きらびやかな高級腕時計の世界。
誰もが知る人気ブランドと言えば、ロレックスにオメガ、ブライトニング、フランク・ミュラーにジャガー・ルクルト。
しかし腕時計に関心のない人、縁を感じない人にとっては、名前だけなら聞いたことがある、といった程度のものかも知れません。
スマートフォンで時間を確認できる昨今、ますます腕時計の必要性を感じられない方は増えています。
しかしその一方で、社長や起業家、役員など、デキるビジネスマンほど、ブランド物の腕時計を身に着けているという事実。
その理由は単に「お金があるから」ではありません。
見栄や自己顕示欲、ステータスやファッション性でもありません。
お金がある人はお金にシビアな人が多いもの。
だからそんな無駄遣いはしません。
彼らが高級腕時計を通じてお金をかけているもの。
それは「信用」。
誰もが認める高い品質と、伝統のある高級腕時計を身に着けているという「信用」。
それは他者からのものに限らず、深い自己信用を生み出し、真の豊かな人生に繋がります。
もちろん賢明なダンコレ読者にとって、それは自明なことであり、だからこそファッションや小物アイテムといった、普段身に着けるものに気を配り、研鑽を重ねていることでしょう。
今回は、そんな賢明なダンコレ読者の中でも、「初めて」高級腕時計選びに本腰を入れる方のために、後悔のない一本を手にする7つのポイントをご紹介します。
腕時計の種類といった基本事項から、お勧めの一本まで、初の高級腕時計選びのために役立つ情報をまとめましたので、ぜひご活用ください。
腕時計選び基本中の基本!クォーツ?機械式?違いがわかりますか?
生涯の一本となるかも知れない、高級腕時計選び。
まず知っておきたいのが、基本中の基本ともいえる腕時計の種類です。
クォーツ、機械式、自動巻き等、名前は聞いたことがあっても、腕時計初心者には、その意味をはっきりと把握していない方も少なくありません。
この機会に基本中の基本となる腕時計の種類について、確認しておきましょう。
腕時計の種類は大きく分けて、クォーツと機械式の2種類。
さらに機械式の中には「自動巻き」と「手巻き」の2つがあります。
腕時計本体に記載されている「オートマチック」の表示はこの「自動巻き」のこと。
現在、機械式時計の多くはこの「自動巻き」オートマチックとなります。
以下にそれぞれの違いを見ていきましょう。
クォーツ 高い精度と対ショック性
クォーツ式腕時計を一言で言えば、電池の動力で動く腕時計。
機械式に比べて、圧倒的に精度が高いことが大きな特徴です。
クォーツとは水晶のことですが、水晶に電圧をかけたときに生じる一定の振動数を、電子回路に感知させ、1秒の振動数ごとにステップモーターが秒針を進める仕組み。
世界初のクォーツ式腕時計は1969年にセイコーが発売した「セイコー・アストロン」。
機械式や,それ以前の各種電池式に比べ,圧倒的に誤差が少ないことからクォーツ式腕時計は1970年代に市場を席巻。
その結果、スイスなどの高級機械式腕時計ブランドは壊滅的な打撃を受け、20世紀半ばまで全盛を誇ったアメリカの時計メーカーはほぼ全滅。
この一連の流れは、「クォーツショック」と呼ばれるほど、腕時計史上において極めて大きな出来事となりました。
発売当初には45万円と、当時の小型自動者並みの値段であった、クォーツ式腕時計。
現在では工場での大量生産が可能なことから、クォーツムーブメントの製造原価は格安となり、クォーツ時計はセイコーやオメガなどのブランドものから、1000円で売られているノンブランド腕時計まで、幅広い価格で販売されています。
またクォーツの精度は、1000円で売っている時計でも月差±20秒の誤差。
日差±10秒(月差では±300秒)が当たり前である機械式時計と比べると、その精度は圧倒的。
耐ショック性も、機械式は2mの高さから落とすと、まず故障しますが、クォーツはその程度の衝撃で壊れることは稀です。
またメンテナンス費用においても、機械式時計に比べて圧倒的に割安なクォーツ式時計。
またメンテナンス費用においても、機械式時計に比べて圧倒的に割安なクォーツ式時計。
5年で1~2回電池交換したとしても、費用は数千円程度におさまりますが、機械式時計はオーバーホール代として数万円かかります。
機械式と比べると、低価格で高い精度、対ショック性、メンテナンス費用が安いこと。
これらがクォーツ時計の特長となります。
機械式 夢とロマンとダンディズム
機械式腕時計は、ゼンマイを動力とする昔ながらの腕時計。
その中でも手巻きと自動巻き(オートマチック)という二つの種類があります。
手巻きは文字通り、毎日決まった時間にゼンマイを巻いてやらないと止まってしまう構造。
自動巻きは身に着けている限り、自動的にゼンマイを巻き上げ、止まることはありませんが、装着せず置いたままにしておくと、約2日で止まってしまいます。
上述の通り、クォーツ式腕時計と比べると、価格や維持コストが圧倒的に高く、精度や対ショック性も低い機械式腕時計。
またゼンマイを巻くことや、時刻合わせの手間もかかります。
そんな手間暇やお金のかかる機械式時計ですが、世界中の愛好家から熱烈な支持を受け、その人気は衰えることはありません。
クォーツ腕時計の誕生で、一時期は壊滅的な状態まで追いやられた機械式腕時計ですが、徐々に人気を取り戻し、今では過去にも増して燦然たる輝きを放っています。
それはひとえに機械式腕時計が持つ夢とロマンにあるとしか言いようがありません。
小さな時計の中に、ぎっしり詰まった歯車。
その歯車一つ一つに染み込んだ、各時代において最高の品質を作り上げようとしてきた、職人たちの血と汗の歴史。
また各ブランドの歴史には必ずと言っていいほど存在する、そのブランド力を彩る伝説的な逸話。
例えば、NASAに公式採用され、人類初の月面着陸に同行したスピードマスターや、深海探査で活躍したシーマスターなどで有名なオメガ伝説。
例えば、戦後に行なわれたエベレスト初登頂や、マリアナ海溝深部探検の際にも、しっかりと作動し続けたロレックス伝説。
そんな歴史的背景、ストーリー、ロマン性といった、便利さや価格では計れない価値が愛好家たちの心を捉え、離れがたいものにしています。
また夢やロマンといった点で、機械式腕時計の利点を語れば、機械式時計がクォーツ式時計に比べて有利な点は、適切に使用すれば、数十年は利用できる事。
ロレックスはムーブメントの生産終了から30年はメーカー対応保証していますし、オメガも1950年代の時計の修理を現在も受付けています。
また、パーツがまだ流通しているか、などによって金額に差がありますが、機械式時計なら民間の時計業者でもほとんど修理対応が可能。
ですから、機械式腕時計であれば生涯に渡って所有することや、子供に愛用の時計を受け継がせる、といったロマンのある話も夢ではありません。
価格の安さや合理性を追い求めるだけでは、決して得ることのない深く、豊かな世界。
あなたは、そんな高級機械式腕時計の世界をどう感じますか?
人気ブランドの価格帯 初心者におススメのモデルは?
世界三大時計ブランドと言えば「パティック・フィリップ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」「オーデマ・ピゲ」と時計好きの間では相場が決まっています。
時計にそれほど関心がなくても有名なブランドと言えば、ロレックス、オメガを筆頭にブライトニング、タグ・ホイヤー、フランク・ミュラーにジャガー・ルクルトと枚挙にいとまがありません。
そんな数ある高級腕時計の中から、高級腕時計入門編にふさわしいのが、オメガやタグ・ホイヤー。
これらの特長は「値段が手頃」で「ステータス性に優れ」かつ定番ゆえに「着ける場所を選ばない」といったもの。
価格帯も中古ならば10万円台から購入が可能。
冠婚葬祭や子供の入学式、各種イベント、また普段使いにも違和感なくTPOを選びません。
この二つに価格帯が一つ上の超有名ブランド、「ロレックス」を加えた3ブランドが高級腕時計の入門編と言えます。
決して値段が手頃とは言えない「ロレックス」を入門編に加えた理由は後述いたしますが、ひとまずここでは「オメガ」「タグ・ホイヤー」「ロレックス」を心に留めておいて頂きたいと思います。
サイズを間違えると致命傷 後悔しないサイズ合わせ
言うまでもありませんが、高級腕時計購入の際の試着は必須。
サイズが合わないとどんなに高価なものでもアンバランスで格好が付かず、後悔してもしきれません。
そこで試着の際の知識について触れておきます。
腕時計の大きさは本体部分(ケース)の直径で表示。
通常、38~45mmといったところで当然、大きいほど存在感があり、目立ちます。
しかし腕に合っていないと、時計そのものが手首からはみ出してしまい、文字通り時計が「浮いた」感じになってしまいます。
そこで一般的なサイズである40mmから試着して調整し、好みのサイズを確かめるのが賢いやり方です。
手首や腕の太さによって、時計のフィット感は大きく変わってきます。
写真や、目にした印象だけでなく、実際に手に着けてみることを強くお勧めします。
革ベルトとブレスレットどちらがいいの?
初めての高級腕時計選びなら、ブレスレットで決まりです。
湿度の高い日本において、革の扱いは難しく、日常的に使用しているとワンシーズンもたない場合も。
交換の手間に慣れないうちは、ブレスレットタイプが耐久性もあり、圧倒的に楽です。
ブレスレットの材質はステンレススチールが主流。
チタンなどの軽量素材もありますがどちらも耐久性に優れていて扱いが楽という利点があります。
機能はロマン 男心をくすぐる機能の数々
防水機能
現在は標準装備されている防水機能。
表記においては1気圧=10mで表示。
10気圧を超える防水は水中使用が可能(潜水は不可)。
そのため、10気圧(または100m)を超える防水性をもった時計を「防水時計」と表現することが一般的です。
また生活防水(WATER RESISTANT / W.R.)と表示されているものは一般的には2~8気圧の一般用防水の時計で使用される表現。
また生活防水(WATER RESISTANT / W.R.)と表示されているものは一般的には2~8気圧の一般用防水の時計で使用される表現。
汗、雨など日常の水滴レベルに耐えられる防水性。
日常使用ならば、2~3気圧あれば充分。
ただし防水時計と表示されているものでもダイバーズ使用以外のものは、入浴や水泳などに使用するのはお勧めしません。
時計は元来水に弱く、錆や不具合の原因となってしまいます。
あくまでも日常使いにおいて強い防水性を持つという認識を持つことが大切です。
GMT機能
2つのタイムゾーンで時刻を表示する機能。
海外旅行の際も日本の時刻が一目で確認できたり、日本から海外に連絡を取る際にも使え、国際的に活躍するビジネスマンにとっては便利で心強い機能。
2つのみならず、3つ以上の時間帯を表示できるタイプもあります。
デイト表示
書類記入や予定を立てる際に便利な日付表示機能。
「今日は何日だったっけ」とガサゴソとスマホを取り出す手間はありません。
商談や重要な案件の際にもスマートに確認が可能。
中には曜日表示も付いていたり、年一回の調整のみで使える永久カレンダー搭載のモデルもあります。
パワーリザーブ
高級腕時計は機械式で、自動巻きのものが基本です。
手に着けていれば自動的に動力を確保してくれますが、置きっぱなしだと止まってしまいます。
パワーリザーブとは、その動力がどのくらいの時間、持つかと言う指針。
30万円台のものでは約50時間程度が標準。
またパワーリザーブの表示機能が付いているものもあり、動力の持ち時間を一目で確認することができ、便利です。
クロノグラフ
クロノグラフとは一般的には「ストップウォッチが付いた腕時計」。
通常の時刻表示の他に小さい針(文字盤)が2、3あります。
普段使うことはあまりないかも知れませんが、航空機の計器のような見た目と高い性能を一目で表すような印象で、人気の高い機能の一つです。
高級腕時計はメンテナンスが大変?
高級腕時計のメンテナンスについては、初めて購入を検討する人の多くが気になるところです。
確かにメンテナンスは必要ですが、思ったより丈夫で長持ちするというのも、多くの人が抱く印象。
高級時計のメンテナンスにおいて主たるものは、時計のコンディションを維持し、長く使い続けるためのオーバーホール(分解洗浄)です。
機械式腕時計は、潤滑油として使用している油が経年劣化していくため、そのままにしておくと、精度の劣化や、最終的には時計が止まったりすることにも繋がります。
そのため、各ブランドは一定期間ごとのオーバーホールを推奨。
期間はブランドごとに異なりますが、3年ほどの期間を推奨するブランドが一般的。
しあし「大きなダメージがなければ5年に1度でも大丈夫」というプロの声もあります。
値段は修理内容によって異なりますが、部品交換がなければ3~5万円程度。
普段のメンテナンスは専用のクリーナーで拭く程度で充分。
10年、20年、もしかするとそれ以上の年月を、共にする相棒。
毎日の活動を共に歩み、限りない喜びと愛着を感じさせてくれる同志。
このくらいの手間、メンテナンスはむしろ、嬉々として行う愛好家が多いことも頷ける話です。
ズバリ!おススメの一本は?
〔ロレックス エクスプローラーⅠ〕
〔仕様〕自動巻き・パワーリザーブ約48時間
〔サイズ〕39mm
〔重さ〕約136g
〔防水性〕10気圧
〔ベルト材質〕ステンレススチール
〔仕様〕自動巻き・パワーリザーブ約48時間
〔サイズ〕39mm
〔重さ〕約136g
〔防水性〕10気圧
〔ベルト材質〕ステンレススチール
流行に左右されないシンプルなデザイン。
TPOを選ばない使い勝手の良さ。
視認性の高い独特のブラックダイアル。
そして、人類が初めてエベレストに登頂した際に同行した、冒険ウォッチとしての格調高い機能美。
誰もが認める定番モデルの「ロレックス エクスプローラーⅠ」を初の高級腕時計選びに最適の一本としてお勧めします。
定番モデルだけに、人と被ってしまうのではという懸念も、逆に言えば周囲から軽んじられることも、主張し過ぎることもなく、実用的ということ。
また万が一、手放したくなった時も、中古市場において安定して評価の高いロレックスであれば、高く買い取ってくれるので安心。
その資金で更にステージの高い時計に挑戦するという選択もできます。
使ってみないと決してわからない、機械式腕時計の素晴らしさ。
上記の点から「ロレックス エクスプローラーⅠ」は気楽に着けられる、とまではいかなくとも、高級機械時計の日常を肌で感じるには最適の一品です。
今回、高級機械式腕時計の入門モデルとしてお勧めの「ロレックス エクスプローラーⅠ」。
もちろん一生モノとして使えるクオリティもお墨付きの、自信をもってお勧めできる名品中の名品です。
まとめ
クォーツ式と機械式の違い。
人気ブランドや価格帯。
サイズやベルト、機能やメンテナンスのことまで、初めて高級時計を購入する際には、わからない要素がたくさんあります。
本記事において、初の高級時計選びに必要な情報を述べてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
冒頭で申した通り、真に豊かな人生を志す方にとって不可欠な「信用」。
それは他者からにおいても、自己信用といったセルフイメージに関わるものでも、人生に深い理解を持つ人間にとって欠かすことのできないものです。
だからこそ有能なビジネスマンは、高い品質と伝統のあるブランドの腕時計を身に着けます。
また本記事では、安価で高い精度と対ショック性を持つ、クォーツ式の利点もお伝えしました。
しかし、やはりダンディズム溢れる生き方を志すダンコレ読者にはぜひ、夢とロマンに満ちた機械式時計の良さを知っていただきたく、お勧めの一本にも、機械式時計の素晴らしさを体感して頂きやすい「ロレックス エクスプローラーⅠ」をご紹介させて頂きました。
あくまでも機械式腕時計のある生活、その入門編としてのお勧めですので、そこから自分好みのこだわりに走るのも良し、ロレックスに魅せられ、様々なモデルを追求するのも良し・・・。
いずれにしましても、幾多の職人たちの血と汗の結晶である、機械式腕時計の芸術品としての美しさ、そしてその芸術品を肌に身に付け、大切に使用していく生き方は、あなたの生活を生涯に渡って、もしくは世代を越えて豊かにしてくれるに違いありません。
どうぞ、その一歩として店頭に赴き、実際に着用してみて、その感覚を味わってみることから始めて頂きたいと思います。
生涯に渡る相棒との歴史、世代を越えたストーリー、そして真に豊かな人生も、まずは出会いという「初めて」から始まるのですから。