40代ならセクシーなイタリアスーツで艶やかな雰囲気に。
しかし、50代に入るとセクシーだけではなく、ダンディな雰囲気も必要になってきます。
スーツやスーツにまつわるアイテムをダンディに着こなすには、イタリアファッションもいいですが、ここはひとつスーツの起源とも言える英国ファッションを選びたいところ。
英国ファッションというと「カッチリ」とした威厳さ。
トレンドに左右されにくい伝統とこだわり。
そして100年、200年と受け継がれてきた精神性と技術。
これらが一体となっているブランドのアイテムを選んでこそ、他の人とは違うダンディズムを体感できるのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介するのは、英国のファッションブランドの中でも「英国王室御用達」を受けているブランドです。
有名なところでは「バーバリー」のトレンチコートがありますが、他にも「英国王室御用達」を受けている、伝統あるブランドが存在します。
それでは「英国王室御用達」のブランドを見ていきましょう。
英国王室御用達(ロイヤルワラント)とは
はじめに「英国王室御用達」の意味でもある「ロイヤルワラント」についてお話しておきましょう。
ロイヤルワラントとは、王室に品やサービスを納めることを認められた称号。
現在の英国で「ロイヤルワラント」を授けることができるのは、次の三人のみです。
エリザベス女王
チャールズ皇太子
エジンバラ公
チャールズ皇太子
エジンバラ公
この三人の王室メンバーが、それぞれブランドやお店に「ひとつずつ」だけ称号を与えること出来るのです。
このように英国のブランドやお店にとっては最高位の称号ですが、ロイヤルワラントを得るためには、厳しい品質基準があると言われています。
(例えば、最低5年の継続受注が可能である。など)
そして、ロイヤルワラントを一度受けたからといって安心はできません。
称号を受けた後でも、厳しい品質基準に満たないと判断されると、あっけなく取り消されてしまいます。
5年ごとに再審査が行われ、品質やサービスが基準を満たしていないと取り消されます。
称号を与えられている間に「倒産」や「事業撤退」となった場合も取り消されますので、ロイヤルワラントを授かるブランドやお店は、常に高い品質とサービスを提供しながら、健全な経営を続けなければいけません。
ということで、ロイヤルワラントを授かっている、継続して授かっているというブランドやお店は、常に高い品質とサービスを提供し続けているという証になっているということなのです。
このように厳しい品質基準のロイヤルワラントですが、どのようなものが授かっているのかを少し見ておきますと、
・洋服
・靴
・バッグ
・小物
・靴
・バッグ
・小物
また、
・理髪店
・チョコレート
・ドッグフード
・洗剤
・車
・ホテル
・チョコレート
・ドッグフード
・洗剤
・車
・ホテル
などなど。
日常的に使うものから、ペット用品まで多種多様にわたっています。
これは見方を変えると、王室が生活する上で使っているモノとサービスと言えますから、いかに王室は「贅沢」な生活なのかということが伺えます。
ロイヤルワラントを授かったブランドやお店は、ロイヤルワラントを授けた人物の紋章を掲げることができます。
複数の人物からロイヤルワラントを授かった場合には、複数の紋章を掲げられます。
ロイヤルワラントを授ける資格者三人から、すべて認定を受けた場合にはすべての紋章を掲げられますので「これは最高に高い品質やサービスである」と証明されているのと同じことになります。
ちなみに3つすべて認定されているのは、文房具の「スマイソン」、テーラーの「ギーブス&ホークス」など、ごく少数です。
反対に三人の称号を掲げていても、5年後の再審査で取り消されることもありますので、5年前は三人の紋章だったけれど、5年後は二人の紋章になったということもありえます。
こうやって見ていくと、ロイヤルワラントが授けられるモノは全て「高価」なものと思いがちですが、すべて「高価」なものではありません。
しかし、ロイヤルワラントを授かっているモノを見てみると、全般的に「高貴」な品位を感じます。
相応のモノやサービスを厳しく選んでいるということもあるのでしょうが、ロイヤルワラント(英国王室御用達)という英国の威光の力も作用しているのかもしれませんね。
ロイヤルワラントを持つブランド
ジョン スメドレー(John smedley)
1784年、ダービシャー州マトロックのリーミルズに設立されたニットブランドです。
設立には、クリミア戦争での献身的な看護活動で知られる「フローレンス ナイチンゲール女史」の叔父にあたる「ピーター ナイチンゲール」と「ジョン スメドレー」の二人が共同経営を始めたのがきっかけです。
設立当初は、綿花の紡績と生地造りに専念していたのですが、18世紀の終わり頃からは、編み物や靴下の製造を開始。
同じ頃からジョン スメドレーが単独で工場を運営しはじめます。
1875年から会社を引き継いだ「ジョン スメドレー4世」が、今の業態の基礎を作り上げました。
その後、アイテムをアンダーウェアからナイトウェアまで広げるようになり、ニットブランドとしての地位を確かなものにしてきます。
ジョン スメドレーを語る上で欠かせないのが、天然素材を用いてきめ細かく編み上げられたニットでしょう。
綿には最高級コットンである「JOHN SMEDLEY’S SEA ISLAND COTTON」や、厳選された牧場と契約した「メリノウール」から、なお厳選したものを使用するというこだわり。
このように選ばれた素材から作られる、他のブランドが真似できない、30ゲージという超軽量な編み目は、やわらかく滑らかで肌触りのよい着心地を実現しています。
現在では最新のコンピュータ制御された編み機と、昔から残る伝統的な編み機を併用することで、ジョン スメドレー独特の風合いを提供し続けています。
ジョンストンズ(Johnstons)
1797年、スコットランドの北東にあるエルガンで創業。
200年以上にわたりジョンストン家とハリソン家が経営に携わっている、高級素材を使ったスカーフやニットアイテムを作っているブランドです。
英国でも珍しい、原毛からの紡績、機織り、ニッティングまで一貫した生産工場をもつメーカーでもあります。
ジョンストンズが扱う素材には
・カシミヤ
・ビキューナ
・メリノウール
・ラムズウール
・キャメルヘアー
・ビキューナ
・メリノウール
・ラムズウール
・キャメルヘアー
などがあります。
ジョンストンズは「最高のもののみが全て」という経営理念に基づいて、全ての工程を熟練した技術と信頼をもって操業しています。
創業のころから活躍するカーティング機。
アザミ起毛といった伝統的な工程を残しながらも、近年要望される「小ロット」の生産にも迅速に対応するべく、新しい染色機や縦糸成型機の導入を行うなど、新しい時代にあわせた設備の投資も行っています。
200年以上続くジョンストンズは、歴史と伝統を受け継ぎ守りながらも、現在要望される細やかな商品供給にも目を向けたブランドだと言えます。
デンツ(Dents)
世界最高級手袋と呼ばれることも多いのが「デンツ」です。
1777年、英国のウースター大聖堂がある「ウースター」で、創業者「ジョン・デント」が一組の手袋を作ったことから始まりました。
創業者のジョン・デントには天才的な才能がありました。
革を識別し、革を切り出す裁断技術にたぐいまれな才能があったのです。
この天才的な才能から作られるジョン・デントの手袋は「手にはめていることを忘れる」ようなフィット感だったため「シークレットフィット」と呼ばれていたそうです。
最高のはめ心地であるデントが作り出す手袋は、他にもこんな風に表現されていました。
・手袋をしたまま新聞をめくることができる
・手袋をしたままポケットに入れたコイン1枚をつまみあげることができる
・手に吸いつくような感覚
・手袋をしたままポケットに入れたコイン1枚をつまみあげることができる
・手に吸いつくような感覚
手袋が手と同じような感覚なのは、当時の人達を大変驚かせたことでしょう。
また、19世紀から20世紀にかけ、ファッションへの志向が盛んだった紳士や婦人たちは、社交場で「手袋を着ける」ことが大切でした。
このような時代背景に後押しされるように、最高級手袋を作るデンツはその名を広め、アメリカやヨーロッパなどへも販売を始めることになりました。
そして、1953年。
デンツはエリザベス二世の即位に際して「裁冠式用手袋」を御用達。
英国王室での使用が評判を呼び、世界最高級と呼ばれるようになったのです。
天才的なジョン・デントの技術やこだわりは、今も職人たちに受け継がれ最高の手袋を作りつづけています。
ターンブル&アッサー(Turnbull & Asser)
1885年、レジナルド・ターンブルとアーネスト・アッサーの2人のシャツ職人がパートナーとなり会社を設立。
1885年当時、英国ロンドンには「3万前後」のシャツメーカーや個人営業のシャツの仕立屋がいたとされています。
競合が多い中、ターンブル&アッサーは会社設立の数年後から、上流階級用の狩猟用手袋やシャツ靴下などに力を入れ、1904年にはじめて英国王室から注文を受けたのが、アレクサンドラ王妃の乗馬用レインコートでした。
第一次大戦の時には、他の多くのメーカーと同じく軍用の防寒具やトレンチコートを製造します。
また同じ頃、ウィンストン・チャーチルからシャツのオーダーを受けるようになりました。
第二次大戦後の1960年代、著名人がターンブル&アッサーのシャツを着用している姿が映画やテレビに登場したのをきっかけに、これを見た人たちが同じシャツを求めて殺到。
これが彼らの成功を不動のものにしました。
ターンブル&アッサーは、ロイヤルワラントを授けることができる三名のうちの一人「チャールズ皇太子」が幼少の頃から愛用しているシャツブランドでもあります。
他にも
・ロナルド・レーガン
・ジョージ・ブッシュ
・ジョージ・ブッシュ
という、アメリカ大統領も愛用。
また、現在では、007のジェームス・ボンド愛用のシャツメーカーとしても有名になっています。
セレブというよりは、威厳と品を必要とされる人達に選ばれるブランドが、ターンブル&アッサーなのです。
ロック&コー(Lock & Co.)
「世界最古の帽子屋」と言われているのが、ロック&コー。
1676年に創業し、約300年以上続くハットメーカーです。
英国ロンドンで「Lock’s」を知らない人はいないと言われるくらい有名な帽子屋で、タクシーに乗って「Lock’s」と伝えるだけでお店まで行ってくれるという逸話があるほどです。
300年以上続くロック&コーの帽子で有名なのが「ボウラー・ハット」。
元は乗馬用の帽子でしたが、チャーリー・チャップリンやチャーチル首相が愛用しているところを目にした人が多いかもしれません。
ロック&コーが300年以上続くには秘訣があります。
その秘訣とは「常に最高品質の素材を丁寧に使用」してきたこと。
このこだわりと伝統の技術が、ロック&コーというブランドを支えてきたのでしょう。
ロイヤルワラントのアイテムを紹介
ジョン スメドレー(John smedley)
タートルネックニット
一枚で緩急がついている仕上がりなので、存在感がたっぷりです。
繊細な細糸を使い、ジョン スメドレー独特の凹凸編みが目を引きます。
シンプルで袖口の切り返しがなくスッキリしたデザイン。
サイズのジャストサイズを選ぶことで、あなたの体に沿わせて着ることができます。
ジョンストンズ(Johnstons)
カシミヤニットストール
ジョンストンズが得意とする最高級カシミヤを使ったストールです。
大判のストールなのでストールとして巻いても、ブランケットのように膝掛けとしても使えます。
大判ですが、最高級のカシミヤが使われているのでとても軽く、カシミヤならでは暖かさを味わうことができます。
デンツ(Dents)
ディアスキンカシミヤグローブ
最高級のディアスキン(鹿革)を使ったグローブです。
ディアスキンは皮革素材の中でも大変丈夫でキメが細かいのが特徴。
キメ細かな皮革は、触れたときの柔らかさも最高です。
裏地にはカシミヤを惜しみなく使用することで、手を入れた瞬間から最高の暖かさと肌触りが伝わってくるでしょう。
ターンブル&アッサー(Turnbull & Asser)
PLAIN WHITE COTTON SHIRT WITH CLASSIC T&A COLLAR
紳士ならシンプルで美しいデザイン、白い綿のシャツに投資するべきでしょう。
ターンブル&アッサーの経験豊富な裁縫師が、ひとつ一つミシンで縫い上げたシャツ。
最高級品質のコットン。
スリーボタンカフ。
いつの時代も、どんなスーツにも即座にきまるのが、白いシャツです。
シンプルで白無地だからこそ、素材と仕立ての違いが明らかになり、あなたはまわりとの差に驚くことでしょう。
ロック&コー(Lock & Co.)
Town cokes bowler
1849年に、ロック&コーのお客であった「エドワード・コーク」にちなんでつけられた名前の帽子です。
コークハットと呼ばれることもあり、現在ではボーラーハットとも呼ばれることもありますが、ロック&コーではコークスハットとも呼ばれています。
カールした鍔、ウサギの毛を硬くしたフェルト生地。
裏地もついているので、最高のフィット感を味わえます。
この帽子をかぶるだけでも、その雰囲気は「ダンディ」。
ダンディズムなおしゃれの仕上げに、ロック&コーの帽子は用意しておきたいアイテムです。
まとめ
英国発のブランドというと
・バーバリー
・ポールスミス
・バブアー
・ドクターマーチン
・クラークス
・ハンター
・ポールスミス
・バブアー
・ドクターマーチン
・クラークス
・ハンター
などが、日本にも浸透しているブランドです。
しかし、「英国」の会社だというだけで、ライセンスなどのやりとりを行い「ビジネス化」しているブランドも増えています。
ブランドやファッションも経済活動であることに変わりはありませんが、ビジネス一辺倒になりすぎるのも・・・。
他人があまり知らない。
他人があまり持っていない。
そういったブランドで、英国から発信しているアイテムこそ、ダンディな男を作り上げるものだと思うのです。
歴史と伝統、精神性や技術力。
何よりも受け継がれ続けている「ハンドメイド」や「手間をかける」というこだわり。
大量消費されるアイテムよりも、本物を選べることが「ダンディズム」を身にまとう大人の男にふさわしい。
ぜひ「ロイヤルワラント」の中でも、ビジネスライクになりすぎていない、こだわりを貫いているブランドを選んでみてはいかがでしょうか。