ジャケパンのコーデを考えるにあたり、まずはジャケットとパンツに気がいってしまう人が多いようですが、シャツも実はとても重要。
シャツにはドレス用のものから、カジュアル用のものまで種類があり、ブランドも世界中にあります。
ジャケットとパンツが同じでも、いつもと違うブランドのシャツを着るだけで「今日の服装、大人っぽいね!」、「なんか今日はビシっとキマってるね!」そんな風に印象が変わるかもしれません。
そこで今回はジャケパンにオススメなシャツブランドを5つピックアップ。
どれを選んでも間違いなしのラインナップですが、ランキング形式で紹介するので、是非シャツにもこだわってみてください。
また後半でもシャツの柄についてもお話するので、参考にして頂ければ幸いです。
ジャケパンにオススメなシャツブランドランキング
今回は5つのブランドをピックアップしましたが、実は全てファッションの本場、イタリアのブランドです。
もしかすると普段買っているシャツよりも割高かもしれませんが、いずれもハンドメイドであったり、素材にこだわっていたりと、普段目にするシャツとはひと味も、ふた味も違います。
それぞれのブランドの歴史や、オススメ商品も交えて紹介するので、参考にして頂ければ幸いです。
第5位『Errico Formicola』
社長のErrico Formicolaはナポリの名ブランドである”Rubinacci”や”Kiton”にも関わってきた人物。
そのノウハウを活かし、2006年から自身の名前のブランドをスタートさせたのが”Errico Formicola”です。
イタリアンブランドらしい細身のフィッティングで男のセクシーさを引き立てるのが”Errico Formicola”の特徴とのことですが、日本では”Beams”, “Green Label”, ”Ships”, ”Tomorrowland”, “United Arrows”といったショップと代理店契約を結んでいます。
「イタリアンブランドのシャツ」となると敷居が高く感じるかもしれませんが、こういったセレクトショップなら多くの商業施設に入っていますし、入りやすいのではないでしょうか。
Errico Formicolaは物によっては2万円を切る物もあり、イタリアンブランドのシャツの中では比較的リーズナブルと言われています。
ちなみにシャツだけではなく、ネクタイも扱っているErrico Formicola。
プリント柄が人気でして、シャツが気に入った人は是非ネクタイもチェックしてみてください。
そしてメーカーの歴史についてですが、Formicola氏のキャリアは1971年、Rubinacciのセールスマンがから始まり、7年後の1978年にはKitonの設立者であるCiro Paone氏と手を組みます。
二人のコラボレーションは功を奏し、Kitonはイタリアからヨーロッパ全土、そして北米まで販路を広げ、「メイド・イン・イタリー」を世界中に広めました。
そして、その後2006年に”Errico Formicola”というブランド名でシャツとネクタイの販売がスタートし、2011年にはアウターもラインナップに加わり、今に至ります。
過去にはErrico Formicola自身が来日してオーダー会も開催されており、日本にもファンの多いブランドです。
第4位『Finamore』
イタリアンブランドの中でもカジュアルシャツで有名なのが”Finamore”。
本国ではドレスシャツも有名なのですが、日本では洗いの掛かったこのカジュアルシャツが人気。
こちらはコットンネル素材で、温もりのある肌触りが秋冬にピッタリ。
素肌にそのまま着てもひんやりしませんし、ネイビーという色合いも大人な雰囲気を醸し出してオススメです。
本国で人気のドレスシャツも、もちろん素敵。
腕を動かしやすいよう、そして体全体に負担が掛からないように設計されており、一度着てしまうと他が着られなくなるリピーターが続出とのことです。
“Finamore”の起源は1925年のイタリア・ナポリにて、カロリーナ・フィナモレ氏がアトリエを開いたのがキッカケ。
ハンドメイドに拘ったシャツ作りで顧客から愛され、息子のアルベルトへとFinamoreは引き継がれたのですが、その後、Finamoreは同じくナポリ創業のBarba, Luigi Borrelli, Frayといった高級シャツメーカーと肩を並べながら成長していきました。
ちなみにFinamoreでは120番手以下の糸は使用していません。
一般的なシャツは50番手前後で縫われており、100番手で高級と言われるのですが、Finamoreでは更にその上のランクの番手を使用しているのです。
第3位 『Barba』
1964年、アントニオ・バルバ氏によってイタリアのナポリに創立された”Barba”。
ラインナップはドレスシャツの”Classic”、 カジュアルシャツの”Dandy Life”、 ドレスとカジュアルの両シチュエーションに対応可能な”Culto”、この3つになります。
まずは”Classic”ですが、襟やカフスの芯がしっかりとしているのでスーツスタイルや、ジャケパンでもドレスアップ仕様にピッタリの一着です。
続いてカジュアル向けの”Dandy Life”。
ウォッシュ加工が施されたインディゴ染めにより、ヴィンテージ感のあるシャツになっています。
ジーンズと合わせたカジュアルなジャケパンにピッタリ。
そして、ドレスシャツとカジュアルシャツの中間である”Culto”がこちら。
ウェストが絞りこまれていたり、胸元や襟元が立体的に作られていたりと、シルエットに拘ったデザインになっています。
またドレッシーに着こなしたい時はタックインで着られますし、短丈仕様なのでカジュアルにタックアウトでも着ることが可能。
尚、創業者のアントニオ・バルバ氏が工房を始めたのが起源になりますが、息子のラフェルとマリオが後を継いだのをキッカケに業務を拡大化しました。
ラフェルとマリオは有名ブランドKitonの創業者であるチロ・パオーネの甥っ子とのことで、Kitonに負けじとBarbaの繁栄のために仕事に励んだようです。
第2位『LUIGI BORRELLI』
“LUIGI BORRELLI”の原点は自然な着心地を目指した人体の研究と、ミシンと職人の手縫いを織り交ぜたシャツ作り、と言われていますがオススメのモデル”LUCIANO”を紹介します。
細身のスーツが主流になっている近年のトレンドに合わせて衿羽根、衿腰、前台衿の三箇所が従来のモデルよりも短く、低く配置されているとのこと。
使用されている生地は英国王室御用達のトーマスメイソン製とのことで、ハリが強く1日中着ていてもシワになりにくく、耐久性も抜群とのこと。
またこの生地は、「単糸」とよばれる1本だけの糸を使用するのと違い、「双糸」と呼ばれる2本の糸を紡ぎ合わせることにより、生地の強さが向上させる仕様になっています。
ちなみに“LUIGI BORRELLI”は1957年創業。
当時は硬い肌触りのシャツしか出回っていなかったらしいのですが、他に先駆けて滑らかな着心地のシャツを売り出し、その名が広まったそうです。
創業者のルイジ氏がシャツ作りに興味を持ったキッカケは彼の母親と言われており、母親は近所では評判の仕立屋だったとのこと。
そんな母親から学びつつ、自らもシャツの仕立屋になったルイジ氏ですが、1980年より一人息子のファビオ氏が経営に参加し、ネクタイをはじめ、スーツ、ジャケット、ボトムス、ニットウェアのラインナップも追加しました。
こうして地元のナポリからはじまった”LUIGI BORRELLI”は、今では高級ブランドとしてローマ、ミラノ、ニューヨーク、東京、とワールドワイドに活動の場が広まっています。
尚、LUIGI BORRELLIは東京の青山に旗艦店を構えており、年に一度、普段は選べない特別な生地を自分専用のサイズでオーダーできるオーダー会も開催されているので、興味をお持ちの方は是非一度足を運んでみてください。
第1位 『FRAY』
職人によるハンドメイドが謳われる中、マシンメイドに拘るメーカーが”FRAY”。
マシンメイドに拘る理由は大量生産ではなく、手縫いでは対応できないレベルの細かさまで実現するためとのこと。
既製品では最高峰とも言われるそのクオリティは、世界各国の首脳陣にも愛用者多いほどです。
紹介したいのは定番なホワイトドレスシャツのこちら。
FRAYをはじめとしたイタリアンシャツですが、FRAYのデザインは当時とほとんど変わらず、細身のトレンドも追わず、昔からの自社のデザインに拘っています。
また、他社のシャツが3万円から4万円のところですが、FRAYは少々割高の5万円。
この理由の一つは使用されている生地で、「世界一のシャツ生地」と呼ばれる「カルロ・リーバ」の生地が使われています。
耐久性に優れ、縮みにくく、長く使えるのもFRAYのシャツが人気の理由の一つのようです。
そんなFrayですが、創業者はルシア・パシン・ランディ氏。
祖母が営んでいたイタリアのボローニャにあるレース工場を1962年に継いだのがキッカケで、FRAYは創業しました。
FRAYも他のシャツメーカーと同じく生地に拘っていますが、FRAYが使用する生地のうちのひとつは「生地の宝石」と呼ばれるCarl Riva社がFRAY社だけのために用意したものもあります。
そうした世界一流の生地を、FRAYではマシンを使うことによりミリ単位の正確さでカットしていき、縫製していくのです。
それぞれの生地の特性に合わせてパーツを一つずつ裁断し、縫製は最小2mmのピッチで行われているとのこと。
最高の生地を、一寸の狂いもないマシンメイドで縫い合わせていく、こうしてFRAYのシャツは出来上がるのです。
シャツの柄はどれが良い?
イタリアを代表する5つのシャツブランドを紹介しましたが、次はシャツの柄についてお話します。
ちなみに今回紹介するのは
・白シャツ
・ストライプシャツ
・チェックシャツ
・ストライプシャツ
・チェックシャツ
の3つ。
選び方のポイントについても触れるので、ブランドと合わせて参考にして頂ければと思います。
白シャツ
ビジネスジャケパンにも、カジュアルジャケパンにも、一つずつ持っておきたいのが白シャツ。
シャツがシンプルだとジャケットやパンツが選びやすく、使い勝手がよくオススメの種類のシャツです。
またシンプルな分、素材や折り方の質感が出やすいので、素朴な味わいが楽しめます。
そして、他のシャツにも言えることですが、シャツを買う際は「ドレスシャツ」なのか、「カジュアルシャツ」なのか見極めましょう。
品物にもよりけりですが、一般的にドレスシャツは薄手でサラッとしており、光沢があります。
またタックインすることが前提になっているので、着丈が長いのも特徴でしょう。
一方でカジュアルシャツは、シャツをアウターとして着用することも踏まえ、少し厚手で柔らかめ。
また、タックインせずに着る場合もあるため、着丈は短めになっているのが特徴です。
汚れてしまった時の対処法
白シャツで怖いのが汚れ。
やはり白いシャツは他のシャツに比べて汚れが目立ちます。
特に食事でのソースのシミなどは天敵!
そこで汚れがついてしまった時の対処法についてですが、「叩き出し」と呼ばれる手法が有効です。
まずはタオルをシャツの汚れた箇所の下に敷き、中性洗剤と水を少々歯ブラシにつけて、汚れをトントン叩いたり、磨いたります。
この処理で汚れが落ちれば理想的ですが、落ちない場合はクリーニング屋さんに相談しましょう。
ストライプシャツ
ストライプはシャツの柄では定番のもの。
縦線というシンプルなデザインですが、線の太さや間隔の広さなど、実は種類がたくさん存在するのです。
一口にストライプシャツといえど、種類によってフォーマル向け、ビジネス向け、フォーマル向けとあるので、主な種類を紹介します。
ストライプにも種類がある?
まずは最もポピュラーな「ロンドン・ストライプ」から。
5mmから10mmほどの幅のストライプが、同じ太さのストライプが等間隔で並ぶストライプです。
「ペンシル・ストライプ」はロンドン・ストライプと似ていますが、線が細いのが特徴。
鉛筆で書いた線のように細いことから「ペンシル・ストライプ」と呼ばれるようです。
ロンドン・ストライプよりも線が細いのでビジネスコーデに向いています。
「ヘアライン・ストライプ」も細いストライプが特徴のストライプで、その細かさは一見無地に見えるほど。
尚、フォーマル向けとされるストライプは「シャドー・ストライプ」や「セルフ・ストライプ」といった種類で、糸の縫い目がストライプ状に走っているデザインで、一見無地に見えるようなものになります。
チェックシャツ
チェックはどちらかと言うとカジュアルな部類に入ると言われていますが、シャツでは主流の柄の一つ。
チェック柄もストライプと同様に種類がたくさんあるので、紹介します。
チェックの種類について
「ブロック・チェック」と「ギンガム・チェック」は同じ大きさの四角形の柄が等間隔に並ぶ柄です。
「ギンガム・チェック」はメイン二色の中間の色も混じっており、より立体的な色合いになるのが特徴。
「グラフ・チェック」は四角の柄というよりかは、方眼紙のように四方の線が入った柄。
無地に見えるような細かいものは「ミニチュア・チェック」と呼ばれます。
「タッターソール・チェック」はグラフ・チェックのように四方の線が入ったデザインですが、グラフ・チェックと違い、二色の色が使われているのが特徴。
ちなみに「タッターソール」という名の由来はロンドンの馬市場の創設者であるリチャード・タッタソール氏で、彼の市場で使われていた柄だったことから、「タッターソール・チェック」と呼ばれるようになった、という説があります。
尚、ストライプと同様に柄のデザインが「細かい、小さい=フォーマル」、「大きい、太い=カジュアル」という法則はチェックにも当てはまるので、デザインを選ぶ時の参考にして頂ければ幸いです。
また、デザイン以外にも生地の選択も大切で、ドレスシャツには縫い目の密度が濃くて滑らかな光沢が出るブロード生地、カジュアルシャツには縫い目がクッキリ出るオックスフォード生地、といった傾向があります。
まとめ
ジャケパンに合わせるシャツというテーマの基、以下のオススメのシャツブランドを紹介しました。
ナポリの名ブランドである”Rubinacci”や”Kiton”に従事した創業者が、自信の名をブランド名にし、ノウハウを注ぎ込んだErrico Formicola。
洗いの掛かったカジュアルシャツが日本で人気のある”Finamore “。
ドレスシャツの”Classic”、 カジュアルシャツの”Dandy Life”、 ドレスとカジュアルの両シチュエーションに対応可能な”Culto”と、全シチュエーションのラインナップを揃えた”Barba”。
東京の青山に旗艦店を構え、毎年一度オーダー会が開催し、シャツの修復等の細かいサービスが徹底されている”LUIGI BORRELLI”。
ハンドメイドが謳われる中、世界最高峰の生地をミリ単位の正確さでマシンメイドする”FRAY”。
ちなみに全てイタリアンブランドで、お値段は3万円以上するものが中心ですが、是非試して頂ければと思います。
また、シャツの柄についてもお話しましたが、以下3つの柄を取り上げました。
・白シャツ
・ストライプシャツ
・チェクシャツ
・ストライプシャツ
・チェクシャツ
白シャツはドレスシャツとしても定番ですが、オクスフォード生地でカジュアルに着るのもオススメ。
シンプルなので、ジャケットやパンツと合わせやすいはず。
また、ストライプ柄については
-ロンドン・ストライプ
-ペンシル・ストライプ
-へライン・ストライプ
-シャドー・ストライプ
-セルフ・ストラライプ
-ペンシル・ストライプ
-へライン・ストライプ
-シャドー・ストライプ
-セルフ・ストラライプ
チェック柄については
-ブロック・チェック
-ギンガム・チェック
-グラフ・チェック
-タッターソール・チェック
-ギンガム・チェック
-グラフ・チェック
-タッターソール・チェック
について説明しました。
以上、ジャケパンに合わせるシャツについてお話しましたが、シャツ選びの参考になれば幸いです。