秋に入るとブーツでキリッとした印象をアピールしたのは女性だけではありません。
夏にKEENやクロックスで過ごした男性。
デッキシューズで過ごした男性。
いつも通りのスニーカーで過ごした男性。
せっかくの秋冬ですから女性のアピールを見習って、足元をキリッと、そして男性ならではのワイルドさをブーツでアピールしたいところです。
しかし、ここで気をつけて欲しいことがあります。
それは、女性のブーツが「上品」や「かわいい」を目指しているということ。
「上品」や「かわいい」に合う、男性のブーツは「ワイルド」だけではいけません。
となりの女性とのバランスが、残念なことになってしまいます。
こんな組み合わせの男女を見かけるたことはありませんか?
女性は上品な黒のショートブーツで足元キリッと。
でも、となりの男性は、先が尖って上を向いたブーツでダラッと。
このような、間違ったワイルドさをアピールしてはいけません。
男性に求められているのは、女性とバランスが良い、ダンディなワイルドさです。
そこで、今回はダンディなワイルドさをアピールするにはこれしかない、とも言えるブーツのブランド「レッドウィング」をご紹介します。
レッドウィングとは
1905年、アメリカのミネソタ州にある「レッドウィング」という小さな街で生まれた小さな工場が出発点です。
創業当時は、チャールズ・ベックマンと14人の仲間が、街の名前から「Red Wing Shoe Company」と名付けて靴の製造を始めました。
レッドウィングはアメリカ国内生産にこだわり、本格的な作りなのに価格設定が控えめなことも指示され、瞬く間に世界のワークブーツを代表とするブランドに成長することに成功。
特に、レッドウィングを代表するブーツとなった「アイリッシュセッター」と呼ばれる伝統的モデルは、今日でも色あせることなく世界中のブーツファンから指示されています。
このアイリッシュセッターは1952年に開発され「オロラセット」という、なめし革を使ったモックトゥタイプのブーツ。
ソールにはトラクションレッドソールと呼ばれる足にやさしいソールが使用されました。
また赤茶色が特徴的なアイリッシュセッターの革は、年月が経つほどに「アイリッシュセッター」という犬種の毛色に近づいていくため、こう呼ばれるようになったとも言われています。
レッドウィングのこだわり
こだわり「ソール」
レッドウィングのこだわりと言えばソールです。
トラクションレッドソールと呼ばれる、別名クレープソールともホワイトソールとも呼ばれ親しまれているソールにこだわりを見ることができます。
このソールは1952年に開発されたアイリッシュセッターのために採用されたソール。
軽量で足音が立ちにくい特性から、狩猟向けのブーツにぴったりでした。
このこだわりのソールは、今もレッドウィングのブーツのこだわりとして、グッドイヤーウェルト製法で縫いつけられています。
こだわり「革」
そして、もうひとつのこだわりは、年月を経ることで味わい深く色が変わっていく革です。
レッドウィングの革は、たとえ日本で販売されているブーツであっても、ミズーリ州の牧場で育てられたアメリカ産の牛革が使われています。
アメリカ国内生産のレッドウィングは、ブーツの元となる原皮をアメリカ国内で調達することで、良質な革を新鮮な状態で使うことにこだわりを持っています。
また、良質な革を調達した後、革を鞣すタンナリーを自社傘下に持つ珍しいブーツブランド。
革の調達からブーツの開発まで、自社で一貫した製造をすることで、他とは違う、ダンディでワイルドなブーツが生産され続けているのです。
こだわり「履き心地」
そしてレッドウィングのこだわりであり、魅力として有名なのが「履き込むほどに自分の足に馴染む」ということ。
インソールとアウトソールの間に敷き詰められたコルクが、歩くときに掛かる圧力を分散しながら、あなたの足の形と同じ形状に整っていく。
レッドウィングが世界で認められるブランドとなった理由の一つとも言えるこだわりが履き心地なのです。
ブーツが生まれた理由
では、レッドウィングを代表するブーツはなぜ生まれたのでしょうか?
最初からファッションを目的として作られていたものではありません。
もともとブーツは
・種類
・用途
・デザイン
・用途
・デザイン
が、多種多様にある履物です。
また、
・丈の長さ
・ヒールの種類
・素材
・ヒールの種類
・素材
にも、違いがあります。
形状だけを見ると、ブーツと呼ばれるものと長靴と呼ばれるものは、ほぼ同じですが、現在では
・ブーツは仕事やファッションで使うもの
・長靴は雨具
・長靴は雨具
という認識が一般的になっています。
もともとブーツは履く人の環境から足を守ることから生まれたものが多く、強靱さが必要な場合には革やゴムを使って、水や泥、砂などがブーツの内側に入り込まないような作りになっています。
また、森林の伐採、工事、港湾などの用途に特化した労働用ブーツとして用いられることが多かった歴史もあります。
このような理由で生まれた結果、時が進むことでファッションに取り入れられたり、スポーツ用に設計された専用の靴としても発展していきました。
特に女性向きのブーツは、ファッション性が重要視され、労働用やスポーツ用のブーツをコンセプトにした上で、ファッション性を上げたブーツを展開することが多いです。
ブーツには色々ある
このように、もともとは労働用に作られたブーツですが、現在では様々なバリエーションに展開してします。
せっかくですから、あなたに少しだけブーツマニアになっていただきたいのでご紹介します。
ウェッジソールブーツ
名前だけ聞くと、土踏まずの部分がえぐれて、一段低くなっているように思いますが実は逆なんです。
土踏まずの部分が一段低くなっているのではなく、踵の部分を高くしたタイプの靴底ブーツです。
ウェリントン・ブーツ
長靴の原型と呼ばれているブーツです。
膝下の長さ。
ラウンドトゥ。
低い踵。
ラウンドトゥ。
低い踵。
もともとは革のロングブーツでしたら、現在では「ウェリントン」と呼ばれるのは雨具である「ゴム製の長靴」であることがほとんど。
数年前から見かける、女性向きのデザイン性が高い雨用の長靴が、まさに「ウェリントン」ですね。
サイドゴアブーツ
ブーツの両サイドを伸縮性のある「ゴア」にしたブーツです。
くるぶし丈で脱ぎやすくて履きやすいのが特徴です。
女性向きのショートブーツや、男性向けのブーツでも見かけますね。
ジャックブーツ
ブーツに紐やベルトがない、シンプルな長靴がジャックブーツです。
映画で、ドイツやロシアの軍装備として見たことがある人もいるかも。
ストレッチブーツ
ブーツの筒の部分に伸縮性を持たせたブーツです。
ふくらはぎにピッタリフィットするブーツですから、パレードなどで目にすることが多いです。
ダックブーツ
ブーツの下半分が防水仕様。
上半分が革製。
水場に近い野外で使うため、防水性と通気性を高めたブーツです。
「ダック」と呼ばれる理由は、カモの保温性と撥水性が高い羽に例えられたからと言われています。
チャッカブーツ
ショートブーツの一つです。
チャッカブーツは見た目、デザートブーツやジョージブーツと似ていますが、チャッカブーツと呼ばれるには決まりがあります。
その決まりとは、
・鳩目が2~3組
・パーツが細かく分かれずに一体型に近いデザインとなっている
・パーツが細かく分かれずに一体型に近いデザインとなっている
この2つの条件を満たしたときにだけ「チャッカブーツ」と呼ばれます。
ジョージブーツ
チャッカブーツと似ていますが、チャッカブーツよりも丈が長く、鳩目の位置が高くなっています。
このブーツはフォーマルシューズとして分類されますので、レストランやホテルでのパーティーで活躍するブーツです。
デザートブーツ
チャッカブーツよりもカジュアルなデザインと素材が特徴です。
ショートブーツとロングブーツの中間の丈のものがデザートブーツと呼ばれています。
ペコスブーツ
指掛け用のループが履き口の両サイドに付けられたロング丈のワークブーツ。
もともとは、レッドウィングの商品名「ペコス」が由来で、同じような形状のブーツをペコスブーツと呼ぶようになっています。
レッドウィングの代表作
では、ここからはレッドウィングの代表作とも言えるブーツをご紹介します。
様々な仕事で必要とされた機能を網羅し、提供してきたレッドウィングのブーツ。
そんなブーツたちが、現在はファッションのコンセプトとなり昇華されたものが、ここで紹介するレッドウィングのブーツたちです。
あなたにぴったりなブーツはどれでしょうか?
少しフォーマルなベックマン?
それとも細身のシルエットなラインマン?
迷ってみてくださいね。
ベックマン
レッドウィングの創業者である「チャールズ・ベックマン」の名前をもらった、ドレッシーなブーツです。
フェザーストーンレザーと呼ばれる、まるで羽根(フェザー)ようなしなやかさと光沢、石(ストーン)のような強靱さから、この呼び名が付けられた非常に希少なレザーを使用しています。
クラシックワーク
レッドウィングの定番ワークブーツです。
モックトゥのバリエーションは狩猟用。
プレーントゥのバリエーションは農作業用。
もともとは、こんな分け方で作られたブーツです。
ラインマン
高所作業の電線工(ラインマン)のために、作られていたブーツをコンセプトにしています。
ラインマンは足元のフィット感を大事にしていましたので、このブーツはシルエットがタイトでスッキリしたデザインとなっています。
アイアンレンジ
鉱山労働者が使っていたブーツをコンセプトにしたブーツです。
足元に耐久性が必要な環境ですから、つま先は二重構造となっています。
ペコス
長靴タイプのワークブーツがペコスです。
牧場、農場、製油所などで使われていたものが原型。
ちなみに「ペコス」は、町の名前から名付けられたそうです。
エンジニア
鉄道関係者、機関士向けに作られたブーツが原型です。
長靴タイプのワークブーツでバックルを使って固定するのが特徴。
つま先の保護を目的に、スティールトゥとなっています。
ロガー
ロガーとはチェーンソーを使って木を倒す人たちを言います。
ビブラム#100と呼ばれるソール、つま先を保護するスティールトゥが特徴的です。
ランバージャック
ランバージャックとは「木こり」を意味します。
クラシックワークのモックトゥにウール生地を縫いつけたブーツです。
ワバシャ
オックスフォードタイプの都会的なカジュアルブーツ。
街の名前から「ワバシャ」と名付けられています。
レッドウィングのお手入れ法
レッドウィングのブーツは、一生履けるブーツです。
でも、ちゃんとお手入れするからこそ、経年変化も楽しめるというもの。
そこで、最後にレッドウィングのお手入れ方法を紹介します。
レッドウィングを手にしたら、必ずやってあげてくださいね。
汚れと経年変化による「味」は違いますから。
まずは汚れ落としを用意しよう
靴用のクリーム(シュークリーム)とステインリムーバーを用意します。
クリームは靴の色に合わせて用意しておいてくださいね。
そして、柔らかい布を1枚用意しましょう。
靴ひもを外すのは基本です
(1)靴ひもを全部外してください。
(2)ステインリムーバーを良く振って、柔らかい布につけます。
(3)靴を布で拭いていきます。
前回塗ったクリームや汚れが落ちていきます。
ひたすらクリーム
(1)汚れが落ちたらクリームを用意します。
(2)クリームを靴へ塗り込んでいきます。
使い古しの布などで塗っていきましょう。
(3)クリームは少量を伸ばすように塗り込んでいきます。
たくさんクリームをつけても、ホコリが付着するだけなので、少量のクリームを塗り込んでください。
(4)靴全体にクリーム塗っていきます。
靴ひもの下になっている「ベロ」の部分も丁寧に汚れを落としてから、クリームを塗ってくださいね。
一晩寝かせる
(1)革にクリームが浸透するのに時間が掛かりますから、靴ひもは通さずにそのままホコリが掛からないところで、一晩寝かせてあげてください。
(2)翌日、靴全体を布でサッと軽く拭いて、表面に残っている余分なクリームを取り除きます。
(3)靴ひもを通して完成です。
普段にやった方が良いこと
(1)乾燥に注意
革は乾燥すると、ひび割れが起こります。
一度、ひび割れが起こるとメンテナンス程度で修復することができません。
雨には強いですが、乾燥には弱いので気をつけておきたいですね。
(2)靴ひもに注意
何年も履いている人の靴ひもを見ると、ヨレヨレだったり汚れていることがあります。
靴ひもも経年変化を楽しんでいる、と本人は思っているかもしれませんが、靴ひもがキレイでないと、味が汚れになってしまいます。
こまめに靴ひもを交換するだけで、汚れたままのブーツではなく、味のあるブーツに変身できます。
(3)ソールも注意
レッドウィングの多くのソールはアスファルトの上を歩くようにはなっていません。
牧草地や芝の上を歩くように作られていますから、アスファルトの上を歩くと簡単にすり減ってしまいます。
また、歩く癖から、ソールの片側だけがすり減ることで、体のバランスを崩したまま歩き続けることにも。
ソールが減りすぎると、靴本体にもダメージが来ますので、ソールはすり減ってきたら早めに交換しておきましょう。
体にも靴にも、ソールの交換はベストです。
まとめ
このようにレッドウィングは伝統とこだわりを今も守り続け、ダンディなワイルドさを、私たちに提供してくれるブランドです。
レッドウィングがブーツというジャンルに影響を与え続けていることの証明は、レッドウィングのブーツをコピーしたアイテムが毎年大量に売られていることからも明らかです。
売れるからコピーを作る。
しかし、コピーを履いてもダンディなワイルドさをアピールすることはできません。
良くは似ていますが、コピーには「こだわり」がありません。
間違ってコピーを履いてしまうと結局、始めにお話した「女子とアンバランス」になった「ワイルド」だけを強調した、別の言い方をすれば「下品」なだけの男性になってしまします。
歴史とこだわり、そして世界中で今もファンが増え続けているレッドウィングのブーツを足元に置くだけで、あなたにもダンディなワイルドさが伝わってくるはず。
ぜひ、同じような形だからいいや、と思わずに本物のレッドウィングを手に入れて、残念な男性にはならないようにしてください。
秋から冬に残念な男性は、次々訪れるイベントで悲しい結果になりますから。
ダンディなワイルドさなら、上品な可愛さにぴったりですよ。