ロレックスやオメガ、ブライトニングにタグ・ホイヤー。
ジャガールクルト、そしてフランクミュラー。
その名だけでも、豪華絢爛(けんらん)たる高級腕時計ブランドの数々。
しかしどんな世界にも、上には上がいるもの。
これら高級腕時計ブランドを、はるか頭上から見下ろし、静かに微笑む雲上のブランドがあります。
それは「高級腕時計世界三大ブランド」と呼ばれる、「パテック・フィリップ」、「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「オーデマ・ピゲ」。
この三大ブランドに共通するのは、「三大複雑機構」といわれる「永久カレンダー」「トゥール・ビヨン」「ミニッツ・リピーター」を実現させる高い技術力を持つこと。
この機能を一つでも備えていると、価格は一気に跳ね上がり、1000万円を超える場合も。
二つ以上搭載されると、更にその価格は何倍にも跳ね上がります。
それもそのはず、例えばこの三大複雑機構の一つであるトゥール・ビヨンについては、その技術を持つものは世界中においても10~20人であると言われています。
単なる熟練職人の技を超えた、神に選ばれし者のみが持ちうる技術と言っても決して言い過ぎではないでしょう。
今回は、そんな超絶技巧を駆使した「高級腕時計・世界三大ブランド」の世界をご紹介。
神に選ばれし者の至高の奥義、その超絶技巧が生み出す芸術作品の世界をどうぞお楽しみください。
機械式腕時計・三大複雑機構
時間を示す「時、分、秒」表示機能以外の機能が加わった「複雑機構時計」。
複雑機構が可能なブランドは限られており、腕時計ブランドにとっては大きなステータスとなります。
その中でも、特に複雑な技術を要する三大複雑機構、「永久カレンダー」「トゥール・ビヨン」「ミニッツメーター」。
これら腕時計の価格の「桁」を変えてしまう程の超絶技巧について、以下に紹介していきます。
永久カレンダー
永久カレンダーとは、文字通り、永久的に正しい月日を表示する機能。
別名はパーペチュアルカレンダーと呼ばれ、現在販売されているモデルの多くは2100年まで対応します。
うるう年や31日に満たない月でも、調整を必要とせず、正しい月日、曜日を表示し続けることが可能。
通常の日付表示機能が付いた機械式時計では、31日に満たない月は、日付を調整する必要があります。
また年次カレンダーという機構を持つものは、31日に満たない月も自動的に調整しますが、2月のみ手動による調整が必要です。
永久カレンダー機能は、うるう年を計算するギミックや月日計算の仕組みが盛り込まれ、調節を必要としません。
小さな機械式腕時計に、これら複雑な機構を埋め込むためには、非常に高度な技術を要し、永久カレンダーという名にふさわしく、長い年月を経て完成された技術の粋である、と言えます。
小さな機械式腕時計に、これら複雑な機構を埋め込むためには、非常に高度な技術を要し、永久カレンダーという名にふさわしく、長い年月を経て完成された技術の粋である、と言えます。
トゥール・ビヨン
「時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」、「時計史の進歩を200年早めた男」と評される伝説的人物、アブラアン=ルイ・ブレゲ
そんなブレゲの代名詞のように語られる技術が「トゥール・ビヨン」です。
1801年の6月26日に、彼がトゥール・ビヨンの特許を取得したことが史実として残っています。
トゥール・ビヨンとは時計にかかる重力の影響を最小限に抑え、極限まで精度を高めた複雑機構。
トゥール・ビヨンとは時計にかかる重力の影響を最小限に抑え、極限まで精度を高めた複雑機構。
この「重力分散装置」とも言えるトゥール・ビヨンは当時、常識を覆すような画期的な機構で、この技術によって時計の精度は飛躍的に向上。
この時代に採用されたものは、懐中時計用でしたが、より小型な腕時計にトゥール・ビヨンが採用されたのは1980年代になってからです。
以降、高い技術をもつ時計師や、高級時計メーカーがこの技術の再現に挑戦。
トゥール・ビヨンを作れることがステータスとなり、その価値は飛躍的に高まっていきました。
しかしいくら複雑機構といっても、クォーツや電波時計に、その精度において敵うはずもありません。
あくまでも機械式腕時計の範囲内での精度の高さです。
では何故多くの人がトゥール・ビヨンに魅了され、価格が桁違いとなってしまうのでしょうか?
その魅力は、複雑なメカニズムの動きと美しさにあります。
数の多い小さな部品を組み立て、精度調整できる時計師は数えるほどで、このメカニズムを実現することができるのは、高い技術力を持つ一部の超高級メゾン、専門工房に限られています。
トゥール・ビヨン、その精密な動き、メカニズムの美しさ。
200年前、一人の天才によって生み出された歴史とロマン性を、人々はその複雑で美しいメカニズムの中に見出すのかもしれません。
ミニッツ・リピーター
内部機構に設置したゴングを鳴らし、1分単位で時刻を知らせる複雑機構の最高峰。
ミニッツ・リピーターは3大複雑機構の中でも、さらに際立つ超絶技巧を要し、ごく一部の高度な技術を有する時計職人にしか、製作・メンテナンスすることができません。
ハンマーのネジの締め方一つで本質や音階が変化するため、熟練職人の高い技術が必要です。
懐中時計時代に、 夜間などの暗闇でも時刻が認識できるようにと開発されたミニッツ・リピーター。
現在のミニッツ・リピーターの用途は音で時刻を知るというよりも、その複雑な作りや美しい音色に魅せられ、愛好家が購入することが多いようです。
高級腕時計 世界三大ブランド
上記において紹介してまいりました超絶技巧の数々。
その高い技術を有した高級腕時計 世界三大ブランドを紹介いたします。
パテック・フィリップ
Grand Complication 5074R
1839年に2人のポーランド人アントニ・パテックとフランチシェック・チャペックによって創業されたパテック・フィリップ。
「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「オーデマ・ピゲ」とともに世界三大高級時計メーカーの一つですが、日本においては、パテック・フィリップは頭一つ抜け出た存在という認識もあります。
世界一高価な腕時計を販売する、マニュファクチュールとしても知られているパテック・フィリップ。
どんなに古い時計についても修理することができる「永久修理」を宣伝しているため、「パテック・フィリップの時計は一生もの」というブランドイメージを持つ人も多数。
愛用者にはヴィクトリア女王、アインシュタイン、ヴィルヘルム1世、ワーグナー、チャイコフスキー、トルストイ、ウォルト・ディズニー等、そうそうたる名が連なります。
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「トゥール・ビヨン」、「永久カレンダー」、「ミニッツ・リピーター」、「ムーンフェイズが搭載されたグランドコンプリケーションモデル。
美しさ、重厚感、機能性に言葉を失ってしまうほどの超高級時計です。
ヴァシュロン・コンスタンタン
「オーバーシーズ」
1755年 、ジャン=マルク・ヴァシュロン創業のスイスのジュネーヴを本拠地とする高級時計メーカー。
継続的に時計を製造してきたメーカーとしては、世界最古とされているヴァシュロン・コンスタンタン。
ヴァシュロン・コンスタンタンも世界三大高級時計メーカーの一つとして数えられているスイスの時計メーカーです。
シンボルマークの「マルタ十字」は一目でヴァシュロンの時計と分かるほど。
有名なマークであり、時計の文字面のみならずバックルにもマルタ十字がデザインされています。
現在はリシュモングループの傘下として幅広くマーケティングしており、シンプルながら優雅な佇まいのアイテムがヴァシュロンの特長です。
また、トゥール・ビヨンを始めとする複雑な機構を持つ機械式時計のほか、宝石を多用した宝飾時計としても有名です。
スポーティで機能的且つ現代的な雰囲気をもつ「オーバーシーズ」。
その名が喚起するように、モダンな世界にマッチしたコレクションです。
2004年秋に生まれ変わった、オーバーシーズは防水機能と耐磁性構造時計本体をより強固に保護し、ストーリーのある流線型のデザインが強力な個性をかもし出します。
アクティヴでスピーディーな現代のライフスタイルに最適の本格スポーツ・ウォッチです。
オーデマ・ピゲ
ロイヤルオーク デュアルタイム
オーデマ・ピゲもまた世界三大高級時計メーカーの一つに数えられるスイスの時計メーカーです。
そのエレガントかつ繊細なデザインが、多くのコアなファンを魅了し続ける唯一無二の高級ブランド。
1875年にジュール=ルイ・オドマールとエドワール=オーギュスト・ピゲによって設立。
トゥール・ビヨン、ムーンフェイズなど複雑機構を備えた高級時計メーカーとして知られるようになりました。
ロイヤルオークといわれる高級スポーツウォッチが最も代表的なモデルであり、アーノルド・シュワルツネッガーや魔裟斗にも愛されているアイテムです。
ロイヤルオークは八角の形状と、それを表裏貫通して固定する八本のネジという無骨なデザインが特徴。
それでいながら、エレガントな雰囲気も併せ持つロイヤルオークはラグジュアリースポーツウォッチとしてセレブ層に大人気の逸品です。
八角形の無骨なデザインと繊細でエレガントな雰囲気を併せ持つ「ロイヤルオーク」。
その独特の佇まいから多くのファンを魅了する「ロイヤルオーク」から出た人気の「ロイヤルオークデュアルタイム」。
時分針に加え、2カ国目を表示するデュアルタイムにデイ/ナイト表示 、さらにパワーリザーブ、デイト機能など高い実用性を兼ね備えた頼もしい逸品。
世界をまたいで活躍するビジネスマンに最適な高級腕時計です。
まとめ
私たちが高級腕時計として、その名を良く耳にするロレックスやオメガ、ブライトニング等々。
それらから一段高いステージに存在する、世界三大ブランド。
「パテック・フィリップ」、「ヴァシュロン・コンスタンタン」、「オーデマ・ピゲ」について、見てまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
人間技を超えた超絶技巧、神に選ばれし者の至高の奥義。
そんな世界がまだまだあることを予感させる、高級腕時計という至高の大人の遊びに戯れながら、いつか一生ものの一本と出会える日を待ちたいものです。
あなたの心を動かす時計はどんなものでしょうか?
よき出会いを祈っています。