夫のスーツをクリーニングに出そうとクローゼットの中からスーツを取り出したとき、ついでにネクタイも一緒にと数本、手にとったときのことです。
ネクタイのほつれとヨレが酷いことに気付きました。
普段は夫が自分でネクタイをしているし、ほとんど上着を着てしまうので、さほど気にすることもなかったのですが、改めて見てみるとこんなに傷んでいたとは…。
起業する前や起業後すぐの頃は、お金も気持ちもゆとりがなかったから、ネクタイなんて二の次でした。
スーツや革靴の方が大切だと思っていたからです。
表面的に一番目につきやすいですから。
ただ、このネクタイを見てあまりにもシワとヨレが酷いので、さすがに買い直そうと思いました。
もともと安く買ったネクタイだし、ここまでよくもたせたなと夫に感心します。
特別にオシャレというわけではないけれど、きちんとした身だしなみには気を配っている夫ですが、ネクタイまでは気がまわらなかったのでしょう。
夫の仕事がだんだんと軌道に乗るにつれて、私も夫のスーツやバッグ、時計などのビジネスアイテムの大事さがわかるようになってきました。
ビジネスで大切なのは誠実さ。
その誠実さは、行動や態度だけでなく、身だしなみでもきちんと表現しなければならないのだと学んだのです。
安くても絶対数が多ければなんとかなると思っていたネクタイですが、そうじゃないことに気付きました。
そこで私は、夫にネクタイをプレゼントしようと考えました。
起業してからがむしゃらに走り続けてきた夫へ、サプライズプレゼントです。
ただ、今までネクタイを購入するとき、柄と色、長さや太さといった見かけだけで選んでいたので、私は上質なネクタイの選び方がわかりませんでした。
ネクタイは100均でも売っています。
品の良いセレクトショップでこだわりのネクタイもみかけます。
誰もが知っているブランド店にもネクタイはあります。
店頭に並ぶネクタイの価格の幅が大きすぎて、基準すらわかりません。
だいたい、値段だけでネクタイを選んでよいのか、それも疑問に思いますよね。
値段が高ければ良いネクタイ、という認識もどうなのかな。
もし、あなたが今、パートナーにネクタイをプレゼントしたいと思っているのなら、またはパートナーのネクタイを買い足そうと考えているのなら、これから私が綴る「上質なネクタイの選び方」がお役に立てるかもしれません。
「ネクタイは、安くても数があれば十分」そう思っていた私が、夫に似合う上質なネクタイを選べるようになれた方法をまとめていきます。
【基本編】上質なネクタイの見分け方
ネクタイといっても値段がピンキリ。
値段と物は比例するとは思っていても、ブランド品の高いネクタイって本当に上質なのか疑わしい。
だからといって、安っぽいネクタイをつけて出勤させるわけにもいかないし、ネクタイ選びは意外と難しい、そう思う人はたくさんいると思います。
ここでは、ネクタイの選び方のベースとなる部分をみていきます。
しっかりした素材を選ぶ
高級品かそうでないかは、素材である程度わかります。
上質なネクタイの多くはシルクを100%使っていますが。安いネクタイは大抵ポリエステルです。
以下、素材の特徴をまとめました。
シルク
肌触りもよく結びやすく、高級感があります。
あらゆるシーンで適切で、一番おすすめの素材です。
麻
吸汗即乾性が高く、夏に活躍するネクタイです。
ウール
最大の特徴はシワになりにくいこと。
厚手なものが多いので、秋や冬に活躍します。
綿
落ち着いた雰囲気を演出します。
ちょっとしたパーティーやプライベートでの飲み会など、堅苦しくない場面のスタイルに最適です。
ポリエステル
安いネクタイはほとんどが、このポリエステルです。
お手入れも簡単で気軽に使えるのが特徴。
値段の高い安いは、天然素材か、化学繊維かで見分けることができます。
天然素材の方がよれにくく、長く使ってもほつれが少ないです。
ほつれが一度みつかると、みるみるそこから傷みが派生していきます。
ネクタイを購入するとき、最初に投資して上質なネクタイを丁寧に使っていくか、安いものを何度も買っていくか、迷いどころですね。
中には安いもので回転よく使う人もいますが、私だったら対人関係のメリットを考えて、最初から上質なネクタイをパートナーに勧めます。
初対面の人の目に映るパートナーの印象に、ネクタイは必ず絡んでいくからです。
大切な対面で、ネクタイがほつれていたり、シワがあったりしては相手にも失礼です。
ネクタイを着用するシーン同様、素材も配慮しながら選んでいくことが大切です。
縫製の仕方を知る
縫製の仕方をみていきます。
まず上質な高級ネクタイと、低質なネクタイは裏を見ればすぐにわかります。
ブランドのタグです。
ブランドで判断するのも、ひとつの方法なのです。
また小剣通しと言われる、別名ループの有無でも判断できます。
(小剣とは、ネクタイの先端の三角の小さい方を指します。)
安い低質なネクタイはループがないこともあります。
【実践編】上質なネクタイの見分け方
ネクタイは主に次のような部品によって作られています。
大剣(大きい三角形の先端)、小剣(小さい三角形の先端)、大剣と小剣を繋げる中継ぎ。
そして表面生地だけでなく、裏地や芯地などがあります。
これらの部分をチェックすることで、ネクタイ選びが高いだけの無駄な買い物になるか、満足のいく買い物になるか決まってきます。
値段が高いネクタイは、それに準じた品質のものもあれば、品質が悪いものも存在します。
ここでは、あなたとパートナーが考える高級なネクタイをきちんと手に取れるよう、お店でできるチェックポイントを挙げていきます。
表生地のココをみる!
まず厚さを確かめてください。
しっかりとした手応えがあるものが良いです。
ただし、重量があるだけでスカスカしたものでもいけません。
見分け方として、大剣部分を何度か握り、ネクタイのシワの戻りに注目してみてください。
高級ネクタイならば、シワの戻りも早く、ふっくらと元に戻ります。
裏地のココをみる!
裏地は、表の生地と同じ素材を使っていることを確認してください。
市場にある安いネクタイは、ほとんどが裏地と表地が同じでないものが多いです。
高級なネクタイを見極めるヒントとして、裏地と表地をチェックすることは簡単にできますね。
また、裏地が複雑な構造になっているかどうかも、手がかりになります。
高級なネクタイは、見えないところもきちんと手間をかけて縫製されているのです。
大剣裏に注目
大剣裏を手にとってください。
先端部分を内側に折ったときに、綺麗な三角形になっていますか。
上質なネクタイは、バイアスという裁断の方法を採用しています。
(バイアス断ちとは、生地を繊維に対して斜めに切っていきます。
この方法は伸縮性を増す効果があり、これによって柔軟なネクタイが出来上がります。)
小剣でチェック
小剣の先を軽く持って、ネクタイを左右に揺すってみてください。
このとき、揺れているネクタイのよじれ方に注目。
大きくよじれずに、元に戻ろうとする力が大きいネクタイは、上質な高級ネクタイです。
この方法もすぐに出来そうですね。
ぜひ試してみてください。
TPOに合わせたネクタイ選び
さて、パートナーが今日の打ち合わせに、どんなネクタイをしていこうか迷っています。
そんなとき、あなたはパートナーにどんなアドバスをしますか。
スーツ同様、ネクタイもTPOで使い分けるのは常識。
パートナーに自信を持って笑顔でアドバイスできるように、ここでおさらいしていきましょう。
重要なミーティングや会議のとき
大切な会議やプレゼンなどの時は、誠実さをアピールします。
緊張感を伴う空間でもあるので、グレーや紺色のような落ち着いた色が適切です。
取引の際に登場する「勝負ネクタイ」を用意するのもよいですね。
柄はやはりソリッド(無地)がオススメです。
高級ネクタイは、モチベーションを上げるためのアイテムとしても効果があります。
式典やパーティーのとき
お祝いなので、少し光沢の入ったグレーやライトなチャコールも良いでしょう。
大人の男の落ち着いたイメージを演出してくれます。
結婚式などではストライプや水玉もオシャレ。
度を外し過ぎない程度の華やかさを演出してくれる、シルバーも魅力的です。
襟とのバランス
襟とのバランスも忘れてはいけません。
スーツの襟の一番幅の広い部分と、ネクタイの幅が同じようにするとかっこいいです。
きちんと感が出ます。
ネクタイの太さは正面からの見た目だけでなく、こうした後ろ姿にも気を配った選び方をすると、一歩先を行くオシャレを演出できます。
スーツとのバランス
スーツの柄や色との相性も大切です。
また、無地に見えるスーツでもピッチをスルーしないようにすることが大切。
光沢によって濃く見えたり薄く見えたりするので、無地扱いするのではなく、きちんと考慮してネクタイを選ぶようにしましょう。
スーツやワイシャツなどとデザインがぶつかり合うコーデは、ゴチャゴチャした印象を与えてしまいます。
シンプルなスーツにネクタイでアクセントを。
または、デザイン性のあるスーツにはネクタイで落ち着きを。
スーツやワイシャツと似たような系統でまとめて、シックな装いを。
ネクタイの選び方次第で、イメージを変えられるのです。
おすすめのハイブランドネクタイ
ネクタイ選びでブランドを見極めるのはとても大変だし、時間のかかること。
まずは名品と呼ばれるブランドの中から、ハズレなしで本物を知ることから始めてみましょう。
そうすることで、迷ったり悩んだりするストレスの軽減や時間の節約にもなります。
それに、失敗がないので安心して好みのネクタイを選ぶことができますよね。
E.MARINELLA(マリネッラ)
1914年創業のイタリアのネクタイブランド。
イタリア大統領をはじめ、アメリカのオバマ大統領やフランスのサルコジ大統領にも愛用されている由緒正しいネクタイブランドです。
ドットと小紋はマリネッラを代表する柄ですが、流行に左右されない普遍的なカッコ良さが特徴です。
長く愛用していきたいネクタイです。
【La storia la tradizione l’artigianalità… E.Marinella. La Campania che va】
マリネッラの公式サイトはこちら
TIE YOUR TIE(タイ・ユア・タイ)
イタリアのフランコ・ミヌッチが手掛けるブランド。
結び目のシワが出来にくく、滑らかな結び心地にリピ者多数。
シンプルさの中にもイタリアっぽいカラー使いが良きスパイスになって、オシャレに華やぎます。
思い切ったオシャレに踏み切れない人でも、このブランドのネクタイならさりげなく洒落男になれますよ。
タイ・ユア・タイの公式サイトはこちら
Stefano Ricci(ステファノ・リッチ)
1972年創業のイタリアの高級ネクタイブランド。
イタリア国内にとどまらず、世界19カ国で直営店を展開しています。
ステファノ・リッチのネクタイで有名なのは、「プリーツタイ」と呼ばれるもの。
名前通り、立体感のあるネクタイで、着用する人の動きとともにネクタイが動き、まるで優雅に泳いでいるようです。
このプリーツタイは、1994年の登場以来、世界中のセレブや著名人たちをとりこにしてきました。
【STEFANO RICCI Fall/Winter 2015-2016 Collection Preview】
ステファノ・リッチの公式サイトはこちら
http://www.stefanoricci.com/
http://www.stefanoricci.com/
FRANCO BASSI(フランコバッシ)
1973年イタリアのモコにて設立されたネクタイブランド。
創業当初は3人の職人でスタートし、そのクオリティの高さからイタリア国内にとどまらずヨーロッパ各国にも広がっていきました。
手裁断、手縫いにこだわり、トレンドを重視したデザインが特徴です。
日本でも男性雑誌だけでなく、女性雑誌にも多く取り上げられ、常に話題沸騰中。
Angelo Fusco(アンジェロ・フスコ)
もともと整形外科医であったアンジェロ・フスコがはじめたブランド。
アンジェロ・フスコのネクタイの特徴は、手間をかけた縫製にあります。
生地はすべてジャガード織を採用。
熟練のネクタイ職人によって手縫いという、徹底した姿勢で作られています。
また、シルクを使用する量も、通常のネクタイの倍以上を使うというこだわりっぷり。
期待を裏切らない出来上がりに、リピ確実です。
アンジェロ・フスコの日本正規代理店のHPはこちら
http://www.necktie.co.jp/collection.html
http://www.necktie.co.jp/collection.html
まとめ
いかがでしたか。
店頭でもすぐにチェックできるものばかりだったと思います。
簡単にできちゃいますね。
私が上質なネクタイ選びを意識し始めてから感じたことは、これもシンプルライフのひとつなのだということです。
モノにあふれた暮らしではなく、本当に自分たちに必要なものだけに囲まれて暮らしていくことなのだと感じています。
ネクタイひとつとっても、きちんと自分の基準で選び、満足して購入し夫へ差し出せます。
素材も値段も納得しているので、他への目移りもありません。
無駄なお金も時間も使わずに済むので、必然と節約へ繋がるのです。
夫のネクタイですが、無事にプレゼントすることができました。
サックスブルーのシャツが多い夫には、ベーシックな形の中にドット柄の入ったネクタイを選びました。
取引先の人にも、会って真っ先にネクタイを褒められたそうです。
私のサプライズプレゼントは成功だったようです。
あなたもパートナーのネクタイを選ぶときは、クローゼットの中にあるネクタイの色や柄もきちんと考慮して、ぜひ上質なネクタイを手にしてください。