最近なんだか帽子を被っている若者が街に増えたな。
そう感じませんか?
2015年から男女ともに、ツバの広い帽子が流行っています。
しかし、いざ自分が被ろうと思うと、ちょっと躊躇してしまっていませんか?
今の40代50代よりもう少し上の世代なら、昭和初期を体験している世代ですから帽子はハードルが低いかもしれません。
昭和初期にはサラリーマンの必須アイテムだった帽子。
昭和初期の映画を見ても、家に帰ってきたお父さんが玄関で帽子を脱ぐシーンがあります。
いつの頃からか、サラリーマンが帽子を被る姿は日本から消えました。
もし帽子を被っている紳士がいても、それはごく少数派です。
ですが、再び帽子が流行している今、ハードルが低くなっているからこそ、帽子をワードローブに加えるチャンスではないでしょうか。
帽子はコーディネートをまとめてくれる、強い見方です。
シーンやスタイルに合わせて使い分け、帽子を楽しみましょう!
今回は、数ある帽子ブランドの中から、7ブランドを厳選してご紹介します。
また、最後の方ではコーディネート例や自分に似合う帽子を探すコツなどもお伝えします。
きっとあなたに似合うブランドやデザインが見つかりますよ!
ボルサリーノ:イタリア
1857年、イタリアで誕生したボルサリーノ。
創業者のボルサリーノは幼い頃から帽子の向上で修行を積んだ、筋金入りのクラフトマンです。
細かい工程を何度も行い、丈夫でしなやかなフェルト生地を帽子に成型しています。
フェルト生地にもビーバーやビキューナの毛を使い分け、品質の良い帽子づくりにとことんこだわっています。
しっかりとしたつくりのパナマ帽。
白やオフホワイトの麻のジャケットに似合いそうです。
かっちりとしたつくりなので、オフィシャルにも使えそうですね。
滑らかな肌触りのフェルト帽。
スーツに首からマフラーをかけ、コートを着てこの帽子を合わせたら、イタリアのちょい悪オヤジ風です。
上質なエクストラファインメリノウールヤーンを使用したウールニットキャップ。
アウトドアや街歩きに。
細いニット糸を使っているので暑苦しくなり過ぎず、四季を通して使えます。
クリスティーズ:イギリス
今から200年前、1773年にクリスティーズはスコットランドで創業されました。
1850年からは王室御用達となり、現在に至ります。
クリスティーズの帽子の品質の良さは各界で認められ、イギリスの軍や警察の制服、競馬の騎士、結婚式のシルクハットなど、幅広く提供されています。
雑誌やテレビ、映画でも毎日のようにクリスティーズの帽子を目にすることができます。
ボウラー。
TシャツにもYシャツにも合う、万能アイテムです。
チャップリンが映画の中で被ったことで、コミカルな印象のボウラーですが、スーツにも合います。
シックにボルドーのハットなどいかがでしょうか?
秋にピッタリの色目です。
グレーやこげ茶とシックにするもよし、オレンジや黄色、赤を合わせて思いきり秋色にするもよし。
バカンスという言葉が頭に浮かぶ、パナマ帽です。
ジーンズにTシャツ、アロハに白いテーパードパンツ、はたまたショートパンツをセレクト?
どんなコーディネートでおでかけしましょうか。
ダレーナ:イタリア
ダレーナは、1933年、イタリアのブティーニャーノ(パリ)で設立されました。
伝統的な製造にこだわりを持ち、高品質な生地で作る帽子は正確な技術あってのもの。
その日の打ちどころのないスタイルが、世界に高く評価されています。
公式サイト:http://www.dalena.it/
秋冬にピッタリのツイードの帽子。
トレンチコートにも似合いそうです。リボン部分がベルベットでオシャレです。
これも秋冬のハンチング。
大きなチェックがファッションを際立たせます。
ツイードのハンチング。
程よいカジュアル感が、モノトーンのコーディネートにも、カラフルなコーディネートにも合いそうです。
TESI(テシ):イタリア
公式サイト:http://www.tesihats.com/
テシは1800年、イタリアで創業された老舗帽子ブランドです。
19世紀後期、欧米で押しも押されもせぬ人気ブランドとなりました。
その頃製造していたのは主にストローハットですが、20世紀に入るとパナマ帽も展開しています。
第二次世界大戦後はストローハットの需要が少なくなりますが、フェルトハットの生産に着手し、危機を乗り越えました。
現在では老舗の帽子ブランドとして、世界中から愛されています。
フェルトハット。ブラウンにピンクのリボンの色使いがオシャレです。
しっかりとしたつくりのパナマ帽。
バカンスのコーディネートに。
夏のオフィシャルコーデに使えそうなストローハットです。
もちろんカジュアルにも。
MAYSER(マイサー):ドイツ
1800年、ドイツでLeonhard Myser(レオンハルト マイサー)によって設立されました。
その歴史は200年も前にまでさかのぼります。
連綿と続くマイサーの歴史は高い技術に磨きをかけ、品質においてもデザインにおいても、世界中からクオリティの高さを評価されています。
ヨーロッパの雰囲気漂うオシャレな色遣い。
配色のバランスが絶妙です。
リボンを結ばずねじってあるところもアクセントになっています。
ポロシャツにパンツ、そしてサングラス。
足元は革靴でもサンダルでも合いそうです。
デニム地で出来た帽子。
休日にかぶるのにピッタリです。
ステットソン(STETSON):アメリカ
1865年創立。ジョン・バタソン・ステットソン。
ジョンは正式な学校教育をほとんど受けず、読み書きは母から、帽子のビジネスは、すでに成功していた父から教えを受けています。
ステットソンは正当性と多様性を重んじるアメリカン・スピリットを持ち続けています。
ステットソンはアメリカの歴史と共に歩んできました。
そしてこれからも、時代を超えて進化し続けていきます。
公式サイト:http://stetson.jp/about/
まるで肖像画のようなポーズ?
茶コールグレイの帽子とボルドーのシャツ、そしてボルドー色が混ざったスカーフを合わせた巧みなコーディネートです。
女の子が被っていますが、もちろん男性にも。カウボーイハットは女の子が被るとキュートですよね。男性ならグンとワイルドに。
からし色のウールのジャケットに、ダークブラウンの帽子を合わせています。
ゴーリンブラザーズ
1921年、アメリカペンシルバニア州、ピッツバーグで創業されたグリーンブラザーズ。
1895年に帽子屋を設立した、彼らの父親である、キャセル・ゴーリンから伝統と技術を受け継ぎ、新しい独自のデザインをミックスさせてゴーリンブラザーズは誕生しました。
アーティスティックで高い技術を駆使し、様々なデザインを世に送り出し、若い世代から年配まで、幅広い客層を得ています。
公式サイト:http://www.goorin.com/
デニム生地のハンチング。
ジャズが聞こえてきそうな画像ですね。
合わせているのはダンガリーシャツでしょうか。
デニムの帽子は着用の仕方によっては子どもっぽくなりがちなアイテムですが、アメリカンカントリー風に用いって成功しています。
チェックがシックなハンチング。
ウールのジャケットやコートに合わせたい一品です。
冬の装いも、帽子一つでぐんとオシャレになります。
ツイードと生地違いのツートンの帽子。
同じくツイードのジャケットなら間違いなくマッチしますね。
白や薄い黄色のシャツ人も会いそうです。
BEACHI MANという名の中折れ帽。
青いコットン生地にプリント、ピンクのラインで遊び心がたっぷりです。
裏地もこんな感じで洒落ていますよ。
繊細なリネンのハットです。
鍔のカーブが少しだけ上を向いているのがポイント。
お手本コーディネート
色々なブランドは分かったけど、実際どうコーディネートしたらいいか分からない。
そんなあなたに、コーディネートの見本をいくつかご用意しました。
様々な帽子遣いを見て、雰囲気の違いを味わってください。
マフィアと見まごうばかりのコーディネート。
スリーピースがオシャレです。
ブラウンとネイビー、ネクタイはボルドーでしょうか。
さりげなくトリコロール(3色配色)を使っています。
コーディネートは全体をまとめやすい3色までがおすすめ。
クリスティーズの帽子です。
こちらは茶系で統一。コートと、革で出来た帽子のリボンを同じ色にすることで、ますます統一感が出ています。
カジュアルの崩し方、見習いたいですね。
足元をカジュアルにすると、全体的にカジュアルな雰囲気になります。
向かって右側の男性は、柄on柄の組み合わせですが、帽子のラインとボトムス、スニーカーのネイビーを合わせることで統一感を出しています。
左側の男性はベストにジャケットですが、パンツとベルト、シャツをカジュアルにし、全体をブラックにしたことで異なるジャンルコーデをまとめています。
すぐにでも真似できそうな、紺ブレのジャケパンに帽子の組み合わせです。
シャツのボタンの外し方に注目。2つ目まで外すことで、雰囲気を出しています。
スーツにストローハットの組み合わせ。
ストローハットがオフィシャルで通用するお手本のようなコーデです。
マイサーの帽子です。
ワイルド!
冬のカジュアルをこんな風に決められたら、もう怖いものなしです。
帽子の厚みと革のリボンがシックにワイルド感を高めています。
ボウラーのコーディネート例。
ジーンズはテーパードをさらに折り上げています。
全体の色味を地味にしておいて、左右色違いのボーダーの靴下で遊んでいます。
メガネも効いていますね。
これもすぐに真似できそうですね。
コーディネートというより、もう白いシャツにストローハット被ってるだけ。
帽子一つで、何の変哲もない白いシャツも、オシャレに見えてしまう魔法。
家族でのコーディネートでしょうか。
男の子の少し誇らしげな顔!
帽子の被り方は子どもの頃から伝えると、身につきそうですね。
帽子を選ぶコツはデザインとサイズが自分の顔や頭の大きさに合うかどうかです。
必ず試着し、しっくりくるかどうか確かめてくださいね。
スーツにテンガロンハット。
タイは紐タイです。
ブタンを外したシャツにタイをつけ、テンガロンハットで思いっきりワイルドにしています。
格好良すぎです。
こんなダンディなおじいさんだったら毎週末に出も会いに行っちゃいそう。
シルバーの小物も効いていますね。
ざっくりニットにブーツ、そしてステットソンの帽子です。
ステットソンはワイルドに被るのが王道。
帽子、シャツ、パンツ。
ただそれだけなのに、このバランス感。
色はアースカラーで統一しています。
こちらはブルーで統一のコーディネート。
帽子のリボンとシャツのボーダーが相性抜群ですね。
ブルーと赤のチェックのハンチング。
帽子だけで見てみるとちょっと派手かな、と思っても、被ってしまうとそうでもないのが不思議です。
似合う帽子を探すコツ
自分は帽子が似合わない・・・そう思ってはいませんか?
私の知人に、「頭の大きいから帽子が似合わない、身長が低いから帽子が似合わない、帽子は好きで被りたいのに」、そう言って嘆いている人がいます。
でも本当は、その人に似合う形を発見できていないだけだと思うのです。
帽子にも色々な種類があり、人それぞれ似合う形があります。
キャップが似合わなくてもハンチングが似合う人、ニット帽が似合わなくても中折れ帽が似合う人など、様々です。
まずは、売り場に行って色々被って試してみることですが、一般的には自分の顔かたちと似た帽子を選ぶと良いとされています。
丸顔の人は丸いシルエットの帽子を、頭の小さな人はコンパクトな帽子を。
四角い顔の人は角ばったしっかりしたシルエット、大柄の人はつばの広い帽子を選ぶと、体形や顔の形をカバーしてくれると言います。
そして、本体部分が自分の顔の幅より大きいものを選ぶことも、大事なコツです。
帽子本体が自分の顔より小さいと、顔だけがはみ出しているように見えてしまいます。
顔の大きな人ならハンチングなど、ボリュームのあるものがおすすめです。
ハンチングも色々な形があるので、コレクションしても面白いかもしれません。
ハットなら、ツバが広めのもの、そして高さのあるものを。
帽子が大きければ顔が小さく見えるという効果が働きます。
帽子は被り方によっても、雰囲気がだいぶ変わります。
真正面にまっすぐ被ったり、後ろに少しずらしてみたり、ちょっとだけ斜めに被ったりしてみてください。
また、ツバの形や角度を変えてみるのも一つの方法です。
一つのショップだと同じようなタイプのものばかりが置いてある可能性もありますので、色々なお店に行って試してみるのがおすすめです。
あなたに似合う帽子の被り方が見つかるはずです。
まとめ
7つのブランドとコーディネート例をご紹介しました。
各ブランドには、それぞれ長い歴史があり、伝統を守りながらも培われた技術を活かし、トレンドを押さえて私たちに良質な帽子を提供してくれています。
帽子は生地やデザインで、さまざまな味を持っています。
また、被り方ひとつでも、色んな表情を作ります。
自分には帽子は似合わないと思っている人も、選び方のコツをつかんで頂けたのではないでしょうか。
帽子には、それぞれの体形に合った形があるものです。
自分の体形に合ったデザインを見つけて、もっとファッションを楽しみましょう。
シーンに合わせて、ファッションに合わせて、帽子を使い分けてみてください。
帽子を着用することに慣れてくれば、きっと帽子なしのコーディネートでは物足りないと感じてくるはずです。
帽子はコーディネートを引き締めたりまとめたりしてくれる、便利なアイテムです。
ぜひ、帽子をワードローブに取り入れて、自分のファッションを存分に楽しんで下さい。