スーツを着るビジネスマンには手提げのビジネスバッグ、というのが定番ですが、県外や海外への出張時は、普段よりも荷物が多くなりがち。
パソコンや資料に加えて、着替えや日用品など、普段仕事場に持っていかない物まで、持っていかなければなりません。
そこでオススメなのがリュック。
リュックならば手提げバッグよりも多く荷物が入りますし、両手も空きます。
そして、重い荷物も背中に背負えば、さほど苦ではありません。
バッグに入りきらない大きめの資料や、ポスターケースなどを持つ時、手提げのビジネスバッグを持っていたら、むしろ滑稽に見えるでしょう。
ですが、スーツでリュックを持つことに抵抗を感じる人は、少なくないかもしれません。
荷物が多く入るし、両手も空くので、実用面的にはリュックを使いたいけど、見た目が気になる。
そんなジレンマを解決すべく、スーツでも使えるリュック選びと、ビジネスマンにこそオススメしたいリュック、についてお話したいと思います。
選ぶポイント
実用面では便利なリュックですが、どちらかと言うとカジュアルなコーデ時に使われることが多いもの。
確かに、黒いスーツに真っ赤なリュックを背負っていたら、違和感があるかもしれません。
そこで、スーツ着用時に使うことを踏まえ、チェックポイントを紹介します。
デザインはシンプルなものを
スーツに合わせるとなると、赤、青、黄などの目立つ色は控えた方が良いでしょう。
そこで無難なのは黒色のリュック。
スーツの色を問わず、馴染んでくれるでしょう。
また黒でも、他の色の模様が入っていたり、登山用のリュックの様に、ボトルホルダーやバンジーコードなどがついていたりする場合がありますが、アウトドアな印象になってしまうので、極力そういった装飾の無い、シンプルなデザインのリュックを選びましょう。
サイズ
荷物をたくさん詰められることが魅力のリュックですが、欲張って大きすぎるリュックを選ぶのはNG。
目安としては15リットルから25リットル程度の容量が、ビジネスユーズにはちょうどいいでしょう。
また、ノートパソコンや、A4サイズの資料を持つことが多いかもしれませんから、寸法に関しては
・幅は30cm〜35cm
・高さ40cm〜48cm
・奥行き 15cmから20cm
・高さ40cm〜48cm
・奥行き 15cmから20cm
この寸法なら大抵の荷物が収まりつつ、電車や人ごみの中でも邪魔にならないサイズ感のリュックが選べます。
チェストベルトをチェック
リュックを肩に掛けるベルトは「ショルダーベルト」。
それでは「チェストベルト」とは何か?
リュックの中身が多かったり、重かったりするとショルダーベルトが左右に広がり過ぎてしまうことがあります。
「チェストベルト」は、ショルダーベルト同士を結んで固定する、補助ベルトです。
「チェストストラップ」と呼ばれることもありますが、参考までに下記の画像をご覧ください。
リュックによっては、ショルダーベルトとチェストベルトが最初から一体化していますが、中には付属していないものもあります。
そんな時は、別売りのチェストベルトを購入しましょう。
例えばエツミ社のチェストベルト。
またはモンベル社のチェストストラップ。
これを使うことにより、ショルダーベルトが固定されて、肩こりや疲れの軽減になります。
荷物が多く、移動距離が長い人はチェックしてみてください。
スーツと擦れていないか?背中をチェック
意外と見逃しがちなのが、リュックの背中部分。
ショルダーベルトの内側と、リュックの背中部分は、体に接する部分なので、この部分がどのように作られているかで、使い心地が大分変わります。
チェックポイントとして、この部分にクッションが入っており、メッシュ材が使われているリュックが良いでしょう。
上記の写真の様に、背中にクッションが入っていると、パソコンなどの固い荷物が入っていても背中に衝撃が伝わりにくく、パソコンへの衝撃もやわらぎます。
また、クッション部が盛り上がることにより、背中との接触面積が減って、背中が蒸れにくくなるのもメリット。
そしてメッシュ材で覆われていれば尚よしで、編み目の隙間に空気が入り、通気性が高まるので、汗がしみにくくなるでしょう。
メッシュ材のメリットはもう一つあって、スーツとの摩擦も減り、他の素材よりもスーツが長持ちします。
ビジネスバッグと違い、リュックは体と接する面積が多いので、背中部分とショルダーベルトの内側は要チェックです。
収納をチェック(ポケットが多すぎるとNG)
収納ポケットは多い方が便利に思われがちですが、多すぎるとカジュアルな印象になるので要注意。
オススメなのは上記画像のようにメインのコンパートメントに加えて、二つ目のコンパートメントがメインの半分以下のサイズのもの。
メインのコンパートメントにはパソコンや書類、手帳を入れて、二つ目のコンパートメントには名刺入れや筆記用具を入れればバッチシ。
二つ目のコンパートメントがこれ以上大きいと、名刺入れ等の小物がバラついて取り出しにくくなりますし、これ以上小さいコンパートメントが複数あるとカジュアルテイストになってしまいます。
また、リュックの内側に小分けの区切りがあると、ペンやリップスティク等、小物の収納に便利です。
上記写真のTargus社製、EcoSmart Backpackは
・鍵のクリップ
・MP3プレイヤー用ポケット
・名刺入れホルダー
・ペンルーフ
・MP3プレイヤー用ポケット
・名刺入れホルダー
・ペンルーフ
など、ビジネスマンに欠かせない小物が便利に収納できる設計になっています。
3wayバッグもオススメ
その日のスケジュールによって、違うバッグに変えたいものですが、中身を移し替えるのは億劫なもの。
中身の移し替えで忘れものをしてしまったり、何かを無くしてしまったり、トラブルの原因になりがちです。
そこでオススメなのが、3Wayバッグ。
3Wayバッグの特徴は一つのバッグで
・手提げバッグ
・ショルダーバッグ
・リュック
・ショルダーバッグ
・リュック
の三役をこなしてくれること。
よって、中身を移し変えることなく、手提げバッグからリュックサック、はたまたショルダーバッグへ変身します。
また通勤時や移動時はリュックとして使い、客先への訪問時には手提げバッグにする等、一日の中で別のタイプのバッグに変えることも可能です。
あるいは電車に乗る時、背中に掛けていると迷惑なので、車内ではショルダーにして肩から掛ける、なんてことも可能。
出張先からの帰りにお土産で荷物が増えてしまった時など、とても便利です。
オススメブランド
リュックを選ぶ際のポイントについて説明してきましたが、ここからはオススメなブランドと製品を紹介します。
製品の特徴やメリットはもちろん、ブランドのモットー等についても紹介するので、気になったブランドがあれば是非チェックしてみてください。
Cabin Zero ”Classic 44L”
Cabin Zero”Classic 44L”の特徴は他のメーカーでありそうでなかった
・幅は40c
・高さ55cm
・奥行き20cm
・高さ55cm
・奥行き20cm
という航空機内持ち込み荷物基準、ほぼ最大限の設計。
また”Okoban”という遺失物拾得連絡システムに対応しています。
“Okoban”は400社を超える航空会社、そして2800以上の世界中の空港で利用されている、手荷物捜査システム。
Cabin ZeroのバッグにはOkoban用のIDが割り当てられており、購入後に自分の名前や連絡先を登録しておけば、万が一バッグを無くしてしまった時、拾得者がOkobanに通知を入れれば、Okobanからあなたに連絡が入る仕組みになっています。
また、メインのコンパートメントのジッパーには南京錠が掛けられるよう、穴が取り付けられているのもポイント。
こういったCabin Zeroの特徴は、創業者であるNeil Varden氏自身のバックパッカー時代の経験に基づいています。
Cabin Zeroを立ち上げる前、Neil Varden氏はインドへ旅に出て、その旅は合計で12ヶ月を超えました。
その道中で彼は、いかに既存のリュックが、格安航空会社の手荷物基準を配慮に入れていないか、に気がついたとのこと。
既存のリュックで大きいサイズの物は、基準を超えてしまうので追加料金を払わなくてはいけませんでした。
一方で小さいリュックでは旅に必要な荷物を詰められなく、そこで彼は自分で旅に最適なリュックを作ろうと決心したとのこと。
ちなみに”Cabin Zero”とは、Cabin=機内でのトラブルをゼロにしたい、という思いからつけた名前と言われています。
Arcteryx “Granville”
Arcteryxはカナダの首都、バンクーバーにて1989年に創業したブランド。
Arcteryxのモットーは、「いかなる天候や場所等の環境の元でも、ユーザーのパフォーマンスを最大限に発揮する製品作り」。
元々は”Rock Solid”とういうブランド名のもと、登山関連の製品を販売していましたが、バッグやアパレル製品へとラインナップを増やすことを機にブランド名を”Arcteryx”に変更。
Arcteryxの名が世界中に広まるキッカケとなったのが、当時は不可能と言われていた防水ジッパーの発明です。
ウレタンをジッパーの裏側に塗ることにより、ジッパー部分を経由して水がリュック内に入り込むことを、防ぐのに成功しました。
今では他のアウトドア向け製品を扱うメーカーも採用しているほどで、その後も一般的には生地1インチあたり8針と言われているところ、Arcteryxでは16針縫う仕様を採用し、他ブランドとの差別化に成功しています。
そんなArcteryxのオススメモデル”Granville”ですが、まず特徴は防水性。
防水ジッパーを共に開発したUretek社と再びタッグを組み、一切の水分の侵入を許さない素材”AC2”の開発に成功し、”Granville”では全箇所に使用されています。
また、背中部分に搭載されているパソコンの収納スペースですが、Granvilleの特徴は背中からもリュックを開けられること。
他のリュックは前からしか開けることできませんが、Granvilleなら他の荷物を取り出すこと無く、パソコンだけを取り出すことができます。
スペースの少ない電車内や機内など、今までは作業ができなかった環境でも、パソコンへのアクセスが可能になるでしょう。
またデザイン上、小物の収納スペースは無いように見えますが、上記画像を見ての通り、トップ部に収納スペースを搭載しています。
Incase “Icon Backpack”
Incaseはアメリカ・カリフォルニア州にて1997年に創業した、バッグとケースを扱うブランド。
Incase創業のキッカケとなったのは「iMac to go」というキャッチコピーと共に発売された、Appleの新しいノート型パソコン「iBook G3」。
半透明の筐体を用いたiBook G3のヴィジュアルは画期的でしたが、そのiBook G3を包むパソコンケースは未だに進化していないことに、創業者のTony Held氏は違和感を感じていたと言います。
その後2001年にPowerBook G4が発売され、Tony氏は自身のチームと共に専用のケースを製作し、Appleへプレゼン。
そこでAppleの共感を得たIncase社はその後、唯一のApple社公認のケース・バッグブランドとなりました。
そんなIncaseからオススメしたいのが”ICON Backpack”。
まず外観は、ジップと取り手以外が見当たらないシンプルなデザインです。
しかし、そんなシンプルな見た目とは裏腹に、中身を開ければ収納スペースのオンパレード。
まずメインのコンパートメントは15インチのMacbookまで収納可能です。
尚、このコンパートメントには起毛クッションが使われているので、ショックを吸収してくれますし、摩擦で傷つくこともないので安心。
他のリュックではケースに入れてからリュックにしまう人もいるかもしれませんが、Icon Backpackはリュック自体がケースになっているので、ケース不要です。
そして二つ目のコンパートメントには手帳やiPadが入り、外側のコンパートメントにはiPhone、名刺入れ、ペンなど、小物がキレイに収納できるよう区切りが入っています。
更に注目なのが背面。
三つのクッションでショックが吸収されますし、メッシュ素材が使われているので通気性も抜群です。
また、リュックの横側には「ケーブルポート」と呼ばれるイヤホン等のケーブルを通す穴があり、パソコンやmp3プレイヤー等の再生デバイスをリュックに収納しつつ、この穴からイヤホンを通して音楽を聴くこともできます。
Apple公認のバッグ・ケースブランドということで、Apple製品との相性がアピールされがちですが、Appleユーザーのみならず、電子デバイスを多用するユーザーならば、痒いところに手が届く、オススメのリュックです。
Porter ”Tactical”
Porterは1935年創業の日本発ブランドです。
創業者の吉田吉蔵は12歳でカバン職人の修行をはじめ、29歳で「吉田鞄製作所」を設立しました。
その後、婚約前の美智子皇后が愛用し、話題に。
そして1962年、百貨店での買い物がトレンドであった当時「商品は残るが、どこの会社が作ったかは伝わらないし、残らない」という吉田氏の思いから、初の自社ブランドである”Porter”を発足します。
その後も、黒沢明監督作品の「天国と地獄」でPorter製の鞄が使用されたり、旭日章を受賞したり、日本人で初めてニューヨーク・デザイナーズ・コレクティブのメンバーに選出され、日本のみならず世界でも認知される鞄メーカーに成長しました。
そんなPorterからオススメしたいのが、”Porter Tactical”。
フランスのセルジョ・フェラーリ社が開発した生地”Stamoid Light”を使用しているのですが、これは本来ヨットやクルーザーの停泊時にかけるカバーとして使用されているものとのこと。
この生地はヨットやクルーザーを痛めぬよう、防水性はもちろんのこと、強度、軽さ、耐光性を兼ね備えています。
加えて本モデルでは、ナノトップTMと呼ばれる加工を、表面だけでなく裏面にも処理を施し、雨や汗の防水だけでなく、汚れも付きにくい生地に仕上がっているのが特徴。
また、元々はヨットやクルーザー用のカバーということで、強度を活かし生地量を減らすことに成功し、カバン全体の軽量化をはかっています。
そして、メインのコンパートメントしか無いように見えますが、左右に二つとトップに一つと、小物入れのコンパートメントも充実。
まとめ
ビジネスにも使えるリュックについて
・シンプルなデザイン
・サイズ選び
・チェストベルト
・リュック背面
・収納の数
・3 wayバッグ
・サイズ選び
・チェストベルト
・リュック背面
・収納の数
・3 wayバッグ
以上6つのポイントに重点を置いてお話しました。
シンプルなデザインということで、外観もスーツに合わせることが大切ですが、チェストベルトなど実用面でもビジネスユーズを意識して紹介したので、あなたのリュック選びに役に立てば幸いです。
また、選ぶポイントだけでなく
・Cabin Zeroの”Classic 44L”
・Arcteryxの“Granville”
・Incaseの“Icon Backpack”
・Porterの”Tactical”
・Arcteryxの“Granville”
・Incaseの“Icon Backpack”
・Porterの”Tactical”
という4つのブランドとモデルも紹介しました。
それぞれのブランドのテーマや、それぞれのモデルの特徴やメリットを紹介したので、こちらも是非チェックして頂けたらと思います。
Cabin Zeroは機内持ち込み基準ギリギリの仕様から海外出張が多い人にオススメですし、
Arcteryxは背面からパソコンを取り出せるので場所を選ばず仕事をしたいにオススメ、
Incaseは起毛を用いたコンパートメントから電子デバイスを多用する人にオススメで、
Porterは軽量で防水に強いため移動が多い人にオススメ、
と、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。
今までビジネスでリュックを使っていなかった人も、使っていた人も、是非本記事の紹介内容を参考にして、今後のビジネスライフに役立てて頂ければと思います。