冬の男性ファッションアイテムのひとつに、レザージャケットがあります。
レザージャケットは女性にも人気があり、ロックなテイストや少しハードできっちりした印象が演出できるのも、選ばれる理由のひとつでしょう。
このように人気があるレザージャケットですが、男性では37歳くらいになると選ぶのに躊躇してしまう方もいらっしゃるとか。
・バイクに乗っているわけでもないし。
・バンドやってるわけでもないし。
・若い子向けだろ?
・バンドやってるわけでもないし。
・若い子向けだろ?
37歳の女性がレザージャケットを着ているのを見ても、違和感や残念な気持ちになりにくいのに自分が着るとなると、どうして躊躇してしまうのでしょうか。
その理由が実は、今までに何度か見たり試着したレザージャケットの選び方が、間違っていたのだとしたら、どうしますか?
今は、ひとくちに「レザージャケット」と言っても、様々な素材やサイズやデザインのものがあります。
その中で、あなたが最も男らしくかっこよく見えるものを選ぶことは、基本的なことを知っていないと簡単ではありません。
そこで今回は、レザージャケットを購入するのが「ほぼ」初めてという方に向けて、レザージャケットを購入するときに知っておくべきことを紹介します。
レザージャケットとは
レザージャケットというと「ライダースジャケット」と同じものだと思っている方もいらっしゃるようです。
まず、ここを整理しておきますと、
・レザージャケットとは、革で作られたジャケットの総称です。
対して
・ライダースジャケットとは、バイクに乗るために作られたジャケットです。
どうもハーレーダヴィッドソンをはじめとする「イージーライダー」的なイメージが先行することで、バイクに乗る人が着るジャケットは「全て革ジャン」というイメージが定着しているようです。
しかし、バイクに乗るためのジャケットには、革以外の素材も多数あるため、本当は「レザージャケット」と「ライダースジャケット」は同じ意味ではありません。
あえて言うなら「革で出来たライダースジャケット」は「レザージャケット」の中の一つであるということです。
ということをふまえ、レザージャケットとは何なのかというと、、、
「素材に革を使用したジャケット」ということです。
また、レザージャケットを「革ジャン」と呼ぶこともありますね。
レザージャケットは、カジュアルなデザインからシックなデザインまで広くカバーしているので、実は着る人の年齢を選びにくいという特徴があります。
では、どうして選ぶときに迷うのかというと、まず自分に合った素材を選べていないからなのですね。
レザージャケットには、牛革以外にも素材があります。
素材によって着心地や光沢も変わります。
レザージャケットはデザインよりも、素材の質感に雰囲気が左右されることが多いです。
そこで、次にレザージャケットで使われている革についてお話します。
レザージャケットに使われる革
レザージャケットには、代表的な「牛革」や「山羊革」以外にも、動物の革が使われています。
一方で、動物の革を使わずに、人工的に作られた革を使っているものも最近は増えてきています。
どちらが優れているのか、ということではありません。
まずは、あなたがレザージャケットを着るシーンや普段の使い方をイメージしながら、それぞれの革の特性を見ていってください。
牛革
カウスキンとも呼ばれています。
レザージャケットをはじめ、革アイテムで最も多く見られるが「牛革」です。
丈夫さと強さに付いては、革の中でもトップクラスといえます。
山羊革
ゴートスキンとも呼ばれています。
柔らかくて丈夫です。
革のキメは荒いですが、表面にツヤがあり丈夫で耐久性があります。
革は少し薄い感じで、体のラインに無理なくフィットし、適度な光沢がある上品なものに多く見られます。
革をもむと美しい「シワ」が出来てきます。
羊革
ラムスキンとも呼ばれています。
軽さと柔らかさから最も着やすい革で、レザージャケットにも多く使われています。
ミリタリーやライダースのハードな印象を残したまま、ファッションとして新しい雰囲気を吹き込むときに使われることが多いようです。
軽くて手触りが柔らかいので着たときの印象は、ハードな中にもどこか優しげな雰囲気が見えてきます。
馬革
ホーススキンとも呼ばれています。
馬革は革のきめの細かさが特徴です。
牛革よりも伸びが少なく、形状を保とうとする力がありますから、レザージャケットやレザーパンツにも好まれる素材です。
ただし馬革は高級で生産量が多くありません。
豚革
ピッグスキンとも呼ばれています。
3つの深い毛穴が豚革の特徴です。
表皮は摩擦に強く、プリントや銀ラメなどの特殊加工ができるので、丈夫な「ヘビ柄」などという使い方も可能です。
水牛革
バッファロースキンとも呼ばれています。
分厚くゴツイ感じが好きな人向きです。
牛革よりも硬いので、ワイルドな印象が好きな方はぜひ選んでください。
羊毛革
ムートンとも呼ばれています。
羊の毛を短く刈り込んだまま残して加工した革です。
鹿革
ディアスキンとも呼ばれています。
レザーシャツや薄手のレザージャケットに使われることが多い革です。
保温性や通気性が良く、表皮のしっとりとした美しさとしなやかさは、他の革では手に入らない特質です。
合成皮革
人工的に本革のような光沢や質感を、「ポリウレタン」という原料で作った素材です。
本革とは違い、人工的に作れるので「全く同じ」ものが量産できます。
また軽くて丈夫な面もありますし、本革よりも加工がしやすいという特徴があります。
水濡れやシミにも強いので、本革とは違い毎日のお手入れが楽なのも人気の理由でしょう。
レザージャケットには2つある
レザーアイテムが流行すると、同じように見えるものなのに、値段が全然違うというモノに出会います。
これはアイテムに使われている「革」の素材による差でして、素材の違いを理解して購入しないと、後から残念な思いをすることになります。
お店ではひとくちに「レザー」や「革」という言い方をされますが、その一言の中には大きく分けて2つの種類があることを知っておいてください。
ひとつは「本革」と呼ばれる、本当の動物の革を使ったもの。
もうひとつは「合成皮革」と呼ばれる、人工的に作られた「本革」に似た革を使ったもの。
最近の「合成皮革」は、見た目が同じように見える素材が多いので、はっきりと理解した上で手にしたいところです。
それでは、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
本革のメリット・デメリット
<メリット>
・長い年月着ることができる
・独特の味や風合いを楽しめる
・少しくらいの破れや“ほつれ”なら修理できる
・本物の質感
・独特の味や風合いを楽しめる
・少しくらいの破れや“ほつれ”なら修理できる
・本物の質感
<デメリット>
・素材にもよるが、比較的重い
・素材にもよるが、最初は硬い
・水に弱い
・定期的なメンテナンスが必要
・価格が下がらない
・素材にもよるが、最初は硬い
・水に弱い
・定期的なメンテナンスが必要
・価格が下がらない
合成皮革のメリット・デメリット
<メリット>
・低価格
・お手入れが楽
・水に強い
・軽い
・お手入れが楽
・水に強い
・軽い
<デメリット>
・気に入っていても長く着られない
・長期利用すると「べたつき」などの劣化を引き起こす
(劣化から一緒に収納している服に被害が広がることも)
・長期利用すると「べたつき」などの劣化を引き起こす
(劣化から一緒に収納している服に被害が広がることも)
このように、それぞれにメリット・デメリットがあります。
レザージャケットを購入するときに、必ず覚えておいて確認したいのが「合成皮革」かどうかということです。
「本革」が値下げ価格でラッキーだと思って購入したのに、実は精巧に作られた「合成皮革」だったというのは、残念を通り越してしまうくらいダメージが大きいもの。
また、合成皮革だとわかって購入するときも「長期間使えない」ということを覚えておいてください。
合成皮革の素材となっている「ポリウレタン」は、年数や使い方で「べたつき」だけではなく、ポロポロとカスが落ちることもあります。
あなたがレザージャケットをどのように使いたいのか、目的をはっきりさせ価格で選ぶのか、素材で選ぶのかを検討することが大切です。
レザージャケット-初めての着こなし
それでは、「ほぼ」1着目のレザージャケットの選び方と着こなし方をお話します。
まず、男にとってレザージャケットは定番アイテムだと思ってください。
一度気に入ると、いつも同じモノばかり繰り返してしまうくらい着続けます。
本革のレザージャケットなら、長く使えるので一層ヘビロテしてしまいます。
だからこそ、あなたのイメージに合ったタイプを選んで欲しいですね。
それでは代表的な3つのレザージャケットのタイプを見てください。
シングルライダースジャケット
シンプルにスッキリとまとめやすいジャケットです。
無駄な装飾などもありませんから、レザーそのものの質感が際だちます。
インナーもシンプルに「白」や「黒」のTシャツやカットソーで。
クルーネックやVネックにするだけで、見た目の印象が変わります。
ダブルライダースジャケット
見た目、完全にバイカーな、ダブルのレザージャケットです。
着ているだけでハードな印象ですから、こちらもインナーはシンプルにまとめるのがおすすめです。
あえて固めすぎずに、クールな着こなしを意識しましょう。
テーラードジャケット
意外と使いやすいのが、テーラード。
レザージャケットにするだけで、いつもよりシックな雰囲気に変身できます。
布生地のテーラードで「黒」というのは、着こなしに躊躇してしまいますが、レザーの場合はほどよい光沢や質感があるので合わせやすいです。
インナーにシャツを選んで少しだけかっちりと。
Tシャツやカットソーならラフでシンプルな感じ。
インナーを変えるだけで、おしゃれの幅も広がるのでレザーのテーラードは便利ですよ。
レザージャケット-自分のサイズを知る
せっかく購入するのですから、後悔したくはありませんよね。
選ぶ素材にもよりますが、レザージャケットは長く付き合いたいアイテムですから、ほんとうに気に入ったものを選びたい。
それでは、後悔しないために、見ておくポイントをお話します。
サイズの前に用途を決めよう
自分に合ったサイズは・・・、の前に大事なことがあります。
それは、どんな用途に使うのか、ということです。
「おしゃれのアイテムとして、気軽にレザーを使いたい」
という方もいらっしゃれば
「人とは違った質感で長く使いたい」
という方もいらっしゃいます。
「本格的にバイクで使いたい」
こんな方もいらっしゃるかもしれません。
どんな用途で使うのかを決めることで、素材やサイズ感も変わってきます。
ということは、価格も変わってくると言うことです。
「あなたはどんな用途でレザージャケットを使いますか?」
まずは、この質問にぜひ答えてみてください。
好みのサイズを把握しよう
レザージャケットは、デザインによって細めに作られていたり、若干ゆとりを持った作りになっていることがあります。
ですから、まずあなたの好みのサイズ感を探しましょう。
スリムに着こなしたいのなら、普段着ているスーツなどのサイズに近いものを選びましょう。
もしくは、普段のスーツよりもワンサイズ小さいものから試着していってもいいですね。
反対にゆったり着こなしたいのなら、普段着ているスーツと同じか、ワンサイズ大きいものを試着してみてください。
レザージャケットと言っても「ジャケット」ですから、肩のサイズが合っていないものは避けたいですね。
着丈の長さ
テーラードやシングルのライダースなら、あまり気にすることもないのですが、ダブルのライダースの場合には注意が必要です。
ダブルのライダースは、比較的着丈が短くデザインされています。
着丈の短いライダースは「まさに男」な感じですが、普通の着丈のシャツなどを合わせようとすると簡単ではありません。
一度着てみるとわかりますが、短くデザインされたダブルのライダースの裾から、下のシャツの裾が出てきます。
このときシャツの裾が6cm前後だけ出ているのなら、バランスがよいので大丈夫です。
しかし、8cmとか9cmも出ていると、着こなしとしてはバランスが悪くなりますので、使いにくいジャケットを購入することになります。
ダブルのライダースを選ぶときには、着丈に注意してください。
裏地に注意
アウター全般に言えますが、袖の通りやすさは大切です。
毎回ジャケットを着るときに、裏地がつっぱるなんて面倒ですし、テンションが下がりますから。
ですからレザージャケットも同じように裏地を確かめてみてください。
インナーとの摩擦を減らし、着やすくするための素材が使われているかを試着で確かめるのは必須です。
裏地には
・ポリエステル
・レーヨン
・キュプラ
・レーヨン
・キュプラ
などがよく使われています。
裏地はジャケットを着るとき、脱ぐときのストレスを軽減してくれます。
ジャケットの表面に気がいきますが、裏地もきちんと確認しておきましょう。
ジップはどこのメーカー
最後に小さいことですが、大きなポイントを紹介します。
それは「ジップ」です。
この部品によって高級感も変わってきますので、よく確認してください。
ジップの滑りや使いやすさもありますが、どこのメーカーのジップかということも大切です。
できればジャケットのデザインにあった、高級感をプラスしてくれるようなジップが付いているか見ておきたいところです。
ヴィンテージにも使われているような雰囲気のジップなら、レザージャケットと長く付き合っていくときにも雰囲気抜群となって安心です。
レザージャケットのお手入れ
レザージャケットを購入したら、靴と同じでお手入れが必要です。
特に本革の場合は、お手入れは必須。
それでは、本革と合成皮革、それぞれのお手入れ方法をお話します。
本革の場合
本革のレザージャケットは、長く使えて風合いが少しずつ出てきますが、放っておくとダメになってしまいます。
どのようなことが起こるのかと言いますと、
・カビができる
・乾燥してひび割れが起こる
・変色する
・乾燥してひび割れが起こる
・変色する
本革の最大の敵は「カビ」です。
汚れたときにも水洗いはできませんし、クリーニングも専門のクリーニング店にお願いすることになります。
ですから、汗をかいたときや、突然の雨で水に濡れたときは、まずレザージャケットをハンガーに掛けて乾かしましょう。
脱いだまま放っておいてはいけません。
また、乾かすときは「陰干し」が一番です。
日光が当たる場所に干すと変色することもあります。
陰干しで乾いたら、専用のオイルを薄く塗っておきましょう。
これを忘れると、知らない間に肩や肘のよく動くところのシワから、ひび割れが起こることがあります。
万一カビが発生した場合には、乾いた布でカビをできるだけ落とし、その後はオイルを塗っておきましょう。
それでもカビがとれない場合は、専門の業者に頼んでみるのが得策です。
合成皮革の場合
合成皮革はお手入れが簡単です。
合成皮革は、手洗いやドライクリーニングができる場合も多いです。
また、日頃の保管も本革とは違い、乾いた布でサッと拭くくらいで十分。
湿気やカビ、水に強いので毎日使うこともできます。
ただし、合成皮革はどれだけ大切にお手入れして使っていても、長期間使っていると劣化してきます。
ポロポロとカスが落ちるようになった場合は、あきらめて新しいものを購入しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
レザージャケットは、シンプルにするほど、素材の力によって「男らしさ」が漂います。
若い子のようにシルバーなどのアクセサリーをジャラジャラ付けるのではなく、シンプルにレザージャケットをメインに考える。
若い子が手を出せないような、素材感が抜群のレザージャケットをまとうことで、佇まいが変わりますし周りにおよぼすオーラも変わってくるでしょう。
特にファッションへの関心が高い女性は、こういったオーラを感じますし、一度感じると視線を外すこともできません。
大人の男の落ち着きと余裕。
そこの寄り添うレザージャケットのハード一面。
そしてレザーという素材特有の、どこかセクシーでもあり官能的な雰囲気を演出できるのは、筋力ではない「男らしさ」の象徴でもあるのではないでしょうか。
ぜひ、あなたに合った素材とサイズ、気負わない着こなしで、大人の男の本気を見せておきましょう。