知り合いに、講演を依頼され、引き受けることに。
大勢の人の前に立ち講演する以上は、スーツでビシッときめていきたいが、学生時代にスポーツに打ち込んでいたこともあり、ガタイがいいので、既製のものでは、なかなかフィットするスーツが見つからず苦労する…。
しかも職業柄、スーツを着る機会がほとんどないので、スーツ選びにも自信がない。
講演を聴きにきた人たちの前に、身体にフィットしていないスーツを着て立つことは、最初にマイナスイメージを与えてしまう可能性が大きいのではないか不安…。
こんなケース、ありませんか?
自分の体型に合ったスーツをオーダーメイドで仕立て、絶妙にフィットさせて着用することで得られる効果を、一緒に見ていきましょう。
見た目が9割!身体にフィットしたスーツで説得力アップ
ちゃんとプレスされ、身体にフィットしているスーツで、ビシッときめている人。
しわだらけで、ヨレヨレの、身体に合っていないスーツを着ている人。
あなたは、どちらの人の話を、より信頼するでしょう?
人はあなたが思っている以上に、最初の第一印象を重視するものです。
『人は見た目が9割』というベストセラーになった本によると、人と人とがコミュニケーションをとる時、言語=言葉だけのやり取りをしているわけではなく、表情や動き、話し方などの情報を含めて、コミュニケーションをとっており、言語以外でコミュニケーションをとっている割合が、9割にもなるとのことです。
その中には、一番最初に目に付くもののひとつである「服装」も、当然のことながら含まれています。
それでは、なぜ、同じようにスーツを着こなしているつもりでも、第一印象に差が生まれてきてしまうのでしょう?
スーツと聞いて、「どれもそんなに大差はない」「同じようなものだ」と、心のどこかで思っているとしたら要注意かもしれません。
なぜなら、ここにこそ、スーツスタイルで差がつくポイントが含まれているからです。
著名人は、なぜスーツをオーダーメイドするのか?
同じように見えてしまうからこそ、ポイントをおさえた「こだわり」を付加することで、スーツスタイルは存在感を放つようになります。
オーダーメイドスーツの最大のこだわりポイントは、なんといってもフィット感。
人はそれぞれ、体型は違うものです。
親から譲り受けた遺伝的なもの。
歩んできた人生の中で培ってきたもの。
それは、個性ともいうべきものです。
各界の著名人が、スーツをオーダーメイドする理由も、ここにあります。
分かりやすい例でいえば、スポーツ界の著名人。
野球選手であれば、肩から太腿にかけて、がっしりとして、厚みもあります。
サッカー選手であれば、やせ型なのに太ももが異様に発達しているでしょう。
マラソン選手であれば、余分な脂肪を一切削ぎ落とした、かなりの細身体型。
そんな、自分の体型に合わせて、型紙から起こして作り上げていくオーダースーツは、既製のスーツでは得られない、抜群のフィット感を得ることが可能です。
まさに、スーツにも個性、ファッションにも個性が大切、ということですね。
体型に合ったスーツの魅力の第一は、なんといっても、見た目のシルエットが美しいことでしょう。
せっかくスーツを着ているのに、二の腕の後ろ側がダブついていたり、太ももがピチピチではじけそうだったら、シルエットが崩れてしまうだけでなく、見た目の印象も、「だらしない」に変わってしまい、相手の信頼感を増すどころか、不安に思わせてしまうかもしれません。
実用面からみても、身体にフィットするスーツは、長時間着用していても疲れにくく、型崩れしにくいといった利点もあるため、正しい姿勢を維持することが容易になり、終始、相手に好印象を与え続けることも可能です。
人それぞれが持つ、体型=個性に合わせて、美しいシルエットを作り出し、相手に信頼感・安心感を与えることができる。
これこそが、スーツをオーダーメイドする最大の魅力といえるでしょう。
ファッションに疎遠な人ほど必見!著名人に選ばれるオーダースーツブランド3選
スーツをオーダーメイドするメリットはよくわかったが、実際のところ、オーダーメイドでスーツを仕立ててもらったことはなく、何を手掛かりにしていけばよいのかも、正直なところよくわからない…
そこで、ここでは、著名人から選ばれるオーダースーツブランドをピックアップしてみていきましょう。
エルメネジルド ゼニア(イタリア)
自社の毛織物工場を持つゼニアは、素材からデザインまで、一貫して自社ブランドで作り上げることができるため、他のブランドにはたどり着けない、スーツ作りの極致とも言われています。
それゆえ、「着る人に誇りを与えるゼニアスーツ」と評価され、世界のトップリーダーがこぞって愛用する、イタリアの最高峰スーツブランドです。
ゼニアのスーツには、代表的なシルエットとして、ミラノラインとトリノラインの2種類があります。
ミラノラインは、しなやかでセクシーモダンなフォルムに特徴があり、一方のトリノラインは、がっしりとした男性らしいフォルムを強調したデザインが特徴的です。
特に「ミラノライン」は、時代のトレンドを取り入れた現代的シルエットと、ゼニアの代名詞ともいえる、高級ファブリック「トロフェオ」を使用しており、支持率が高いです。
トロフェオは、通常のウール糸に比べて、極細の糸で織り上げた特別な生地で、上品な光沢と、滑らかな肌触りが特徴的です。
一度この生地で仕立てたスーツを着ると、既製のスーツの重さと硬さに、違和感を覚えるともいわれています。
そんな生地で仕立てしたオーダーメイドスーツのフィット感は、想像するだけでも、一度は袖を通したくなるものです。
オースチン リード(イギリス)
英国王室御用達のブリティッシュトラッド。
顧客には元英国首相のウィンストン・チャーチルやビートルズなど各界の著名人が名を連ねる、イギリスを代表するブランドです。
ベースとなるモデルは、純英国調の「イングリッシュ・ドレープライン」。
スーツ発祥の地、サビルローで生まれたモデルで、英国紳士服の主流で、男らしく適度に広い肩幅と、胸回りの美しいドレープが特徴です。
紳士の国「イングランド」の王室が御用達にするスーツと聞けば、本物を志向する者ならば、一度は袖を通してみたいと思う本格モデルといえるでしょう。
立体的で、体にぴったりと合わせて形作られる、ブリティッシュトラッドの美しいシェイプを身にまとえば、心も身体も引き締まり、ワンランク上の着こなしを実現してくれること間違いなしです。
チフォネリ(フランス)
歴代フランス大統領がオーダーする老舗。
「フランスの3大仕立て服店」の1つとして数えられているフランスの名門テーラーです。
デザインは「エレガントなフランス仕立て」。
特にショルダーラインが特徴的。
首から肩にかけて、しなるようなラインと、わずかに膨らみのある袖山など、細部に高度な技術が織り込まれています。
加えて高い位置からシェイプされたウエスト、深めのサイドベンツにかけての優美なラインが、着る人の背を高く見せ、スマートかつセクシーに、男性的な体型を強調してくれるので、これを着用することによるプラスの印象付けは大きいでしょう。
オーダースーツスタイルを引き立てるアイテム選び
もちろん、オーダースーツを仕立てたといっても、シャツやネクタイがなければ、活躍の場がありません。
よくありがちな間違いなのですが、スーツはオーダーしてもシャツは既製品でそろえてしまうということ。
実際に着てみるとわかるのですが、シャツの場合はジャケットの下でだぶついてしまうと、見た目上、美しくありませんし、ネクタイやシューズもオーダースーツの上質さに対する「生地負け」とでもいうような感覚を覚えます。
せっかくオーダーメイドでスーツにこだわりぬいたならば、合わせるアイテムにもこだわり、総合的な完成度を高めていきましょう。
ジャストフィットで内側から引き締める、おすすめオーダーメイドシャツブランド2選
スーツをオーダーメイドでこだわるのならば、同じぐらいシャツにも気を使いたいものです。
身体にフィットしていないシャツを着用して、Vゾーンに余った生地がシワとなって現れていたら、せっかくのオーダーメイドスーツも台無しになってしまいます。
そこで、シャツもオーダーメイドすることをおすすめします。
なぜなら、体型に合わせて、腕回り、ウエスト回り、アームホールのフィット感を自由に変えられ、スマートなシルエットで着心地の良さも実現できるからです。
ここでは、オーダーメイドシャツのおすすめブランドを、2つピックアップします。
大和屋シャツ
大和屋シャツは創業明治9年という、老舗中の老舗。
顧客には、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)、32代米国大統領になるフランクリン・D・ルーズベルト、そして、大正天皇という、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。
創業当時から「着心地の良いシャツ」を最重視し、お客様が「どんなシャツがほしいのか」を察知し、それを形にしていくために、採寸の段階から十分なコミュニケーションを取って、イメージを固めていくといいます。
そこには、長い年月の中で培ってきたノウハウが豊富にあり、仕立ててもらう側としても、任せて安心と思える歴史の重厚さがあります。
取り扱っている生地も、カルロ・リーバ(CARLO RIVA)を筆頭に、世界中のオーダーシャツファンに愛される各国のブランドを網羅しています。
若林ワイシャツ
選べる生地の豊富さが、1,000種類以上という、驚きの品揃え。
最高の着心地を実現するために、オーダーメイドならではの、ミリ単位でのきめ細かな調整をしていきます。
すべての工程を社内で実施しているので、寸法数字ではとらえきれない、微妙な調整もしていくという徹底ぶりをみせる、ワイシャツのオーダーメイド専門店。
お客様へのヒアリングを通して、普段の体の動き方などを十分に把握したうえで仕立てていくので、静止中のみならず、動作中の着心地の良さも実感できるように、こだわりぬいています。
相手の目と心を一瞬でつかむネクタイ
人に対面したとき、顔=表情は必ず見ると思います。
その時、身に付けているもので、顔の一番近くにあるもの、それがネクタイです。
選ぶネクタイの色や柄によって、相手に与える第一印象が大きく変わってきます。
オーダースーツやシャツとのバランスをとることで、センスの良さをアピールすることもできますし、心理的な印象付けも可能です。
スーツ・ネクタイ・シャツを同色系でまとめると、失敗が少ないですが、この際、濃淡でメリハリを付けることが大事です。
ネクタイの色を選ぶときは、シャツよりも濃い色を選ぶのが基本です。
ただ、同系色だと、やはり無難すぎて、相手に印象付けるには弱いと感じるならば、スーツと反対色のネクタイを選んでみましょう。
スーツとネクタイが互いを引き立てあって、シャープな印象作り出すため、目線の集まる胸元で、インパクトを与えることができます。
例えば、濃紺のスーツに赤いネクタイの組み合わせると、力強い印象を与えるので、成功させたい商談や、プレゼンテーション、スピーチといった場に有効です。
このように、着こなしと第一印象に大きな影響力を持つネクタイ。
だからこそ、スーツとシャツをオーダーメイドでこだわるなら、その上質さに負けないブランドのネクタイを選びたいものです。
次に、上質なネクタイを入手するための、おすすめブランドを2つ見ていきましょう。
ルイジボレッリ(LUIGI BORRELLI)
ネクタイを横や斜めに置いて縫い合わせていく、通常の縫製とは違い、ネクタイを縦において真ん中を縫い合わせていくという、繊細で難しい作業を行う独特の縫製法で作られるボレッリのネクタイ。
この独特の縫製法と、仕上げのアイロンワークによって、ふくらみがあって締めやすいネクタイが作り出されます。
それは、「最高のシャツに合わせるために作られた、最高ネクタイ」と称するに値する仕上がりです。
エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zenia)
オーダースーツの項目でもピックアップしたブランド、エルメネジルド・ゼニア。
ゼニアは、品質に優れた生地を作る製造元としても、世界的な地位を確立しており、アルマーニを筆頭に、トムフォード、キトン、エルメス、ヒューゴボス、ラルフローレン、ブリオーニなど、世界に名だたるトップブランドに、生地を供給しています。
高級紳士服のおよそ30%はゼニアの生地で作られていると言われています。
そんな、生地メーカーでもあり、ファッションブランドでもあるゼニアが作り出しているネクタイを選べば、オーダースーツやシャツに「生地負け」してしまうことは、まずないので、安心して選ぶことができます。
スーツの着こなしをグレードアップする靴
身体の末端ともいうべき足。
「あまり見る人もいないだろうし、そんなに気を使わなくてもいいでしょう?」
と、思っているようでしたら、要注意です。
「靴を見れば、その人物のことがわかる」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これは、裏を返せば、「できる男は細かいところにまで気を配ることができる=余裕がある」ということができるでしょう。
確かに、オーダーメイドのスーツとシャツ、それにばっちり合わせたネクタイできめたのに、かかとがすり減って、形の崩れた、ほこりまみれの靴を履いてしまったら、せっかく整えたものも、一瞬で台無しになりますよね…
まさに、「一瞬の隙が死を招く」。
少し大げさかもしれませんが、武士が死と隣り合わせの戦場に出陣するとき、細心の注意を払ったごとく、現代の男性にとっての戦場ともいうべきビジネスシーンで、末端にまで気を配ることができるかどうかは、ステータスが上がれば上がるほど、重要になってきます。
ましてや、大壇上で、多くの人の前に立つシーンというのは、言ってみれば人生の大舞台。
靴に至るまで、細心の注意を払っていきたいものです。
一般的に、靴のデザインというのは、
・甲のデザイン(内羽か外羽)
・穴飾りがあるかないか
・トゥの形状
・穴飾りがあるかないか
・トゥの形状
この三点である程度完成されています。
ただ、この組み合わせによる違いを熟知し、シーンやスタイルに合わせてチョイスしていくことは、かなりの上級者がなせる業です。
まずは、スーツに合わせる靴で代表的なものとして、オールラウンドプレーヤーともいうべき、「内羽式の黒のストレートチップ」を選びましょう。
これさえあれば、様々な催し物から冠婚葬祭に至るまで、オールマイティに使うことができます。
オーダーメイドスーツに合わせることによって、スタイルをさらに引き立ててくれる上質な靴ブランドを2つ、次にご紹介します。
ジョンロブ(JOHN LOBB)
ジョンロブはロンドンに本店を構え、英国王室御用達のブランドの一つで、「革靴界の王様」と呼称されるほどです。
エルメスと資本提携したのち、伝統的な技術力とモダンなファッション性を兼ね備えるようになり、垢抜けした、エレガントな雰囲気を持つブランドとして進化を遂げています。
このブランドが作り出す「ストレート・チップ」は、とにかく美しいの一言です。
クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)
世界中で最も多くの木型の種類を有する靴メーカーとして、靴作りのデザイン・バリエーションや素材選びについて優れたノウハウを有している、クロケット&ジョーンズ。
数々のファッションシーンや映画に商品を提供しており、有名なところでは、007「スペクター」の中でも最も着用シーンが多かったのがクロケット&ジョーンズの外羽根ストレートチップ「ノーウィッチ」と言われています。
妥協することない伝統的な靴作りを基本に、1足の靴を作り上げるのに約8週間かけるという徹底ぶりで、最高品質と呼ぶにふさわしい靴を生み出し続けています。
このような、「徹底して良いものを作り出す」という、クラフトマンシップに根差したブランドの靴を選べば、オーダースーツを引き立ててくれること間違いないでしょう。
まとめ
重要な商談やスピーチに臨む際、第一印象を良くし、説得力をアップするために、オーダーメイドスーツの着用をおすすめする理由を見てきました。
そして、スーツをオーダーメイドするにあたり、有名なブランドを3つ紹介しました。
・エルメネジルド ゼニア(イタリア)
・オースチン リード(イギリス)
・チフォネリ(フランス)
・オースチン リード(イギリス)
・チフォネリ(フランス)
どのブランドも、それぞれ特性があるので、シーンや好みに合わせて、自分に合うスーツを仕立てることができるでしょう。
また、スーツをオーダーメイドするなら、シャツ、ネクタイ、靴の3つは、釣り合いのとれるものを選び、総合的な完成度を高めれば、より効果的なスーツスタイルとなることも、合わせてみてきました。
オーダーメイドシャツは、
・大和屋シャツ
・若林ワイシャツ
・若林ワイシャツ
ネクタイは、
・ルイジボレッリ(LUIGI BORRELLI)
・エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zenia)
・エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zenia)
靴は、
・ジョンロブ(JOHN LOBB)
・クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)
・クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)
各項目、2つずつブランドをピックアップしています。
どのブランドも、伝統と技術に裏打ちされたブランドばかりで、オーダースーツに合わせるに相応しいブランドばかりです。
着用する服の種類によって、自分の心持が変わるという感覚を覚えたことはないでしょうか?
スーツに身を固め、出かける前に鏡に映った自分を見た時に感じる、じんわり心の奥底で広がる自信のようなものです。
自分の心持が変われば、相手に伝わる印象も変わってくるものです。
商談やスピーチという場面では、第一印象で相手の心をつかむことができれば、その後の流れも大きく変わってきます。
体型に合わせて仕立てたオーダーメイドスーツが、その役目を果たしてくれるでしょう。
この機会に、オーダーメイドスーツを仕立ててみてはいかがでしょう?