2017年の春夏コレクションで、複数のブランドが「深海」をイメージしたモデルを発表しました。
深海といえば、深いネイビーブルー。
2017年春夏は、2016年春夏の明るめネイビーの流行がさらに変化し、深海のような深いネイビーが流行る予感です。
さらに、2016年から続いているステンカラーコートの人気は未だ衰えることがなく、まだまだ続行中。
そこで、ここではネイビーのステンカラーに焦点を絞って、ネイビーのステンカラーコートの着こなし特集をすることにしました。
ネイビーもステンカラーコートも、それ自体は地味な色やアイテムです。
洗練さが出せるかどうかはコーディネートにかかっていますから、着こなしはバッチリと押さえたいですよね。
今回ご紹介するのは世界のトップモデルたちも使うコーディネート術です。
このネイビーのコーディネート術をマスターすれば、この春夏もあなたへの注目度が下がることはありませんよ。
ネイビーステンカラーコートの着こなし
ご存知の通りネイビーは、昔からグレーとともにスーツやコートの定番色ですね。
なぜスーツの定番なのかというと、ネイビーの色そのものに信頼や誠実、落ち着きを感じさせるという特性があるからです。
そのため信頼性や誠実さが不可欠なビジネスシーンでは、ネイビーを主役とした服装がスタンダードになりました。
ビジネスに限らず、学校の制服や軍や警察の制服などにも使われていますよね。
あなたもリクルートスーツを初めに購入した時は、ネイビーかグレーのスーツではありませんでしたか?
ただし、ネイビーはビジネスや制服だけの専売特許ではありません。
アメリカン・トラッドのアイビースタイルが流行した1960年代には、ネイビーのジャケットが人気を博し、それからは日本でも、「ネイビーはカジュアル」という別の顔も持つようになりました。
また、ステンカラーコートも昔からビジネスで着用されたり、ジーンズに合わせてカジュアルに着用されたりもしています。
そんなオンにもオフにも使える便利なネイビーのステンカラーコート、その着こなしについて見ていきましょう。
合わせるボトムスが命
ステンカラーコートの丈は、セミロングが一番多く販売されています。
セミロングとは、膝から上5cmくらいの丈のこと。
上半身から膝上まで体の上部分のほとんどを覆ってしまうステンカラーコート。
すると、コーディネートで残っているのは膝から下の部分ですね。
ここでバランスを取るためには、ボトムスは最重要アイテムになります。
何を合わせるかで印象がガラッと変わってしまうので、ここは慎重に選びたいもの。
では、何を合わせればバランスが取れるのでしょうか。
ジーンズコーデは革靴で締める
ステンカラーコートにジーンズの着こなし。
ジーンズは間違えると子どもっぽい印象になってしまうので要注意ですね。
子どもっぽくならないためには、足元をレザーシューズにすると簡単に大人度がアップします。
レザーシューズも茶系などではなく、落ち着いた黒でビシッとキメましょう。
そうするとカジュアルなコーディネートが締まり、こなれ感が出てきます。
ローファーも合わせやすいシューズですよ。
反対に、カジュアルを徹底して楽しんじゃうのもアリ。
ただし、ここでもやはりバランスが大切ですね。
このモデルさんの場合、ヒゲがポイント。
ニット帽や真っ白なニットなどを合わせてうんとカジュアルにしても、ヒゲがあるために自然と大人の男性の遊び着の体(テイ)になっています。
童顔の人や身長が低めの人は、髭を生やして威厳感をプラスしたりする人も多いようですが、カジュアルスタイルを子どもっぽく見せない作用もありますよ。
スニーカーを履きたいなら、ちょっとおしゃれなモード感の高いスニーカーをチョイスしましょう。
ジーンズを折り上げてわざと靴下を見せることで、ただ履いているのではなく、おしゃれに気を配っている印象になりますね。
今見ていただいた3つのコーディネートで何かお気付きですか?
ジーンズの色に気づいたあなたは鋭い。
そう、3つとも、ダークブルーのジーンズを履いていますよね。
中途半端に明るい色は軽い印象になってしまいます。
もし明るい色をボトムスに持ってくるなら、思い切り逆に振れて、白に近いライトグレーやオフホワイトあたりを選ぶと、反対色の効果が出て失敗しません。
ベージュや白のチノパンで反対色効果を出す
次はネイビーに対して反対色効果のベージュや白を持ってくるコーディネートです。
これはもう、ほとんど白に近いようなオフホワイトですね。
ネイビーと白やオフホワイトは、マリンルックの基本的な合わせの色です。
爽やかさを出すなら白やオフホワイトがオススメ。
デートの時などは間違いなく好感度が上がりますよ。
メリハリもつくので、ハッと人目を引きます。
グレーがかったネイビーのコートにベージュの組み合わせ。
ベージュは優しい色なので、優しく知的な雰囲気になります。
また、そんな色の特性から、初対面の人と会うときに選ぶと良い色とも言われています。
このコーディネートでは、シャツとシューズの白でベージュを挟んでいますね。
明るい色で挟むと、ベージュ自体も一層白に近い印象に見える効果があります。
これが黒と黒で挟むと、メリハリはつきますが、茶系寄りのベージュに見えてしまうんです。
冬の暖かさを演出するコーデならそれでもOKですが、せっかく春の軽やかな装いですから、白の面積を多くしたいですよね。
さらに、同色で挟むコーディテートを「サンドイッチ効果」と言います。
同色で挟むことでまとまり感が出るんです。
簡単にできるので、他のコーデでも是非お試しくださいね。
細身パンツでスタイリッシュに
上半身にボリュームが来ているときは、ボトムスでボリュームダウンしてバランスをとります。
細身のパンツは基本的になんにでも合いますが、シンプルなステンカラーのコートに細身のパンツはとても良い相性。
ウールでも細身のテーパードパンツにしたり、ストレッチのカラージーンズを合わせたりしてもいいですよね。
裾を少しだけ折ってロールアップにし、足首を見せるようにしても抜け感が出せますよ。
ストレッチやタイトが苦手という人は、少しゆとりのあるセミストレッチやセミタイトがオススメ。
腿や膝から下もゆとりがある上、足首に向かって緩やかに細くなっているので、スッキリとした印象になり、スタイルが良く見えます。
洗練のワントーン狙い
ワントーンは言葉通り一つの色で全体をまとめること。
ネイビー一色は実はとてもおしゃれに見える上級者向けのコーデ。
これが真っ黒だと怖い印象になりますが、ネイビーは知的でスタイリッシュな雰囲気になるのです。
色だけでなく、丈感やアイテムの形などにも気を配って洗練されたスタイルを楽しみましょう。
全身をダークなネイビーでまとめたコーディネート。
一見地味に見えるけど、着こなしで高級感や洒落感が出るのがネイビー。
使い方を間違えなければシックな大人のオシャレを楽しめますよ。
この場合、ネイビーはダークでまとめていることがミソ。
靴や靴下も黒にしましょう。
こちらは反対に、少し明るいネイビーを使って、微妙なグラデーションを出している例。
明るめのコート、暗めのニット、そしてその中間くらいの色のパンツを合わせています。
この場合、同系色でもコートのボタンを全て留めればワントーンに、前を開けるとニットとコートの明暗でメリハリが出ます。
また、マフラーもポイントです。
ブラウン系のチェックですが、チェックの1色にネイビーが使われていることで、すんなりと馴染んでいます。
ワンポイントで小物使いをするときは、気を抜かずに選んで合わせましょう。
実は足見せがポイント
実はセミロングのステンカラーコートはバランスが少し難しいんです。
人間の体のシルエットを綺麗に見せるのは、IラインかAライン、またはYライン。
Yラインは上半身にボリュームがあり、下半身はシュッと細くなるスタイルです。
しかし、ステンカラーコートにストレートのパンツを持ってきてしまうと、Yにはならないんですよね。
そこで、細身パンツやセミタイトをお勧めしたのですが、実はもう一つ、有効な手段があります。
それが、足見せスタイル。
細身パンツの項で少し言及しましたが、バランスをとるには足見せスタイルが効果的なんです。
実はボリュームは「面積」がポイントになっていて、細身でなくても下半身のボリューム感を減らせばいいわけです。
ボリューム感を減らすには、裾をロールアップするか、最初から9部丈のパンツを選ぶことです。
足首を見せることで足元の面積が狭くなりボリュームがダウンしますよ。
さらに、ストレートのパンツでもロールアップすれば自然と絞れてコンパクトになり面積も小さくなります。
ちょっとふくよかで細身のパンツは難しいという人や、足が筋肉質でパンパンになってしまうという人は、なにも細身を履かなくても大丈夫。
代わりに9部丈のパンツをチョイスしたり、パンツの裾をロールアップしたりして、足首を見せましょう。
ほんのちょっとの工夫だけで、シルエットが理想のYになり、サマになるスタイルになりますよ。
トップスは何を合わせる?
スーツならYシャツとネクタイと決まっていますが、カジュアルスタイルではインに何を着るか迷うところですね。
野暮ったくならないために、鉄板のコーディネートをお伝えします。
今年もボーダー
不動の人気を持つ、ボーダー。
毎年春はボーダーの波がやって来ますね。
白と黒、白とネイビーなどメリハリがつきすぎてちょっと苦手感のある人は、ネイビーとグレーなど中間色が挟んであると着やすいかもしれません。
ボーダーはマリンスタイルの象徴でもあり、ガーリーな印象も持っている、1枚で雰囲気の出るデザイン。
ボーダーの太さや使われる色によって様々に印象が変化するので、色々試してみて楽しんでみては。
細めのモノクロのボーダーはガーリーな雰囲気を醸し出します。
グレーやブラックなどはガーリー色が強くなり、ネイビーとホワイトはマリン色が強くなると覚えておくとコーディネートするときに役立ちますよ。
また、ボーダーの幅が広くなるとカジュアル感が強くなるので、子どもっぽくなってしまわないように、バランスを考えながら合わせましょう。
カットソーならシンプルで
カットソーもジッパー付きのものや、襟付きなど色々ありますが、ステンカラーコートはシンプルなコートなので、それを生かすためにはやはりシンプルなカットソーが似合います。
一番のオススメは、コートの第一ボタンの隙間からチョロッと見えるタイプの丸首。
色は白がベターですが、ライトグレーやオフホワイト、ワントーンコーデにするならネイビーもOK。
もちろんホワイトシャツも似合います。
ホワイトシャツならオックスフォードなどザックリした厚めの素材が合わせやすいです。
少し崩して着るとこなれ感が出ますよ。
タートルネックやハイネックも良く似合います。
NGなのは、Vネック。
コート自体の襟が小ぶりでシンプルなので、Vネックを合わせると寂しげに見えてしまいますからご注意を。
ネイビーステンカラーコートを小物で遊ぶ
シンプルなステンカラーコートだからこそ活きてくる、小物。
ハットやニット帽、メガネ、スカーフやストールなど、ちょっとした小物を加えるだけで雰囲気が出てきます。
メガネなら知的に、スカーフやストールなど風になびくものなら柔らかな印象になりますよ。
また、ハットは中折れ帽ならワイルドに、ニット帽ならカジュアルでポップな感じになります。
個性を出したいなら、小物でアクセントをつけるのもいいですよ。
由来を知れば着こなしも分かる?!ステンカラーコートの発祥とは?
ステンカラーコートは、実は日本でしか通じない和製英語なんです。
ステンカラーの言葉の由来は諸説ありますが、ステンはフランス語で支える(soutien)という言葉で、英語のスタンドフォールカラー(stand Fall Collar)が訛ってステンカラーになったという説が一番有力だそう。
スタンドフォールカラーはコンバーチブルカラーの一種で、第一ボタンを留めても外しても着られる、二重襟のこと。
海外ではステンカラーコートのことを「バルコート」または「バルマカーンコート」と言い、スコットランド・インヴァネス近郊にあるバルマカーンから名付けられています。
また、インヴァネスでは暖かな防寒着として、コートの方部分にマントがついている「インヴァネスコート」が有名です。
インヴァネスコートは、シャーロックホームズが着用している、あのコートですね。
スコットランドは日本の北海道よりまだ上に位置し、寒い地方として知られる地域なので、寒さから身を守るためのコートが発達したのでしょう。
また、大陸の突端で海に囲まれているため、海から吹いてくる寒い風が体に入ってくるのを防ごうと、襟を立ててコートを着るのはごく自然なことですよね。
昔から「寒い時には首のつく部位を守れ」と言われていますが、どこの国でも寒い時はつい首を縮めたくなります。
襟を立ててストールやマフラーを巻けば、さらに暖かく過ごせるし、薄手のストールなら春のファッションとしても楽しめますね。
ネイビーステンカラーコートまとめ
2017年春夏には深海をイメージさせる深いネイビーが流行の予感。
また、ステンカラーコートはまだまだ人気が衰えることはなさそうです。
時代を先取りするならと、ネイビーのステンカラーコートをいち早く手に入れ流は賢明な選択ですね。
ネイビーという色、そしてごくシンプルなステンカラーという形のコートは、コーディネートに気をつけないと地味になりがちな組み合わせ。
そこで、ネイビーのステンカラーコートに的を絞って、トップモデルもやっているコーディネート術をお伝えしました。
ステンカラーは膝上5cmのセミロングが主流ですが、実はバランスを取るのが難しい丈でもあります。
そこでお勧めしたいのが、細身のパンツかロールアップして履く、または最初から9部丈のパンツをチョイスすること。
足首を見せて履けば、自然とYラインの綺麗なシルエットになり、こなれ感が出ます。
合わせるボトムスはダークブルーのジーンズや白に近い色のチノパン。
また、全身を同じ色でまとめるワントーンコーデも洗練された雰囲気になります。
トップスは不動の人気を誇るボーダーや、丸首のカットソーがお勧め。
ボーダーはネイビーと白ならマリンスタイルに、モノトーンならガーリースタイルになります。
もともと首に風が入るのを防ぐために考えられたスコットランド生まれのステンカラーコート。
襟を立ててストールなどを合わせるのも、個性的で素敵ですよ。
ネイビーのコーディネート術を駆使してスタイリッシュに着こなし、周りの注目を集めましょう。