ITやクリエイティブ業界へ転職したり、会社の規則が変わったりといった理由でスーツから私服に仕事着が変わってきている人が増えてきています。
スーツだとコーデに選択の余地がほとんど無く、人によっては息苦しさを感じるかもしれませんが、いざ私服となると逆に選択の幅があまりに広く、戸惑う人が多いのも事実です。
仕事場での服装はお客さんに与える印象に加え、社内で受け入れられるかどうかという懸念もあり、仕事用の私服コーデを考えるのはなかなか大変なはず。
そこでオススメなのがジャケットとパンツを組み合わせる「ジャケパン」スタイル。
スーツスタイルのようにジャケットを羽織るのでフォーマル感やビジネス感を出せますし、ジャケットとパンツで別々の色を組み合わせることにより程よいカジュアル感を演出こともでき、まさに仕事向けの私服コーデにピッタリなスタイルなのです。
そこで今回はこのジャケットとパンツを組み合わせる「ジャケパン」スタイルについてご紹介し、ジャケット、シャツ、パンツ、靴というジャケパンコーデに欠かせない4つのアイテムを紹介します。
ジャケパンはジャケットとパンツを組み合わせる魔法のスタイル
ジャケットとパンツを組み合わせる「ジャケパン」スタイルにはいくつかメリットがありますが、間違いなく挙げられるのが印象の良さです。
適したアイテムを選べばビジネスに求められるフォーマル感と、私服のカジュアル感を両立することができ、社内外の人たちに好印象を与えることができるでしょう。
また、ジャケットとパンツを決まったペアでしか着用することのできないスーツと違い、ジャケパンの場合はジャケットとパンツを自由に組み合わせることができます。
そしてジャケットはプライベートでも活躍するアイテムで、例えばパートナーとの特別な日に予約するような高級なレストランでは、ジャケットの着用がドレスコードになっている場合がありますし、普段とはちょっと違う「特別感」を出したいデートの時にも使えるでしょう。
ジャケパンにはこういったメリットがあるので、ぜひこれを機に必要なアイテムを揃え、ジャケパンコーデをマスターしてみてはいかがでしょうか。
必要なアイテムを揃えよう!
とはいえ、一から新しいコーデのアイテムを揃えるのはなかなか大変です。
どんなアイテムが必要なのか見当がつかない場合もあるでしょうし、どんな基準で選べばいいかわからない、という人もいるでしょう。
そこで以降はジャケパンに必要な
・ジャケット
・シャツ
・パンツ
・靴
・シャツ
・パンツ
・靴
といった一通りのアイテムについてお話ししていきます。
アイテムの概要を説明しつつ、具体的にオススメなブランドも紹介するので、参考にしていただければ幸いです。
まずはお店選び
まずアイテムのお話しする前に「どこで(どのお店)で探すか」という点についてお話しします。
選択肢をいくつか挙げると・・・
「洋服の青山」、「AOKI」、「紳士服のコナカ」といったスーツ量販店や、「THE SUIT COMPANY」、「SUIT SELECT」、「P.S FA」などのツープライススーツショップ。
これらはスーツのお店として知られていますが、ジャケット単体でも販売していますし、ジャケット以外のアイテムを揃えることもできます。
次は「SHIPS」、「BEAMS」、「UNITED ARROWS」、「EDIFICE」「TOMORROWLAND」といったセレクトショップ。
海外ブランドのジャケットが手頃な価格で売られているのも魅力ですが、他のアイテムも充実しているので店員さんにコーデを相談することもできます。
そしてもうひとつが「三越」、「高島屋」、「伊勢丹」、「そごう」、「西武」といった百貨店。
百貨店の魅力のひとつと言えるのが高級ブランドの展開です。
多くの海外ブランドは直営店を百貨店に構えており、都内だけでなく日本各地に展開されています。
まずはこれらの選択肢の中から自分にあったお店を選ぶところから始めると良いでしょう。
ジャケット選びの秘訣
お店選びついてお話ししましたが、ジャケパンスタイルでまず最初に選びたいのがジャケット。
コーデの顔とも言えるアイテムなのでまずはお気に入りのジャケットを見つけて、そのジャケットを基準に他のアイテムを合わせていくとコーデを組みやすいのでオススメです。
ただし「ジャケット」といってもくだけた印象のカジュアルな物ではなく、フォーマル感の出るテーラードジャケットを選びましょう。
カジュアルジャケットはボタンやポケットのデザインから生地の質感、全体のシルエットまで、手持ちのデニム等のカジュアルなパンツと合わせやすいようにデザインされています。
一方でテーラードジャケットはよりスーツのジャケットに近く、フォーマルな印象を演出しやすいタイプのジャケットです。
またテーラードジャケットを選ぶ際、色は赤や黄色など派手な色は避け、ネイビーやグレイといった落ち着いたトーンがオススメ。
そして大切なのがサイズ選び。
袖は手首の骨が見え隠れするくらい、裾はお尻の真ん中よりも少し上くらいまでを目安とし、前ボタンを閉めた時、背中にシワが出ないかどうかチェックしましょう。
またタイトな程、若々しくスタイリッシュな印象になり、余裕があるサイジングの方が大人っぽく、威厳のある印象を演出することができるので、微妙なサイズ感で迷った際はこのあたりを参考にしてみてください。
ブランドの知識があると便利!
ジャケットの見た目や質感、作りの印象といったところから選ぶのもオススメですが、ブランドから選ぶのも一つの方法。
品質で選ぶのはもちろんですが、好きなブランドの服は愛着が湧きますし、着るのも楽しみになります。
そこでいくつかオススメのブランドを紹介したいのですが、まずは「カノニコ」。
正式名称は”VITALE BARMERIS CANONICO”ですが、起源は1663年まで遡るという超老舗の生地ブランドです。
創業地は高級生地ブランドがひしめく、イタリア北西部のビエラ地区。
カノニコはその中でも一流の生地ブランドとして知られ「RALPH LAUREN」、「BURBERRY」、「PAUL SMITH」といったラグジュアリーブランドが使用する一方で、国内のセレクトショップやスーツショップでも扱われるコストパフォーマンスに優れた生地です。
カノニコのジャケットを探す際はジャケットの袖にあるこのラベルを目印に探してみてください。
もう一つオススメなのがこちらもイタリア発祥の”REDA”。
REDAも本拠地をイタリアのビエラ地区に持っているのですが、創業は1865年ということでこちらも老舗の生地ブランド。
原材料の仕入れから生地の縫製まで自社で一括管理しており、徹底された生産管理を実現しています。
そのためカノニコと同じく高級品質ながらもコストパフォーマンスに優れており、本国のみならず日本でも大変人気のブランドです。
カノニコもレダも、高級生地なので物によっては数十万円する場合もありますが、セレクトショップ等では3万円前後の物を扱っている場合もあるので、ぜひ一度手にとってみていただけたらと思います。
インナーにはシャツを選ぶべし!
ジャケットを選んだら次は中に着るインナー選び。
選択肢としてはシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、とありますが、テーラードコーデと合わせてフォーマルさを出したいなら断然シャツがオススメです。
スーツコーデにも通ずるフォーマルなコーデに仕上げられますし、「ドレスシャツ」、「カジュアルシャツ」などシャツでもモノを選べばドレッシーなコーデからカジュアルなコーデまで対応することができます。
ドレスシャツとは一般的にスーツコーデで使われるシャツで、ブロードクロスなどサラリとした質感と光沢感のある生地が主流です。
またドレスシャツは基本的にアウターとして着用されることは想定されておらず、デザインはプレーンでシンプルな物がほとんど。
着用方法もタックインが想定されているので着丈が長い、という特徴があります。
一方でカジュアルシャツはダンガリーやオックスフォードといった少々粗めの質感で、光沢感のすくない生地が主流。
シャツをズボンにインしないタックアウトでの着用も想定されているので着丈が短く、ジャケットを羽織らずアウターとしての着こなしも踏まえてデザインされているのが特徴といえるでしょう。
シャツの全体像についてお話ししましたが、次はオススメなシャツブランドを紹介します。
こんなシャツで合わせてみては?ドレスシャツ編
まずはドレスシャツからのご紹介ですが、1着目は1957年にイタリアのナポリで創業した高級シャツブランドの「LUIGI BORRELLI」。
こちらは”LUCIANO”と呼ばれるモデルで、近年流行の細身のスタイリングに合わせて従来よりも襟羽根、襟腰、前台衿の三箇所が短くデザインしなおされています。
ただし従来のデザインの比率はそのまま調整されているとのことで、ファンの間で「黄金比率」と呼ばれているそのエレガントさはそのままです。
LUIGI BORRELLIは70年以上の歴史を持つブランドで、もともとは創業者の母であるアンナ氏がシャツを仕立てたのがブランドのはじまりとのこと。
以降、息子のルイジ氏がシャツ作りを引き継ぎ、人体を徹底的に研究することにより今までになかった着心地の良さのシャツを作ることに成功しました。
また、ミシンと手縫いを使い分けることにより品質を担保しながらも量産を可能にし、その人気はイタリアのみならず海外にも広まっていったのです。
なお、LUIGI BORRELLIは今ではシャツのみならず、スーツ、ジャケット、ボトムス、ニットウェアも扱うトータルラグジュアリーブランドに成長しています。
こんなシャツで合わせてみては?カジュアルシャツ編
お次はカジュアルシャツが人気のFINAMOREから1着ご紹介。
高さのある襟のデザインが特徴ですが、上記画像の通りタックアウトでもスタイリッシュに着こなすことができる短めの丈に設定されています。
なお、起毛感のあるコットンネル生地なので柔らかい肌触りになっているのですが、大人っぽい色合いでカジュアルになりすぎず上品さもあるのがポイント。
狭めの肩幅で細身のデザインですが、FINAMORE独自のデザインにより快適な着心地を実現しており、とてもオススメなカジュアルシャツになっています。
ちなみにFINAMOREもイタリアのナポリ発祥のブランドで、創業は1925年。
120番手以下の素材は使用しないこだわりを持っており、端正な作りのドレスシャツも人気ですが、高級素材に贅沢に洗いをかけたカジュアルシャツも人気です。
創業当初からハンドメイドにこだわっているFINAMOREですが、現在でも50人規模の体制に留めており、あくまでも品質重視。
高品質なカジュアルシャツをお求めの方にオススメなブランドです。
ビジネスコーデにはスラックスがお勧め!
ジャケット、シャツとアイテムが決まったらボトムスへ。
オススメのタイプのパンツはスラックスですが、他にも選択肢としてはチノパンやデニムなどもあります。
もちろんデザインやシルエット、作りによってもチノパン、デニムもオススメですが、もしまだジャケパンのコーデを揃えたことがないのであれば、まずはスラックスから揃えるとよいでしょう。
スラックスはスーツや制服のパンツにも使われるタイプのパンツで、ビジネスシーンをはじめ、フォーマルなシーンで重宝されるタイプのパンツです。
綿をはじめとしたサラっとした肌触りと光沢感のある素材を使用し、フォーマル感を演出してくれます。
この質感とテーラードジャケットの相性が良く、コーデもまとまりやすくなるはず。
そしてこちらはイタリアを代表するコットン生地メーカーである”LARUSMIANI”の生地を使用したスラックス。
スラックスといえば伸縮性の悪さから履き心地の悪さをイメージされがちですが、この1着は程よく伸びが効き動きやすさも抜群。
スッキリとしたシルエットなので、コーデ全体をスッキリと見せてくれるでしょう。
カジュアルにキメるならデニムもアリ
スラックスを紹介しましたが、デニムを合わせる「デニジャケ」スタイルもオススメ。
TPOは選びますがジャケパンスタイルでもカジュアル度が増し、「カジュアルなんだけど大人っぽい」という絶妙なバランス具合が魅力です。
しかしこのスタイル、手持ちのデニムが合うかというと、カジュアルなデザインのデニムが多いのでなかなか上手くいきません。
そんな時にオススメなのが「テーラードデニム」との呼び名が高い、Jacob Cohenのデニムです。
Jacob Cohenのデニムはテーラードジャケットに合わせることを前提としてデザインされているので、デニジャケコーデにぴったり。
上記画像の1着はJacob Cohenの中でも競泳用水着にも使用されている原材料を混ぜた生地を使用しており、伸縮性に優れているモデルです。
またデニムにありがちな、「型崩れ」や「色落ち」が起こりにくく、機能面がとても魅力的。
また、股下が浅めのデザインなので美脚効果が高く、デニムながらもスラックスのようなスッキリとしたコーデに仕上げてくれます。
フォーマルなビジネススタイルに合う靴はこれ
ビジネスコーデに合う靴といったら革靴ですが、やはりジャケパンスタイルにも革靴がオススメ。
そしてフォーマルに決めるならば
-ストレートチップ
-プレーントゥ
といったタイプの靴がオススメです。
ポイントは靴の甲のデザインでして、ストレートチップは横切る線が一つ入っており、プレーントゥは無地になっています。
このようにシンプルなデザインの方がフォーマルなコーデに合うと言われているので、フォーマルコーデ用の靴をお探しの場合は参考してみてください。
なお、色選びもポイントで黒が最もフォーマル度が高く、茶色や灰色などの方がカジュアルと言われています。
また、例えば茶色でも色が濃い方がフォーマル寄りで、薄くなるほどカジュアル要素が強くなると言われているので、フォーマルコーデに合わせたい場合は濃い色を選ぶと良いでしょう。
カジュアルなシーンにはローファーがぴったり
最後に紹介したいのが「ローファー」。
ローファーは靴紐がないタイプの革靴で、革靴の中で最もカジュアル度が高いと言われています。
ですのでビジネスコーデにはオススメできませんが、プライベートでジャケットとパンツを合わせる時用に一足持っておくと役に立つでしょう。
なお、上記画像のローファーは人気の国産ブランドである「Regal」のローファー。
Regalは1902年の創業で、靴文化が日本に根付き始めた頃から存在する老舗ブランドです。
アメリカから伝わる「グッドイヤーウェルテッド製法」を得意とし、高品質はもちろんのこと、足元から人々へ健康を提供することを企業理念に掲げており、オススメのシューズブランドなのでぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は仕事でも使えるジャケットとパンツを組み合わせる「ジャケパン」スタイルについてお話ししました。
ジャケパンの魅力について説明しつつお店選びの話に始まり、
-ジャケット
-シャツ
-パンツ
-靴
-シャツ
-パンツ
-靴
といったコーデに必要なアイテムを一通り紹介しましたが、振り返ってみましょう。
まず「お店選び」はスーツに強い「スーツ量販店」や「ツープライスショップ」から、リーズナブルな価格で海外ブランドも扱う「セレクトショップ」や、高級ブランドが全国各地に展開されている「百貨店」を紹介しました。
ジャケット選びに関してはテーラードジャケットを勧める理由やサイズ選びのコツを説明しつつ、”カノニコ”や”レダ”といったコストパフォーマンスの高い高級イタリアン生地ブランドを紹介。
シャツについては「ドレスシャツ」と「カジュアルシャツ」の違いについて説明し、イタリアの高級シャツブランドである”LUIGI BORRELLI”と”FINAMORE”からそれぞれドレスシャツとカジュアルシャツを紹介しました。
そしてパンツではスラックスをオススメする理由をお話しし、イタリアを代表するコットン生地メーカーである”LARUSMIANI”の生地を使用したスラックスを紹介。
また、ジャケットをカジュアルに着こなしたい人向けに「テーラードデニム」とも呼ばれる”Jacob Cohen”についてお話ししました。
そして最後は靴についてですが、革靴を前提にフォーマルコーデにオススメの「ストレートチップ」と「プレーントゥ」、そしてカジュアルコーデにオススメの「ローファー」についてお話しし、オススメの国産ブランドである「Regal」を紹介しています。
以上となりますが、本記事の内容があなたの仕事用の私服コーデ選びに役立てば幸いです。