多くのビジネス業界では未だにスーツが中心ですが、IT企業やクリエイティブ界隈ではオフィスカジュアルやジャケパンスタイルなど、私服の着用を認める習慣が広まってきているようです。
スーツというのは決まったセットを着るという点ではある意味「楽」かもしれませんし、とりあえずスーツさえ着ていれば「俺の格好、この場で浮いているな・・・」と思ったり、「俺の服装、この中だと貧乏くさいな・・・」と思ったりすることは少ないでしょう。
しかし、私服となるとジャケットを羽織ってもコーデによってその人のファッションセンスが見えてきますし、ファストファッションブランドの安いアイテムばかり揃えていると、「あの人、服にはお金を使わない人なのかな」など思われかねません。
社会人は仕事をしっかりとこなすことが一番大切かもしれませんが、それでも服装はしっかりしておきたいですし、特にビジネスにおいて私服を着る人は人一番ファッションに気を遣うべきかもしれません。
そこで今回はビジネスで使えるジャケットスタイルをテーマに、オススメのコーデやアイテムを紹介するので、参考にしていただけたら幸いです。
どんなジャケットがいい?
オフィスカジュアルコーデで必須とも言えるアイテムが「ジャケット」。
ジャケット選びに慣れていない人は入りやすいお店で、予算でカバーできそうなジャケットを選びがちですが、そうする前にどんなジャケットがビジネススタイルに良いか、知っておきませんか?
まずジャケットにはいくつか種類があり、中にはビジネス向けではなく、カジュアル向けのジャケットもあります。
こういったジャケットはプラスチック製のボタンが使われていたり、ポケットのデザインがカジュアルだったりし、一般的なジーンズやチノパンとコーデが合わせやすいようにデザインされています。
値段的に手に取りやすいこともあり、ジャケット選びに慣れていない人はこういったカジュアルジャケットを選んでしまうかもしれませんが、ビジネススタイル向けを探しているのなら、避けましょう。
そしてもう一つポイントとなるのが使われている「生地」。
生地のブランド知識を持っているだけでジャケットの選び方が変わってきますし、見た目がよく、着心地のよいジャケットを見つける近道になるでしょう。
コスパ抜群のカノニコがオススメ
まずオススメなのがイタリア産でコストパフォーマンスが高いと評判の「VITALE BARMERIS CANONICO」こと「カノニコ」。
カノニコは起源が1663年まで遡るイタリアの老舗生地メーカーなのですが、ジャケットやスーツといったテーラードファッションのブランドがひしめくイタリアの中でも一流ブランドとして知られています。
なお、カノニコの生地は品質の評価が高く、イギリスのラグジュアリーブランドである「BURBERRY」や「RALPH LAUREN」、そして同郷であり世界的にも高級ブランドとして知られる「ARMANI」も自社の製品にカノニコの生地を使用しているのです。
こういったブランドがカノニコを使用する一方で、日本でも「United Arrows」、「Urban Research」、「BEAMS」といったセレクトショップや、「THE SUIT COMPANY」や「SUIT SELECT」といったスーツショップもカノニコの生地を使用した製品を扱っており、そのコストパフォーマンスの高さが伺えます。
例えばこちらの一着はいかがでしょう。
シックなチェック柄がポイントのジャケットですが、程よい粗野感が大人っぽさを感じさせてくれ、こなれた感を演出してくれます。
また、カノニコの生地を使用しているので軽く、伸縮性に優れているので動きやすさも抜群です。
ジャケット探しで迷われているなら、まずはカノニコを試してみてはいかがでしょうか。
シャツ選びでイメージが大きく変わる?
ジャケットを選んだらお次はインナー選び。
ビジネスで使うスタイリングと考えると、やはりここはTシャツ等のインナーよりシャツを選ぶのが賢明でしょう。
そしてここでポイントとなるのが選ぶシャツの種類。
一般的なスーツコーデで使われるシャツは「ドレスシャツ」と呼ばれもので、着丈が長いのが特徴です。
これはタックインで着ることが前提となっているのが主な理由なのですが、ズボンのウェストからシャツがはみ出ないようにという配慮と、起源を遡るとシャツが下着と併用して使用されていた名残、という二点があります。
また生地はブロードやオックスフォードなど細い糸で縫われたものが主流で、なめらかな手触りと光沢感でドレス感、フォーマル感を演出しているのもポイントといえるでしょう。
一方でカジュアルシャツはシャンブレー、ダンガリーといった生地を使用しており、ドレスシャツとは反対に着丈が短いのが特徴。
着丈が短いとタックアウトでカジュアルに着こなすこともできるので、使い勝手が良いのもカジュアルシャツのメリットと言えるかもしれません。
さて、ビジネススタイルでこの二つのどちらを選ぶべきか、というところですが、社内ではカジュアルシャツの方がリラックスした雰囲気を醸し出せるでしょうし、社外で取引先の人と会う時はドレスシャツでフォーマルに決めた方がよいでしょう。
そのため、どちらも持っておくのがベストかもしれません。
ドレスもカジュアルもおすすめのFINAMORE
FINAMOREは1925年にイタリアのナポリにて創業した高級シャツブランド。
現在の代表の祖母が中心になって営み始めた小さなアトリエが基になっていると言われており、今でも手縫いにこだわった伝統的な作りで人気を呼んでいます。
そしてこちらがFINAMOREのドレスシャツである「LUIGI」と呼ばれるシリーズ。
FINAMOREでも人気のドレスシリーズで、細身のデザインでスタイリッシュなボディラインを演出してくれますし、アームホールは腕が動かしやすい設計になっています。
ここ一番という、大事な日に着てみてはいかがでしょうか。
そして、もう一つ紹介したいのがFINAMOREのカジュアルシャツ。
FINAMOREはカジュアルシャツでも大変人気で、高級素材にあえて洗い加工を施す作りがFINAMOREの得意技です。
こちらは「SERGIO」と呼ばれる襟型をベースにしており、大きく開かれたその型が特徴。
また深みのある色合いのインディゴ生地を使用しており、あなたのカジュアルコーデをより一層おしゃれにしてくれるでしょう。
パンツ選び、手を抜くのはNG!
そして次にお話したいのがパンツ選び。
ジャケットなど目立つアイテムはいわばコーデの「顔」ですし、予算を割く人も多いのですが、パンツは案外ファストファッションブランドのもので済ませてしまいがちです。
ですが、パンツのシルエットによってコーデ全体のイメージが左右されますし、購入当初は質感が良くても数ヶ月でシルエットが崩れたりすることもあるので、パンツ選びは要注意。
なお、ビジネススタイルにオススメなパンツはズバリ、スラックス。
スラックスはスーツコーデのパンツとしても使われているもので、綿を主流とした素材でサラっとした手触りが特徴です。
フォーマルでドレッシーな印象なのでジャケットとの相性が良く、ビジネスライクなファッションにぴったりなパンツといえるでしょう。
チノパンやデニムもデザインを選べばジャケットと合わせることができますが、ビジネスユースを踏まえるとスラックスが無難かもしれません。
PT01がオススメ!
そしてパンツでオススメしたいブランドが「PT01」。
PT01は2008年にイギリスで創業したパンツブランドで、歴史は10年足らずと短めですが、創業者のMario Stefano Maranはこちらもイギリスの名門のパンツブランドとして知られる”INCOTEX”にてパンツ作りの経験を積んだ人物です。
PT01は「メンズクロージングにおいて最も重要なアイテムはパンツ」というモットーの基に誕生し、ブランド名は”PANTALONI TORNIO”=「トリノのパンツ」に由来しており、語尾の”01”には「トリノで一番のパンツを目指す」という意味合いが込められているとのこと。
各ラインにテーマが設定されており、美しいシルエットはもちろんのこと、従来は重要視されなかったマーベルトやポケットのデザインにも拘りをもち、注目されているパンツブランドの一つと言われています。
そして、こちらがオススメのPT01のスラックス。
こちらは2014年に一度廃番になりながらもファンからのリクエストにより復活した「J35」と呼ばれるモデル。
股上を浅めに設定することにより美脚効果を生み出し、タイト過ぎない程よいシルエットで日本人にもファンの多いモデルです。
また従来のモデルにナノテクレベルの撥水加工も施されており、雨の日でも安心して履ける一着となっています。
革靴にもたくさん種類がある?
パンツも決まったら、最後はシューズ選び。
ビジネススタイルのコーデとなると、定番は革靴でしょう。
しかし、実は革靴にもたくさんの種類があることをご存知でしたか?
例えば「ストレートチップ」と呼ばれるこちらの型。
つま先の部分に横切る一本の線が入ったデザインですが、革靴の中でもフォーマル度の高い靴とされており、スーツコーデでもよく使われるタイプの靴です。
もしかするとあなたがスーツに合わせて履いている靴はこの型かもしれません。
ストレートチップはジャケットを使用するビジネススタイルの私服にもオススメで、フォーマルなコーデに仕上げたい時用にひとつ持っておくと便利でしょう。
一方で革靴でもカジュアルテイストなのが「ローファー」。
ローファーは靴ヒモがないタイプのもので、アメリカン・カジュアルなどカジュアルながらも大人っぽく、ダンディーな装いにマッチするタイプの靴と言われています。
革靴なので大人っぽさは演出できるローファーですが、カジュアル度が高いため取引先の人と会う場合など、ビジネス度が高い日は着用を避けた方が良いかもしれません。
Scotch Grain
そして、オススメしたいシューズブランドが「Scotch Grain」。
「Scotch Grain」は1978年にスタートしたブランドで、東京の墨田区に工場を構える、国産ブランドです。
ブランド名は「スコッチグレイン」とよばれる穀物模様の革に由来しているとのことで、「グッドイヤーウェルト」とよばれる製法を得意としています。
Scotch Grainの靴は熟練の職人によって170に及ぶ工程を経て作られているのですが、履きこむほど足に馴染み、ソールの交換も可能なため、長く履き続けることができるのでコストパフォーマンスが高いと評判です。
そして、こちらがScotch Grainのストレートチッップシューズ。
デザインを極力シンプルに抑えており、低めのトゥ、細長いノーズで無駄のないすっきりとしたシルエットが特徴です。
そしてもうひとつ紹介したいのがScotch Grainのローファー。
「フレキシブル」と名付けられたこのシリーズはScotch Grainの中でもロングヒットシリーズで、国産のカーフを使用した上品な質感が魅力のローファーです。
なお、Scotch Grainは銀座に本店を構えているほか、大阪、上野、そして各プレミアムアウトレット店にも店舗を構えているので、気になる人はチェックしてみてください。
お店選び
さて、ここまでオススメアイテムを紹介してきましたが、よく聞くのが「どんなお店で買えばいいか分からない」といった声。
確かにどんなアイテムがどれだけ良いものかわかっても、どこに行けば手に入るか分からなければ意味がないですよね。
ですので、最後にオススメのアイテムを購入できるお店を紹介して、本記事を締めたいと思います。
便利なセレクトショップ
まずオススメなのがセレクトショップ。
日本に存在する主なオススメセレクトショップの例を挙げると・・・
「United Arrows」、「green label relaxing」、「Urban Research」、「BEAMS」、「SHIPS」、「TOMORROWLAND」、「EDIFICE」といったところ。
セレクトショップの特徴は各ショップのテーマに沿った複数のブランドを取り扱っている点で、ブランド別に店舗を訪れる必要なく、一箇所でお買い物が済んでしまうこと。
また多くの商業施設に店舗展開しているので、きっとあなたの身近にもあるでしょうし、「入ったことないお店にはちょっと入りづらい・・・」といった人でもすんなり入れるはず。
なお、green label relaxingなど、ショップによってはリーズナブルな価格帯の製品を揃えているところもあり、「最初から高い買い物は怖い・・・」という人はまずセレクトショップを訪れてみるとよいかもしれません。
お得なアウトレット
リーズナブル且つ身近な存在としてオススメなセレクトショップですが、中にはセレクトショップでは扱われていないブランドもあります。
そういったときにオススメなのがアウトレット。
特に全国9箇所に展開されているプレミアムアウトレットは国内外のブランド品が割引価格で売られているのでお徳です。
なお、プレミアムアウトレットで扱われているブランドの一例を挙げると・・・
“BROOKS BROTHERS”, “dunhill”, “HUGO BOSS”といった高級スーツブランドをはじめ、”Paul Smith”, “Ralph Lauren”といったラグジュアリーブランドまで、その他多数のブランドが展開されています。
なお、本記事で紹介した「Scotch Grain」は御殿場店、佐野点、りんくう店、土岐店にて扱われているので、是非チェックしてみてください。
欲しいブランドが決まっているなら百貨店!
セレクトショップとアウトレットを紹介しましたが、中にはどちらでも扱われていないブランドもあるでしょう。
あるいはアウトレットで扱われていたけど、なんらかの理由で割引されているものでなく、正規のものが欲しいといった事情があるかもしれません。
そんな時にオススメなのが百貨店。
百貨店は全国各地に展開されていますが、一例を挙げると・・・
「東武」、「西武」、「伊勢丹」、「三越」、「阪急」といったところ。
百貨店の特徴は高級ブランドが勢ぞろいしている点で、特に新宿伊勢丹のメンズ館は本記事でも紹介した海外ブランドである「Finamore」、「PT01」はもちろんのこと、「Fray」、「Jacob Cohen」など、その他多数の高級海外ブランドを扱っています。
「このブランドのジャケットが欲しいんだ!」と、欲しいブランドが決まっている場合は是非百貨店を訪れて、実物に触れてみてください。
まとめ
今回は「ビジネスで使えるジャケットスタイル」をテーマにおすすめのコーデやアイテムを紹介しました。
・ジャケット選びのコツから、おすすめのジャケット
・シャツの種類に関するお話から、おすすめシャツの紹介
・パンツ選びのお話しと、おすすめブランド
・革靴の種類選びと、おすすめのブランド
・お店選び
・シャツの種類に関するお話から、おすすめシャツの紹介
・パンツ選びのお話しと、おすすめブランド
・革靴の種類選びと、おすすめのブランド
・お店選び
主にこういったトピックについてお話ししましたが、紹介したブランドは以下の通り。
・”VITALE BARMERIS CANONICO”こと「カノニコ」
・FINAMORE
・PT01
・Scotch Grain
・FINAMORE
・PT01
・Scotch Grain
”VITALE BARMERIS CANONICO”こと「カノニコ」は期限が1663年まで遡るイタリア発祥の老舗高級生地ブランドで、「ARMANI」をはじめとした高級ブランドが使用する一方で、国内の「United Arrows」といったセレクトショップでも扱われるコストパフォーマンスに優れた生地ブランドです。
FINAMOREもイタリア発祥のブランドで1925年にナポリにて創業しましたが、現在でも手縫いにこだわっておりそのフォルムの美しさや着心地の良さが人気を呼んでいます。
パンツブランドであるPT01もイタリア発祥で2008年に創業しましたが、従来のパンツブランドが重要視しなかったマーベルトやボタンといったディティールにまでこだわりを持つ作りが人気のパンツ専業ブランドです。
Scotch Grainは東京の墨田区に自社工場を構える国産ブランドで、ソールの交換を可能とし何年も履き続けることができる「グッドイヤーウェルト」製法を得意としています。
本編ではこれらのブランドを実際に手にすることができる店舗についてもお話ししているので、よければ是非チェックしてみてください。
以上となりますが、本記事の内容が少しでもあなたの悩みの解決につながればうれしく思います。