毎朝、服を選ぶのがメンドクサイと思っているあなたへ。
いっそのこと、ジョブズみたいに「俺の定番」を決めてしまいませんか。そうすれば、朝起きてから服選びに悩む時間がなくなって時短になりますよ。
なぜジョブズやザッカーバーグはいつも同じ服なのか
アメリカの有名人の中には「いつも同じような服を着る」と決めてそれで通す人がいるのをご存じでしょうか。Facebook創業者のザッカーバーグ、Apple創業者のジョブズ、が有名な例です。政治家だとバラク・オバマ大統領(44代)も青かグレーのスーツしか着ないことで有名です。
これは単にメンドクサイから定番の服を着ているわけではありません。多忙を極めているトップにふさわしい、とても合理的な理由があるのです。
小さな意思決定もエネルギーを消費する
実は、着る服を選ぶ、ランチのメニューを選ぶ、といった小さなことでも人間の脳は意思決定のためにエネルギーを消費します。そして、人間の持つ意志のエネルギーはこういう小さなことでどんどん減っていくのです。
小さな選択をすることでエネルギーを消費してしまうと、仕事のためにエネルギーを使いたい時に、意志力のエネルギーの残りが少ししかないということになってしまいかねません。
社会心理学博士のジョシュ・デイヴィスの言葉を借りると「単純な意思決定も、最大の成果を上げる妨げとなる」ということなのです。
(参考文献 成功する人は2時間しか働かない 結果を出すための脳と体のピークの作りかた ジョシュ・デイヴィス 徳間書店 2015年)
最高の自分でいい仕事をするために
ザッカーバーグ氏は講演会で「なぜいつも同じ服?」という質問に対して「仕事以外の意思決定の回数をなるべく少なくしたい」といった内容の回答を示しています。
意思決定をする意志力、精神力には体力と同様に限界があります。
となると、毎朝、着る服を選ぶ、といった細かいことで大事な意志力を消費してしまうのは、実はとてももったいない話なのです。
自分の一番大事な仕事に最高のエネルギーを注ぐために、細かい意志決定に使うエネルギーはなるべく少なくしたほうが合理的なのです。
時短したい人の服選びのコツ
意志のエネルギーを節約することが大事で、決断するべきことを減らすことが大事だという話をふまえて、服に関しては、同じ服を毎日着ると決めてしまいましょう。
自分の着る服を決めてしまえば、服に悩むエネルギーをその分だけ、仕事に振り分けて生産性を上げることができます。
マンガのキャラクターになったつもりで、ワードロープに同じ服を大量にセットしておけば、左から順番に着ていくだけなので、朝起きて服を着るという作業がオートメーションな流れ作業になっていきます。
自分に合うブランドの選び方
同じ黒シャツでも、ブランドによって着た時の感じはかなり変わってきます。実際に着てみて、自分が楽しくなるものを選ぶのがいいでしょう。
三越や伊勢丹など、百貨店の紳士服売り場を回ってたくさん試着して決めるのがいいと思います。
ただ、実際にお店に行く前にやっておいたほうがいいことがあります。
キャラ設定を決める
いつものあなたの服を作ると、「例の黒シャツの人=あなた」というイメージを作ることができます。この場合、どんなキャラを打ち出したいかを決めてから服を選ぶ、この順番が大切です。
軽さや安心感を出したいのか、貫禄や他にない雰囲気を出したいのか、どんな自分をアイコンとして前に出したいのかをはっきりさせましょう。そうすると、どんなブランドが自分の衣装としてふさわしいかのルールが自然に見えてきます。
出したいキャラクター別おすすめブランド
「独自性×洗練」の雰囲気なら、ディオール
クリスチャン・ディオールによって創立されたブランドです。ディオールの死後は、若い時代のイヴ・サンローランやジョン・ガリアーノなど、有名デザイナーたちによって牽引されてきました。エディ・スリマンがメンズを担当するようになってからは、シンプルかつ都会的な雰囲気になっています。
「ミュージシャン?起業家?」という「独自性×洗練」の雰囲気を出したい人に一押しです。
「独自性×サムライ」の雰囲気なら、ヨウジヤマモト
日本人のファッションデザイナー、山本耀司のブランドです。1981年のパリコレでは、当時タブーとされていた「黒」を前面に押し出すことで「黒の衝撃」と評価され、大きなブームを巻き起こしました。Brotherなど北野武監督作品の映画の衣装でも有名。
袴パンツという独特の袴にも見えるワイドパンツは、幕末の坂本龍馬が蘇ったかのようなシルエットになっています。
先鋭的なイメージがありますが、意外と年齢や体格を選びません。ほかのブランドとはだいぶ毛色の違う「独自の存在感」があります。「独自性×サムライ」な雰囲気を演出したい人に、一押しのブランドです。
「クラシック×遊び」の雰囲気なら、イッセイミヤケ
ジョブズがタートルネックをオーダーしたのはこのブランドです。日本発で世界に出て行った服飾デザイナーといえば、イッセイミヤケ、ヨウジヤマモト、川久保玲、などが有名どころです。イッセイミヤケはアメリカの雑誌『Time』(1月27日号)1986年の表紙を飾っています。
「伝統の技と、先鋭的なテクノロジーの共存」という考え方を持っているブランドなので、真面目だけど遊び心がある「クラシック×遊び」な印象にしたい場合に使いやすいと思います。
「クール×洗練」の空気なら、コムデギャルソン
1973年創業の、川久保玲によるブランド。ヨウジと共にバリコレで「黒の衝撃」を巻き起こし、カラス族などの社会現象を引き起こしました。デザイナーの言葉に「無視されるより、けなされるほうがまし」というものがありますが、「埋もれてしまったら意味ない」という場合は検討してほしいブランドです。
ごっつい不良が子犬を可愛がっている的な、どこかギャップのある「クールさ」を演出したい人にオススメです。
まとめ
定番で着る黒シャツを決めてしまえば、毎朝、何を着ようかと迷う無駄な時間がなくなり、仕事に使える脳のリソースが増えます。
ザッカーバーグやジョブズといった有名な経営者がなぜいつも同じような服を着ているのか、それは服を選ぶといった意思決定に使うエネルギーを節約して、自分の大切な仕事にエネルギーをそそぐためです。いつも同じような服、というライフスタイルがカッコイイ理由はそこにあります。
ブランドの例としては、「独自性×洗練」の雰囲気ならディオール、「独自性×サムライ」の雰囲気ならヨウジヤマモト、 「クラシック×遊び」の雰囲気なら、イッセイミヤケ、「クール×洗練」の空気なら、コムデギャルソンをそれぞれご紹介しました。
実際に自分の定番になるシャツを選ぶ場合は、自分の打ち出したいキャラクターを決めてからブランドを選ぶことで、自分の演出したい雰囲気にあった服を選べるようになるでしょう。