男性なら自慢の腕時計を身につけていたいもの。
特に高級時計と呼ばれる海外ブランドは、ひとつは持っていたいアイテムですよね。
特に40代に入るとスポーティやカジュアルではなく、しっかりとしたアイテムを選びたくなってきます。
そこで、ビジネスでもプライベートでも、さりげなくチェックされることが多い「おすすめの腕時計」をご紹介します。
IWC
創業年:1868年
創業者:フローレンス・アイオスト・ジョーンズ
創業地:スイス シャフハウゼン
創業者:フローレンス・アイオスト・ジョーンズ
創業地:スイス シャフハウゼン
IWCとは「International Watch Company」の略であり、アイダブリューシーの愛称で親しまれています。
老舗のスイス時計メーカーでありながら、社名が英語というのが他のスイスメーカーと少し違うところ。
創業者である「フローレンス・アイオスト・ジョーンズ」がアメリカ人であったため、ある野望を持っていたことが理由なのです。
この野望とは、ジョーンズの本国であるアメリカでは、すでに機械自動化の製造技術が主流になっていました。
しかし、ジョーンズはスイスの伝統的な手工業を効率的で完成度の高い時計づくりに取り入れようと考えていたのです。
ゆくゆくはスイスから本国であるアメリカへ輸出することまで考えていたので、スイスの老舗メーカーでありながら、英語の社名となっているのです。
その後、ニューヨークにIWCの販売会社を設立するも、時代が追いつかずに軌道修正、20世紀の半ばになってから、スイスの時計メーカーとしての地位を固めたのです。
20世紀半ばといえば、大航空時代。
パイロットウォッチは、より高い精度と耐久性を求められていました。
その中でIWCは、第二次大戦でアメリカ兵へ使用され、その後イギリスやドイツでも軍用として正式に採用。
創業者「フローレンス・アイオスト・ジョーンズ」の描いた夢が、やっと実を結んだと言えるでしょう。
ヴァシュロン・コンスタンタン
創業年:1755年
創業者:ジャンーマルク・バセロン
創業地:スイス ジュネーブ
創業者:ジャンーマルク・バセロン
創業地:スイス ジュネーブ
ヴァシュロン・コンスタンタンは、現存する時計メーカーの中で、最古の歴史を刻んできたブランドです。
当時のジュネーブには、時計職人が約4000人もいたと言われています。
その中でも、特に優れた技術をもつ職人が自ら工房を構えていた中の一人が「ジャンーマルク・バセロン」です。
ジャンーマルク・バセロンから3代目のジャック・パルテレミーアの時代に、現在の「ヴァシュロン・コンスタンタン」が誕生。
イタリアをはじめとする海外販路を拡大し、繁栄を築いていきます。
20世紀になると、複雑系とも言えるムーンフェイスを発表。
ジュネーブ平和会議に参加した4カ国首脳へ送られた時計としても有名になりました。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、極薄の時計や複雑時計さえも、パッと見たときにわからないくらいシンプル。
時計メーカー最古の技術力と探求心、そして自負は歴史という上になりたっているのでしょう。
オメガ
創業年:1848年
創業者:ルイ・ブラン
創業地:スイス ラ・ショー・ド・フォン
創業者:ルイ・ブラン
創業地:スイス ラ・ショー・ド・フォン
「ラ・ショー・ド・フォン」は、スイス時計製造のメッカ。
1848年、そのメッカに創業したのがオメガです。
オメガは創業当初から組立工場を立ち上げました。
これは、新参メーカーとしては異例の大きな設備であり、他メーカーとの差別化に貢献。
この設備投資が、オメガの展開を成功に結びつけることになります。
創業当時より、市場を見据えていた展開によって、イギリスを中心にヨーロッパ全体からアメリカに至るまで、工芸品としての価値が高いスイス時計を実用的な時計として展開していきました。
1889年には、スイス最大の時計メーカーとなり、オメガは軍用時計の開発にも着手。
軍用時計で培った技術を今度は、オリンピックで活用し、一躍「世界のオメガ」と認知されるようになったのです。
オメガの計測は1932年のロサンゼルスオリンピックから1992年のアルベールビル大会までの21回におよび活躍。
名実ともに「世界のオメガ」へ成長しました。
オメガにとって極めつけの活躍が、前人未踏の宇宙を目指したアメリカNASAが選んだ時計がオメガであったこと。
人類が到達した、もっとも過酷な環境でも使用できるオメガは「世界のオメガ」から「究極の時計」として名を刻むことに成功したのです。
オーデマ・ピゲ
創業年:1875年
創業者:ジュール・ルイ・オーデマ、エドワール・オーギュスト・ピゲ
創業地:スイス ル・ブラッシュ
創業者:ジュール・ルイ・オーデマ、エドワール・オーギュスト・ピゲ
創業地:スイス ル・ブラッシュ
完全主義。複雑時計。
この2つの言葉は「オーデマ・ピケ」にぴったりです。
卓越したふたりの技術を才能。
1889年には、600個以上のパーツを手作業で組み上げた複雑時計「グラン・コンプリカシオン」を第10回パリ万博で発表。
1946年には、厚さ1.32mmの世界最薄ムーブメントを完成させました。
その後、ジャンピング・アワーと呼ばれる複雑な時針の動きをするモデル。
2000年には、永久カレンダーに日の出、日の入りを時計に表示するといった時計ファンを魅了する複雑時計を発表し続けています。
偉大なる時計職人の技術と情熱は、現在にも受け継がれ「完全主義」「複雑時計」を手がける職人たちとともに歩んでいます。
カルティエ
創業年:1847年
創業者:ルイ・フランソワ・カルティエ
創業地:フランス パリ
創業者:ルイ・フランソワ・カルティエ
創業地:フランス パリ
カルティエと言えば、世界屈指の名門ジュエリーブランド。
しかし、カルティエの時計は、ジュエリーのひとつとして存在しているのではありません。
これは、カルティエが現在の市販時計に与えた影響からも伺えます。
ルイ・カルティエは19世紀の末、ナポレオン三世の庇護の下で名声を確立していたカルティエの経営に参画。
父であるアルフレッドを説き伏せ、ルイは時計部門の設立を行い、時計制作というプロジェクトを開始。
ルイの時代の腕時計といえば軍用。
そして、懐中時計を無理矢理に腕へ括り付けたようなものでした。
そこでルイは、スイスのメーカーとは違った腕時計をイメージします。
1900年代に入り、ルイは後のジャガー・ルクルトの創業者である時計職人「エドモンド・ジャガー」と出会うことで、ルイの夢が大きく前進。
同じ頃、大富豪で飛行機に情熱を燃やす「サントス・デュモン」から飛行中でも使いやすい時計が欲しい、という話が持ち上がり、ルイはエドモンドへイメージを伝えます。
1904年、ついに今までの懐中時計を括り付けたような腕時計とは違った、世界で初めての本格的腕時計が誕生。
このモデルが今もカルティエの定番となっている「サントス」の原型です。
このように現在に受け継がれる、市販腕時計の歴史が始まったのは、カルティエの功績であると言えるでしょう。
そして、カルティエは複雑時計も積極的に発表し、今では機械式腕時計の名門ブランドのひとつと数えられています。
ジャガー・ルクルト
創業年:1833年
創業者:アントワーヌ・ルクルト
創業地:スイス ル・サンティエ
創業者:アントワーヌ・ルクルト
創業地:スイス ル・サンティエ
時計大国スイスの中でも、時計製造の全工程を自社内で行う会社は数社しかありません。
その数社の中で代表的なのが「ジャガー・ルクルト」です。
創業者であるルクルトは珍しい経歴の持ち主で「時計職人」ではありません。
ルクルトは時計を作るための工作機械を設計するエンジニアでした。
ルクルトは製造工程の開発に力を入れ、次に時計部品の製造を手がけ、とうとう1890年には、ムーブメントの創作を行うまでになりました。
1903年になると、精密機器メーカーという側面と、ムーブメント供給メーカーとしての側面を持つブランドとなり、世界的にその名が知られるようになったのです。
その後、1931年になると、貴族の間で盛んに行われていた競技「ポロ」のために「レベルソ」を開発。
運動中の耐衝撃性を強めるための、ケースそのものが180度回転して、内側に収まるという工夫がとられました。
ジャガー・ルクルトは複雑時計へと進化し、そのムーブメント供給を受けるメーカーも増加。
確かな技術とアイデアは、ジャガー・ルクルトが今でも愛されている根元なのでしょう。
タグ・ホイヤー
創業年:1860年
創業者:エドワード・ホイヤー
創業地:スイス サンティミエ
創業者:エドワード・ホイヤー
創業地:スイス サンティミエ
スポーツウォッチと言えば「タグ・ホイヤー」です。
タグ・ホイヤーの前身であるホイヤー社のころから、常にスポーツ分野と関わりを持ち、スポーツ分野で輝いていたブランドと言えます。
ホイヤー社の創業者である「エドワード・ホイヤー」の家系がスポーツ好きだったことも影響しているのでしょう。
エドワード・ホイヤーは早くからストップウォッチやクロノグラフの開発に情熱を注いでいました。
1889年のパリ万博へ出品したクロノグラフは銀メダルを受賞。
1916年には、100分の1秒まで計測できるクロノグラフを開発。
1965年には、1000分の1秒まで計測できる、電子式クロノグラフを開発します。
ホイヤー社はスポーツの中でも、特にモータースポーツと密接な関係があり、航空機や自動車用のダッシュボード・クロノグラフや、ラリー用のダッシュボード・クロックを発表しています。
近年ではF1フェラーリ・チームの公式時計を担当したり、タグ・ホイヤーとして蘇った1992年からは、F1公式時計を担当するなど、モータースポーツ・ウォッチとしての頂点を極めたメーカーと呼べるでしょう。
パテック・フィリップ
創業年:1860年
創業者:エドワード・ホイヤー
創業地:スイス サンティミエ
創業者:エドワード・ホイヤー
創業地:スイス サンティミエ
「個人が購入できる最高峰の腕時計」
この言葉は、パテック・フィリップを語る上で最高の賛辞と言えるでしょう。
いつの時代でも、腕時計の頂点と言えば「パテック・フィリップ」であり、多くの名作を手にしたマニアも最後に行き着くのは「パテック・フィリップ」であると言われています。
パテック・フィリップには貴族階級の愛用者が多く、
・ビクトリア女王
・リヒャルト・ワーグナー
・レオン・トルストイ
・リヒャルト・ワーグナー
・レオン・トルストイ
など、名士たちは、パテック・フィリップの価値を理解し評価していたようです。
パッテク・フィリップの特徴と言えば、美への感性。
複雑な技術を誇示せず、あっけないほどシンプルに見せることで芸術の領域へ昇華しています。
パテック・フィリップの時計は、すべてが人間本来の感性に働きかける動きになっています。
ダイヤルの文字や針の動き。
見ているだけで気分を落ち着かせ、静かにセルフイメージをアップしてくれる。
そんな「個人が購入できる最高の時計」が、パテック・フィリップなのです。
フランク・ミュラー
創業年:1991年
創業者:フランク・ミュラー
創業地:スイス ジュネーブ
創業者:フランク・ミュラー
創業地:スイス ジュネーブ
21世紀時計界のカリスマと呼ばれるフランク・ミュラー。
天才時計師でもあり、芸術性も豊かなフランク・ミュラーが1991年に立ち上げたのが「フランク・ミュラー」です。
多くの独立系時計師が、自らブランドを立ち上げる現在。
その中で、もっとも成功したひとりと言えるでしょう。
フランク・ミュラーはジュネーブの時計学校で、本来3年かかる技術を1年で修得。
時計学校の創設以来、最高の成績で卒業し、数々のスカウトの声を断り、独立系時計師としてアンティーク時計の修理を始めます。
はやくもアンティーク時計の修復分野で名声を手に入れ、1986年にオリジナル・ウォッチを制作。
独自のトゥールビヨンを組み込んだ、複雑系時計師としても認知されることになりました。
1991年に会社を起こしてからも、古典的で高貴なラウンド型ケースに、アールデコの代表的デザインの数字を組み込んだエレガントな腕時計を発表。
現在では、若手育成にも力を入れる、今までの時計師にはない活動を行う「時計界のカリスマ」フランク・ミュラー。
まだまだ、これからもエネルギッシュな作品を発表してくれることでしょう。
ブライトリング
創業年:1884年
創業者:レオン・ブライトリング
創業地:スイス サンティミエ
創業者:レオン・ブライトリング
創業地:スイス サンティミエ
「一般の時計が時を知る道具だとすれば、クロノグラフは、時を計るための計器である」
ブライトリングは、時を計ることに一貫したこだわりをもつメーカーです。
1884年、レオン・ブライトリングは、サンティミエで時計工房を開きました。
彼は工房を開いたときから、ストップウォッチや懐中型クロノグラフの制作に情熱を注いでいたといいます。
航空時代の幕開けとともに、レオン・ブライトイングは自らの時計で大空を飛ぶことを決意。
パイロット用の小型懐中クロノグラフを制作し多くの賞賛を得ました。
その後、父であるレオン・ブライトリングの跡を継ぎ、ガストン・ブライトリングが、世界初の腕時計型クロノグラフを発表。
本格的な航空時計の時代が始まった瞬間でした。
1936年には、英国空軍へコクピット・クロックの供給を始め、そこで得た信頼から多くの航空機メーカーとの契約を結び、航空業界での知名度を一気に固めていきました。
1952年には、ほとんどの航空計測が可能となった「ナビタイマー」を発表。
ブライトリングの主要モデルとして、今も人気のあるクロノグラフです。
ロレックス
創業年:1905年
創業者:ハンス・ウィルスドルフ
創業地:イギリス ロンドン
創業者:ハンス・ウィルスドルフ
創業地:イギリス ロンドン
時計界のトップに君臨するメーカー「ロレックス」。
時計に興味がない人でも、名前だけは知っているほど有名なメーカーですね。
創業者のハンス・ウィルスドルフはスイス時計販売の有能なセールスマンでした。
そんな彼がロンドンで時計会社を設立。
「ウィルス&デイビス社」が、後のロレックスの前身です。
創業当時、時計と言えば懐中時計が主流でしたが、ハンスは来る腕時計の時代を見越し、腕時計にふさわしい小型のムーブメントを探していました。
やがてジャン・エグラー社に行きつき、女性用エボーシュと呼ばれるムーブメントの供給を契約。
ここから腕時計制作が始まりました。
1907年に、自社ブランドとなる「ロレックス」が誕生。
1910年に、腕時計で初めてのクロノメーター公認という証明ができたことで、ロレックスは高精度の腕時計であるという信頼が高まっていきました。
そして1926年、ロレックスの歴史に残る発明が完成されます。
金属の塊を削りだして時計のケースを作る。
スクリュー式の裏蓋とリューズを開発することで、腕時計における完全防水を実現することになるのです。
このケースは「オイスターケース」と呼ばれ、今もロレックスの代表的腕時計となっています。
まとめ
時計大国であるスイス。
少し違ったイギリス。
芸術的なフランス。
どれもヨーロッパで発展した時計たちです。
スーツでもジャケパンでも同じですが、ヨーロッパ発祥のアイテムには、腕時計もヨーロッパのものがしっくりきます。
上品で主張しすぎない紳士的なデザイン。
でも、ちらっと見える部分はセクシーに。
手首から少しのぞく腕時計は、クライアントからもっとも見られる部分でしょう。
あなたに合った最高の腕時計を選ぶことは、一目おかれる存在になるために必要なこと。
ぜひ、長くつき合える最高の腕時計を選んでくださいね。