という言葉の他にも、コミュニケーションにおける視覚情報の大切さを示す有名なものがあります。
それは、「メラビアンの法則」。
ご存知かもしれませんが、言葉と態度・感情が矛盾したメッセージを受け取った場合、何を判断基準にするかという実験で導き出された答えです。
・話の内容、言葉……7%
・口調、呼吸のペース……38%
・身振り、姿勢、表情など……55%
・口調、呼吸のペース……38%
・身振り、姿勢、表情など……55%
話の内容や言葉などの言語情報はとても少なく7%、口調や話のペースなどの聴覚情報は38%、そして見た目などの視覚情報が55%という実験結果です。
人は何を基準に信じて良いか分からなくなると、目で見た情報を一番に信じるという結果が出たのですね。
つまり、見た目はやっぱり大事ということです。
もし、ビジネスにおいて新たなことをされるなら、誰が見ても信頼できる少し良いスーツを持つことをお勧めします。
やっぱり「ゼニア」
ゼニアはイタリアンスーツを代表する高級スーツブランドです。
有名なのはその生地で、ハイクラスの男性ならオーダーメイドには迷わずゼニアの生地を選ぶというほど。
ゼニアは世界中に500店舗以上を展開している生地メーカーで、自社でスーツの製造もするファッションブランドでもあります。
徹底した品質へのこだわりは、農場から紡績工場、裁断工場、ファブリック販売の店舗までを一貫して所有していることでも明らかです。
ゼニアのスーツを見てみる
ゼニアのスーツはラペルが細くスタイリッシュなシルエットです。
ゼニアの15milmil15(クインディッチ・ミルミル・クインディッチ)。
ゼニアの生地の中でも、特にレベルの高いクオリティを誇る生地です。
通常のゼニアの生地に使われる糸は約19.5ミクロンですが、15milmil15は極細の15ミクロンの糸を使用しています。
そのため稀少性が高く、繊細でしっとりとした手触りも格別です。
ゼニアが近年力を入れているとされる「トロフェオ」です。
トロフェオは従来のゼニアのスーツ生地よりも細い原毛と糸を使うことにより、軽量化を図った生地。
年々リニューアルされており、糸の太さも2012年のSuper130’sから2017年現在Super150’sにグレードアップされているとのこと。
長繊維のスーパーファインメリノウールを使用しているため、手触りもカシミヤかと見まごうばかりのなめらかさです。
ゼニアのスーツはフィット感が選べるので、自分に合ったスタイルの程よいフィット感が楽しめますよ。
渋く「ダンヒル」
ダンヒルといえば男性ファッションの代名詞といっても過言ではないほど、日本で浸透しているブランドですね。
ダンヒルはイギリスを代表する老舗高級メンズファッションブランドです。
メンズアイテムに特化しているのが特徴で、男らしさと気高さ溢れる「大人の男」を演出できます。
元々は馬具の卸売業から始まった会社で、アイデアに富んだ製品の数々は自動車の愛好家たちに愛されてきました。
現在でもスーツだけでなく、男性が使う身の回りの製品——葉巻やパイプ、ライター、アクセサリー、時計など幅広く取り扱っています。
また、2014年のワールドカップ日本代表の公式スーツにダンヒルが起用されたのも、記憶に新しいところです。
東日本大震災以降、ダンヒルのオーダースーツは売り上げが倍になったと言います。
見かけだけの格好よさよりも、「本当に良いものを長く使いたい」という価値観がそうさせているとのこと。
本物をまとえば自然と信頼も付いてきます。
ダンヒルのスーツを見てみる
ダンヒルのスーツは、ジャケットの丈が長めなのが特徴です。
ジャケットの丈が長いため、着た時にスレンダーなシルエットに仕上がります。
洗練されたデザインはとてもエレガントで、高級感が漂っていますね。
画像はフレスコウールのスーツです。
美しいノッチラペルとサイドベンツが特徴。
こちらはウールギャバジンのスーツ。
ロイヤルブルーが印象的な、エレガントなメイフェアフィットスーツです。
素材には弾力感があり、見かけよりも動きやすい着心地が特徴です。
エレガントさが光る「ブリオーニ」
ブリオーニはイタリア・ローマで誕生した、イタリアのエレガントを象徴するファッションブランドです。
ブリオーニのスーツのキーワードは、「最高級な素材」と「既製服」。
スーツの本家本元イギリスの重厚なスーツに対し、イタリアらしい軽快なスーツを発表したことで一躍有名になりました。
そして、従来のオーダーメイドを正統派とするスーツ界に「世界最高峰の既製服」という革命を起こしたことでも知られています。
従来の既製服はオーダーメイドに寄せた仕上がりを目指し、より多くの顧客に合ったスーツでした。
しかし、ブリオーニは逆転の発想で、軽くて柔らかな素材を使い、ハンドテーラリングにこだわって作りました。
そして、その柔らかさゆえに誰にでもフィットする、全く新しいスーツを作り上げたのです。
また、ブリオーニはスーツに「モード」を取り入れた先駆者でもあります。
立体的なラインと軽くてやわらかいフィット感を実現することで、誰が着ても「ブリオーニ」の服だとわかるようにしてしまいました。
それは、今では当たり前になっている、女性服の手法だったのです。
ブリオーニは男性を美しく見せる服を作るブランドとして、世界から認識されています。
ブリオーニのスーツを見てみる
一見しただけでその軽やかさが手に取るようにわかる、繊細なスーツです。
程よくフィット感のあるシルエットは、誰が着ても美しくなるよう設計されているから。
スタイリッシュに着こなせますね。
モダンに行くなら「ラルディーニ」
イタリアのおしゃれスーツといえば、ラルディーニ。
花の形のブートニエールが女性にも好評です。
ラルディーニのスーツの特徴は、その生地使い。
オリジナリティあふれる生地を次々と生み出し、世界中の洒落者の目を釘付けにし続けています。
また、品質の高さも折り紙つきで、製造の全工程において完全にイタリアのものを使っていることが、メイドインイタリア保護協会からも証明されています。
ラルディーニの見た目の格好よさは、遊び心のある生地使いとモダンなカッティングにあります。
それを実現させるだけの高い縫製技術を駆使して、魅惑的なメンズスーツを世に送り出しているのです。
その技術は確かなもので、世界の有名メゾンブランドのOEMを30年以上手がけてきたことを見ても明らかです。
センスのあるデザイン力は、他のどのスーツブランドにも負けるとも劣らないと言えるでしょう。
ラルディーニのスーツを見てみる
控えめなグレンチェックが上品なスーツ。
グレンチェックを前面に出さないことで、無地に近くビジネスシーンでも使いやすい上質スーツです。
チョークストライプスーツはかすれた風合いのストライプが特徴です。
落ち着いたグレーの生地を使用しているため、幅広のストライプでもシックで落ち着いた印象で着られます。
男らしさと色気を放つ「チェザレ・アットリーニ」
イタリア・ナポリで誕生した、世界で最も人気の高いサルトリアブランド、チェザレ・アットリーニ。
ナポリ仕立てのハンドメイドジャケットの上質さは、その名を世界に馳せています。
チェザレの父親はナポリの伝説のサルトと言われたヴィンツェンツォ・アットリーニ。
「ナポリ仕立て」の様々なディテールを作り出した巨匠なのです。
その父親の天才的なカッティング技術を受け継ぎ、世界中にファンを持っているのがチェザレ・アットリーニ。
このブランドの素晴らしさは、卓越した技術と男らしさを引き出す色気を持った服です。
立体的なカッティングを追求した先に生まれたナポリ仕立てのディテールは、着る人の威厳とスマートさを自然に引き出してくれます。
チェザレ・アットリーニのスーツを見てみる
少し幅広なラペルがナポリらしい、ゆったりめの着心地の良さそうな上質スーツ。
風格漂うダブルブレストのスーツです。
明るめのネイビーの色が重くなりすぎないニュアンスにしてくれていますね。
いわゆる昭和の社長が着ていたようなダブルのスーツではなく、カジュアル感もあるおしゃれな雰囲気です。
由緒ある英国トラッド「オースチン・リード」
オースチン・リードは1900年創業の歴史ある英国メンズブランドです。
オーダーメイドが主流の時代から、上質の生地と仕立てにこだわった既製服を作っていました。
世界豪華客船「クイーン・メアリー号」に出店したことで多くに知られるところとなり、ウィンザー公やチャーチル元首相などに愛されるブランドとなりました。
また、ビートルズが愛用していたことでもよく知られています。
1994年からはチャールズ皇太子から、そして翌年にはエリザベス女王から英国王室御用達として栄誉を賜っています。
英国スーツ独特の重厚感のある生地と、ブリティッシュスタイルのジェントルマンなシルエットが特徴です。
オースチン・リードのスーツを見てみる
イタリアンスーツにはない重厚感のあるスーツ。
深いネイビーが特徴的です。
落ち着いたチャコールグレーに、クラシカルなウェストミンスターチェックの生地のスーツです。
普遍的なスタイルは長く愛用できる流行りに左右されないシルエットです。
堅苦しくないブリティッシュ「ティモシー・エベレスト・ロンドン」
ティモシー・エベレスト・ロンドンは、イギリスの高級メンズブランドです。
伝統的な技術を踏襲しながらも、型にはまらない「堅苦しくない」モダンなスーツが特徴的です。
イギリスの紳士服には珍しく鮮やかな色彩を使用し、スリムでスタイリッシュなシルエットを採用しています。
顧客にはデヴィット・ベッカムやトム・クルーズなどがおり、ワンランク上の上質なメンズスーツブランドとして日本でも知られています。
創始者のティモシー・エベレストはスーツのメッカ、サヴィルロウの「トミー・ナッター」でテーラードを学んでおり、その技術は確かなものです。
クラシカルなブリティッススーツには憧れるけど、重厚感のあるものは敬遠してしまうという人に、ぜひオススメしたいブランドです。
ティモシー・エベレスト・ロンドンのスーツを見てみる
ティモシー・エベレスト・ロンドンのオリジナル素材で仕立てられたスーツです。
上品な光沢とシャリ感があり、気品ある雰囲気を漂わせます。
絞られたシルエットは男らしさを強調し、メリハリのあるスタイルを作り出してくれていますね。
ウールとリネンを使用した生地で通気性もよく、清涼感のあるスーツです。
ベージュとグレーのチェックが程良いカジュアル感を演出してくれていますね。
落ち着きがありながらもどこかオシャレ、それがティモシー・エベレスト・ロンドンです。
スーツ界のロールスロイス「チェスター・バリー」
チェスター・バリーは既製服を取り扱うブランドですが、サヴィルロウのテイラーと並ぶクオリティと称されています。
創業者はアメリカ人のサイモン・アッカーマンで、アッカーマンはテイラーの伝統的な技術で最高水準の既製服を作りました。
ほとんどの工程をハンドワークで行い、生地はヨーロッパの最高級のものを取り寄せるという強いこだわりを持って製作し、最高水準のスーツを変わらずに提供しています。
それゆえ、「スーツ界のロールスロイス」とも言われているのでしょう。
チェスター・バリーの特徴は、飽きのこない普遍的なデザインと程よく取り入れた流行の妙にもあります。
そのため使い勝手が良いと愛用者も多いようです。
チェスター・バリーのスーツを見てみる
ネイビーのホップサックスーツ。
ラグビーのレスタータイガースチームの公式スーツとして採用されています。
全ての季節を通して着ることができるので重宝しますね。
スーパー150sウールで作られた、バードアイのスーツです。
サヴィルロウの伝統的カッティングを採用しており、落ち着いた印象を与えてくれます。
真夏を除く3シーズン着用可能で着回しも抜群ですね。
高級といえばアルマーニ「アルマーニ・コレツィオーニ」
高級紳士服ブランドといえばアルマーニですが、ここでご紹介するのはアルマーニのコレツィオーニというラインです。
コレツィオーニはアルマーニのビジネスラインで、元は「ホワイトラベル」と呼ばれていたものが2000年に正式に別ブランドとなりました。
アルマーニには「○○アルマーニ」といういくつものラインがありますが、決して偽ブランドではなく、正式なアルマーニのブランドです。
ちなみにジョルジュ・アルマーニが「ブラックラベル」、ビジネス向けが「ホワイトラベル」と呼ばれていました。
コレツィオーニのスーツは全体的に黒っぽいものが多く、シックな雰囲気で着られます。
アルマーニらしく着心地を追求したスーツなので、着るだけで余裕ある雰囲気を醸しだせますよ。
アルマーニ・コレツィオーニのスーツを見てみる
サマーウールのエレガントなスーツ。
レギュラーフィットなので自然な着こなしが楽しめます。
こちらはバージンウールのスーツ。
トレンドとエレガント、そしてクラス感もある上質なスーツです。
ビジネスマンから実用性を買われる「コルネリアーニ」
コルネリアーニはイタリアのファッションブランドです。
「伝統の職人技に最新技術を融合した至福の着心地」を追求し、クオリティとコストのバランスのとれたスーツです。
また、防水・防汚・防シワ加工を備えた新しい縫製技術を開発するなど、ハードなビジネスマンにとって嬉しい機能を提供しています。
そのため、各国のトップビジネスマンから愛されているブランドです。
コルネリアーニのスーツを見てみる
スーパー160sの糸を使ったネイビーのスーツ。
繊細でしなやかな生地ですが、コルネリアーニの最新技術を駆使した防シワ・防汚・防水加工が施されており、ビジネスに対応できる仕上がりです。
モダンなシルエットと風合いのある生地で、雰囲気のあるスーツ。
生地は黄色のラインのチェックが入っています。
クラシカルで落ち着いた、風格ある1着です。
まとめ
様々なタイプのスーツをご紹介してきましたが、ご自分に合いそうなスーツは見つかったでしょうか。
第一印象が勝負のビジネスマンなら、やはり武器としてのスーツを1着は持っていたいものです。
・ゼニア
・ダンヒル
・ブリオーニ
・ラルディーニ
・チェザレ・アットリーニ
・オースチン・リード
・ティモシー・エベレスト・ロンドン
・チェスター・バリー
・アルマーニ・コレツィオーニ
・コルネリアーニ
・ダンヒル
・ブリオーニ
・ラルディーニ
・チェザレ・アットリーニ
・オースチン・リード
・ティモシー・エベレスト・ロンドン
・チェスター・バリー
・アルマーニ・コレツィオーニ
・コルネリアーニ
いずれもどこに着ていっても胸を張れる、上質な高級ブランドです。
上質かつ高級なスーツは、言葉以上にビジネスを助けてくれる心強い相棒です。
エレガントで上質な武器をまとって、思う存分戦ってください。