普段、ビジネスで活躍されている男性は、無難なメタルフレームのメガネをかけていることが多いと思われますが、オフでのカジュアルなシーンでは、ジャケパンなどの服装とともに、メガネもオシャレに決めたいところです。
そんな時にぴったりなのが、プラスチック系素材のメガネフレームです。
プラスチック系素材には、代表的な「アセテート」を始め、天然素材の「べっ甲」など、いくつか種類があり、それぞれ色や艶などの見た目や、肌触りなどのかけ心地、といった特徴に違いがあります。
この記事では、そんなプラスチック系素材のなかから、3つを厳選してご紹介します。
あなたらしさを演出する、プラスチック系素材のメガネを選ぶときの参考にどうぞ!
アセテート
現在のプラスチック系フレーム素材の主流となっています。
原料は天然セルロース(綿花)と高純度パルプから作られた植物繊維です。
化学繊維ではなく、植物性の天然素材から作られている植物繊維なので、肌に優しく、低アレルギー性で、環境にもやさしい素材と言えます。
ナイロンやポリエステル、ペットなどの石油系プラスチックと比べ、透明度が非常に高いため、綺麗で鮮やかな色をつけることができ、独特の艶がでます。
燃えにくい性質がありますが、熱には弱く、温度60度で変形し始めるため、曲げる、ねじる、といった加工が比較的しやすい素材です。
衝撃などへの強度や耐久性は、セルロイドなど他のプラスチック系素材に比べると、やや劣り、自然変形もしますが、樹脂の中では割と柔らかくしなやかなため、曲げても割れにくく、メガネを顔に合わせる「フィッティング」がしやすい、とされています。
吸水性が多少あるため、長年使っていると、汗で白く変色することがあります。
「セルロイド」よりやや軽いのも特徴の一つです。
セルロイド
「アセテート」が主流になる前までは、プラスチック系フレーム素材として主流でした。
ニトロセルロースと樟脳(クスノキの香り成分の結晶)などから合成される樹脂で、化学素材ではなく天然素材です。
乾燥に時間がかかるなど、コストが高いのと、爆薬などに使用されるニトロ系の薬品が含まれている上に、燃焼性が高く、温度170から190度で発火するため、取り扱いを誤ると爆発事故などを起こす危険性が高く、ヨーロッパやアメリカでは、基本的に禁止されているように、現在では全体の1%以下しか使われていません。
「アセテート」と比べ弾力性があり、衝撃にも強く、比較的硬い素材なので、寸法が安定しています。
しかし、加工が難しい上に工程も非常に多く、生産に時間がかかるだけでなく、磨き作業にも時間がかかるなど、コストがかかります。
「アセテート」と比べ吸水性が低いため、長期使用での、汗による変色は少ないです。
また、変色しても「アセテート」と違い、手間はかかりますが、磨くことで修復可能です。
透明性に優れ、光沢も良く、「セルロイド」特有の色みや艶に魅力を感じている、 根強いファンも多い素材です。
べっ甲
熱帯地方に生息するウミガメの一種「タイマイ」の甲羅を、熱で蒸かしながら圧着して作られています。
昔から、手作りによる最高級メガネフレーム素材として知られており、色の淡いものほど高価とされています。
天然素材である「べっ甲」の主成分はタンパク質なので、アレルギーが起きないなど、肌に優しい素材です。
透明度の高い光沢のある色と、黄色や褐色、黒の美しいはん紋(模様)、ひとつひとつ柄が微妙に違う、などの特徴があります。
軽さ、耐久性、肌触りと掛け心地の良さにも定評があります。
天然素材のため、汗や整髪料などにより表面の劣化が起こり、艶が失われたり、ひび割れやササクレが起こったりする場合がありますが、折れるなど破損しても修復できるため、手入れ次第では一生使える、とされています。
現在では、「タイマイ」が絶滅の危機に陥っているため、1992年からワシントン条約によって、「タイマイ」の貿易が禁止されています。
なので、今は禁止前に確保した原料を使って「べっ甲」のメガネが製造されており、原料と加工できる職人が不足している、非常に貴重なメガネとなっています。
まとめ
以上、プラスチック系フレーム素材として、現在主流の「アセテート」、過去に主流で、今でも根強い人気がある「セルロイド」、そして天然素材で希少価値の高い「べっ甲」の3種類をご紹介しました。
それぞれに特徴となる長所や短所がある素材なので、無難な「アセテート」、色や艶を楽しむ「セルロイド」、色や柄、かけ心地が特徴的でインパクトのある「べっ甲」を、あなたのお好みに応じて選んだり、場面によって使い分けたりして、ファッションやかけ心地の違いをお楽しみください!