どうも取引先の人達から軽く見られているんじゃないか、とお悩みのあなたへ。
大物感の出る着こなしのコツやVIPにも人気のブランドの紹介、オーダーで作る時のポイントなどをまとめました。
貫禄のあるジャケットを選んで、落ち着きと貫禄のある自分を演出してみませんか。
大物感の出るジャケット選びのポイント
ビジネスの服選びでは、自分が前に出ることが大事な時と、控えめにすることが大事な時があります。「ハレ」(非日常)と「ケ」(日常)の使い分けという話です。日本人はとかく遠慮を美徳だと思っていますが、それは時と場合によります。なめられないために遠慮なく目立つという発想も大切になります。
なめられないためには、無難に地味にまとめるよりも「こいつは何か違う」と思わせることのほうが重用です。ネイビーだけにこだわらず、グレーやブラウンなどを堂々と着こなせるとよいでしょう。
もちろん、例えば相手に教えを乞うといった状況なら地味な服装のほうが適切でしょう。ただ、押しが強い相手と対等な関係性を作っていくためには、こちらも強さのある堂々とした印象を作ることが大切になります。
サイズ感が重要
堂々とした印象を作るには、サイズ感のあうものを着ることが大事です。
ジャケットをキツキツで少し無理目に着るのが好きな人もいれば、少しゆったりで着るのが好きな人もいるでしょう。どちちらにしても、サイズ感があっている範囲なら大丈夫ですが、キツすぎたりゆるすぎたりするとチグハグな感じが出てしまいます。
自分でファッションのことまで勉強する時間がとれない人は、自分がカッコいいと感じる店員さんがいるお店で選んでもらうと間違いが少なくなるでしょう。
友達にファッション関係に詳しい人がいれば、服選びに付き合ってもらうのもいいアイディアです。
どんなスタイルで着るにしても、サイズ感が一番大事です。自分の感覚に自信がなければ、信頼できそうな店員さんを選んで客観的に確認してもらいましょう。
素材感の組み合わせにもコツがある
ジャケットとシャツの素材の組み合わせにもコツがあります。
たとえば、シルクのような光沢感のあるシャッツとあわせるのは、光沢感のあるジャケットが適切です。デニム的なラフなテイストのシャッツとあわせるのは、ラフなテイストのジャケットを、という風にジャケットとシャツの素材感はあわせると、スッキリして見えます。
ジャケットとシャツのテイストは統一する。シャッツのテイストがドレッシーな場合はフォーマルよりのジャケットと、リゾート感のあるシャツの場合はそういうジャケットと合わせる、というのが基本になります。
この辺まで考えるとなるとハードルが高いという場合は、シャツとジャケットは同じブランドのものを店員さんと一緒に買うようにしてください。同じブランドの中で組み合わせていけば、シャツとジャケットのテイストが極端に離れることはありません。
ジャケットを脱ぐ可能性が少しでもある場合は、シャツイチでもさまになるシャツを着ることも大事です。こちらもサイズ感があうものを着ることを忘れずに。
初心者は、シャツとジャケットでテイストが離れすぎないようにすると覚えておくとよいでしょう。色を変えるなら素材の感じはそろえる、素材を変えるなら色の感じはそろえる、ということです。
既製品かオーダーメイドか
少し気合いをいれて買いに行く時に、既製品にするか、オーダーにするかというのは悩みどころだと思います。既製服だから安いというわけでもないですし、オーダーだから高いというわけでもないからです。
オーダーのお店のデザイン力が既製品のメーカーのデザイン力よりも圧倒的に高いのかというと、そういうことはありません。オーダーの場合、完全にその人の体型にあわせて型紙をおこすと、そこがウィークポイントになってダサくなってしまう場合もあります。
既製品を選ぶポイント
今回は貫禄のある堂々とした雰囲気を出すことが目的なので、まずそこを第一に考えて選んでいきましょう。
サイズ・シルエット・色、そして素材感を重視してみてください。同じ型紙のスーツでも、生地の品質次第で貧相に見えたり貫禄が出たりします。ゼニアやロロ・ピアーナのような良質な生地で作られた服は、体育会系な人は豪快な雰囲気に、文科系で細身の人は品格ある雰囲気に見せてしまう魅力を持っています。
あとは貫禄のある堂々な雰囲気に加えて、イタリアのちょい悪おやじ的な「遊び心」を付け加えるか、007のジェームズ・ボインドのような「スマートさ」を付け加えるかといったイメージで考えて選んでいくといいと思います。
おすすめブランド
貫禄とVIPのような余裕なら、ゼニア
柔らかめの上質な生地を得意とする、世界中のエグゼクティブに愛されるイタリアの生地メーカーです。ゼニアの生地のジャケットを着ておけば、「雰囲気で負けることはない」でしょう。
もしかしたらオーダースーツのイメージが強い人もいるかもしれませんが、既製品のジャケットも販売されています。
世界のVIPに愛されるブランドになります。
ヨーロッパの貴族のような品格なら、ロロ・ピアーナ
ゼニアと双璧をなすイタリアの生地メーカーです。こちらもまず外れません。イケイケな感じは好きではないけど、「ただものではない」オーラは出したい人にお勧めします。
最高クラスの生地ですので、直営店でイタリアの縫製で作られたものとなるとそれなりのお値段になってきます。価格を抑えたい場合は、ビームス やシップスのような国内のセレクトショップでロロ・ピアーナの生地を使って作られているものを探すのもよいと思います。
活動的だけど格のある雰囲気なら、カノニコ
こちらもイタリアの老舗生地です。既製品だとユナイテッドアロウズなどのセレクトショップ をあたってみるとよいでしょう。
分かりやすく「いい感じの高級感」がある割には、そこまで高額ではないのでコスパ重視の人にもお勧めです。
なお、カノニコ・ゼニア・ロロ・ピアーナにいえることですが、オーダーでも既製品でも、極端な値段の差はありません。場合によってはオーダーのほうが既製品よりも安いです。
この辺りが気になる人は、オーダーのスーツやジャケットのお店ものぞいてみることをお勧めします。「ジャケット ロロ・ピアーナ オーダー」などで検索するとお店を探せます。
仕事以上に女性にモテることにもこだわりたいなら、アルマーニ
色男のイメージもどこかに漂わせたい、男が頑張れるのは女にモテるためだ、といった発想に共感できる人はアルマーニがよいと思います。格がある中に艶っぽさを醸し出すことができるブランドです。
また、上質なイタリア製品は着心地の良さと実際に着て動いた時の美しさという点で、日本製に比べると一日の長があるようです。
スーツやジャケットはもともと欧米で生まれた服ですので、どうしても普通の日本人には超えられないセンスの壁のようなものが存在するのかもしれません。
インポート=高いというイメージがある人もいるかもしれませんが、まずは実際に羽織って確かめてみてください。試着だけなら無料でできますので、いわゆる高級ブランドに興味がない人も、とりあかずいくつか羽織ってみることをお勧めします。
強さと優雅さで圧倒するなら、サンローラン
優雅さと強さとを同じくらい強調したい人におすすめします。フランスの製品にはイタリア製ともイギリス製とも少し違う独特の魅力があります。
木村拓哉さんも着ていたことがある人気ブランドのようです。TVで木村拓哉さんが「今日はサンローランです」といったコメントをしたら、サンローランのサイトにアクセスが殺到しすぎて大変なことになったらしいという裏話も。
なお、2013年にデザイナーがエディ・スリマンに交代してからサン・ローラン・パリと改称されましたが、もとのイブ・サンローランです。会社としては同じ会社です。
若くしてディオールのデザイナーとして活躍し、その後独立したイブ・サンローランの魂を引き継ぐブランドになります。
オーダーメイドのポイント
オーダーの場合は、生地から選べますので、ロロ・ピアーナの生地でもゼニアの生地でも選び放題です。仕立てをどこに任せるかも選ぶことができます。
こだわりがあるなら、ナポリの職人に依頼することもできてしまいます。職人が来日して受注会を開くこともあるので、そういう情報を調べて出向くこともできます。それなりのお値段にはなりますが、世界最高クラスのものが手に入るでしょう。
と、選び放題だからこそ、既製品の場合よりもさらにしっかりと「こんなシチュエーションで着る、こんな服がほしい」というイメージを事前に決めておくことが重要です。
また、その気になれば車が買える予算をかけられてしまうのがオーダーメイドなので、上限予算を事前に決めておくのもコツだと思います。
オーダーメイドのお店を選ぶコツ
オーダーの場合、頼む側も知識やセンスを必要とされることが多いです。仕立屋はあくまでも仕立ての専門家であって、あなたに必要なことの全てを把握しているわけではありません。
お店の人に指示をするにも、ある程度の知識は持っていないと「なんか違う」という感覚がある時に、自分の違和感を「適切な言葉」に変えて伝えることができません。
ただ、「お任せできてしまうお店」の場合は服に詳しい親友と一緒に服を選ぶような安心感でオーダーメイド体験をスタートすることができます。オーダー初心者の人や、ファッションそのものにはあまり興味を持てないという人は、お店の人に「おまかせ」が可能そうなところを選ぶと楽ができていいと思います。
オーダーで服を作る人は、服そのものがとても好きな人と、単に必要だからオーダーで作るという人といると思います。後者の場合は、センス・実力・人格ともに信頼できる人を見つけて基本はお任せにしてしまうのが賢い方法です。
まずはリサーチから始めよう
最初に一着数十万円のスーツがのっているようなファッション雑誌をめくってみることからやってみるといいでしょう。色んなスーツやジャケットを見ていくと、目が慣れていきます。こんなスタイルがカッコいいなというイメージが見つかるかもしれません。
いかにもエグゼクティブな印象を与える男性モデルが登場するようなファッション雑誌を選ぶとよいでしょう。LEON・Men’sEx・THE RAKEなどがお勧めです。センスを磨くという視点なら、VOUGEなどの女性誌も参考になります。
実際に見に行く時間がとれるなら、アルマーニやゼニアなどの高級ブランドの既製服のお店から回ってみるといいです。まずたくさん見ること、それも高級なところから見ていくと、段々と服を見る目が鍛えられていきます。頭の中にインプットされているジャケットの種類が少ないと、「こんなのがほしい」というイメージがでてきにくくなります。有名ブランドの場合、低価格帯のラインと高価格帯のラインがあることも多いので、一番高いラインを見るとよいでしょう。
イメージができてきたら、オーダーのお店も下見で何店か回ってみるといいと思います。一回で決めないで、いくつかのお店を回って、一度休憩してから最初に作ってみるお店を決めてください。
見せたいイメージを再確認
オーダーの場合、既製品の場合以上に大切なのは、自分の着る状況や見せたいイメージを確認することです。
例えば、芸能人で自分の理想のイメージに近い人を探してみましょう。
ロバート・デ・ニーロ風がいいとか、ジロラーモ風がいいとか、トム・クルーズ風がいいとか、ジョニー・デップ風がいいとか、渡辺謙風がいいとか、北野武風がいいとか、五郎丸選手風がいいとか、いろいろと想像を膨らませることも大事です。
必ずしも、「顔が似ている人」を選ぶ必要はありません。「こんな目的のために、こういう雰囲気に見せたい」ということを赤の他人に説明できるようにすることが大事です。
あとは「こんなシチュエーションで着るジャケット」という点を再確認しましょう。
上限予算も決めておきましょう
実際に発注する前に、予算の上限を決めておくことも大切です。オーダーメイドの話題になると「予算8万円のつもりが30万円の買い物になってしまった」といった話はよく聞かれるようです。
世の中には上には上がありますし、実際に生地を眺めているとより高い生地が魅力的に見えてきてしまうことは少なくありません。イタリアの人気テーラー、リベラーノ&リベラーノのアントニオ・リベラーノ氏が来日しての受注会などになると、スーツで80万円からといった設定になるようなこともあるようです。
ただ、いくら熟練の職人によるフルオーダーといえども、1回で完璧なものができるとは限りません。最初はまあまあのものしかできてこない可能性もあります。
友達の紹介というので信頼してお任せにしてみたら、デザイン的に全く好みに合わないものが仕上がってくるという可能性もあります。
オーダーする側の発注するスキルも、何度かオーダーを繰り返す中で段々と上がっていきます。
初めて作る場合は、失敗をしてもあまり後悔がない範囲の控えめな金額で予算を組み、2回目、3回目と回を重ねるごとにステップアップしていくのかいいと思います。
ボディーメイキングも必要かも
ファッション誌のモデルの写真、お店やまとめサイトの写真を見て「ダサい!」と感じたことはありませんか。これは、着こなしがダサい以前に、体格や姿勢がダサい可能性があります。
ジャケットの場合、肩や胸などががっしりとしている体系、逆三角形の体格はカッコよくなりやすいです。もともと欧米で生まれた服なので、日本人に比べると大柄な白人男性に似合うように作られています。
なめられないという意味でも、少しゴツく見える体格を目指してボディ-メイキングをはじめてしまうというのもいいかもしれません。
近くのジムに通って、ベンチプレス・ラットプルダウン・スクワットといった主要な種目だけでも、軽い重量から試してみるという選択肢もあります。初心者はインストラクターをつけてマシンでトレーニングをするほうが、家で1人でやるよりもいい感じの負荷でできることでしょう。
もちろん体形や姿勢を仕立てで補正する方法は色々とありますので、筋トレはやってもやらなくても大丈夫です。例えば、なで肩でほっそりしているのを強そうに見せたければ肩パッドを入れるといった補正テクニックは色々と存在します。
ただ、もしかしたら身体づくりからスタートすると、洋服を変えるよりも大きく印象が変わる人もいるかもしれないので念のためで書いています。
まとめ
今回は、大物感の出るジャケット選びのポイントということで、まず「目立ってよし!」という話から入り、具体的な選び方のコツとして「サイズ感が重要」ということに触れました。
また、「素材感の組み合わせ」で、シャツとジャケットのテイストを合わせることの大切さにも触れています。
既製品かオーダーメイドか、という点では、それぞれのメリットデメリットを比較してきました。
オーダーだから高いわけでもなく、既製品だから安いわけではない。オーダーなら無条件に全てが最高のクオリティーになるわけではないということです。
既製品で選ぶポイントとしては、「使う目的をはっきりさせる」こと。お勧めブランドとして、貫禄のゼニア、気品のロロ・ピアーナ、艶やかなアルマーニなどを紹介しています。
オーダーメイドのポイントとしては、いくらでも予算をかけられるので、逆に上限予算を決めること。
また、リサーチの重要性から始まって、ボディーメイキング、姿勢や筋肉などの影響についても考察してきました。
この記事が、自分だけの最強のジャケットを手に入れたい男性諸氏のお役にたてば嬉しく思います。