真のオシャレを目指すなら身に着ける洋服だけではなく、財布やカバンといった小物にもこだわりたいもの。
そんな大人の男が持つ小物といえば、やはり多くの男性のファーストチョイスは革製品になることでしょう。
ただし、革製品はその品質と金額が比例しやすいので、安いだけで革製品を選んでしまうと、見た目も安っぽくすぐにダメになってしまいます。
かといって、海外ブランドの革製品はブランドロゴがドーンと施されていているものが多く、ダンコレ読者の好みではないことでしょう。
そこでおすすめしたいのが、日本発の革製品ブランド。
実は、革の本場イタリアやイギリスにある革製品ブランドのクオリティーにも負けない革製品を販売しているブランドが日本にはたくさんあるのです。
また、デザインもシンプルなものが多く、大人の男性にぴったりなアイテムを取り揃えているのも日本の革製品ブランドの特徴でしょう。
そんな大人な男性であるダンコレ読者におすすめしたいメイドインジャパンの革製品ブランドを6つご紹介いたしましょう。
「質実剛健」ダンディズムな男性によく似合う GANZO
革製品の本場であるイタリア・フィレンチェの方言で「素晴らしい!」という意味を持つGANZO。
2001年にブランドが立ち上げられ、2008年には表参道に本店がオープン。
現在では六本木と大阪にも直営店を構えるブランドです。
2001年スタート。
こう聞くと、ブランドの歴史が浅いように思いますが、実は、GANZOの母体となる革製造会社「AJIOKA.」の歴史は古く、その創業は1917年にまでさかのぼります。
実は、2017年に開業100年のメモリアルイヤーとなる老舗企業なのです。
AJIOKA.自体は、イブ・サンローラン、ジバンシィ、クロエといった世界的な有名ブランドの革製品をOEM販売するなど、その名を知る人ぞ知る革製造のプロフェッシャナル。
そのAJIOKA.が手掛けるGANZOの魅力はなんといっても「これぞメイドインジャパン」と呼べる品質の良さでしょう。
GANZOの愛用者のほとんどが男性であることからも分かるように革製品ひとつひとつから伝わってくるのは「質実剛健」。
本物を追求する大人の男にふさわしい革ブランドといえるでしょう。
革質の高さはもちろんのこと、コバや縫製といった技術面でも超一流とよべるレベル。
また、何よりメイドインジャパンブランドだけあって日本人の使い方に合わせた作りになっているのが多くの男性から支持されている理由ですね。
また、その品質の高さのわりに値段がそれほど高くなく一生モノの革製品と考えると、そのコストパフォーマンスは悪くないでしょう。
GANZOで使われる革素材は、主にヌメ革、ブライドルレザー(牛革)、コードバン(馬革)になりますが、それぞれの素材へのこだわりは並大抵ではありません。
まず、ヌメ革ですが、ヨーロッパでとれた原皮のみにこだわり、耐久性が高く、経年変化を味わえるよう革本来の美しさを極限まで追求しています。
次に、ブライドルレザーは高い耐久性が要求される馬具革業界の中でもリーディングカンパニーでありブライドルレザーの伝統製法を今でも続ける「J&Eセジュイック社」のブライドルレザーのみを採用。
愛用すればするほど革に馴染み、エイジングを楽しめるようになっています。
そして、馬のお尻の部分のわずかな層から取れる素材のみを使用するコードバン。
頑丈さとそのツヤから「革素材の王様」ともよばれる革素材ですが、姫路レザーで有名な姫路が世界に誇る「新喜皮革」というタンナーのコードバンのみを使用しています。
そんなGANZOのこだわりが詰まった革製品の楽しみといえば、経年変化(エイジング)を楽しめることですよね。
実は、GANZOの革製品には長く愛用することで、エイジングを楽しめるような工夫を施して製造されています。
その中でも特徴的なのは、革製品に使われているファスナーのライナーがエイジング後の風合いと相性が良い「黄色」であることです。
そういった細部にまでこだわりが詰まっているところが革製品好きな人たちからGANZOが愛されるブランドたるところですね。
さらに、GANZOには世界に一つだけの革製品を作ることができるパターンオーダーというシステムがあります。
豊富なパターンの型から自分の好みの型を選び、金具やステッチの一つ一つに至るまで自分だけのオーダーが可能。
さらには自分のイニシャルを入れることもできるのです。
現在では、本店または大阪店のみの取扱いになりますので、自分にはもちろん、大切な人へのプレゼントにGANZOのパターンオーダーはいかがでしょうか?
大人も使えるランドセルはいかがでしょう? 土屋鞄製作所
海外のファッション通から密かに人気を集めているのが「ランドセル」。
そんなランドセルのトップブランドであり、2016年にはランドセルの予約を取る人のアクセスがサイトに集まりすぎて、サーバーがパンクしてしまったというニュースが話題になったブランドをご存知ですか?
そう、それがランドセルを作り続けて50年以上の歴史を持つ土屋鞄製作所です。
上質な素材を使い、職人が一つ一つ手作りで作ることからその人気は高く、今ではランドセルの入手が困難な状況は毎年続いています。
自分たちが作った製品への絶対的な自信があるため、ランドセルに関してはなんと6年間の修理サポートつき。
そんな土屋鞄製作所ですが、そのスゴさはなにもランドセルだけではありません。
実は、大人も使える革製品のクオリティーも高いことで知られる革ブランドなのです。
扱う革アイテムの種類は、ビジネスバッグ、トートバッグ、ショルダーバッグにボストンバッグといった鞄全般。
長財布、二つ折り財布に小銭入れ、名刺入れ、さらには各種ステーショナリーと革ブランドが扱う製品としては一通りのラインアップが揃っています。
また、土屋鞄製作所のアイテムの特徴はそのすべてのデザインがいたってシンプルなこと。
クセやいやらしさがない万人受けするデザインが大人から愛される理由といえるでしょう。
あまりのシンプルさに一見するとノーブランド品のように見えてしまいますが、よく見るとその品質の高さを感じ取ることができますね。
また、大人向けの仕事鞄として開発された大人のためのランドセルである「OTONA RANDSEL」は即日完売が続く大ヒット商品。
意外とスーツにも似合うとあって、男性にも大好評なアイテムです。
A4のクリアファイルもすっぽり入り、ビジネスシーンを想定した作りになっているので、人とは違ったカバンをお探しなら、土屋鞄製作所の大人ランドセルはいかがでしょうか?
「バラキズ」、「トラ」、「血筋」これこそが天然革の証 HERZ
「鞄を作ることが楽しくて仕方がない!」
創業者である近藤晃理氏のそんな想いから始まった革ブランドHERZ。
ドイツ語で「心」を意味するHERZは心ある鞄作りをモットーに革の裁断以外の工程をすべて一人の職人によって作られることで有名です。
そんなHERZの革製品の特長は、革が厚く、縫製に使う糸も太く、使われている金具も大きいこと。
そう、使われるパーツがすべて「大きい」のです。
というのも、HERZの物づくりの根底には「永く使えるようにするためには、どうすれば良いのか?」ということがあるから。
永く使い続ける製品にするため、結果的に使う革や糸、そして金具が大きくなったのです。
それらはすべて丈夫な製品にするための手段でしかありませんが、それがデザインとしてHERZらしさを感じさせるのですから不思議なものです。
また、HERZの製品に使われている革をよく見ると、引っかいたようなバラキズ、シワであるトラ、皮膚のすぐ下を血管が通っていた跡である血筋が多く見られることでしょう。
これは革に色を乗せたり、表面に加工をしてしまったりすれば消えるものですが、HERZでは天然革のみを使用しているため、あえて革本来の自然な風合いをそのままにしています。
HERZの革製品が「雰囲気がある」とか「味がある」と言われるのは、この天然革をそのまま使っているからこそなんですね。
また、鞄や小物には裏地をつけず、一枚革のみで製作しているのもHERZならではの特徴といえるでしょう。
そんなHERZ製品の楽しみはなんといっても、その経年変化。
加工をほとんど施さず、天然革をそのまま使ったHERZの革製品は使えば使い込むほどに表情が変化していきます。
使う人や環境によって一つ一つまったく別の表情を見せるので、経年変化で自分だけの革製品を育てたいなら、HERZはおすすめです。
「世界最高峰の品質」を「常識的な価格」で 万双
自社製品にブランドロゴやタグを入れない。
名前の由来は、上野に店を構えた時、前の店が「万双」という名前だったため、看板を変えるのが面倒くさいので、そのまま万双という名前にしてしまった。
購入できるのは、上野にある本店と神戸のアトリエ、さらにはオンラインショップの直販のみで、デパートや他の店には一切扱わさない。
さらに、仕上がりが悪い商品はボツにしてしまうため、ほとんどが予約販売でなくなってしまい、店舗に足を運んでも売られている商品はごくわずか…。
そんな頑固親父が経営するラーメン店かのような強いこだわりを持つ革ブランドが万双というブランドです。
しかし、そんなこだわりにこだわったその革製品は紛れもなく世界最高峰の品質。
ただし、それほど高品質にも関わらず常識的な価格で提供することが万双の使命となっています。
その万双の象徴といえるのが、「菱縫い」とよばれる見た目が美しく耐久性もある縫製技術を使った秀麗なステッチです。
万双の製品を手に取ると、思わず目が行ってしまうのがそのステッチでしょう。
より美しくステッチを刻むために針を極限まで研ぎ澄まし、革組織を破壊することなく「斬るように縫う」。
これこそが万双の職人だけができる縫製技術です。
刃物で革を切るようにスッと菱型の縫い目をあけ、そこに糸を通して、締めあげていくことで菱型の鋭角のほうに糸が引っ張られ、糸が斜めになって収まります。
これを繰り返していくことで綺麗な斜めの縫い目が連なっていくのです。
このステッチが全体を引き締め、整然とならぶことでため息が出るほどの美しさを醸し出しています。
また、万双の革製品の美しさは手間を惜しまないコバ処理からも感じ取ることができるでしょう。
コバ処理とは革を裁断した時の切り口や革製品の端にあたる部分を処理することですが、このコバ処理によって、その強度や風合いがまったく変わってしまいます。
革製品の製作過程の中で、最も時間を費やすこのコパ処理をどれだけ情熱を持って作業にあたれるかが革製品の出来上りの良し悪しを左右するところ。
この作業こそ万双の職人が最も情熱を注いでいることからも万双の革へのこだわりを感じ取れることでしょう。
そのコバ処理方法、万双では、最も手間がかかるコバ磨きという処理を施しています。
ですので、財布などの製品は何枚も革を重ね合わせて作られるのですが、万双の製品はまるで一枚革のようにその接合面が分かりません。
こうして丹念なコバ処理された革製品は全体の雰囲気が引き締まり、デザイン性と耐久性が増すのです。
さらに万双では、長年使い続けた製品のコバ処理のみをアフターフォローとして受け付けてくれるので、磨き直すことで再び新品のような輝きを取り戻すことも可能。
極上のコバと整然としたステッチの美しさが万双製品の醍醐味といえますね。
アンティークなエイジングが特徴的 CORBO.
今、ナノ・ユニバースをはじめとするセレクトショップや百貨店で人気を集める革ブランドがCORBO.。
知名度はそれほど高くないものの楽天市場のメンズ財布ジャンルでのランキング1位を獲得したこともあり、知る人ぞ知る実力派の革ブランドです。
ブランド名であるCORBO.=カラスのように無骨な中にもエレガンスさが漂う雰囲気は男性からの支持率はバツグン。
そのCORBO.の魅力は何と言っても使用した後に楽しめる独特な経年変化でしょう。
使用している革にタンニンを多くなめしているため、他のブランドでは味わえない独特な変化を起こします。
寝かせたワインが一本一本、その味わいが違うようにCORBO.製品のエイジングも持つ人によってその風合いや表情はまるっきり変わりますね。
イタリアンオイルレザーを使っているため、よりアンティーク感があるエイジングを楽しみたい方にはおすすめのブランドです。
また、デザインもカジュアルからフォーマルなものまで幅広く取り揃えています。
デニムのポケットからチラ見えするのに映えるデザインあり。
スーツの胸ポケットにお似合いのデザインもあり。
自分が使用するシーンにベストなデザインを選べるのも嬉しいですね。
ジャケパンスタイルがメインでカジュアルな装いがお好みなら、CORBOがバッチリはまることでしょう。
財布に極限まで薄さを求めるなら FARO
薄型財布を作らせれば、その右に出るブランドがないFARO。
ジャケットの内ポケットに財布が入れることが多い方なら、FAROの薄型財布が最もしっくりくるのではないでしょうか?
FAROの自慢は、この極薄の財布を作ることができる職人のクオリティーの高さ。
薄さ0.4ミリの革を芯材なしで張り合わせて、革の厚みが1ミリを切る薄さの財布を作る技術はまさに神業といえるでしょう。
その薄さを実現しながらも充分な耐久性を実現するために使われるのが「ベタ貼り」という技法。
ベタ貼りとは革の繊維が縦方向と横方向をクロスさせて貼り合わせることで格子状を作ります。
こうすることでしなやかでコシのある質感が生まれ、革の耐久性を高めることが可能になるのです。
ただ、これだけ聞くと簡単そうに見えるこの技法、実は、ベタ貼りができる職人は限られています。
なので、この高い技術を持つFAROは極限まで薄い財布を作り出すことができるのです。
また、水染めという特殊な技法を使って染められた革は、風合いのあるあたたかい深みのあるエイジングを見せてくれます。
さらには、縫製技術もステッチが等間隔で美しく揃い、高い技術をまざまざと見せつけてくれます。
一切の無駄がなく美しい革製品であるFAROは実際に手に取って使ってみることで、その魅力をより感じ取ることができるでしょう。
まとめ
意外と人から見られる機会が多い、財布やカバンに名刺入れといった小物。
そんな小物選びにもセンスを感じさせるチョイスができるのが、こなれた男の条件といえるでしょう。
そんなこなれた男性におすすめしたいのが、今回、ご紹介した日本発の革製品ブランドの小物です。
GANZO、土屋鞄製作所、HERZ、万双、CORBO.、FAROとどれも実力派のブランドばかり。
使用されている革のクオリティーが高いことはもちろん、高い技術力で作られたそのアイテムはどれも一生モノになることは間違いないでしょう。
革製品の楽しみの一つに経年変化(エイジング)がありますが、革の経年変化を楽しむためには、そのアイテムじたいが壊れずにいることが何より重要。
また、日本人の手によって作られるアイテムは日本人が日常で使うシーンを考えて作り込まれているので、札入れの深さやカバンから書類を取り出す時のスムーズさなど使い勝手も素晴らしいものばかりです。
オンにオフにセンスを感じさせる一生使える革小物をお探しなら、メイドインジャパンブランドはいかがでしょうか?