好みのジャケットとパンツを組み合わせるジャケパン。
スーツにも通ずるフォーマルさと大人っぽさがありつつ、上下別々のアイテムを組み合わせることにより適度なカジュアル感が出るのがジャケパンの特徴ではないでしょうか。
そんなジャケパンですが、あなたはどんなブランドのアイテムを使っていますか?
もしかすると、一つのショップで買い物を完結させるために特にブランドにこだわっていなかったり、あるいは一つのブランドがコーデの大半を占めていたりするかもしれません。
ジャケパンは自由にアイテムを組わせられるファッションですし、せっかくなら色んなブランドを組み合わせて楽しんでみませんか?
ということで、今回は
・ジャケット
・シャツ
・パンツ
・シャツ
・パンツ
この3つそれぞれのオススメブランドを紹介するので、参考にしてみてください。
知っておきたい3つのジャケットブランド
ジャケットはジャケパンの「顔」とも言える存在。
ドレスコードのある高級レストランなどではジャケットの着用が求められますし、普段のコーデでもジャケットを羽織るだけで大人っぽさが出るもの。
ジャケパンにオススメなジャケットのブランドは世界中にたくさんあるのですが、今回はその中から3つピックアップしました。
「アンコンスタイル」を確立したブランドや、「Made In Italy」にこだわったブランド、そして最近話題になっている新興ブランドなど、どれも高い評価を受けているブランドなので、チェックして頂ければと思います。
Boglioli
Boglioliは100年以上の歴史を持つ老舗のイタリアンブランド。
「アンコン」と呼ばれるジャケットのカテゴリーを確立したブランドとして知られています。
ジャケットは従来、「裏地」、「芯地」、「パッド」といったパーツの使用された、「作りこまれた物」が主流でしたが、Boglioliは上記のパーツを省き、従来とは真逆のジャケットを売り出したのです。
これが後に「アンコン(アンコンストラクテッドの略)ジャケット」と呼ばれるようになるのですが、アンコンの特徴は一部パーツを省くことにより生まれるソフトな着心地と、堅苦しさの無いリラックスしたシルエットと言われています。
Boglioli3代目のMario Boglioli氏曰く、ヒントになったのは当時若者が着ていたお下がりのジャケットで、新品のジャケットには無い色あせた風合いや、くたった質感が彼の目に魅力的に映ったとのこと。
「ダンディーな大人っぽさは欲しいけど、程良いカジュアル感が欲しい」。
こういった思いからジャケパンを選ぶ方も多いかと思いますが、Boglioliのジャケットはこの考えにピッタリなジャケットと言えるのではないでしょうか。
Lardini
Lardiniは数あるイタリアンブランドの中でも、品質の高さで有名なブランドです。
1978年の創業以来、バーバリー、プラダ、ドルチェ&ガッバーナといった一流ブランドのOEM生産を請け負っており、その品質は折り紙つきと言われています。
こうして培った技術を活かし1993年に自社名のオリジナルブランドを立ち上げ、現在では日本でも人気のブランドとなりました。
そんなLardiniのこだわりは「Made In Italy」。
2007年から「メイドインイタリア保護協会」という協会に所属し、全ての工程がイタリア国内で行われている事が証明されているとのこと。
また、生地にも強いこだわりをもち「ロロ・ピアーナ」、「エルメネジルド・ゼニア」、「チェルッティ」といったイタリアでも最高級クラスの生地を使用しています。
またLaridiniのトレードマークとも言えるのが、「ブートエール」と呼ばれる、下襟にあしらわれた花形のピン。
ブートエールは中世のヨーロッパにおいて男性が女性に結婚を申し込む際、女性が結婚を受け入れる意として、差し出された花束の1本を男性のジャケットの胸元に挿す習慣に由来していると言われています。
現代的なデザインにクラシックな要素を取り込むLardiniの象徴と言えるでしょう。
Tagliatore
Tagliatoreは1998年の創業で、イタリアの代表的な新興ブランドの一つです。
特徴の一つはウェスト周りのデザイン。
絞られたウェストはTagliatorの「セクシー」な要素として欠かせないものになっています。
ちなみにウェストを絞るにはジャケット各部のバランスを取る必要があると言われており、特に胸幅、裾周りは絶妙なバランスにデザインされているとのこと。
また広めに設定され、頼りがいのある印象を与えると言われるワイドラペルもポイント。
ラペルが広い場合、野暮ったいイメージになりがちなのですが、体のラインに沿うような返りにデザインされており、洗練されたモダンなシルエットに仕上げられています。
そして他のジャケットよりも肩線が後ろにずらして設計されているので、型周りの可動範囲が広いことも特徴。
着疲れしがちなジャケットですが、既製服とは思えない快適な着心地を実現しています。
尚、Tagliatorは本国のモデルとは別に、日本人向けにデザインしたジャケットも取り扱っているので、他のイタリアンブランドがしっくりこない人も、一度試してみる価値があるのではないでしょうか。
このシャツブランドを手に入れるべし
ジャケットに続いて紹介したいのが、シャツ。
ジャケットのVゾーンから覘くシャツは、見える面積が少なそうですがコーデの印象を左右します。
しかも肌に触れるものですし、肌触りや着心地の良さの重要視したいところ。
ということでシャツも3つのオススメブランドをピックアップしたので、シャツ選びの参考にして頂けたらと思います。
Luigi Borrelli
Luigi Borrelliはイタリアを代表する高級シャツブランドのひとつ。
1957年にナポリにて創業し、日本でも六本木ヒルズに直営店をオープンする程の人気です。
従来の平面的なカッティングや硬い生地のシャツと差別化を図るべく、創業者のLuigi Borrelli氏は人体を研究し、どんなシャツが着心地がよく、人を美しく見せるか研究しました。
その結果辿り着いた答えが量産を前提とした、ミシンと手縫いを混ぜた生産工程。
「袖つけ」、「ヨーク」、「前立て」、「かんぬき」、「ボタン」、「ボタンホール」、「ガゼット」の8工程を手縫いすることにより、柔らかい着心地と、強い耐久性を実現しました。
こうして作られたLuigi Borrelliのシャツは瞬く間にイタリア中に広がっていったのですが、2代目のFabio氏はシャツだけでなくネクタイやスーツ、ジャケット作りにも乗り出しました。
今ではブルゾン、パンツ、ジーンズ、ニット、アンダーウェアまで展開し、世界を代表する高級トータルファッションブランドとなったのです。
そしてこちらがLuigi Borrelliで人気のドレスシャツである「Luciano」。
長年人気のモデルですが、トレンドに合わせ襟羽根、襟腰、前台襟が短く改良されています。
どれか一つだけ短くするのではなく、三つを同じ比率で短くしているため、ルチアーノの黄金比率をキープしつつ、現代に合わせたデザインになっているのがポイント。
尚、生地はイギリス王室御用達の「トーマスメイソン」製のオクスフォード生地で、上品な光沢感とシルクのような滑らかな肌触りが特徴となっています。
Finamore
Finamoreは1925年にナポリにてはじまったブランドで、カジュアルシャツが日本でも人気です。
創業当初は小さな工房で何人かの顧客のためにハンドメイドする小規模なFinamoreでしたが今では4代目に引き継がれ、販路は世界中に広げています。
一方で工場は今でも50名ほどで、シャツの生産枚数は1日300枚程に留めているとのことです。
そのため世界でも厳選された百貨店やセレクトショップのみがオーダー可能。
そんなFinamoreですが、冒頭でもお伝えした通り一番人気はカジュアルシャツ。
長年培った技術で縫い上げた高級生地を洗い加工して作られるのですが、凝りすぎないハンドメイド感と、高級ブランドの華やかさがFinamoreの魅力です。
そして、こちらがFinamoreのカジュアルライン。
洗いの掛かった質感や、タックアウトでも着られるように短く設定された着丈など、カジュアルな仕様の一着ですが、高さのある襟腰と大きく開いた襟が上品さを醸し出す、Finamoreらしい一着です。
Barba
Barbaは1964年にイタリアのナポリにて創業したシャツブランド。
創業者のRaffaelle BarbaとMario Barbaの兄弟はKitonの創立者であるCiro Paoneの甥にあたり、幼いころからナポリのテーラードファッションに触れてきました。
従来のドレスラインに加え、カジュアルなDandy Life, ドレスとカジュアルの中間のClutoと、全3シリーズのラインを展開しており、ドレッシーなコーデにも、カジュアルなコーデにも対応できるブランドと言われています。
また、Barbaの特徴として挙げられるのは仕立ての良さ。
特に襟の作りは評価が高く、中央で半分に折り曲げて左右の襟羽根を重ねると、ピッタリと合う作りになっています。
高級シャツはハンドメイドが故、微妙にずれてしまう事が多いのですが、Barbaは精巧な作りになっているのが大きな特徴の一つです。
ジャケパンのパンツにはこの3ブランドがオススメ!
ジャケット、シャツと紹介してきましたが、最後に紹介したいのがパンツ。
パンツにも種類がありますが、ジャケパンにオススメなのは「スラックス」、「チノパン」、「ジーンズ」の3つなのですが、「スラックス」と「チノパン」でオススメな2ブランドと、「ジーンズ」でオススメな1ブランドを紹介します。
Incotex
Incotexは1951年創業のパンツ専業メーカー。
PT01と並んで「イタリア二大パンツブランド」とも言われており、テーラードスタイルでは代表的な存在です。
創業当初は制服を製造するメーカーでしたが、1970年代からパンツに特化し、有名ブランドのOEM生産を請け負うなどし、徐々に高級ブランドへと成長してきました。
Incotexの特徴としてしばし挙げられるのが、そのシルエットの美しさ。
膝から裾にかけて細くなるテーパードスタイルを主流とし、腰回りをスッキリ見せるデザインや快適なフィット感が人気の理由と言われています。
また、通常なら真っ直ぐ落ちる折り目をあえて外側に向けたり、ウェストバンドの後部を二つのパーツに分けて、V字カットいれることによりウェストに掛かる負担を軽減したりと、細かい配慮と作りはIncotexならでは。
ちなみにこちらがIncotex製のウールスラックス。
Incotexの基本型とも言える「35」というモデルベースに、起毛感が特徴のサキソニー生地を使用したものです。
カジュアル感のあるアンコンジャケットと合わせて、ダンディーなジャケパンスタイルに仕上げてみてはいかがでしょうか。
PT01
PT01は2008年に立ち上げられた新興ブランドですが、バリエーションの少なかったテーラードパンツ界に新しい要素を持ちこんだことで、人気を博しています。
例えばマーベルトのデザイン。
タックインしたシャツが外へ出ないよう、すべり止めの役割で使用されるマーベルトですが、PT01は豊富なデザインを用意しており、人目に触れない箇所にも関わらずこだわりをもっているのです。
また、ポケットのデザインに関しても特徴があり、5mm幅が主流なのに対してPT01は3mmの玉縁を採用していたり、前開きのボタンをシーズンごとに変更していたりと、パンツ専業ブランドならではの細かいこだわりが随所にみてとれます。
そしてこちらがオススメのストレッチウールパンツ。
フィット感のあるフォルムと、シャープなヒップラインが特徴の一着ですが、ストレッチ性に優れており、防シワ加工もされているため長時間履いてもシワの心配をする必要がありません。
カラーも3パターン用意されているので、これであなたのコーデの幅も広がるはず。
Jacob Cohen
最後に紹介したいのが、ジーンズの名ブランドであるJacob Cohen。
Jacob Cohenは1985年に創業した、イタリアのデニムブランドで「仕立ての良いテーラードジャケットに合わせるジーンズ」というコンセプトを掲げており、ジーンズにスラックスのような繊細な要素を取り込んでいるブランドです。
ジーンズは大衆向けのパンツという側面もありますし、ジャケパンにはカジュアル過ぎるかと思う人もいるかもしれませんが、コンセプトの通り、Jacob Cohenはジャケパンを意識したジーンズなので、他のジーンズとは一味も二味も違います。
ちなみに生地は日本の岡山県から取り寄せているとのことで、岡山産の生地をイタリアで仕立てるこだわり。
また、ボタン類もイタリア国内のジュエリーショップに特注しており、こちらの一着のボタンやパッチにはツイード素材が使用されています。
更にモデルによってはデニム地とのデザインがコーディネートされた
・裾上げ用の糸
・バンダナ
・バンダナ
また
・エイジング加工用の石
といったアイテムが付属するのですが、ここまで充実したジーンズはそうはないのではないでしょうか。
ジャケパン用のデニムをお探しならば、是非オススメしたいブランドです。
まとめ
今回はジャケパンの各アイテムのオススメブランドを紹介しました。
紹介したアイテムは
・ジャケット
・シャツ
・パンツ
・シャツ
・パンツ
の3つ。
まずはジャケットを振り返ると、以下の3ブランドを紹介しました。
-「アンコン」というジャケットのカテゴリーを確立した「Boglioli」
-「Made In Italy」にこだわる「Lardini」
-ウェストが絞られたセクシーなシルエットが特徴の新興ブランドの「Tagliatore」
Boglioliはイタリアの若者が着ていた、くたったお下がりのジャケットに魅力を見いだし、いくつかのパーツを省いたり、洗い加工をしたりすることによって従来のジャケットとは違ってリラックスした、一種のヴィンテージのような質感を実現することに成功したブランドです。
2つ目に紹介した「Lardini」は創業以来バーバリー、プラダ、ドルチェ&ガッバーナといったブランドのOEM生産を請け負った技術を活かし、「Made In Italy」にこだわりをもったブランド。
「Tagliatore」は1998年創業と新興のブランドですが、ウェストが絞られたセクシーなシルエットをはじめ、広めに設計されたラペル、可動範囲が広げられた肩線など、老舗ブランドにも負けない魅力的なジャケットを作っています。
続いてはオススメのシャツブランドですが、紹介したのは以下の3つ。
– 六本木ヒルズに直営店を持ち、抜群のクオリティで日本でも人気の「Luigi Borrelli」
– 高級生地を長年培った技術で縫い上げ、洗い加工でカジュアルに仕上げる「Finamore」
– ハンドメイドながら精巧な作りで端正なシルエットが特徴の「Barba」
「Luigi Borrelli」はドレスシャツを得意とするブランドで、イギリス王室御用達の「トーマスメイソン」製のオクスフォード生地を使用したシャツなど、高級感のある高品質なシャツ作りが特徴です。
「Finamore」は洗いのかかった質感や、タックアウトの着用を想定した着丈の短さと言ったカジュアル仕様ながらも、高級生地を使用し、上品さのあるデザインで人気のシャツブランド。
「Barba」は従来のドレスラインに加え、カジュアルなDandy Life, ドレスとカジュアルの中間のCluto, という3つのラインを展開しており、どんなジャケパンコーデにもフィットするモデルが見つかるブランドです。
そしてパンツについてはこちらの3ブランド。
– シルエットの美しさと、細部の作り込みが特徴の「Incotex」
– マーベルトのデザインや、7種類に及ぶライン展開など、テーラードパンツ界に新しい風を吹かしたと言われる「PT01」
– 「仕立ての良いテーラードジャケットに合わせるジーンズ」というコンセプトを掲げるJacob Cohen
「Incotex」と「PT01」は「イタリア2大パンツブランド」としばし呼ばれるのですが、どちらかとIncotexはドレス寄り、PT01はカジュアル寄りと言われるようです。
確かにIncotexのスラックスはドレッシーなコーデにピッタリですし、PT01のカジュアルパンツは上品ながらも遊び心があるのでカジュアルコーデにオススメです。
そしてJacob Cohenはメーカーが掲げるコンセプトの通り、正にジャケパンのために作られたジーンズメーカー。
ベルトピンフックを採用したり、内側のスレキにプリントを施したりと、他のジーンズは一味も二味も違います。
以上、ジャケット、シャツ、パンツといったジャケパンのアイテムについてオススメのブランドを紹介しましたが、もし今のジャケパンコーデを少しでもレベルアップしたいなとお考えなら、参考にして頂ければ幸いです。