いざゴルフを始めたいと思っても、そのマナーやルールに敷居の高さを感じてしまい、始めるのに躊躇されている男性も少なくないのでは?
「ゴルフは紳士のスポーツ」といいますが、「紳士らしい振る舞い」がいまいちピンとこないのがその原因でしょう。
ゴルフが普及する大きなきっかけとなったイギリスでは、子どもの頃から「紳士としての振る舞い」が骨の髄まで染み込んで生活していますが、日本では「武士」の概念を教わっても「紳士」の概念を教わる機会というのは、そうありません。
なので、ゴルフに求められる「紳士の振る舞い」が日本人にはなかなか理解しがたく、初心者が敬遠してしまう理由にもなりますし、ゴルフ経験者の中でも間違ったマナーやルールでプレーしてしまうことにつながるのでしょう。
大人になれば、マナーやルールに間違いがあっても、よほど親しい関係でない限り面と向かって注意してくれる人は多くありません。
ですので、はじめに間違ったマナーを覚えてしまうと、自分では知らぬ間に周りの人を不愉快な気分にさせていた…。
ということも、十分にあり得ることです。
特に服装のマナーは、周りを不愉快にするだけではなく、マナーをキチンと守った服装でないとプレーさせてくれないようなゴルフ場もありますから、正しいマナーをはじめから身につけておきたいですね。
ただし、「ゴルフのマナーは難しそう…」と、特別、難しく考える必要はありません。
少しの常識さえあれば、誰でも簡単に覚えることができるようなマナーばかりだからです。
また、ゴルフに出かけるような服装のマナーを覚えることで、TPOに合わせた服装の基本を学ぶこともできるので、一人の男として成長できること間違いナシ。
そんな今からゴルフを始めようと考えている超初心者向けに、ゴルフウェア選びのマナーについてお伝えいたします。
コレで完璧!初心者が知っておきたいゴルフウェアのマナー
ゴルフ場に着く前からマナーは始まっているのです
ゴルフはプレー中だけではなく、ゴルフ場に到着し、着替えや休憩する場所であるクラブハウスに入る時の服装にもマナーが問われます。
最近では、プレー料金が安くカジュアルさをウリにしているようなゴルフ場も増えてきたので、そういったところでは、Tシャツにジーンズ、スニーカーといった装いでもOKでしょう。
しかし、6月から8月といった真夏の暑い時期をのぞいて、クラブハウスの中ではジャケットの着用が基本マナーになります。
ジャケットを着ていないだけでクラブハウスに入れてくれないこともあるので、そうなれば、プレーできないだけではなく、一緒に行った人たちに恥をかかせることになってしまうので、ジャケットは忘れずに持っていきたいですね。
夏の暑い時期にゴルフに行くなら、リネンやコットンニットといった天然素材を使ったジャケットを羽織れば見た目にも涼しげになるでしょう。
もし、どうしてもジャケットを着るのが我慢できないよう暑さなら、羽織らなくても、せめて小脇にジャケットを抱えておくことをおすすめします。
手にジャケットを持っているだけでもマナーとしてはOKなので、ゴルフ場に行く時は、夏場でもジャケットは必須アイテムと覚えておきましょう。
また、ジャケットの下のトップスは、シーズンを問わず襟つきがマナーになりますので、Tシャツではダメです。
ポロシャツは襟がついてOKなので、春夏には重宝するアイテムになるでしょう。
他には、レギュラーカラーのシャツやボタンダウンのシャツが定番になりますね。
あと、言うまでもありませんが、シャツの裾はパンツの外に出してはいけません。
シャツの裾はパンツの中に入れるのが、紳士としてのマナーです。
また、パンツはスラックスかチノパンが基本になり、夏場には短パンでもOKですが、中には短パンでの入場禁止というゴルフクラブもありますので、どうしても短パンを履きたい場合、事前にクラブに確認しておくのがいいですね。
ただし、絶対にゴルフ場に履いていて行ってはいけないのが、デニムのジーンズ。
デニムはアメリカ開拓時代に労働者のユニフォームとして誕生したことが始まりですから、紳士の社交場には似つかわしくありません。
デニムのインディゴブルーとターフのグリーンは、混ぜてはいけない関係なのです。
もちろんデニムのパンツに限らず、デニムシャツやデニムジャケットといったデニムアイテムはゴルフ場では禁止です。
プレー中の服装としてデニムはダメだということが分かっていても、ゴルフ場に行く際の服装が「ついうっかりデニムだった…」というケースは多いので、注意したいですね。
足元もプレーが始まったら履き替えればいいだろうと、サンダルで来る人もいますが、サンダル履きも厳禁です。
プレーの際には、確かに専用のシューズに履き替えますが、できるだけ革靴に近い靴を履いていくようにしましょう。
生き帰りの車の運転で足元が楽なシューズを選びたいなら、サンダルではなくスリッポンを履いていくことをおすすめします。
他のマナーとして、クラブハウス内は室内ですので、帽子やサングラスを着用していくなら、クラブハウスに入ったら、それらは取りましょう。
たとえ、プレー中にも着用するものだとしても、クラブハウス内では脱いで、コースに出てから着けるのがマナーです。
さらにいうと、ゴルフシューズに履き替えるのは、コースに出る直前。
スパイクのついたゴルフシューズでクラブハウス内をウロウロするのは、絶対にやってはいけません。
プレー中の服装についてはそれほどキビシクない!?
プレーが始まる前、クラブハウスに入る際の服装にもマナーが問われるなら、いざ、コースに出てからのプレー中のウェアにはもっとマナーが求められるのでは?
と思われるかもしれません。
かもしれませんが、安心してください。
実は、プレー中の服装のほうがクラブハウス内の服装よりは自由がききます。
というのも、ゴルフのプレー中には体を動かしますから、服装も動きやすさが必要になるからです。
ただ動きやすいからといって、何でも良いというわけではないので、プレー中の服装のマナーについてもお伝えいたしますね。
まず、トップスはクラブハウスに入る時同様、襟つきが必須です。
動きやすいからと、TシャツやVネックのクルーシャツを着るのはダメですね。
ただ、例外といってはなんですが、冬場のタートルネックやハイネックのウェアはOKです。
一応、襟つきとして見なされるようですが、厳しいゴルフ場だと、タートルネックもハイネックも禁止。
というところもありますので、気になるかたは事前にゴルフ場や幹事のかたに問い合わせておくのがいいでしょう。
パンツはスラックスやチノパンにゴルフ用パンツならOKですが、デニムジーンズはもちろん、チノ素材でもカーゴパンツはNGです。
多くのゴルフ場では、「作業着や仕事着」でのプレーを禁止しているので、デニムジーンズやカーゴパンツはこのルールに該当してしまいます。
迷彩柄もマナー違反になる、ミリタリーファッション好きな人は気をつけましょう。
短パンはマナー違反ではありませんので、大丈夫です。
ただし、プレー中にボールを追って草むらや茂みの中に入っていかなければいけないケースがありますし、虫に刺されるということもあるので、極力、肌は露出させない服装のほうが安全にプレーはできますね。
ですので、短パンを履く時には、ロングソックスの靴下を選ぶことをおすすめします。
また、ゴルフは太陽の下で行うスポーツなので、帽子やサンバイザーを着用し、自分の体を守るのが紳士の基本です。
帽子の形状については特にきまりがないので、キャップにハンチング、ハット、冬場ならニット帽でも大丈夫です。
プレー中の服装についてはそれほど厳しくはありませんが、足元だけは必ずゴルフ用のシューズを着用しましょう。
「動きやすいスニーカーでもいいんじゃないか?」と考えられるかたもいらっしゃいますが、芝生の上というのは、とても滑りやすくなっています。
ですので、普通のスニーカーならツルツル滑って、プレーどころではありません。
キチンとゴルフ専用のシューズを履いて、プレーするようにしましょう。
特に初心者のうちは、しっかり自分の体を地面にグリップできるようなシューズを選ぶことで、ショットの安定感につながります。
ですので、コースに出るなら必ずゴルフシューズを用意しましょう。
あと、いうまでもなく、サンダルはNGですね。
また、思わずやってしまいがちなタオルを首からかけたり、腰からブラ下げたりという行為。
夏場なんかは、こまめに汗を拭きたいので、やってしまう気持ちは分からなくはないですが、そういった行為は紳士として認められていませんので、これはゴルフ場ではタブーです。
服装以外で知っておきたいゴルフのマナー
ゴルフで守るべきマナーといっても、服装だけではありません。
ゴルフを長年やっているベテランプレイヤーの中にも、プレー中のマナーを知らない人が存在しますし、マナーを知らないからと、周りから注意してくれるものでもありません。
いつもよくプレーしていたメンバーからお誘いがなくなったと思ったら、知らず知らずのうちに犯していたマナー違反が原因だった…。
ということはよくある話です。
プレーそのものよりも、マナーが問われる紳士のスポーツ、ゴルフ。
マナーを知らなかったり、間違ったマナーを覚えたままだったりしてしまうと、あなたという人格そのものを落としてしまうことにもなります。
なので、この際、服装以外にもゴルフに必要となるマナーもあわせて覚えておきましょう。
時間に遅れない
時間に遅れないのは当たり前といえば、当たり前なのですが、ゴルフは一人で楽しむものではなく、一緒にプレーするメンバーと楽しむもの。
一人が遅れるようなことがあれば、後のメンバーを待たしてしまうことになります。
公式の大会なら、遅れた時点で即失格。
ゴルファーにとって、時間の遅れはとてもシビアで許されないことなのです。
プライベートなゴルフやコンペなどではそこまで厳しくはないでしょうが、あなたが遅れることによって、ゴルフ場にプレー時間をズラしてもらう場合、割増料金を請求されることがあります。
そうなってしまえば、他のメンバーにも迷惑をかけてしまうことになりますよね。
思いもよらない渋滞に巻き込まれることもありますので、朝は余裕を持って、出発するようにしましょう。
クラブの本数は14本
クラブの本数はゴルフのルールで14本までと決められています。
初心者のうちは、いろいろな場面を想定して、クラブもたくさん持っておきたいと思いがち。
どうしても15本以上持って行く場合は、キャディーさんや同伴者に伝えておきましょう。
打つ人の邪魔をしない
気をつけていても、意外とやってしまうのが、今から打つ人の視界に入ってしまうこと。
正面に立つのは、もちろんご法度ですね。
また、グリーンの上で、ボールからカップまでのパッティングライン上に影が入ってしまうとパッティングの邪魔になってしまうので、ボールを打つ人から極力離れましょう。
夏場は影が伸びやすいので、特に注意が必要です。
また、会話に夢中で、今からショットしようとしている人に気づいていない人をたまに見かけますが、もちろんアドレスに入っている人がいる状態で声や音を出すのもマナー違反になります。
曲がった時は大きな声で「ファーーー」
ゴルフ場では騒がず静かにプレーするのがマナーですが、自分が打った球が大きく自分のコースからハズれたしまったら、大きな声で「ファーー」と叫びましょう。
というのも、ゴルフ場ではホールとホールが隣接しているため、ボールが飛んで行った先のホールでプレーしている人がいるからです。
あなたが打ったボールが、そこでプレーする人に当たれば、大惨事。
自分が打って大きくそれてしまった時はもちろん、一緒にプレーする人が隣のホールに打ち込んでしまった場合にも、大きな声で危険を知らせましょう。
グリーン上はゴルファーにとって最も神聖な場所
ゴルフにおいてグリーンの上は最も神聖な場所になるので、グリーン上での立ち振る舞いはキチンと抑えておきましょう。
まず、ボールがグリーンに落ちた時にできるくぼみをボールマークとよびますが、このボールマークは必ずもとのグリーンの状態になるように直しましょう。
ボールマークを直す道具はグリーンフォークといって、ゴルフショップで売られていますので、一本持っておくといいでしょう。
また、グリーンの上で走ったり、飛び跳ねたりといった行為も厳禁。
難しいパットを決めて、飛び跳ねたくなる気持ちも分かりますが、グッとこらえましょう。
あとは、グリーンの上で、人のパッティングライン上を踏まないというも鉄則ですね。
また、カップ周りの芝はとてもデリケートなので、カップから1m以内も極力踏まないようにしましょう。
ショートパットやカップの中のボールを拾い上げる時には、注意が必要ですね。
また、パッティングする時に旗をはずしたら、芝を傷めないようグリーンの外に置くようにしましょう。
グリーンが広い場合や、障害物があってグリーンの外に置けないときには、そっと静かに置くように心がけたいですね。
バンカーという障害物に臨む姿勢にこそ、あなたの人柄は出る
障害物であるバンカーに打ち込んで、気分が良い人はいません。
そんなピンチの時に出てしまいがちなのが、その人の素の部分。
バンカーに入れてしまったピンチの時こそ、マナーを守ることを意識したいですね。
バンカーで守るべきマナーは2点。
まずは、バンカーの出入り口からちゃんと出入りしましょうということです。
「バンカーに出入り口なんてあるの?」
そう思われるかもしれませんが、バンカーにもキチンと出入り口はあるのです。
バンカーの出入り口は、土手が最も低くなっているところ。
高い部分からバンカーに入ると、土手の砂が崩れて、その周辺の芝を傷めてしまいます。
場所によっては、回り込まなくてはいけませんが、面倒でも、土手が低くなっているところからバンカーに入りましょう。
出る時は、入った時と同じ足跡を通って帰ると、無闇にバンカーを汚さなくてすみます。
バンカーから打ち終わったら、レーキとよばれる道具がバンカーの近くに置かれていますので、それを使ってショットの跡と自分の足跡をキレイにならしましょう。
常に「プレーファスト」を心がける
ゴルフ場でプレーしているのは、なにもあなただけではありません。
前後には同じようにプレーする組がありますので、自分たちのプレーが遅いと、後のゴルファーを待たせてしまうことになります。
そうならないためにも、ドンドンボールを前に進めていく「プレーファスト」を心がけましょう。
具体的には、
・自分の打順がくる前にあらかじめ打つクラブを決めておく
・素振りは多くても2回まで
・林やバンカーに入れてしまった場合、次の一手で必要と思われるクラブを2~3本持って行く
・打ったボールがOBゾーン近くに落下した場合、それを確認してから元の場所に戻って打ち直すと大幅な時間のロスになるため、暫定球を打ってから確認に行く
・同じ組の人のボールが見当たらない場合、落ちた場所を一緒に探してあげる
・素振りは多くても2回まで
・林やバンカーに入れてしまった場合、次の一手で必要と思われるクラブを2~3本持って行く
・打ったボールがOBゾーン近くに落下した場合、それを確認してから元の場所に戻って打ち直すと大幅な時間のロスになるため、暫定球を打ってから確認に行く
・同じ組の人のボールが見当たらない場合、落ちた場所を一緒に探してあげる
…、と挙げればキリがないですが、時間の短縮につながるようにプレーするのが最大のマナーですね。
ゴルフ場はキレイに使おう
クラブハウスを汚さないためにも、ハーフやラウンド終了後にはシューズについた汚れを備え付けのエアガンなどで落としてから入るようにしましょう。
また、ゴルフ場は自然の中で行うスポーツなので、木の枝を折ったり、むやみに土や芝を掘り返したりしてはいけません。
また、もちろんのことですが、コース上では絶対禁煙です。
ゴルフ場によっては、クラブハウス内も禁煙のところもありますので、煙のマナーにも注意しましょう。
まとめ
ゴルフウェアに必要なマナーはプレー中だけではなく、ゴルフ場に出入りする際の服装にも求められます。
ゴルフ場に入る時の服装のマナーは、
・ジャケット着用
・襟つきのトップス
・足元は革靴
・襟つきのトップス
・足元は革靴
いざ、プレーが始まると、
・帽子またはサンバイザーの着用
・Tシャツは禁止
・ゴルフシューズを必ず履く
・Tシャツは禁止
・ゴルフシューズを必ず履く
というのが基本になります。
また、カジュアルでは当たり前のように着ることが多いデニムやミリタリーウェアは仕事着や作業着と見なされ、ゴルフ場ではご法度なので、どちらも避けるようにしましょう。
服装に限らずプレー中のマナーもお伝えいたしましたが、マナーの基本とは「相手にイヤな思いをさせないこと」。
自分より前のゴルファーが、サクサクプレーせずにお喋りばかりしていたら…。
バンカーやグリーンが、グチャグチャのままだったら…。
そんな場面に出くわしたら、良い気分はしないですよね。
服装も同じで、相手から見て気持ちが良い装いかどうか。
コレがゴルフマナーの基本です。
最低限のマナーさえ覚えれば、ゴルフは堅苦しく考える必要はありません。
ぜひ、最低限のマナーを覚えて、ゴルフを楽しんでみてください。