スーツを着ていると誰もが遭遇するお悩みがあります。
大切なスーツ、お気に入りのスーツは着ているだけではいけません。
きちんとクリーニングに出すことで、長く愛用することができます。
でも、スーツをクリーニングに出そうと思っても、どれくらいの頻度で出せばいいのか、わからなかったり、いくらくらいが相場なのかわからないので怖くて出せないという人もいるでしょう。
スーツのお手入れでよくわからないとお聞きするのが、おうちでのクリーニングやケア方法。
今回はそんなお悩みの中から、よく伺う内容を紹介しながら対処方法をお伝えしていきたいと思います。
間違ったクリーニングやケアをして失敗しないために、知っておきたい正しい方法をご紹介していきます。
スーツのお手入れ方法とクリーニングの出し方
- スーツのお手入れがなぜ重要なのか
- スーツを脱いだあとのお手入れ
- 定期的なスーツのお手入れ
- 特別なスーツのお手入れ方法
- スーツのクリーニングの頻度
- スーツクリーニングにかかる期間、料金相場
- スーツをクリーニングに出す際の注意点
- クリーニング後の保管、ケアについて
- おうちクリーニング!スーツケア方法
- スーツお手入れのお悩みあるある
スーツを美しく保つには、正しいお手入れを続けることが大切です。
また、クリーニングに頻繁に出せばいいというものでもありません。
クリーニングの頻度が多いと、傷めて寿命を縮めてしまう原因にもなってしまいます。
今回は、スーツのお手入れの正しい知識をご紹介。
スーツのプロであるダンコレが、丁寧に解説していきます!
スーツのお手入れがなぜ重要なの
スーツを長く着ようと思うと、おうちでのお手入れが必要です。
スーツは1日着用しただけでも、こすれや紫外線、湿度や汗などによってダメージを受けています。
特に着心地の良いウールの場合、汗をたくさんかくと、繊維の内側まで染み込むこともあります。
また、ホコリが繊維の表面に付着することで、繊維にあるキューティクルが破損し、ゴワゴワとした手触りや独特な艶が減少していくこともあります。
こういった負担がかかっていますので、同じスーツを毎日続けて着用していると、スーツにどんどんと負担がかかり、ダメージも蓄積されますので、お気に入りのスーツであっても長く着用することが難しくなります。
こんなことにならないためには、スーツを脱いだあと必ずお手入れをしてあげることが重要になってきます。
スーツを脱いだあとのお手入れ方法
スーツのお手入れでわかりづらいのがおうちでの方法。
基本となるポイントを説明していきます。
(1)ハンガー
スーツのお手入れで大切なのがハンガーです。
ハンガーといっても様々な種類がありますが、NGなハンガーとOKなハンガーを覚えておきましょう。
NGなハンガー ⇒ ワイヤーハンガーやプラスチックハンガー
スーツを購入したときや、クリーニングについてくるハンガーです。
こういうハンガーは一時的な持ち運び用に作られていますので、使い続けるとスーツの肩まわりに強いストレスがかかり、型くずれの原因にもなります。
OKなハンガー ⇒ 木製ハンガー
肩の部分が広めになり、自然な肩のラインにデザインされている木製ハンガーがおすすめです。
静電気を防いでくれたり、防湿効果があると言われています。
木製ハンガーに掛けるときには、ジャケットの前ボタンは開けたままにしましょう。
(2)保管場所にも気をつけよう
涼しい場所で、ほこりから守ってくれるように保管しましょう。
直射日光や湿度の高い場所はNGということです。
また、スーツの上にタオルや保管用カバーを掛けておくと、汚れの防止も同時にできます。
(3)ポケットの中身は出す
入れたままになっていると型くずれしますので、ポケットの中身は全部出すようにしましょう。
(4)ブラッシング
1日着用してハンガーに掛けるとき、ブラッシングでほこりなどを取り除くことを習慣にしておきましょう。
生地に対して直角にブラシをあて、上から下へブラシを動かします。
ブラシの毛は天然のものがおすすめです。
(5)しわ伸ばし
スーツにしわがついている場合は、霧吹きで少し湿らせて吊っておくと、自然にしわが伸びます。
市販のしわ取りスプレーなども効果的です。
(6)お休みをあげる
1日着用したら2日お休みというサイクルを作りましょう。
定期的なスーツのお手入れ方法
定期的なスーツのお手入れ方法についても覚えておいてください。
(1)クリーニングに出す
クリーニングに出すことは良いのですが、頻繁に出し過ぎるのはNGです。
クリーニングの回数が増えると、スーツに負担が増えますので傷みも早くなってしまいます。
ですので、夏場なら、2週間に1度、冬場なら3ヶ月に1度を目安にしてください。
(2)ブラッシング
袖や裾は汚れやすい部分です。
普段のブラッシングとは別に、定期的に汚れやすい部分を念入りにブラッシングしておきましょう。
(3)スチームアイロン
スチームアイロンを使って、スーツに蒸気をあてながらシワを伸ばしましょう。
アイロンの温度やスチームのあてかたは、素材によって変わりますので購入されたところで聞いておくのが安心です。
特別なスーツのお手入れ方法
オーダースーツのような特別なもののお手入れですが、基本的にはここまでお話した内容と同じです。
ただオーダースーツは繊細な生地を使っていることが多いため、表面が濡れてしまったり、汗をたくさん吸い込んでしまったりした場合は、オーダースーツを頼んだお店に相談していただきたいですね。
仕立て方や生地によっては、特別丁寧なクリーニングをしないといけないこともありますので覚えておいてください。
スーツのお悩みあるある
(1)シワがついちゃった
あるあるですが、背中や太股の後ろ側にシワがつくことがあります。
いくら高級なスーツを着ていても、この部分にシワが寄っていると、間違いなく「だらしな~く」見えてしまうから不思議です。
また、こういうシワは、自分ではわかりづらいため、トイレなどで鏡を使ってチェックしておきたいですね。
さて、シワがついちゃった場合ですが、お手軽に対処する方法としては、おうちで浴室に吊っておく方法があります。
浴室の蒸気によってシワが伸びますので簡単に対処可能です。
注意点はスーツに蒸気をあてすぎないことです。
(2)ジャケットをたたむとシワになる
これはたたみかたを工夫しましょう。
ジャケットの背中の縫い目を中心に二つ折りにします。
そのまま肩から袖を引き出すようにして、裏地を表にします。
形を整えて上下に折り返すと、シワになりづらいたたみかたの完成です。
(3)シミがついた!
あわてないことが大切です。
そして、ゴシゴシとこすってはいけません。
ぬるま湯をタオルに含ませて、丁寧にゆっくりと吸い込ませるようにふき取ります。
その後は、なにで汚れがついたのかを覚えておき、クリーニング店で相談してください。
(4)パンツのセンターが薄い
センターラインが消えていると「だらしなく」見えてしまいます。
こういう場合は、アイロンでプレスが基本です。
パンツプレッサーもありますが、ラインを間違えると困ったことになりますので、丁寧にアイロンがけしましょう。
(5)雨に濡れてしまった
ゴシゴシこすって水気を取るのはNGです。
乾いたタオルで、トントンと軽くたたくようにし、表面について水滴を落とすようにしてください。
その後は、形を整えながらハンガーに吊るし、自然乾燥させてください。
(6)汗をかいた場合
放っておくとカビの原因になります。
まずは、濡れタオルで汗がついた部分を、軽く叩いてふき取ります。
こするのはNGです。
おうちでできる!スーツのお手入れ方法
スーツはおうちでのお手入れをきちんとすることで、長く愛用することができます。
(1)正しいハンガーを使う
ワイヤーハンガーやプラスチックハンガーではなく、木製のハンガーを使いましょう。
また、ハンガーのサイズにも注意しておきたいですね。
ジャケットの肩幅に合ったものを使うことで、型くずれを防ぐことができます。
(2)ブラッシングをする
着用して脱いだときには、スーツをブラッシングしてほこりや細かな汚れを落とすようにしましょう。
天然毛のブラシを生地に対して直角に当て、上から下へ向けてブラッシングします。
ゆっくり丁寧にブラッシングすることで、繊維の中に入った細かなほこりも取り除けます。
(3)スチームアイロンを使う
シワが取れない場合は、スチームアイロンの蒸気をあてて、シワを伸ばすようにしましょう。
(4)スーツにも休日は必要
1日着用したら2日休みが基本です。
連日同じスーツを着用すると、生地のこすれや、夏なら汗の吸い込みなどで傷みが早くなることもあります。
また、型くずれの原因にもなりますので、お休みさせてあげてください。
(5)防虫対策も忘れずに
クローゼットの中は涼しいため、虫によっては大喜びということもあります。
一年を通して防虫対策をするように心がけましょう。
スーツのクリーニングの頻度
スーツをクリーニングに出す頻度ですが、けっこう間違っている人がいます。
というのも、夏には回数が少なかったり、逆に冬は多すぎたりということがあります。
では、どれくらいの頻度が適正なのかというと、次のようになります。
(1)夏
夏は、どうしてもスーツが汗を吸ってしまいます。
そのため、繊維の中まで汗や油が入ってしまうことも増えがちです。
また、突然のゲリラ雷雨に合って、スーツが濡れてしまうということもゼロではありません。
このように夏はスーツにとって過酷な状況ですので、できれば2週間に1度はクリーニングに出しておきたいところです。
また、一緒に「汗抜き」を依頼できるのなら、クリーニング店でお願いしておきましょう。
(2)冬
冬は汗をかきにくいですので、スーツにとっても夏ほど過酷ではありません。
また、天候の崩れも少ないので、突然のことでスーツが濡れるというシーンも少ないでしょう。
このように冬はスーツにとって比較的安定している状況ですので、1シーズン(3ヶ月)に1回クリーニングに出すのが理想です。
スーツのクリーニングにかかる期間や料金相場
クリーニング店によって変わってきます。
ホテルなどでクリーニングをお願いすると、早ければ翌日に仕上がってきます。
街のよく見かけるフランチャイズのクリーニング店なら、早くて2~3日は必要でしょう。
年末年始やお盆休み前などは混み合いますので、通常の日数よりも長くなる可能性が高いです。
もうひとつは、昔からあるクリーニング専門店です。
こういった専門店は技術が高いため、難しいクリーニングも依頼することができます。
日数は流れ作業でクリーニングができないこともありますので、おおむね1週間はみておきたいところです。
費用面をみてみると、比較的安い順番なら
- 街のフランチャイズクリーニング店
- 昔からあるクリーニング店
- ホテルのクリーニング
このような順になるでしょう。
街のフランチャイズクリーニング店の相場はスーツ上下1着が1200円前後ですから、ここを基準に費用が少しずつ上がっていくと考えておきたいですね。
スーツをクリーニングに出す際の注意点
スーツをクリーニングに出す際には、ちょっとしたことですが注意しておきたいことがあります。
(1)汚れ
シミや傷みがあるのか、クリーニングへ出す前に確認しておきましょう。
また、クリーニングへ出すときには、こういった点をきちんと伝えおくことを忘れてはいけません。
(2)ポケット
ジャケット、パンツ、どちらにもポケットがあります。
クリーニングへ出す前には、ポケットの中に入っているものを全部出しておきましょう。
(3)スーツはセットで
スーツをクリーニングに出すとき、「今回はジャケットだけでいいか」というのはNGです。
上下を別々に出すと、クリーニングを行うことで風合いが変化してしまうこともあります。
上下をセットで出すようにしてください。
クリーニング後の保管やケアについて
クリーニングから戻ってきたスーツですが、きちんと保管とケアをしてあげましょう。
(1)ビニール袋からは出しましょう
クリーニングから上がってきたとき、ビニール袋がかかっているかもしれませんが、それはあくまでも一時的なものです。
必ずビニールから出して、スーツ専用のハンガーに掛け、通気性が良くほこりの掛からないケースに入れるようにしましょう。
(2)毎日のケア
「クリーニングに出すからケアはいいや」というのはNGです。
ブラシでほこりを落とす。
スーツを脱いだ後は放置せずにハンガーにきちんと掛ける。
シワは伸ばしておく。
こういった、ちょっとしたケアを行ってください。
ちょっとしたケアをおこなうかどうかで、スーツの状態が変わってきます。
まとめ
スーツのお手入れは、脱いだときにやっておくのが理想です。
スーツを脱いでソファにポンと置いておくのが一番NG。
きちんと専用のハンガーに掛け、ブラッシングしてほこりがつかないようにクローゼットに収納しておきましょう。
面倒だなと感じたときでも、これだけは習慣としてやっておくと、長くスーツを着用することができます。
この記事では、スーツの困りやすい「あるある」の対処法をお話しました。
今回お話した中で、必ず覚えておいていただきたいのは、
- ジャケットのたたみ方
- 汚れが付いたときに「あわてない」「こすらない」
まずは、この2つを覚えおいていただけると、シワが増えたり大きなダメージに広がったりすることは少なくなります。
また、スーツをクリーニングに出す頻度や費用について紹介しました。
頻度に関しては、今回お話しましたように、夏は2週間に1度。
冬は3ヶ月に1度くらいが目安となります。
クリーニングの頻度が多いと、スーツへの負担が増えてしまいケバ立ちなどが起こることもあります。
適度なクリーニングで、大切なスーツを長く愛用してください。