フルオーダーに似合う小物はどんなものがあるのか?
フルオーダーのスーツやシャツ、シューズの他にもカバンや長財布をテーマに記事を書いてきましたので、この記事では「フルオーダースーツに似合う小物」としてカバン・長財布・腕時計の記事をまとめてみたいと思います。
腕時計に関してははじめての記事になりますので、本記事に新たに記してみたいと思います。
各アイテムの詳細は各記事をご覧になってくだされば、幸いです。
フルオーダーに合うカバン
フルオーダーのスーツに身を包み、シャツもフルオーダーでシューズも同様、ネクタイも軽やかで歴史を感じさせるセッテピエゲにしたところ、周囲も自分も思わず目が行ってしまったのは手元のカバン。
これまではバリスティックナイロン制のごつめのカバンやオレンジ色のトートバッグを使っていたけれど、ふつうのスーツやジャケパンスタイルにはフィットするこれらのカバンも、フルオーダーにはいまいち合わず・・・。合わないどころか、浮いてしまっているんですよね。
フルオーダーの装いをとるか、カバンをとるかのような対立構図になってしまいまして、これはどうしてものかと考えていました。
やはり、品格にはそれに呼応する品格を選ばなければならないということで、ルイ・ヴィトンのカバンやエルメスのバーキン、そしてアルミならばリモワやゼロハリバートン。
しかしこれらよりももっと濃厚な存在感が欲しいと思った私は、アタッシェケースならばエアロコンセプト、革の鞄ならば、ベルルッティに目をつけます。
ベルルッティの場合、厳密にはベルルッティのようなカバンをあるバーで見かけ、その自立式の重厚感と飴色の革にスッカリ虜になりました。
しかしその店ではそのカバンをすでにつくってはいないということで、代わりのカバンはないかと探したのがベルルッティです。
まず、エアロコンセプト。
エアロコンセプトの何が素晴らしいかというと、顧客に媚びない我が道を行く姿勢。そして代表の生き様や哲学。
多くの世界的に著名なメーカーが協業を希望するのもわかるような気がするその主張には、人工物なのだけれどもそこに自然の雄々しさを感じさせるような、自然への愛情が込められているように感じられます。
実際には、「組んでやってもいいけど」的な姿勢で臨んでくるメーカーには、かつての下請け時代の苦しさもあるようで、協業はお断りしているようですが、それでも基本前払いの手形もカードもなしという取引形態からは迎合しない姿勢を感じることができます。
メジャーリーグのワールドシリーズ制覇時に送られるリングを収納するケースもジェラルミンでつくっているようで、その雰囲気もさることながらたぶんつくり手の物語、魂なのでしょうね、そういうものが感じられるエアロコンセプトの製品からは、フルオーダーのスーツにフィットする哲学を感じます。
メイドインジャパンというのも好感持てますね。ぜひ機会があれば、眺めてみてほしいと思います。
そして、ベルルッティ。
ベルルッティファンには恐縮ですが、ベルルッティがほしいわけではなく、代わりの品を探していたらベルルッティにたどり着くことができました。
鞄や靴などはなかなかの雰囲気でして、ある日阪急メンズ館で見かけたスーツケースは今でも度肝を抜かれたことを覚えておりまして、その価格100万円超。
スーツケースに100万円超とはまだまだ見知らぬ世界があるものだとうれしくなりましたが、フルオーダーのスーツやコートを仕立てる今となっては、ベルルッティクラスのカバンでないとフィットしないだろうなと思い至るように。
特に、革つながりということでシューズですね。シューズの雰囲気からすると、ベルルッティのようなカバンの革はフィットするように思います。
エアロコンセプトにベルルッティ。
ぜひ、これら2つのブランドを覚えておいてくださると幸いです。そして機会があれば、手にとってみてくださると。
「フルオーダーなら小物にもこだわりたい(カバン編)」の記事はこちらをクリック。
フルオーダーに合う長財布
カバン同様にフルオーダースーツに似合うかどうかで悩ましいのが長財布。
折りたたみのものでももちろん構わないのですが、やはりそれをジャケットの胸ポケットにしまうことを考えると、長財布のほうがかさばらないですし、取り出したときも仕舞うときもその動作がエレガント。
そして可能であれば・・・フルオーダースーツのジャケットラインを美しく魅せるためにこだわりたいのが長財布はお札入れに徹すること。
コインなど小銭をついつい入れてしまいたくなりますが、コインは小銭入れかズボンのコインポケットに入れたいところです。
ナポリのサルトに聞くと、イタリアは日本ほど治安が良くないこともあり、財布自体を持ち歩くことがそうないのだとか(個人の話であり、皆が皆そうではないかもしれません)。
そこでお札はどうしているのかと行ったら、そのままポケットに入れるか札バサミ。小銭はズボンに備え付けられたコインポケットにしまうそうです。
その話を聞いた時、そういえばパンツの左右前ポケットに、コインポケットがつくられていたな、と思い出しました。かなり小ぶりなポケットのため、ジャラジャラ音をだすこともそうないでしょうしジャンプしたりはねたりして小銭が顔を出してしまう、ということもなさそうです。
このあたり、よく利用シーンを考えられてつくられているな、と感心します。
詳細記事ではカバンつながりでベルルッティ、そしてルイ・ヴィトンの長財布を紹介しています。
いつの時代でもいいものはいい。そんな雰囲気を味わってくださると幸いです。
「フルオーダーなら小物にもこだわりたい(長財布編)」の記事はこちらをクリック。
フルオーダーに合う腕時計
フルオーダーに合う腕時計と聞いて、パッと思いついたのがヴィンテージの腕時計。
パテック・フィリップにしてもロレックスにしても、そして日本が誇るグランドセイコーにしても、ヴィンテージと冠される腕時計は、その存在感からして異色を放っています。
どんなにいい生地で仕立てられたスーツであっても、ヴィンテージ生地を前にするとその存在感に圧倒されてしまうこともありますから、それは腕時計でも同じなのかもしれません。
手巻きや自動巻きの素晴らしさは、メンテナンスをすることでずっと動き続けるというところですから、何十年も前から時を刻み続ける腕時計にヴィンテージ生地がフィットしないはずがありません。
モノ同士の品格は、歴史とともに、ですね。
そこでヴィンテージの腕時計を紹介できないかと考えたところ、その画像自体を入手することがなかなかできず、また入手しづらい時計を紹介するのもどうかと考えまして…
ヴィンテージでも人気の、またヴィンテージではないけれどもフルオーダーに合う腕時計ブランドをいくつか、紹介したいと思います。私見ではありますが、冒頭で名称を紹介した3つです。
パテック・フィリップ
気持ちを刻み込んで、その時計は受け継がれる。
父から子へ、世代から世代へ。
父から子へ、世代から世代へ。
パテック・フィリップの時計はまさに、父から息子へと受け継がれていく時計。なぜならば、「世界最高の時計をつくる」という社是と、「永久保証」という製品への誇りが、世代から世代へと受け継がれていくことを当然とするからです。
そのシンプルでいつの時代も色褪せない「カラトラバ」をはじめ、コンプリケーションやグランド・コンプリケーションなど、ぜひ一度販売店を訪れ、パテック・フィリップの世界を味わってみてほしいと思います。
ロレックス
男性ならば一度は手元につけることを憧れたであろう腕時計。それがロレックス。
1905年より時計製造のパイオニアとして、世界初の防水性腕時計であるオイスター、そしてパーペチュアルローターによる自動巻機構をはじめとする、時計製造における革新を成し遂げてきたのがロレックスです。
世界最高峰の頂上から海洋最深部に到るまで、一世紀以上にわたり、世界中の探検家や達成者に常に寄り添ってきたその歴史は、オーダースーツの歴史とも寄り添える重厚感を醸し出しています。
オイスターパーペチュアルはもちろん、デイトジャストやサブマリーナ、エクスプローラーにデイトナなどなど、どれを選んだらいいのかまさに使用シーンに応じて悩む楽しみがあるのも、ロレックスならでは。
好みの一本を見つけるために、ぜひロレックスに触れてみてほしいと思います。
グランドセイコー
日本が世界に誇る腕時計こそ、グランドセイコー。公式サイトから歴史を引用すると…
1960年、スイス製が高級腕時計の代名詞とされていた当時、それまで培ってきた時計技術の粋を結集し「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」という志のもと、グランドセイコーは誕生しました。「クラウン」をベースにさらなら高精度化が図られた「初代グランドセイコー」は、国産では初めてスイス・クロノメーター検査基準(B.O)優秀級規格に準拠したモデルとして発売されました。
(引用:グランドセイコー公式サイトよりhttps://www.grand-seiko.jp/about/history/)
(引用:グランドセイコー公式サイトよりhttps://www.grand-seiko.jp/about/history/)
そのメカニズムは世界の名だたる時計ブランドよりも精緻であり、その信頼性からしてもメイドインジャパンにふさわしい逸品。
通常のメカニカル・・・オートマチックはもちろん、メカニカルハイビート36000やスプリングドライブなど、メカ好きをうならせるその機構には胸が高まるばかり。
個人的にはグランドセイコーこそ日本の紳士諸氏には身につけていただきたいところです(私見で恐縮ですが・・・)。
まとめ
フルオーダーに合う小物ということで、この記事ではカバンと長財布、そして腕時計を紹介しました。
もちろん、小物もこのクラスで揃えるならば、スーツはもちろん、コートやシューズもフルオーダーで合わせる必要があります。
まさに、モノがモノを引きつける。そんな世界がフルオーダーなのでしょう。
私たちもモノにふさわしくなるように、変化し、成長し続ける必要がある。
そんなことを身につけることで語りかけてくれるフルオーダーの逸品やフルオーダーに合う逸品は、一緒に歳を取り、寄り添っていきたいと思わせる友人のようなものです。
フルオーダーからでも、フルオーダーに合う逸品からでも、どちらからでも大丈夫です。
ぜひ、一度この世界に足を踏み入れてくださればと思います。
はじめてのフルオーダーの世界を知るに、十分な記事となっていることを願っています。
ありがとうございました!