今、この記事を読まれているということは、あなたに宿るファッションの感度が共鳴した証拠です。
ヴィトンやカルチェ、シャネルやグッチのように “誰もが” 知っていて、“学生” から “主婦” までが片手に持っている、
そんな「一般大衆的」なファッション感度では満足できない人にしか響かないのが、フランスを代表するトランクメーカーであるゴヤールです。
セレブの間でも、特にファッショニスタと呼ばれるセレブしか持っていませんし、海外のスナップ写真サイトに投稿されているのは、ヴィクトリア・ベッカムやニッキー・ヒルトンなどのファッションアイコンばかり。
ゴヤールはそもそも、芸術家やデザイナーなど感性豊かな人間に好まれていたという経緯がありますから、一般大衆のファッション感度では反応できないということも納得がいきます。
そこで、この記事をお読みいただけるような、感度もセンスも芸術家やデザイナーに限りなく近い、いや、もしかすると同等かそれ以上のあなたにゴヤールについて詳しくお話ししていきたいと思います。
ぜひ、ゴヤールのことを深く知っていただいて、あなたの感性やセンスをより共鳴させ、ますますファッション感度をアップさせるお手伝いができれば幸いです。
あなたと同じ感度のゴヤール
ゴヤールとしてオープンし、160年以上にわたってゴヤールを認めていたのは、本当の意味で「美」を理解している人たちでした。
なぜそんなことが言えるのか。
それは、ゴヤールに保管されているインデックスカードが証拠となっています。
ゴヤールではクライアントのリクエストをすべて、病院のカルテのように記録し保管しています。
このカルテのことをゴヤールでは「インデックスカード」と呼んでいるのですが、インデックスカードは一部の芸術家や王室関係者だけに作り、記録しているのではありません。
ゴヤールにとって、有名無名は関係ありません。
ゴヤールの芸術性やこだわりを理解できる人が重要なのです。
あくまでもゴヤールが末永くクライアントとお付き合いしたい、その想いの表れとして、インデックスカードを作り、記録し、保管しているのです。
では、ゴヤールのインデックスカードに名を連ねる一部のクライアントをご紹介しましょう。
あなたのインデックスカードが、予想も出来ない人のカードに挟まれてしまうかもしれませんね。
ゴヤールと共鳴した顧客たち
ゴヤールには、芸術家やデザイナー、国の指導者や王室関係者をはじめ、19~20世紀を代表するような著名人が、サントレノ通り233番地に足を運びました。
233番地に足を運んだのは
・パブロ・ピカソ
・ジャック・カルティエ
・ココ・シャネル
・エスティ・ローダー
・アニェッリ家
・ロックフェラー家
・ロマノフ家
・サシャ・ギトリ
・ロミー・シュナイダー
・エディット・ピアフ
・カール・ラガーフェルド
・ウィンザー公爵夫妻
など、一流という言葉がぴったりくる著名人が足を運び、自分専用のオーダーをすることでインデックスカードが作成され、今もその足跡や好みが1枚のカードに残っています。
ゴヤールの共鳴を詰め込んだ芸術本
ゴヤールがどれほどアートに貢献しているのかを表す証拠がここにあります。
フランス国立図書館。
パリ装飾美術図書館。
ベルリン美術図書館。
このようなアートのための知識や資料を、未来永劫に渡り保管し語り継いでいく場所に、コレクションとして所蔵されているのが、
「ゴヤール・アートブック」です。
ゴヤール・アートブックは美術書で有名なDevambez社との共同製作により、2010年に出版されました。
ゴヤールがアートブックに残したのは、馬車や豪華客船、優雅な鉄道列車の旅。
ファッショナブルに出掛けることが「マナー」だった、華やかな旅の時代。
この時代を長い年月と膨大な資料から調べ上げました。
ゴヤールのトランク職人だけではなく、パリのトランク職人たちにも敬意を払い、その技術をあますところなく解説しています。
そして、このアートブックは、ニューヨークタイムズ誌でも高い評価を得ることになります。
ニューヨークタイムズ誌のアートについてのコラム内で「最高級のバイブル」と賞賛を送られたのです。
しかし、このアートブックは特別注文のもので、残念ながら再販予定はないようです。
ゴヤールは紳士限定
ゴヤールの愛好家である紳士たち。
彼らが重要視するところがあります。
その場所とは、パリの「ゴヤール本店」。
本店にはレアなバッグや革小物などが陳列されていますし、貴重な小物たちも展示されています。
・海を渡った筆記具
・高級シガーケース
・個性的なデスクアクセサリー
・腕時計やカフス
・ベルト
など、ゴヤールの職人たちが細部までこだわったアイテムを一同に見ることができるのです。
このアイテム達をひと目でも見れば、ゴヤールついてアレコレ多くを語る必要が全てなくなることでしょう。
それほどの「職人技」が時代を超えて受け継がれ、今も、そしてこれからも続いていく。
そんなロマンやこだわりに、紳士達は惹かれ、共鳴した男だけがゴヤールを選ぶのではないでしょうか。
ゴヤールのこだわり
快適な軽さを求めて
ゴヤールは熟練の職人達が、ひとつひとつ手作業で今もトランクを作っています。
その方法は160年経った今も変わりません。
しかし、基本的な方法が変わらないだけであり、ゴヤールは絶えずトランクを再構築することを忘れていません。
職人達は、美学と技量という2点から、伝統を守りながら、新しいことへも挑戦しつづけています。
特に大型のスーツケースの場合、容量を大きくすると外観の美しさが少なくなる。
頑丈にすると、重量が増えてしまう。
しかし、ゴヤールでは「軽さと頑丈さ」「革新と伝統」を常に視野に入れているため、洗練された「生活と旅」の芸術を楽しめるようになっています。
内側の美は内面の美
ゴヤールはディテールを大切します。
たとえばゴヤールで有名なトートバッグ「サンルイ」。
サンルイは、他のブランドにはない美しさと機能性を合わせ持っています。
例えば、
・バッグの表両側の模様が完璧に繋がっている。
・軽くて丈夫、水にも強いので浜辺でも気軽に使えます。
・ハンドルには革を何層にも重ねることで耐久性をアップ。
・手に直接触れる部分には、革独特の風合いにこだわっている。
そして、ゴヤールがディテールを大切にし、積み重ねてきた技術の結晶が、サンルイに与えられた「リバーシブル」という機能です。
トートバッグを裏返しても使える「刺激的な」機能性。
そして、裏側にも手を抜かない素材と縫製。
普段は目の届かない内側も磨き上げる。
こんなゴヤールの職人魂は、人が美しくなるために内面を磨き上げるのと似ているのではないでしょうか。
あなただけのアイテム、マーカージュという芸術
ゴヤールには「パーソナライズ」という名の芸術があります。
どういうことかと言いますと、ゴヤールではイニシャルや模様をバッグやトランク、財布などの完成品に刻印することができるのです。
そして、この芸術のことを「マーカージュ」と呼んでいます。
マーカージュはゴヤール家がメゾンになる前、代々続いていた家業に関係しています。
元々はパリの水路を使って薪を運ぶ仕事をしていたゴヤール家。
運ぶ材木が遠くから見ても、ひと目で誰のものかがわかるように印を入れていたのだそうです。
その印も貴族たちは複雑な家紋を入れたがりましたし、水路で運ぶときに印が消えない工夫も必要でした。
この「印を入れる」技術を、初代ゴヤールはトランクを作り始めたときから行っていたのです。
初代ゴヤールにとっては、完成品に印を入れ、パーソナライズすることは当たり前のことだったのでしょう。
「印を入れる=マーカージュ」には、細かな芸術性が要求されます。
そのため専門の職人が全て手作業で描いていきます。
そして、マーカージュには、世界に同じものは二つとありません。
ゴヤールの歴史を紹介
このように歴史と伝統を重んじるゴヤール。
少しここからは、ゴヤールの歴史を紹介したいと思います。
ゴヤールの前身、マルタン
1792年、ピエール・フランソワ・マルタンによって、メゾン・マルタンがパリに生まれました。
メゾン・マルタンは木製の旅行ケースや梱包用品の専門メーカーとして創業を開始。
このメゾン・マルタンが、後のゴヤールへ続く第一歩なのです。
メゾン・マルタンが旅行ケースや梱包用品を扱い始めたころ、まだフランスでは競合が多くありませんでした。
そんな中、マルタンは、入れ物としての箱作りと、運んでも美しく壊れないための梱包用品にこだわっていました。
マルタンの記録が残っている限りでは、家具や貴重品を運ぶ以外にも、
・帽子
・ガウン
・花
・オイルドキャンパス
・キャンドル
というものも運んでいたようです。
そして、これらを運ぶときにも運び方にこだわり、わらを使って梱包し丁寧に運んでいた、と記録に残っています。
ガウンや花を「わら」で梱包して運ぶとは、最上級のサービスですね。
マルタンの名誉
当然、このように丁寧な仕事をするマルタンを、上級階級の人達が放っておくはずがありません。
人から人へ広がり、現代で言うと「口コミ」が上流階級で行われたのでしょう。
そして、マルタンの転機がひとつ訪れます。
それは、「ベリー公爵夫人」と呼ばれていた「マリー・カロリーヌ・ド・ブルボン・シシル妃殿下」御用達という名誉を受け取ります。
メゾン・ゴヤールの誕生
ベリー公爵夫人から「御用達」という名誉を受けたメゾン・マルタンに、1845年、17歳の少年が弟子入りしてきます。
少年の名前は「フランソワ・ゴヤール」。
後のゴヤール、その人です。
ゴヤールはマルタンの後継者であったモレルに弟子入りし、技術を磨きながら職人として必要なことを全て教わりました。
しかし、1852年、ゴヤールが24歳のころ、師匠であるモレルが突然にこの世を去ってしまいます。
突然モレルからマルタンを引き継ぐことになった、24歳の青年「フランソワ・ゴヤール」は、メゾン・マルタンからメゾン・ゴヤールとして後を引き継ぎます。
その後、フランソワ・ゴヤールの息子「エドモン・ゴヤール」へ引き継ぐまでの32年間、フランソワ・ゴヤールは驚くような躍進を続け、19世紀後半には高級トランクメーカーとして時代を築くことに成功しました。
ゴヤールが誇りに思うこと
ゴヤールは、ただ技術的に優れていたからという理由だけで、世界中にファンを獲得したのではありません。
1885年、フランソワ・ゴヤールは息子のエドモン・ゴヤールに後を継がせます。
そして、後を継いだエドモン・ゴヤールの手腕が開花し、ゴヤールの成功のきっかけとなったのです。
ゴヤールの戦略
エドモン・ゴヤールは、父であるフランソワ・ゴヤールから後を継いだのち、それまでのトランクメーカーではあり得なかった戦略を打ち出しました。
その戦略を行うことは大きなリスクもありましたし、周りからは「うまく行くはずがない」と言われていたことも想像できます。
では、その戦略とは、いったいどんなことだったのか。
エドモンはゴヤールというブランドに、並々ならない自信を持っていたのでしょう。
その戦略とは、ゴヤールの販売対象を『富裕層のみの限定』とする、ということでした。
この無謀とも思える戦略が成功したことで、エドモン・ゴヤールは職人としてだけではなく、経営手腕を発揮することに成功しました。
ほどなくして、エドモンは3都市へ支店を展開します。
・モンテカルロ
・ビアリッツ
・ボルドー
そして、手をゆるめることなく、ロンドンのメイフェアやニューヨークに販売代理店を出店。
フランス、パリのメゾンだったゴヤールが、一気に世界規模のゴヤールへ発展した瞬間でした。
そして、エドモンは販売だけに力を注ぐのではなく、もっとたくさんの人にゴヤールを知ってもらいたい。
そんな想いから、世界万博へ参加したり、ペット用品やカー用品という新しいアイテムラインを発表していきます。
これまで考えることも出来なかったトランクメーカーの大々的広告活動。
他のトランクメーカーとは違う、高級志向を定着させたトランクメーカーに変化していったのです。
熱狂的なコレクター
1998年、ゴヤールに一人のゴヤールコレクターが表れます。
この男性は「ジャン・ミッシェル・シニョル」という、熱狂的なゴヤールコレクター。
シニョルは熱狂的なコレクターというだけではなく、メゾン・ゴヤールの歴史や価値を十分に理解していました。
そして、1998年にシニョルはゴヤールを買収という形で受け継ぎます。
シニョルには3人の息子がおり、ゴヤールを受け継いでからはシニョルと3名の息子たちがゴヤールを発展させました。
特に興味深いのは、シニョルと3名の息子は、初代ゴヤールであるフランソワの信念を深く、そして忠実に受け継いでいたのです。
その証拠に、フランソワが信じていた「製作工程をすべて自分たちのアトリエでコントロールすることが出来れば、完璧な理想のものができあがる」ということを実現。
シニョルと3名の息子、4名がそれぞれの技術的な担当を受け持ちつつ、経営にも参加するという方法を実践しました。
その結果、経営と伝統、ビジネスマンと職人という、相容れにくいものをゴヤールに定着させることに成功します。
トランクからラグジュアリーへ
パリで始まった家族経営のトランクメーカー。
それが、今ではフランスを代表する「ラグジュアリーブランド」へと進化したのです。
ゴヤールは進化した今も、大手グループとの契約や制約を持っていません。
そのため、ゴヤールはいつでも職人のこだわりを存分に発揮することが出来るのです。
また、本物を作り続けるという初代ゴヤールの信条を持ち続けています。
ラグジュアリーブランドに進化しても、メゾンの信念は忘れず、これからも伝え続け、そして、職人の技術や心得は受け継がれていくのでしょう。
秘密の生地「ゴヤールディン」
ゴヤールというと、この生地が有名です。
ゴヤール最大の秘密である「ゴヤールディン」。
コットンと麻で織ったキャンパス生地に、ゴヤール独自の天然塗料を塗ることで、レザーのような「しなやか」な風合いを持たせています。
また、この塗料のおかげで水に強い性質を持たせることに成功。
丈夫で長持ち。
やわらかく肌触り良く。
撥水性も抜群。
使い込むほどに美しさが増す。
そんな生地をどんどん使い込んで、あなたの歴史を刻み込んでくださいね。
ゴヤールの共鳴を拡散するアイテムたち
(1)トートバッグ(サンルイ)
トートと言えば「サンルイ」です。
こんな風に裏がして使うこともできますので、海辺やプールサイドでも大活躍します。
(2) ボストンバッグ
ボストンバッグの曲線がなんとも美しいですね。
そして、ゴヤールディンの柄も上品で、出張のお供に使えば最高です。
(3) 財布
定番の長財布も上品な装いです。内ポケットからサッと取り出したときの、周りの反応が楽しみになる財布です。
(4) ステーショナリー
あなたのデスクに、こんな万年筆やステーショナリーが待っていると思っただけで、顔がニヤけてしまいますよね。
デスクの上も上品に演出できそうです。
まとめ
あなたに宿るファッション感度は、どれくらい震えましたか?
このような感度、感性、センスはあなたのこれまでの経験や生き方、人生を通した中で培われたもの。
感度をアップするためには、感度の高いものと共鳴できないといけません。
でも、あなたはゴヤールという感度に共鳴したからこそ、この記事を見つけ、そしてここまでお読みいただけたのだと思います。
あなたのそばにゴヤールのバッグや財布など、感度の高いものを身につけたり、置いておくことで、ますますあなたの感度は敏感に、そして共鳴する感性が高くなることは間違いないでしょう。
ぜひとも、これからのライフスタイルをもっと感性豊かに、感度を上げた豊かな生活を送るためにも、あなたと共鳴するゴヤールのアイテムを購入されてはいかがでしょうか。