冬のオンオフどちらでも使えるコートといえばチェスターコート。
特に近年チェスターコートの人気が高まっていますよね。
しかし、チェスターコートの着こなしって意外と難しい。
それは、どんなコートが自分に似合うか、イメージ出来ていないからかも。
今回は、各ブランドが打ち出しているコンセプトを中心に、チェスターコートのブランドをご紹介します!
スタイリッシュ&スマート|ポールスミス
ポールスミスといえばメンズファッションの代名詞と言えるほど、日本に浸透しているブランド。
ポールスミスはポップでカラフルな色使いでありながら、ラグジュアリーで洗練されたデザインが特徴です。
普通、原色などを多色づかいすると、カジュアルになりすぎたり幼くなったりしがちですが、ポールスミスはやんちゃな遊び心を持った、大人のドレスを上手に表現します。
今季のポールスミスのチェスターコートは、ゆったりとしたビッグシルエット。
たっぷり感が大人の余裕とラグジュアリー感を醸し出します。
そんなポールスミスのメンズコートコレクションはこちら。
【ワイドラペルのピークドラペルコート】
上質な高密度メルトン素材を使った、温かみのあるホワイトのコート。
たっぷりとした大きめなボックスシルエットが、リラックスしたフィッティングを約束します。
アイボリーに近いホワイトは、エレガントなドレススタイルにも、カジュアルなコーディネートにも対応できますよ。
【カシミアコート】
細番手の糸を贅沢に使用したカシミア100%のコート。
カシミア独特の柔らかでなめらかな手触りと風合い、そして豊かな光沢感を楽しめる、ラグジュアリーなコートです。
起毛加工した後、日本に数台しかない特殊な機械でウェーブ加工された模様が特徴的な一着。
膝丈なのでシーンを選ばずに着られるスタイルです。
オーセンティックなシルエット、シンプルさを追求したデザインが、より一層上質な素材と丁寧な仕立てを引き立てます。
【ソフトツイードコート】
SUPER120’S のぬめり感のある糸と、フランスの羊毛をブレンドした糸を使用した生地のツイードコート。
生地は嵩高加工されたバルキーと呼ばれる加工が施されています。
バルキー加工とは天然のよじれを生かした加工のことで、繊維に伸縮性と弾力性があり、ふんわりしているのが特徴です。
素材の表面が麦のように見える、オートミール組織を起毛して刈り込んだスウェード加工が施され、ハリ、コシ、適度な柔らかさを兼ね備えています。
【カシミアミンクチェスターコート】
カシミアとミンクを使用した、光沢感が美しく、肌触りの良いチェスターコート。
外見はオーソドックスなスタイル、裏地には鮮やかなオリジナルプリントを施すポールスミスらしさのあるこだわりのコートです。
バックはウエストがわずかにシェイプされている、スリムフィットなスタイルです。
【リングヤーンシングルチェスターコート】
細くて強い芯糸に、別糸を絡ませ撚り合わせて輪を作る、リングヤーンを採用したチェスターコート。
余談ですが、リングヤーンは日本だけの造語で、英語ではラチネ(ratine)、フランス語ではラチーヌ(ratine)と呼ばれます。
リングヤーンを使用したヘリンボーンは重厚感のある仕上がり。
上襟に別布があしらわれ、エレガントさもある比翼仕立てのコートです。
【シャギーウールチェスターコート】
ふんわりとした独特なシャギー起毛素材のチェスターコート。
軽くて温かみがあり、どこかヴィンテージ感漂う風合いが特徴です。
立体感と着用感にこだわり、何度もプレスの工程を入れたというこのコートは、シンプルな美しいシルエットが魅力。
羽織るだけで雰囲気のあるスタイルが作れる、存在感のある一着です。
ロック&シック|ノーアイディー
ノーアイディー(NO I.D.)は、ロックなテイストを持ちながらもシックなスタイルをベースにした、大人のかっこよさを追求した気鋭の日本発のブランドです。
コンセプトはCOOL&SEXY 。
1960年代後半イギリスの「Progressive ROCK」の精神をファッションの世界にフューチャリングした、既成概念にとらわれない服を作り続けています。
オリジナリティあふれる素材とシルエットにこだわりを持ち、大人の色気を追求しているノーアイディーは、シャープでエッジの効いたワンランク上のスタイル。
「チェスターコートはウール」という常識をのっけから覆される、ポリエステルとナイロン素材のチェスターコート。
商品名は「Pスエードスタンドカラー チェスタージャケット」となっています。
ポリエステルとナイロンの棍棒が、スエードライクな陰影のある、独特な風合いを表現していますね。
コンパクトな襟元も特徴の一つで、デニムやカットソーを合わせたカジュアルスタイルはもちろん、シャツとスラックスを合わせたビジネススタイルにも対応できます。
【ノーカラーチェスターコート】
一筋縄ではいかないノーアイディーの、珍しい襟のないチェスターコート。
着こなしはあくまでシンプルが吉。
たっぷりと生地を使った広めの身幅は、重厚感を演出しています。
首元の部分にはシープレザーを使用し、高級感のある質感。
膝まである長めの丈、ボタンを隠した比翼仕立てのディテールが、ダンディズムを感じさせます。
無骨さ&繊細さ|ミスターオリーブ
「Created in japan product of japan」をコンセプトとした日本で生まれたメンズファッションブランド、ミスターオリーブ。
日本のきめ細やかさを題材にし、職人的ものづくりをベースにしながら、1960年代のヨーロッパから影響を受けたアメカジをルーツとしています。
キーワードは「ベーシック・ロック・ロイヤル」。
ヴィンテージ感漂うロックテイストと、ヨーロッパの伝統的なスタイルを併せ持つブランドです。
ミスターオリーブというネーミングは、男性の総称「ミスター」と、女性らしい名前「オリーブ」を組合せ、「相反する要素のミックス」を表現しています。
【NOBILIA MELTON】シングルチェスターコート
イタリアの高品質メーカーNOBILIA社製ライトメルトンを使用。
ゆったり目なシルエットのシングルチェスターコートです。
長すぎない着丈に仕上げることで、カジュアルに合わせやすいコートに仕立てています。
また、スーツとの相性も良いので、オンオフで着用できるヘビーユース必至のアイテム。
【ハリスツイード】ダークチェック・ダブルチェスターコート
スコットランド北部のハリス&ルイス島で採れた羊毛を、手つむぎの機織り機で織り上げたハリスツイードを採用した、肉厚のコートです。
ダークトーンのクラシカルなチェックはハリスらしい雰囲気。
また、厚みのあるざっくりとした質感は、ハンドメイドならでは。
ややゆったりとしたリラックス感あるシルエットのダブルコートは、カジュアルシーンでもビジネスシーンでも着用しやすいのが魅力です。
【ハリスツイード】ブラウンチェック/3Bノッチドラペルチェスターコート
グレーベースにブラウンとグリーンがミックスされた、複雑な色合いが新鮮なハリスツイードのチェスターコートです。
肉厚が特徴のハリススイードはざっくりとした重厚感が魅力の素材。
ノッチラペルと3つボタンのシンプルなデザインですが、ダブルポケットと存在感あるチェック柄のコートは、コーディネートの主役に据えたい、雰囲気のあるコートです。
ヨーロピアン&アメカジ|スコッチアンドソーダ
オランダはアムステルダム発のカジュアルブランド、スコッチアンドソーダ。
世界各国の民族衣装などから、様々なインスピレーションを得て、ヨーロッパのクラシックやアメリカのビンテージスタイルもヒントに着心地の良いカジュアルスタイルを提案しています。
独特な色や素材づかいで有名なスコッチ&ソーダからも、チェスターコートが発表されています。
【クラシックジェントルマンコート】
シンプルなデザインのハーフチェスターコート(キャメル)。
スーパーソフトウールとビスコースがブレンドされた、手触りの良いコートです。
シンプルでタイトなシルエットは、カットソーやニットにジャケット感覚で着用するのにぴったり。
ブラックバージョン。
ブラックは何にでも合わせやすく便利なカラーです。
ダークネイビー。
丈が短めなので、ネイビーはジャケットの代わりとしても重宝しそう。
軽い印象を与えるサンド。
合わせるアイテムによってカジュアルにもシックにも着用できます。
使い回しのしやすいグレー。
モノトーンのコーデに活躍します。
カラーはブラック、ナイトメランジュ(ダークネイビー)、サンドメランジュ(ベージュ)、キャメル、グラファイトメランジュ(グレー)の5色で、カラーが違っただけでもかなり違った雰囲気で着用できますね。
こちらはラペルに豪華な黒のファーをあしらったチェスターコート。
スリムなパンツを合わせてロックに着こなすもよし、ビシッと決めたスーツに合わせてエレガントに着こなすもよし。
クラシック&モダン|ラルディーニ
イタカジの代名詞とも言われるイタリアンメイドにこだわったファッションブランド、ラルディーニ。
徹底した上質さと優雅さを持つラルディーニですが、2016年の秋冬コレクションは、軍服から発想を得たディテールが、クラシカルかつスポーティーさを醸し出しています。
ラルディーニにはいくつかのラインがありますが、それぞれのラインのチェスターコートをご紹介しますね。
【LARDINI】
エレガントでモダンなこのラインは、イタリアンテーラーの伝統に根ざしつつ、男性的な力強さと現代的要素を併せ持つテイストを提案しています。
軍服から発想を得た2016年のチェスターコート。
カチッとした形とレトロ感のあるクラシカルなラペルが印象的です。
船乗りのような肩と袖にあしらわれた3本のラインが特徴的なコート。
トラッドスタイルに合わせれば、完璧なヨーロピアントラッドのコーディネート。
【RVR LARDINI】
リバーシブル性と機能性を共存させたライン。
二枚の生地を合わせたダブルフェイスで、小型化と軽量化をはかっています。
また、天然素材と撥水加工を合わせることで、実用的でありながらスタイリッシュなスタイルも実現させました。
ぼってりとした厚みの生地が特徴のチェスターコートです。
編み込んだ起毛の表面の雰囲気とは相反する、スリムなシルエット。
存在感のあるコートは羽織るだけで主役級です。
【Wooster- LARDINI】
ニック・ウースターとコラボレーションしたコレクションです。
ニック・ウースターのユニークなスタイルと、ラルディーニのエレガンスを合わせた、伝統のサルトリアーレの常識を覆すような洗練された生地や、ラインの組合せが斬新なコレクション。
ニック・ウースターはニューヨーク在住のファッションディレクターです。
バーグドルフ・グッドマンやニーマン・マーカスなどの高級デパートでファッションディレクターをした経歴を持ち、そのユニークでエレガントなスタイルは世界中でアイコン的存在となっています。
このラインはウースターの想像力やクリーンなシルエットを生かしつつ、日本のトレンドを意識したというスタイルです。
日本と西洋のエッセンスをブレンドし、頑丈さから微細さ、重さから軽さなど、対極のアクセントを象徴しています。
ちょっと珍しい、上品なショールカラーのチェスターコート。
上質な手触りのメルトンとキャメルの色合いがマッチした、なめらかな風合いが特徴です。
ショールカラーのヘリンボーンのコート。
ざっくりとした風合いが、ゆったりとした大きめのコートに男らしさを加えます。
ちょっとびっくりしますよね、この袖。
実はウースターとコラボしたこのラインには、こんな斬新なコレクションがたくさん揃っています。
他にもウエストからツートンカラーになっているジャケットや、スポーツライクな素材とデザインのチェスターコートなど。
もう少しその世界観を見てみたい、という方は、こちらからどうぞ。
【Gabriele Pasini】
イギリスのロックとモダンにインスパイアされたラインです。
珍しい組み合わせや仕立ての知識をふんだんに盛り込んだ、洗練された多目的なスタイルのガブリエレ・パジーニ。
フォルムと生地の美しさを追求するコレクションは、抜群のセンスから生まれたものばかりです。
大きなラペルと、大胆なグリーンとダークネイビーのブロックチェックが特徴のチェスターコート。
カジュアルや、パーティーなどのドレススタイルにもおしゃれにコーディネートできますね。
ロックテイスト漂うカジュアルなチェスターコート。
かと思えばこんなビジネスライクなコートも。
ややシェイプしたウエストが美しいラインを醸し出していますね。
ラペルに関しても、小さすぎず大きすぎず、計算され尽くされているのがわかります。
ホワイト&ブラックのハウンドトゥース(千鳥格子)柄のチェスターコート。
モノトーンなのでシックにもカジュアルにも、そしてロックにも着こなせる汎用性の高い一品です。
他にもたくさんあるコレクションの中から、一部をご紹介しますね。
ショールカラーのダブルブレスト・ハーフコート。
ハーフコート丈は、コートとしてもジャケットとしても着られて、秋口から春先まで活躍する便利なアイテムです。
ラペル部分にファーが施されたクラシカルなデザイン。
フォーマルな場やパーティーにぴったりですね。
袖を通さず肩にかければ、ゴッドファーザーばりの重厚感のある、渋い着こなしができます。
チェスターコートまとめ
チェスターコートのお勧めブランドを5つご紹介しましたが、お気に入りのブランドは見つかりましたか?
ブランドにはコンセプトやテーマがあるので、チェスターコートを購入するならブランド買いがオススメです。
それぞれブランドによって打ち出しているコンセプトが違いますが、2016年のチェスターコートは、大きめビッグシルエットが共通の傾向です。
また、アメリカントラッドとヨーロピアンテイストがミックスされたスタイルが多いのも、今年のトレンドです。
・スタイリッシュでスマートなスタイルならポールスミス
・ロックでありながらシックなノーアイディー
・無骨さと繊細さの両極を併せ持つミスターオリーブ
・ヨーロピアンテイストとアメカジのミックス、スコッチアンドソーダ
・クラシックな大人カジュアルを楽しむラルディーニ
ラペルも大きなものや小さなもの、V字が大きく開いたものや小さく閉じたものなど、個性あるチェスターコートが勢ぞろいでしたね。
ラペルは印象を決める大事なディテールで、ラペル一つで全体の雰囲気がガラッと変わります。
また、シングルかダブルブレストかでも、雰囲気がだいぶ変わってきますよね。
シングルならカジュアルにも着こなしやすく、ダブルブレストは重厚感と貫禄をアピールできます。
どんなテイストのコーディネートを目指すのかによって、コートの選び方も変わってきます。
お気に入りのコンセプトのブランドが見つかったら、まずは商品をたくさん見て、コーディネートを研究してみてはいかがでしょう。