春には長雨、そして夏の前には梅雨の時期が来て、雨の季節はスーツがびしょびしょ、ペタペタになり気分まで憂鬱になりますね。
雨に強いスーツはないものか?
スーツ着用のビジネスマンなら、誰もがそう思っていると思います。
大手スーパーや紳士服量販店が開発しているウォッシャブルスーツや、洗濯できるスーツもありますね。
しかし、日頃から高級スーツを着ているあなたが、雨の時期だけ1着数万円のスーツに甘んじるのはいかがなものでしょう。
しかし、最近では有名ブランドからも機能スーツが販売されています。
雨の日でも格式高いスタイリッシュなスーツで決めてこそ、トップビジネスマンです。
雨に強い機能スーツを持つべし
数年前から雨に強いウォッシャブルスーツや、紳士服量販店で売り出している丸洗いできるスーツ。
確かにそれらも雨のことだけを考えたらいいのかもしれません。
しかし、日頃からゼニアやブリオーニなどを着用している人が、雨の季節だけランクダウンのスーツを着ていたら、周りはちょっと引くかもしれません。
あなたの雰囲気だってガラッと変わってしまうに違いありません。
これからご紹介する5つのブランドの機能スーツは、そんな心配などしなくても良い、高級ブランドの機能スーツです。
コルネリアーニ、マッキントッシュ・フィロソフィー、ブルックスブラザーズ、ラルディーニ、ドーメル。
いずれのブランドも最高級ランクの、どこに着て行ってもおかしくないものです。
老舗ブランドと最新テクノロジーのコラボに感謝です。
コルネリアーニの機能スーツ|768A6538
コルネリアーニの「768A6538(LEADER)」は、Super160’sの糸を使った非常にしなやかな肌触りのスーツです。
コルネリアーニ独自の新しい製法技術によって編み出されたFLAWLESS製法により、防シワ、防汚、防水機能を備えています。
高番手の生地ですが、こうした独自の加工によってハードなビジネスシーンにも耐えうる、エレガントと機能美を兼ね備えたスーツです。
コルネリアーニはイタリアのブランドで、原材料から製品の販売までを一貫して行うメンズラグジュアリーブランドです。
コルネリアーニの魅力は流行を取り入れながらも自身のスタイルを守るという、ブレないモノづくり。
日本では東京・丸の内に旗艦店があり、伊勢丹でも取り扱っています。
マッキントッシュ・フィロソフィーの機能スーツ|トロッター
マッキントッシュ・フィロソフィーの機能スーツ「トロッター」。
特殊技術を用いた生地を使用し、ウール100%の風合いを楽しめながら、しかもウォッシャブルです。
シワになりにくいストレッチ性も兼ね備えているので、雨によるシワを気にすることもありません。
色柄も無地のネイビー、グレンチェック、ピンストライプとビジネススーツのスタンダードが揃っているのも嬉しいところです。
マッキントッシュ・フィロソフィーは、イギリスを代表する老舗ブランド「マッキントッシュ」のセカンドライン。
マッキントッシュはゴム引きコートや最高級のトレンチコートなどを提供し、世界中のファッションリーダーの憧れのブランド。
マッキントッシュ・フィロソフィーはそんなマッキントッシュのモノづくりの精神、クラシカルで時代性のあるスタイルを継承したブランドです。
セカンドラインといってもそれ相応の価格もするので、よくある廉価版とは一線を画しているといっても良いでしょう。
日本では三陽商会が取り扱っているので、有名百貨店などで見ることができます。
ブルックスブラザーズの機能スーツ|ブルックスクール
アメリカントラッドの老舗、ブルックスブラザーズの機能ライン、「ブルックスクール」。
元は高温多湿な日本の夏のために作られた素材ですが、その心地よさが高い評価を受け、現在では世界中のブルックスブラザーズで販売されています。
特徴は優れた通気性、防シワ、撥水性、さらにストレッチ性と軽量性もあり、快適な着心地を体感できます。
カラーはネイビー、チャコールグレー、ライトグレー、グレー、ブラック、そしてストライプです。
サイズも29〜38までと豊富なので、安心してジャストサイズを選べますね。
ラルディーニの機能スーツ|パッカブルスーツ
ラルディーニからはカジュアルなパッカブルスーツです。
オンラインストア限定商品ですが、パンツの裾直しやジャケットの袖修理にも対応してくれます。
素材は高級ポリエステル100%でイタリア製。
軽量、防シワ、ストレッチ性、撥水機能に加え、洗濯可能です。
さらに素材の特性から速乾性に優れているため、出張や旅行にも便利。
ラルディーニはイタリアのラグジュアリーブランドで、3兄弟が営む小さな工房から始まりました。
高い技術力と誠実な仕事ぶりは評判になり、すぐに数々のデザイナーズブランドのOEMを担当するようになります。
そして1993年に、ファミリーの名を取ったオリジナルブランドを立ち上げて現在に至り、今尚成長し続けているブランドです。
特徴はサルトリアの伝統を受け継いだヴィンテージ調のファブリックと並行して、従来のテーラリングでは考えられなかった斬新なファブリックづかいです。
様々なメゾンブランドのデザインをしてきたデザイン力を生かした、ラルディーニならではのオリジナリティーと言えるでしょう。
ドーメルの撥水生地|アクアプラン
あのドーメルから誕生した機能生地、「アクアプラン」。
ハイテクナノテクノロジー加工による撥水・軽量・優れた通気性・防汚性が施されています。
それに加えてSuper130’sウールという高級原料を使用した服地。
エレガント、ラグジュアリー、そして機能性が見事に融合した生地です。
通常の撥水加工は生地の表面に膜を張るというものですが、ドーメルの撥水加工は10億分の1という単位の超微細な繊維粒子に直接加工を施します。
そのため通気性を保ちながらも優れた撥水効果があり、水滴が生地の表面を転がり落ちるほどの威力を発揮。
ドーメルは今や世界中のセレブリティから愛されるフランスのラグジュアリーブランドですが、出発は1842年に始めた繊維商でした。
設立当初から、イギリスから毛織物を輸入し、フランス国内で製品化し販売している世界最古の服地マーチャントブランドです。
現在ではシャネル、ディオール、イヴ・サンローランなどの有名メゾンにも生地提供しており、その品質の良さは高く評価されています。
英国生地のしっかりと打ち込まれた生地と、フランスのエスプリを感じさせるエレガントな光沢と風合いが特徴です。
手持ちのスーツを雨から守るお手入れ方法
有名ブランドの機能スーツを手に入れるのもいいけど、手持ちのスーツをなんとかしたい、と思うのも当たり前のこと。
ここからは、手持ちのスーツを雨から守る方法をご紹介します。
撥水加工をする
まずは、機能スーツのように撥水加工を自分で施してしまいましょう。
撥水スプレーを利用する
自分で手持ちの衣類を撥水加工できる、撥水スプレーが市販されています。
こまめにスプレーすることで、雨からスーツを守りましょう。
何社からか販売されていますが、オススメは3Mから出ている「スコッチガード」。
3Mは衣類ブランドと提携して、実際にメンズスーツの撥水加工にも技術提供している確かなメーカーです。
雨や汚れからスーツを守るだけでなく、パンツの折り目も長持ちさせるという優れものです。
クリーニング店で撥水加工をしてもらう
クリーニング店では撥水加工をしてくれるところが沢山あります。
クリーニング店に行くと「防水加工」と「撥水加工」がありますが、これらは似て非なるもの。
防水加工はコーティング力が強く、完全に水を通さないため、生地に通気性がなくなってしまいます。
東京都クリーニング生活衛生同業組合によると、防水加工はテントやスキーウェアなどに施されるとのこと。
それに対して撥水加工は、水を玉状にして弾き飛ばす性質を生地に与えてくれます。
土砂降りの雨には対応できませんが、弱い雨程度なら雨を弾いて自らスーツを守ってくれるのです。
通気性もあるので、汗で蒸れる心配もありません。
最近では撥水加工サービスを利用する人も増えてきているとのこと。
手持ちの大事なスーツに加工してもらうのは抵抗がある、という人もいるかもしれません。
しかし、撥水加工することによって汚れがつきにくくなり、加工していないものよりスーツが長持ちするのです。
自分でスプレーをすると、1箇所につけすぎたり、スプレーが届かない場所があったりで、ムラの心配もありますが、専門家に加工してもらえば安心ですね。
スーツが雨に濡れたらやっておくこと
撥水加工がされていないスーツが濡れてしまった!
そんな時にスーツが痛まないよう、やっておきたいことがあります。
着たままタオルでゴシゴシとこすらずに、まずはこれから紹介する手順でケアしましょう。
水滴は即取り除く
雨に濡れてまずすることは、すぐに水滴を取り除くことです。
タオルやハンカチなどで吸い取るようにして軽くはたきましょう。
ゴシゴシとこするとタオルやハンカチの繊維がくっついてしまうだけでなく、こすった摩擦によってスーツの繊維が絡み、質感が悪くなります。
ハンガーにかけて型崩れを防ぐ
水滴を落としたら、可能ならハンガーにかけて干すのが一番です。
型くずれを防ぎ、湿気によるトラブルを防ぎます。
かけるときはシワも伸ばしておきましょう。
ハンガーにかけたスーツは風通しの良いところに干し、十分に乾かせる場所を選んでください。
湿気が残ったまま放置しておくと、カビの原因や雑菌臭の原因にもなります。
湿っているパンツの干し方
パンツは裾部分の方が濡れ方がひどいので、ウエスト部分を挟んで吊します。
パンツハンガーが二つあれば前後を一つずつ挟んで筒状にしましょう。
もしパンツハンガーがなければ、普通の洗濯バサミが沢山ついた、物干しハンガーでも可能です。
何を使う場合も、ウエストを筒状にして空気が通るようにするのがポイント。
もし裾に泥はねがあったら、濡れた状態で拭わずに乾いてから取ると綺麗に落とせます。
スチームアイロン&消臭スプレーで雨のニオイを飛ばす
スーツはウール・モヘアなど、動物から採れた繊維でできています。
ですので、濡れると変な匂いがする場合があります。
匂いが気になる時にオススメなのが、スチームアイロン。
スチームアイロンは、シワを伸ばすだけでなく、匂いも取ってくれる優れものです。
スチームを生地に当てると、水蒸気が蒸発する時に一緒に匂い成分も飛ばしてくれるのです。
スチームアイロンは家庭用のスチームアイロンのほか、ハンガーに吊るしたまま使用できるハンディタイプの製品もあります。
消臭スプレーは、市販の消臭・除菌スプレーが良いでしょう。
リビング用などいろいろありますが、カーテンや衣類などの布地用のものを購入します。
しっかりと除菌もしてくれるので、カビなどのトラブルからも守れます。
命のセンターラインを取り戻すアイロンのかけ方
スーツが雨で濡れると困るのが、パンツのセンターライン。
センターラインが薄くなってしまったパンツほど、みっともないものはありませんよね。
クリーニングに出す時間もないし、どうしよう・・・そんなときは自分でアイロンをかけましょう。
難しいことはありません。
まずはパンツの裏についている洗濯タグを確認します。
アイロンマークに「中」「高」「低」などが書かれていますので、アイロンの温度もそれに合わせて使います。
中(ウール):140〜160℃
高(綿・麻):180〜200℃
低(ナイロン・アクリル):110〜130℃
スーツのパンツの場合には、ほとんどが中か高になると思います。
スーツにアイロンを直接当てるとテカリの原因になるので、綿100%の布を当ててアイロンをかけましょう。
では、アイロンのかけ方をお伝えしますね。
<腰回り>
腰回りはかけにくいですが、ちょっと頑張りましょう。
アイロン台にパンツを着せるようにして、当て布の上からアイロンを当てます。
はじめは裏地から。
ファスナーに当たらないように注意してください。
<裾>
裾が動かないように押さえながら、また下のあたりまで裾から上に一気にアイロンを滑らせます。
このとき、大まかに折り目を決めておくと良いでしょう。
<膝・腿>
脚部分は片足ずつ縫い目に合わせてアイロン台に置きます。
アイロンを浮かせ気味にしてスチームをくるくると螺旋状に当て、たるみを取ります。
<センターライン>
裾にアイロンをかけるとき決めた折り目に沿って、今度はしっかりと前後の折り目をつけてかけていきます。
パンツを動かして2度がけすると、ラインが2本になってしまうので気をつけてください。
雨の季節になる前に、できれば撥水加工などで事前の対策をしておきたいですが、もし対策前に雨にあって濡れてしまったら、自分で対処する方法を知っていると困りませんね。
まとめ
春先から梅雨の終わりまで、雨に強い機能スーツがあれば、濡れてもストレスを感じずにビジネスに集中できますね。
紳士服量販店や大手スーパーの安いウォッシャブルスーツではなく、高級メンズブランドから出ている機能スーツを5つご紹介しました。
・コルネリアーニの機能スーツ「768A6538」
・マッキントッシュ・フィロソフィーの機能スーツ「トロッター」
・ブルックスブラザーズの機能スーツ「ブルックスクール」
・ラルディーニの機能スーツ「パッカブルスーツ」
・ドーメルの撥水生地「アクアプラン」
いずれのスーツも高級感と機能性を併せ持っているので、雨の季節だけスーツをランクダウンせずに、あなたのスタイルを保てます。
また、手持ちのスーツを雨から守る方法は、次の通りです。
・撥水加工のスプレーを使う
・クリーニング店の撥水加工を利用する
・スーツが雨に濡れたらすぐに水滴を取り除く
・ハンガーにかけて型崩れとトラブルから守る
・湿っているパンツは筒状にして干す
・雨の匂いはスチームアイロン&消臭スプレーで消す
・パンツのセンターラインを取る戻すアイロンのかけ方
雨の日はただでさえ傘を持ったりカバンが濡れたりと憂鬱になります。
そんな日でも撥水・防汚加工が施された機能スーツで、爽やかに過ごしましょう。