国内の移動でも、海外への移動でも、スーツの持ち運びはビジネスマンの悩みの種ではないでしょうか。
着ていくのが手っ取り早いかもしれませんが、10時間以上のフライトなど、長時間の移動をスーツで過ごすのはリラックスできませんし、大変です。
また、スーツケースにしまう場合もシワにならないか気になりますし、加えてスーツは意外にかさばります。
ですが、そんな悩みにも解決策があるのです。
例えば、スーツ持ち運び専用の「ガーメントバッグ」。
スーツケースにスマートにしまう「折りたたみ方」。
出張等のタフな環境にも対応する「トラベルスーツ」。
これらについてお話するので、是非参考にして頂ければと思います。
スーツ専用のガーメントバッグを活用すべし!
出張等のシーンで真っ先に思い浮かぶバッグは「スーツケース」ではないでしょうか。
スーツケースは大容量で一度にたくさんの物を持ち運べて便利ですが、スーツをスーツケースにしまうのはシワが心配・・・。
そんな人にオススメなのがスーツ専用のバッグである「ガーメントバッグ」。
ガーメンとバッグの最大のメリットは「スーツをキレイに収納できる」という点です。
製品によって構造が若干異なりますが、基本的にガーメントバッグは下記の画像のように、バッグの状態から、スーツを丸ごと収められる形に広げることができます。
この状態から畳んだり、丸めたりすることにより、持ち運べるコンパクトな形になるのですが、スーツケースに詰めるよりも無理なく、大切なスーツを持ち運ぶ事ができるのです。
また近年ではスーツだけでなく、ベルトや靴下、ネクタイやシャツなど、スーツのコーデに付随する小物を収納するスペースも装備されている製品も販売されています。
ガーメントバッグにスーツ関連のものをほとんど収納できるので、「あれ、ネクタイはどこにしまったかな」といった事態も避けられるでしょう。
そんなガーメントバッグですが、スーツを1着だけ収納するものから、数着収納できる大容量のもの、あるいはキャリータイプのものからブリーフケースタイプのものなど、種類は様々。
そこでオススメの5つのガーメントバッグブランドをピックアップしたので、ガーメントバッグ選びの参考にして頂ければと思います。
Avecaldo
「ブランドネームに高いお金を支払うのではなく、商品に価値あるもの」というモットーにもあるように、ネームバリューは低いかもしれませんが、ビジネスバッグ各種、そして財布や名刺入れなども扱う、日本発・日本製のブランドです。
Avecaldoからオススメのガーメントバッグはこちら。
ブリーフケースタイプのガーメントバッグでして、持ち手にはゴム芯、またショルダーベルトも標準装備なので、持ち運びやすさが配慮されています。
またキャリーケースとの併用も想定されており、この様にキャリーケースの取っ手との固定ベルトと、取っ手のバーを通す専用の穴が装備されています。
また内部にハンガーが二つ装備されているので、スーツと一緒にシャツもハンガーに掛けて収納することが可能です。
Bagsmart
こちらはBagsmart社のガーメントバッグ。
撥水性のあるポリエステル製の生地が使用されており、雨の日でも安心して使えます。
22.5インチ×19インチ×3.5インチというサイズ感ですが、衣服を4つまで収容可能で、シャツを収容できるポケットも装備しているのが心強いところ。
またネクタイホルダー、ひげ剃りや洗面具などの小物を収容できるジップポケットも二つ付いているので、日用品のほとんどをこのバッグ一つに収容することができます。
また上記の写真にもある通り、バッグを広げるとハンガー部分にスーツを吊るすフックがついているので、ホテルなどに到着したのちはスーツを壁からつるすことができます。
尚、サイズが大きめのためスーツ以外にも、パーティドレス、ワンピース、着物といったレディース物にも使用することが可能。
出張時に使うだけでなく、いざという時は奥さんもつかうことができるでしょう。
また返品率1%という点も、特に通販で購入する場合にも安心ですね。
Bermas
続いてご紹介するのはドイツのビジネスバックメーカー”Bermas”のガーメントバッグ。
特徴は以下の通りです。
・高級感のある革製の持ち手
・撥水性・防汚性の高いテフロン加工処理が施された、ポリエステル生地を使用。
・前ポケットはネクタイを収納しやすいゴムバンド付きのファスナー仕様
・2本のハンガーが付属しているので、ジャケット一緒にシャツもハンガーに掛けて収納可能
・バッグ内部には二つの小物用ポケットがあり、ハンカチ、髭剃り、歯ブラシ等の日用品を収納可能
・ファスナー付のカバーがバッグ内でのスーツのばたつきを抑え、型崩れやシワを防ぎます
・ショルダーベルト付なので、ショルダーバッグとしても仕様可能。
・撥水性・防汚性の高いテフロン加工処理が施された、ポリエステル生地を使用。
・前ポケットはネクタイを収納しやすいゴムバンド付きのファスナー仕様
・2本のハンガーが付属しているので、ジャケット一緒にシャツもハンガーに掛けて収納可能
・バッグ内部には二つの小物用ポケットがあり、ハンカチ、髭剃り、歯ブラシ等の日用品を収納可能
・ファスナー付のカバーがバッグ内でのスーツのばたつきを抑え、型崩れやシワを防ぎます
・ショルダーベルト付なので、ショルダーバッグとしても仕様可能。
Bermasは1919年にドイツのファースにて創業し、もうすぐで100周年を迎えます。
ヨーロッパでは認知度の高いメーカーで、創業以来、革のスーツケース、アルミのスーツケース、インジェクションのスーツケースなど、常に新しい製品へのチャレンジを続けてきたメーカーです。
1996年のアトランタオリンピックでは、ドイツチームへスーツケースを提供し、スポンサーとしても活躍。
また、今では日本の衣川産業株式会社がBermasのブランド権を取得し、日本での取扱いも増えてきています。
Henty
Hentyは他とはひと味も、ふた味もちがうガーメントバッグを売り出しています。
それがこちら。
オーストラリアのタズマニア発のHentyのテーマは「ビジネス用の服を如何に楽に運ぶことができるか」。
創業者のジェレミー・グレイ氏本人の体験を基に、自転車やバイクに乗りながらでもスーツが運べるようなガーメントバッグを作りたかったとのことで、他では見ないバックパック型のガーメントバッグがこのメーカーの特徴です。
スーツの収納の仕方自体は、従来のガーメントバッグと変わらず、広げるとこのような感じ。
スーツはクルクルと巻く形でコンパクトに収納されるのですが、その芯となる位置に18リットルのチューブ状のスペースがあり、そこにも物を詰める事ができます。
創業者のジェレミー・グレイはかつて会社員として働いていた時代に、度重なる出張を通じてスーツ持ち運びづらさを痛感していたとのこと。
そして、そういった経験からスーツは丸めて収納することによりシワが付きにくいということに気がつき、そのコンセプトを基にHentyの主力製品である” Wingman”は設計されました。
他のフォーマル風なバッグと違い、スポーティな印象のHenty。
自転車やバイクでの移動をする人にはもちろんですが、手軽にスーツを持ち運べるので飛行機での移動の多いビジネスマンにもオススメです。
ROLOR
ユニークなガーメントバッグとして”Henty”を紹介しましたが、負けず劣らずユニークなのが”ROLOR”。
ラインナップの一つである”ESSENTIAL”がこちらです。
他にも”Prestige”
また、”Premium”
といったラインナップなっています。
一目みた瞬間にその筒型のデザインに目が奪われるかもしれませんが、従来のガーメントバッグが1.3kgから1.5kgのところ、ROLLERのガーメントバッグはなんと900g。
また、”Essential”と”Prestige”は飛行機内に持ち込めるサイズに設計されているので、海外へのフライトが多いビジネスマンにはありがいでしょう。
ちなみに、このユニークなROLLERのデザインですが、”Sushi Inspired”とのことで、創業者のTeun van der Loan氏が巻き寿司から得たヒントが基になっているようです。
尚、ROLLERが生み出したスーツにシワを付けずに巻く技術ですが、これは特許も取得されているとのことで、オランダのアムステルダムからはじまったROLLERは今では世界25か国に展開されています。
バッグにしまうなら丸めるべし
オススメのガーメントバッグメーカーを5つ紹介しました。
ガーメントバッグはスーツ専用のバッグということもあり、どのメーカーもスーツを収納することに配慮した機能が備わっていて、とても便利です。
ですが、「やっぱりスーツケースひとつ全部まとめたい」、そんな方のために、スーツをスーツケースにしまう時の畳み方を紹介します。
ジャケットの丸め方
まずはジャケットからですが、荷造りの段階でスーツを収納するスペースを確保しておきましょう。
狭いスペースに後からギュウギュウに詰めると、せっかくキレイに丸めたジャケットも、他の荷物に押しつぶされてシワの原因になってしまいます。
また、最後にジャケットを巻いていく工程の中で、タオルが二枚必要になります。
Tシャツでも応用可能ですが、もし荷物の中にタオルかTシャツがあれば、ジャケットのために確保しておいてください。
ではまず最初のステップですが、ジャケットの半分を裏返しましょう。
肩と袖を裏返すのですが、ポイントは肩パッド部分。
肩パッドの部分は他の部分に比べて裏返りずらいので、ちゃんと裏返っているかチェックしてみてください。
そして、裏返した袖の中に、裏がしていないもう片方の袖を通します。
ここから最後の巻く段階への準備になるのですが、まずは襟を立てて伸ばしてください。
ここで襟を畳んだままだと、巻いた際に不自然な形になりシワになりかねません。
そして、このような形に整えてください。
ジャケット巻いていくにあたり、まずは内側の肩パッド部にタオルをクッション代わりに入れます。
そしてもう一枚のタオルをジャケットの下記の画像の位置へ。
ここから巻いていきます。
シワが付かないように伸ばしながら巻いていき、完成です。
パンツの丸め方
最後にパンツの畳み方ですが、こちらもタオルが必要になるのでご用意を。
ハンドタオルであれば2枚ほどですが、Tシャツ1枚でも応用可能です。
まずは、パンツを床に置いて、お尻のポケット付近にタオル、あるいはTシャツを配置します。
そしてジャケットと同様に巻いていくのですが、ポイントは折り目を付けないことと、シワをつけないように伸ばしながらまくこと。
こうして丁寧に最後まで巻いていけば完成です。
ワイシャツの畳み方
最後に番外編でワイシャツの畳み方を紹介します。
まずは前のボタンを全て留めましょう。
次にシャツを裏返して、袖を背中の半分ぐらいで縦におります。
そしてもう片方の袖も同じように背中の真ん中の位置で、縦におりましょう。
するとこうなります。
あとは三つ折りに。
これで完成です。
出張向きのトラベルスーツ
スーツを収納する専用のガーメントバッグ、そしてスーツケースに収納する際の丸め方と紹介してきましたが、最後はトラベル向きのスーツを紹介します。
Paul Smith
Paul Smithでは「A Suit To Travel In」というテーマの基、スーツを着た体操選手が体操技を披露する広告と共に、トラベルスーツのラインナップを打ち出しています。
特徴は伸縮性、撥水性、シワになりにくいといった要素で、こういったメリットを実現するために梳毛ウール100%の強撚糸が使用されているとのことです。
糸の原料となるウールには、メリノ種の羊の下腹部の糸が使用されており、強撚糸に加工した後に強く織り上げ、美しい光沢だけでなく弾力性の強いの、シワのつきにくいスーツを作り上げているとのことです。
通気性にも優れており、体温調節を助け、収縮面だけでなく温度面でも着心地の良いスーツになっています。
トラベルジャケットは着心地の面ばかりアピールされがちですが、”A Suit To Travel In”ではカラーリングやシルエットにも拘りを持っており、カラーは「ネイビー」、「ブラック」、「チャコールグレー」といったラインナップ。
シルエットについてもPaul Smithが70年代から売りにしているスリムラインを引き継がれています。
Lubiam
厳密にはスーツではありませんが、「トラベル」というキーワードで有名なのがLubiamの”Travel Jacket”。
ストレッチの効く生地、取り外し可能なナイロン素材の風防といった実用面が充実していますが、アンコラ仕立て+エルボーパッチなど程よくカジュアルダウンしたデザインも人気の理由です。
ちなみにLubiamは1911年から100年以上の歴史を持つ、イタリア発の老舗ブランド。
イタリア北部マントヴァに本拠地を置き、創業当初は”Luigi Bianchi Mantova”でしたが、1930年代にオリジナルのブランド名の頭文字を取り、”Lubiam”に改名しました。
今では、スポーツラインの”L.B.M.1911”と、創業当初のクラシックなデザインを復刻させた” Luigi Bianchi Mantova”も展開しており、アルマーニやマルゾットと並んでイタリアを代表する高級ブランドとして世界にファンを持つブランドとなっています。
1piu1uguale3
「旅」をテーマに作られたこのスーツは収縮性に優れており、長時間の移動でも着疲れしませんし、バッグにしまう場合でもシワが付きにくい仕様になっています。
またジャケットには内ポケットが6つ付いており、バッグに手を伸ばしづらい移動中の状況に役に立つはず。
また、そのうち2つのポケットはジップ付きのため、鍵やパスポートなど、重要なアイテムも安心してしまうことができます。
まとめ
「スーツを持ち運ぶ」と言うテーマの基、
1. スーツを持ち運ぶ専用の「ガーメントバッグ」
2. スーツケースにスマートにしまう「スーツの収納術」
3. 出張等のタフな環境にも対応する「トラベルスーツ」
この三つについてお話しました。
ガーメントバッグについては、それぞれ個性のある国内外5つのブランドを紹介しています。
Avecaldoは日本製で安心の品質と作り且つ、お手頃な金額設定。
BagsmartとBermasは撥水性に優れた生地を使用されていたり、髭剃り等の日用品も詰めることができるポケットが複数ついていたりと、実用的な機能が満載です。
そしてHentyは自転車やバイクでの移動を可能にするバックパック型のガーメントバッグ、ROLORは巻き寿司にヒントを得たという、特許取得済みの巻く形式のガーメントバッグになっています。
ガーメントバッグをオススメしつつも、「やっぱりスーツケースにしまいたい」という人向けに、シワがつきにくいジャケットとパンツの収納術を紹介しました。
コツは「折らず、丸める」というテクニックですが、写真付で説明しているので是非参考にして頂ければと思います。
(番外編でシャツの畳み方も紹介しているので、良ければチェックしてみてください)
そして最後はトラベルスーツということで
・Paul Smith
・1piu1uguale3
・Lubiam
・1piu1uguale3
・Lubiam
の3つを紹介。
収縮性や通気性といった実用面はもちろんですが、シルエットやカラーリング等のデザイン面にも拘っているスーツやジャケットなので、「楽はしたいけど、オシャレには妥協できない」と言う人にも納得して頂けるのではないかと思います。