ビジネスシーンで着用するスーツ。
基本的にスーツは「ビシッ」と少し堅苦しい雰囲気を纏っています。
しかし、同じスーツの中でも、ソフトなシルエットで親しみやすい雰囲気を持ったものもあります。
それが「アンコン仕立て」。
名前は聞いたことがある。
そういう方も多いと思いますが、アンコン仕立てと従来の仕立てとの違いは何なのかというと・・・よくわからない。
そして、よくわからないから、次のスーツも従来と同じ仕立てを選んでしまう。
新社会人の方や、ファッションに強いこだわりをお持ちではない方に多いケースです。
そこで今回は、あなたの魅力をもっとプラスにしてくれる「アンコン仕立て」が持っている魅力とメリットについて解説していきます。
今回の内容を参考にしていただき、次のスーツは「アンコン仕立て」を選んでみてください。
きっとあなたを見るまわりの目が変わっていると思います。
1. アンコン仕立てとは? 2. アンコン仕立てのジャケットが選ばれる理由 3. 季節別でコーデする着こなしポイント 4. アンコン仕立てにおすすめのブランドとは 5. まとめ
1.アンコン仕立てとは?
「アンコン仕立て」という言葉。
耳にすることは増えましたが、意味がよくわからない。
そういう方も多いはず。
(1)そもそもアンコンってナニ?
アンコンとは、「アン・コンストラクティッド-unconstructed」を略した言葉です。
日本語に訳すと「非構築的」という意味になります。
スーツの仕立てで申し上げるなら、従来の仕立てよりも素材を省くことで、かっちりとした構築をしていない。
このようなイメージを持って頂けると理解しやすくなるはずです。
具体的に見ると、従来のスーツ(主にジャケットですが)には、以下の素材が入っていることで構築的なシルエットを作ることが出来ています。
・ジャケットの裏地
・毛芯
・接着芯
・肩パット
表からは見えないですが、こういう素材が裏側で使われているからこそ、従来のスーツジャケットは「かっちり」としたシルエットになっています。
しかし、アンコン仕立てになると、こうした裏側の素材を省いて仕立てます。
そのため、「かっちり」としたシルエットではなく、ほどよく親しみやすいソフトな印象に仕上がります。
(2)アンコン仕立てには高い技術が必要
スーツジャケットの仕上がりを左右する「裏側の素材」。
アンコン仕立ての場合、裏側の素材を省きつつ、美しいシルエットに仕立てないといけません。
そのため、従来のスーツジャケットのような「芯」を使わないまま、美しく仕上げるために特別な技術が必要になってきます。
「かっちり」とした印象を出しやすい「芯」がないのですから、裁断や縫製に高い技術を要求されます。
(3)見返しにも違いがある
出典:order-suits.com
ジャケットの裏側にくる表地を「見返し」と呼びます。
ここにもこだわりを持っている仕立屋さんがあります。
一般的な見返しと、見返し部分を贅沢にした「大見返し」。
ジャケットを脱いだ時の見た目が変わります。
2.アンコン仕立てのジャケットが選ばれる理由
アンコン仕立てがダンディなメンズや、ファッションに興味のある男性から選ばれるのには理由があります。
(1)親しみやすいラフさ
従来のスーツとアンコン仕立てとの違いで最もわかりやすいのが「肩」。
従来のスーツジャケットは「肩パット」が入っているので、しっかりとした肩ラインが出ています。
対してアンコンは「肩パット」が省かれていますので、肩ラインが丸みを帯びています。
この違いによって、従来のジャケットは「重さ」「堅さ」を感じやすくなります。
アンコンは重さが強調されないため、自然でリラックスした雰囲気を演出しやすくなります。
普段のお仕事では、リラックスした雰囲気の方が人間関係もスムーズに進みます。
こういった理由からもメリットを感じてもらえているようです。
(2)ビジカジにも選びやすい
ビシッとした印象では、ビジネスカジュアルでは浮いてしまいます。
しかし、カジュアルを強めに出すと、これもイマイチ。
そういうときに使いやすいのが「アンコン仕立て」。
ほどよいラフ感がありますので、軽やかな雰囲気を纏ったまま仕事をすることができます。
また、アンコン仕立てのジャケットは、コーデの幅も広がりますので、おしゃれを楽しむ一歩目としても活躍してくれます。
(3)機能性が高い
アンコンは従来のスーツジャケットと比較すると軽くなっています。
裏地や芯がありませんので、当然と言えば当然ですね。
そのため、暑い夏でも通気性が高く快適さがアップします。
また、最近は自転車で通勤される人も増えています。
そういう方は、アンコン仕立てのジャケットにすることでカラダも軽やかに動くようになります。
「軽くて着やすく、着たまま動きやすい」
ビジネスマンにとっては、大変うれしいメリットです。
3.季節別でコーデする着こなしポイント
季節によってコーデしやすいのも「アンコン仕立て」のメリットでしょう。
(1)春夏のおすすめ着こなしポイント
暖かい季節ですから、爽やかなコーデを目指したいところです。
例えば、青を使った爽やかなジャケットに、白のインナー。
パンツはチノ。
程よいカジュアルさが出しやすくなります。
40代以上の方ですと、シンプルにグレーのアンコンジャケットを選んでみるのもおすすめです。
インナーにはブルーのシャツ。
パンツはデニムを合わせれば、夏スタイルのビジカジが完成します。
(2)秋冬のおすすめ着こなしポイント
暖かみのあるコーデがおすすめの季節。
素材感を大切にしたコーデがおすすめです。
まず、ウール素材のアンコンジャケットを選びましょう。
ジャケットと同系色のシャツで統一感を出すとシックなスタイルが完成します。
ドレスカジュアルを目指すなら、ブラウン系でまとめてみてください。
パンツをブラックにすると、ドレス感が増します。
特別な日のレストランなどに着ていきたいコーデです。
4.アンコン仕立てにおすすめのブランドとは
アンコン仕立てにおすすめのブランドというと、やはり「イタリア」。
次の2ブランドが、初めてアンコンを手にされるなら安心できます。
LARDINI(ラルディーニ)
出典:Rakuten
1978年にイタリアで創業したブランドです。
今では世界的なトップブランドへと成長し、オーダースーツ業界で知らない人はいません。
ラルディーニは伝統的な技術を使いつつ、新しいデザインを採用し、柔軟で優れた仕立てを提供しています。
BOGLIOLI(ボリオリ)
出典:Rakuten
1890年にイタリアで創業した老舗ブランドです。
伝統と現代の要素を模索し、世界中で信頼を勝ち取っています。
100年を超えるブランドでありながら、今も新しいモデルの開発に余念がありません。
ワンランク上のアンコン仕立てを手にされたい方は、選んで頂きたいブランドです。
5.まとめ
アンコンジャケットは、日本の気候にもビジネススタイルにも合っています。
特に昨今増えている「ビジネスカジュアル」では、もっとも失敗しないファッションスタイルと言えるでしょう。
今度の春にはアンコンジャケットを1着仕立ててみてはいかがでしょうか。
軽快なジャケットで気分も軽く、新しいことへチャレンジしやすくなるはずです。