足元。
それはあなたの心の鏡。
御存知の通りスーツは欧州文化です。
日本ではスーツにお金をかけ、靴は後回しにする方が多いですが、スーツ文化発祥の欧州では先に靴にお金をかけて整えるが基本です。
お金をかける割合としては、靴へ8割、スーツへ2割が基本的な考え方です。
なかなかお金も時間もかける方が少ない靴にこそ愛情を注ぎ、“デキル30代”へ踏み出しましょう。
今回はそんなあなたへ向ける至高のブランド4つの歴史・特徴をご紹介いたします。
キング・オブ・シューズ 『ジョンロブ』
1829年にイギリスのコーンウォールに生まれ、ビスポーク靴職人となったジョン・ロブ。
彼はゴールドラッシュに沸くオーストラリアに移住し、そこで靴職人として成功をおさめました。
ここから世界的靴ブランド、ジョン・ロブの歴史が始まります。
彼は1863年に帰国し、英国皇太子の公認靴職人として英国王室御用達を賜わり、3年後の1866年にはロンドンのリージェント通りにブティックを開きます。
1902年、フランスのパリにもブティックを構え、WILLIAM(ウィリアム)やLOPEZ(ロペス)という現在も受け継がれるモデルを生み出し、世界最高峰との名声を得ました。
そして1976年、パリのジョン・ロブは世界的皮革ブランドであるエルメスにみそめられます。
ジョン・ロブの製靴技術を高く評価したエルメスは、「ジョン・ロブ パリ」として世界各国にジョン・ロブの既成靴を拡げ、ロンドンのアトリエは「ジョン・ロブ ロンドン」として、ビスポーク(オーダーメイド)専門店として現在も独自に活動を続けています。
このようにして「ジョン・ロブ ロンドン」と「ジョン・ロブ パリ」が存在するわけですが、一般に日本で「ジョン・ロブ」と呼ぶとき、それは「ジョン・ロブ パリ」の既成靴を指すことがほとんどです。
現在では、靴だけでなく財布やベルトなどの作品も生み出し、2006年には、映画「007カジノロワイヤル」でジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグがジョン・ロブの靴を履いていたことでも話題となりました。
このようなジョン・ロブは、世界的皮革ブランドであるエルメスが評価するだけあり、靴作りに使用するレザーは世界最高レベルのクオリティを誇り、洗練されたエレガントな作品のあまりの美しさに多くの方が声を失ってしまいます。
あらゆるシーンでエレガントに魅せる『サントーニ』
サントーニはイタリア マルケ州にて、アンドレア・サントーニが1975年に創業しました。
40年という歴史は他ブランドに比べ短めではありますが、世界的人気を誇るイタリアブランドです。
創業者のアンドレア・サントーニは、靴の名産地であるマルケ州で、実力ある職人を集め、高級靴ブランドとしてサントーニを創業しました。
創業時から「ファット・ア・マーノ(手仕事)」を理念として掲げ、伝統の職人技をまもりながらも、ブレイク(マッケイ)、、グッドイヤー、ボロネーゼ、ハンドソーンなどなどあらゆる製法を導入していきました。
同時に、ハンドペインティング技法(パティーヌ)や個性的なデザインにも磨きをかけ、他ブランドを圧倒する幅広いデザイン性を確立し、短期間でイタリア靴のトップブランドにまで上り詰めました。
2000年頃には、日本だけでなくグローバル規模で高級レザースニーカー・ブームが到来しましたが、サントーニの「メンフィス」がブームの火付け役としても知られています。
現在は本国イタリアとアジア諸国を中心に世界中に直営店を構え、今もなお新たなプロジェクトを次々と始動させ、ファンに驚きを与え続けています。
例えば、メルセデスAMGや時計ブランドIWCといった異業種とのコラボや、他の高級靴ブランドがロングセラーの定番を中核に据えてブランドを展開する中、サントーニは同一モデルの継続生産をほとんど行わず、次々と新作を発表して商品ラインナップを刷新し続けています。
このように既存商品にとらわれない新作展開も、驚異的な製法バリエーションがあって初めて成せる業です。「伝統と革新」これをキーワードに、常に変化し続けることこそ、サントーニの魅力の一つです。
革の宝石『オールデン』
オールデンは1884年にマサチューセッツ州ミドルバラにてチャールズ H. オールデン氏によって創業されたブランドです。
1931年にオールデン氏が引退し、パートナーであったターロウ・ファミリーによってオールデン社は引き継がれ、マサチューセッツ州ブロックトンへと移り、1970年までブロックトンでの生産が続きました。
1970年以降は機械化された近代的な工場がミドルバラに建設され現在に至ります。
その間、ターロウ・ファミリーは4世代続く靴職人の一族として、オールデンを家族経営で守っています。
オールデンの靴の魅力は何と言っても、「コードバン」という上質の革とそのフィット感です。
「コードバン」は馬の臀部の革をなめしたもので、一頭からごくわずかしか取ることができない、大変貴重な革です。
コードバンの濡れたようなツヤは美しく、使い込むほどに輝きを増します。
そして、ツヤとともに皺が醸し出す独特の雰囲気は、「革の宝石」「幻の革」と呼ばれ、多くの人々に愛され続けています。
あなたの人生を磨く『ベルルッティ』
ベルルッティは1895年にスーリエ・ベルルッティが創業したブランドです。
ベルルッティのみが使用を許された最高級革「ヴェネツィアレザー」に色を塗り重ねる技法「パティーヌ」による深みある色彩や艶で人気を博しました。
また、古文書を元に考案された「カリグラフィ」も有名です。
「ヴェネツィア・レザー」その特徴は、革の耐久性が高く、さらっとした手触りで柔らかく、「パティーヌ」との相性が抜群であることです。
また、経年変化を楽しむことができます。
「ヴェネツィア・レザー」は一般の革に比べメンテナンスが欠かせず、長く美しさを保つには手間がかかるため、革にこだわる上級者向きの革と言えますが、それも楽しみの一つです。
「パティーヌ」は何度も色を重ね塗りする技法で独特の色ムラとヴィンテージ感を演出し、芸術作品のような雰囲気を醸し出してくます。
パティーヌには固体差があるため、一つ一つの作品はそれぞれ異なった表情を覗かせてくれます。
また、ベルルッティの製品の一部には、「カリグラフィ」と呼ばれる文字が刻まれます。
「カリグラフィ」はレザーに焼いて刻まれ、一つ一つの作品ごとに文字の場所やロゴの配置が異なります。
これら「パティーヌ」や「カリグラフィ」の特性のため、「世界に同じものはひとつとしてない」というオリジナル性がベルルッティの特徴です。
4代目アート・デザイナー、オルガ・ベルルッティも「靴を磨きなさい。そして、人生を磨きなさい」という言葉とともに革靴愛好家に愛されています。
まとめ
さあ、いかがでしたでしょうか?
気になるブランドはありましたか?
今回は世界的ブランドの中でも特に4社を厳選して歴史・特徴をご紹介いたしました。
ジョン・ロブ、サントーニ、オールデン、ベルルッティ、、、どのブランドも世界トップのブランドです。
まわりが時間もお金もかけない靴にこそ愛情を注ぎ、“デキル30代”へ向けて3歩抜きん出ましょう。