メンズの革財布といえば、ブライドルレザーなどの牛革、コードバンなどの馬革がよく知られていますが、他にも、ワニ革、ヘビ革、サメ革、エイ革、豚革、羊革、山羊革、ダチョウ革など、意外と色々な革が使われています。
この記事では、そんな革の中から、ワニ革でも最高級のクロコダイルレザー、希少価値の高いダチョウ革のオーストリッチ、手触りの良い山羊革のゴートスキンの3つをご紹介します。
人とはちょっと違った革財布に興味がある、あなたにぴったりな一品が見つかるかもしれませんよ!
クロコダイルレザー
クロコダイルレザーは、ワニの皮を使用した革素材です。
ワニはクロコダイル科、アリゲーター科、カビアル科の3種類に分かれていて、ワニ革で一般的な「カイマン」や「アリゲーター」はアリゲーター科になります。
クロコダイルは、ワニ革を採るために乱獲されてきたため、野性のものは絶滅の危機に陥り、ワシントン条約で保護動物対象とされていて、入手困難な状況です。
そのため、現在使われているクロコダイルレザーのほとんどは、養殖ものになっています。
クロコダイルレザーに使用されるクロコダイル科のワニは、スモールクロコダイル(イリエワニ)、ラージクロコダイル(ニューギニアワニ)、ナイルクロコダイル、シャムワニの4種類です。
スモールクロコダイル(イリエワニ)の革は、ワニ革の中でも最高級に位置します。
腹部の頸から肛門にかけて、鱗の横列の数が約31から35個あり、横腹の部分は、丸い形の鱗になっています。
腹部の長方形の形をした鱗が、綺麗に揃っているのが特徴です。
ラージクロコダイル(ニューギニアワニ)の革は、日本で古くから使われています。
腹部の頸から肛門にかけて、鱗の横列の数が約24から32個あります。
スモールクロコダイルより大きく、正方形に近い形の鱗が特徴です。
ナイルクロコダイルの革も、スモールクロコダイル、ラージクロコダイルと同じく高級品に使われています。
長方形の形をした鱗が、腹部全体に細かく整然と並んでいて、横腹の部分は、丸みのある長方形で、幅が他の種類より狭いのが特徴です。
シャムワニの革は、人気のあるワニ革の一つです。
腹部の頸から肛門にかけて、鱗の横列の数が約30から34個あります。
長方形の形の鱗は、イリエワニと似ていますが、やや大きめで、横腹の部分は、丸みのある形になっています。
ほとんどがタイから輸出されています。
クロコダイルレザー全般に言えることは、非常に軽くて丈夫な素材、ワニ革特有の光沢感、一つ一つ異なる鱗の模様などになります。
また、クロコダイルレザーは、背中側で割いて、腹部の鱗を使う場合の「バックカット」、腹部側で裂いて背中の鱗を使う場合の「ベリーカット」の2つに区別されます。
「バックカット」のほうが高価で、手触りがしなやか、耐久性が高い、軽い、使い込むほどに光沢が増していく、などの特徴があります。
クロコダイルレザーは、主にハンドバッグや財布などの革小物、ベルトといった製品に使われています。
FARO SPERIO CROCO
素材 クロコダイル
サイズ 幅185mm 高さ90mm
札入れ1 小銭入れ1 カード入れ6
日本製
オーストリッチ
オーストリッチとは、ダチョウの革で作られているものの総称です。
流通量が少ないため、傷の少ないオーストリッチは、高級牛革のカーフスキンより価値が高いとされています。
ダチョウ革の羽を引き抜いた跡の「クィルマーク」と呼ばれる突起が、見た目の特徴です。
この「クィルマーク」があるのは一部分であるため、希少価値が高いとされています。
また、「クィルマーク」が革の表面全体にまんべんなく入っているものを「フルポイント」、片側だけ入っていて、反対側には入っていない腹部などを使用しているものを「ハーフポイント」と言います。
「クラシックフィニッシュ」と呼ばれる、半マットタイプの顔料で、「クィルマーク」と革を同じ色に染めて仕上げる方法と、「サドルフィニッシュ」と呼ばれる、革の表面にブラッシングで艶を与えて、「クィルマーク」を強調して仕上げる方法があり、見た目も異なります。
オーストリッチは、軽いことが最大の特徴です。
耐久年数が牛革の5から10倍とされていて、きちんと手入れさえしていれば、一生使える「一生もの」と言われています。
オーストリッチは、使い込むごとに、表面に独特の艶が出てきて、高級感がより増してきます。
丈夫で柔軟性も高いことから、ハンドバッグや革小物、レザーウェアなどで、高級素材として使われています。
BOTTEGA VENETA チョコラート アンティーク オーストリッチ ウォレット
素材 オーストリッチ
サイズ 幅110mm 高さ95mm
札入れ2 ポケット2 カード入れ8
イタリア製
ゴートスキン
ゴートスキンは、大人の山羊の皮を使用した革素材です。
ゴートスキンは、繊維密度が高いため非常に強度があります。
その強度は牛革以上と言われていて、皮革を薄く加工することができるので、コンパクトな製品を作るのに適しています。
しなやかで柔らかい触り心地と、細かいシボ(革の表面の独特のシワ模様)と独特な毛穴の形が特徴です。
また、加工方法によっては、ガラスのような美しい光沢に仕上がり、上品な雰囲気が出ます。
弾力性があり、型崩れもしにくいため、バッグや財布の素材として適しています。
CARTIER COLLECTION LES MUST ラウンドファスナー長財布
素材 ゴートスキン
サイズ 幅190mm 高さ95mm
札入れ2 小銭入れ1 カード入れ10 ポケット3
フランス製
まとめ
以上、財布の革素材として、メジャーな牛革と馬革以外の3種類をご紹介しました。
高級革で、一目見てすぐにわかるほどの存在感があるクロコダイル、「クィルマーク」が特徴的なオーストリッチ、上品な雰囲気のゴートスキン、いずれも個性的な革ばかりです。
あなたも王道の革財布に物足りなさを感じたなら、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。