もうすっかり定番になっているジャケパンですが、カジュアルにジャケパンを楽しむ時に合わせたいのがデニムです。
街を歩いていても、おしゃれな人は従来のいわゆる「ジーパン」ではなく、すっきりとしたデニムのパンツを履いていることが多いですよね。
何気なく履いている平凡なジーンズ姿と、洗練されたデニムパンツのジャケパン姿、この違いはどこにあるのでしょう。
そこには、「きれいめ」というキーワードが隠されています。
ジーンズ姿にただジャケットを羽織るだけでなく、全体のコーディネートがきれいめであるかどうかが重要なのです。
ジャケット選びも重要ですが、垢抜けないジーンズを履いていたらせっかくのジャケットも台無し。
そこで、この記事ではジャケパンに合い女性のお眼鏡にも叶う、おしゃれで洗練されたデニムパンツのブランドをご紹介します。
都会的でスマートな、素敵なデニムパンツが見つかりますよ。
ジャケパンに合うデニムとは?
そもそもジャケパンに合うデニムの基準とはなんでしょう?
きれいめと言ったって何が基準なのかが分からなければ、選びようがありませんよね。
では具体的な色や形など、順を追って見てみましょう。
ジャケットに合うシルエット
まず注意したいのがシルエットです。
ジーンズショップなどで売られているデニムパンツのシルエットには、ストレート、ルーズ、スリム、テーパード、スキニーなどがあります。
ジャケパンに合わせやすいのは、タイトなシルエットで、テーパード、スリムなどです。
テーパードは裾に向かうにつれて細くなっていくシルエットのパンツのことで、脚の形に自然に沿うような形。
はき心地もよく、見た目にもスマートで、足首あたりに裾が来るため脚長効果もあります。
テーパードは完全に脚の形がわかるようなスリムとは違って、ピチピチにはなりません。
そのため腿はゆったりしています。
上の画像はテーパードのデニムパンツの裾をロールアップしているものですが、窮屈そうではないですよね。
スリムやスキニーをジャケットに合わせている人もいますが、筋肉のつき方や脚の形によっては似合わない人もいます。
ですので、ジャケパンで履くパンツのシルエットに迷ったら、テーパードがオススメです。
また、ストレートやルーズはダボついてしまい、カチッとしたジャケットに対してボトムスがだらしなく見え、シルエットもボトムスだけ大きくなってしまいます。
きれいめに見える条件その1は、「タイトなシルエット」です。
ウォッシュやダメージはアリ?
ウォッシュ加工とは、人為的に洗い、履きこんだような風合いを出す加工のことです。
また、ダメージ加工とは、引っ掻いたり破いたりしたように見せかけている、穴の空いたジーンズのこと。
ウォッシュ加工はたくさんの種類があり、グラデーションのようなきれいなものから、履き古したようなスレなどを出すものまで様々です。
基本的にウォッシュ加工はテーパードやスリムなどのタイトなシルエットであれば気になりません。
それに対し、ダメージは、どちらかというとヘビーな印象を受ける加工です。
いくらシルエットがテーパードでも、穴が空いていたり、わざとほつれたような加工がされているデニムは、ジャケパンには似合いません。
この画像のように、ほんの少しだけ穴の空いたデニムパンツで、わざとラフさを出す「外し」はありですが、とても難しく上級者編です。
穴の空いているパンツはエレガントからは程遠く、女性受けもよくありません。
きれいめなジャケパンの条件その2は「エレガント」です。
トップスを華やかなスーツのようにエレガントにするならダメージもイケますが、基本的にはNGと考えた方が良いでしょう。
ジャケパンに合うデニムの色
デニムの基本はブルージーンズですが、同時にカラーデニムも定着しています。
ジャケパンに合わせる色に特に決まりはありませんが、ネイビーやホワイト、ブラックが合わせやすいでしょう。
また、上品なグレーのカラーデニムなども使いやすい色です。
注意しなければならないのは、使用されている生地の目の細かさ。
生地の目が細かいものは上品に、粗いものはカジュアルな雰囲気になります。
というわけで、きれいめなジャケパンに合うパンツの条件その3は「目の粗さ」。
こちらは目の細かいホワイトのカラーデニム。
エレガントな雰囲気ですね。
それに対してこちらは目の粗いデニム。
テーパードですがカジュアルな印象をより強く感じます。
カラーデニムは生地の目が細かいものが主流なので、どの色を選んでも自然とエレガントに見せてくれますが、ブルージーンズやブラックジーンズの中には目の粗いものもあり、見た目もカジュアル寄りです。
きれいめジャケパンを作るなら、目の細かいパンツの方が失敗しません。
ジャケパンに合うデニムブランド
ではいよいよ、ジャケパンに合うデニムブランドをご紹介しましょう。
どのブランドもラグジュアリーな服を作ることで有名なブランドなので、アメリカの作業服を源流とするデニムブランドとは一線を画します。
元祖テーパード|ヤコブ・コーエン
「仕立ての良いテーラードジャケットに合わせるジーンズ」というコンセプトでスタイリスト集団が立ち上げたデニムブランド、ヤコブ・コーエン。
まさに、ジャケパンスタイルのためのデニムブランドです。
デニムでありながらスラックスのように仕立てられたパンツはどれも繊細で丁寧な作り。
特徴は浅い股上と内股に余計なシワができにくい設計です。
また、使用するデニム生地は、世界に誇る日本のデニム生産地である岡山から輸入し、イタリアの工場で製作するというこだわりぶり。
ジャケパンに合わせるデニムを探すなら、まずはヤコブ・コーエンです。
ヤコブ・コーエンは「テーパードジーンズ」を世の中に広め、定着させた本家本元と言えるブランドです。
シルエットを見ると裾に行くに従って狭まる、脚の形を包むような自然なラインと、足首を見せることで脚長効果も狙えるデザイン。
上の画像はデニムジャケットとデニムパンツのジャケパンです。
わずかに異なるトーンで違いを出し、インに黒のカットソーを着ることで全体をダークな雰囲気にまとめています。
パンツからの流れが足首で一旦途切れ、足首を見せることで足首が細く感じ、そのぶん靴のボリューム感でまたさらに足首が細く見えます。
見えている部分は足首だけなのに、ここが細く見えることで、あたかも脚全体が細いような錯覚に陥りますね。
カジュアル感の高いブルージーンズにもかかわらず、ジャケットを生かすテーパードのシルエットで上品な雰囲気を醸し出しています。
こちらは日本でもかなり見るようになった白パンです。
白のテーパードパンツは、ジャケパンの定番といってもいいでしょう。
珍しいダブルのデニムのジャケットに、あえて白のパンツを合わせることで、ラフに外して爽やかさもプラスしています。
白パンは難しい、と感じている人も、スリムではなくテーパードならトライしやすいのでオススメです。
少しカジュアルなジャケパンスタイルに使用しているのは、ベージュのデニムパンツ。
チェックのブルージャケットにカジュアルなパンツを合わせ、休日のお出かけスタイルのような装いです。
襟元の大きなストールで表情を作り、トップスにボリューム感を出すことによって、ボトムスがより締まって見える視覚効果があります。
また、ブルーと茶系の組み合わせはイタリア人なら誰もが知る、おしゃれの鉄板アズーロ・エ・マローネ。
もしネイビージャケットをお持ちなら、上品なベージュのパンツで外すというワンランク上のおしゃれが楽しめますね。
世界的最高級生地ならでは|ジーゼニア
イタリアの老舗ファブリックブランド、エルメネジルド・ゼニアが2003年にスタートさせた、カジュアルブランド「ジーゼニア」。
モダンでファッショナブルなライフスタイルを提案し、その複雑な光沢感や深い色合いがエグゼクティブ層のカジュアルスタイルに取り入れられています。
ジーゼニアのデニムパンツはとてもシンプルで、生地で勝負するゼニアだけに、ラグジュアリーな質感や美しい仕上がりが特徴です。
美しい光沢感のある、すっきりとしたデニムです。
生地に少し厚みがあるため、きちんと感が出て、きれいめコーディネートが作りやすいタイプのパンツです。
目の詰まった上品なグレーのカラーデニム。
グレーのウールスラックスのような感覚でジャケットと合わせると、合わせやすいのでオススメです。
濃紺のネイビーデニムです。
濃紺は色だけでもきちんと感があり、タウンデートなどに最適ですね。
ジャケットを羽織れば、デニムなのに不思議とフォーマルな雰囲気さえ感じさせます。
デニムも上質|アルマーニ・ジーンズ
アルマーニ・ジーンズは、ジョルジオ・アルマーニのジーンズラインです。
カジュアルなジーンズというアイテムを、上品に履きこなせるとして人気があります。
また、質の良さにも定評があり、シンプルで控えめながら、履く人の体のシルエットが美しく見えるような設計になっています。
種類も豊富で、それぞれ微妙に異なるウォッシュ加工は迷ってしまうほど。
グレーやベージュもあり、価格も2万円台からとお手頃です。
腿から膝のグラデーションが美しい、ウォッシュ加工のデニム。
アルマーニのデニムは股上が深いものが多く、どの年代でも履きやすいのが特徴です。
目の細かいブラックカラーデニムです。
ブラックデニムは、ジャケットの色がネイビー、グレー、ベージュと何にでも合うので、1本持っているととても重宝します。
また、引き締め効果のある収縮色なので、脚を細く見せてくれますよ。
腿から膝あたりまでのウォッシュが楽しいデニム。
旅行や野外イベントなど、少しカジュアルなジャケパンにしたいときにオススメです。
前ボタンのデザインがさりげなくおしゃれですね。
ブラックに続いて1本は持っていたい、ホワイトのカラージーンズ。
ジャケパンの定番にもなっているホワイトは、夏のマストアイテムです。
白パンを履くだけで、コーディネートが一気に爽やかになり、女性受けも抜群なのでオススメ。
マットな質感のグレーは上品な雰囲気を醸し出せる貴重なアイテム。
ジャケパンをスマートに着こなしたいとき便利です。
上品さを全面に出したいときに合わせるべき色は、ホワイトやキャメル、ベージュ。
優しいトーンの色合いで、知的でスマートな印象になります。
老舗ラグジュアリー|ディオール・オム
クリスチャン・ディオールから派生したディオール・オム。
クリスチャン・ディオールといえば、押しも押されもせぬラグジュアリーブランドの重鎮です。
歴代のデザイナーにはイヴ・サンローランやジャンフランコ・フェレなどが名を連ねます。
華やかなデザインで知られるディオールの中で、特に男性向けのラインとして立ち上げられたのが「ディオール・オム」で、黒を基調とした細身でスタイリッシュなデザインが特徴的です。
また、品質も良く生地素材の種類も豊富。
その上機能面も抜群で、動きやすいと評判です。
価格も他の高級ブランドに比べると比較的安価なので、若者にも大注目されているブランドです。
ストレッチの効いたディオールのデニムは、生地が日本製。
裾幅は17.5cmで、スレンダーなシルエットを作り出せます。
インディゴの色合いが美しい、ジャパニーズデニムにユーズド加工やセルビッチが施されたきれいなデニムパンツです。
ネイビージャケット、ハイネックのインナーと合わせれば、都会的でモダンな装いが楽しめます。
カジュアル感のある柔らかなリジッドデニムに、金色のハンドステッチが施された表情のあるパンツです。
ポケットに刺繍されたCD AVENUE MONTAIGNEの文字も手作業。
背面のポケットに配されたダーツは、メゾンを象徴します。
こちらはブラックストレッチデニムに、手作業で施されたフロントのステープラーの刺繍が印象的なパンツです。
個性的なデザインのステープラーは後ろまで続いており、ファッショナブルで洗練された、他にはないジャケパンスタイルを演出できます。
華やかなオリエンタル|エトロ
華やかな模様が印象的なことで知られるブランド、エトロ。
創業者のジンモ・エトロはアンティーク収集家で、テキスタイルメーカーを営む傍で、インドのファブリック「カシミール紋様」に憧れ、ついには復元してしまったという経歴の持ち主。
自身のファブリックブランドにもカシミール紋様の象徴であるペイズリー柄が数多く登場し、ベッドカバーやテーブルクロスなどのインテリアの布地や、ネクタイ・バッグなどのウェア小物にもあしらわれています。
メンズパンツもカラフルで美しいデザインが多く、ジーンズにしてもその光沢感や贅沢なプリントが目を引きます。
ドレッシーな面持ちのデニムパンツは、フロントのタッグとラインがエレガントさを引き立てます。
まるでデニム生地のスラックスを履いているような、不思議な感覚。
腿部分がゆったりとした履き心地の、エトロのテーパードパンツ。
上はゆったりしているのに下に行くに従って細身になっているので、決してだぶつきません。
絶妙なバランスで美しさを保ってくれます。
また、よく見ると総柄になっており、ファッショナブルな着こなしが楽しめますよ。
先ほどのテーパードパンツの柄のアップ。
オリエンタルな曲線が描かれたパターンは、肩の力の抜けた大人のリラックスを演出してくれます。
ジャケパンに合うデニムパンツ|まとめ
きれいめなジャケパンコーディネートが作れるデニムパンツをご紹介しました。
スーツとは違う、休日のきれいめジャケパンは、女性の大好物。
普通のくたびれたジーンズを合わせるのではなく、ウールのスラックスを選ぶように、デニムパンツも意識して選びたいもの。
ジャケパンに合うきれいめデニムパンツの条件は、
・タイトなシルエット
・エレガント
・目の粗さ
・エレガント
・目の粗さ
です。
ラグジュアリーブランドから出しているデニムパンツは、生地がきれいだったり、デザインもウィットに富んでいたりします。
ジャケパンに合うデニムとは、タイトなシルエットのテーパードがいちばんのおすすめ。
ウォッシュ加工はテーパードやスリムシルエットなら問題ありませんが、穴の空いたダメージデニムはやめておいたほうが無難でしょう。
色は定番のネイビーや上品なグレー、そしてブラックとホワイトはそれぞれ1本ずつ持っていたいものです。
今回ご紹介したデニムブランドは、5点でした。
・テーパードを世に広めた「ヤコブ・コーエン」
・最高級生地で有名なゼニアのカジュアルライン「ジーゼニア」
・高級ラグジュアリーブランド、アルマーニのジーンズライン「アルマーニ・ジーンズ」
・高級老舗ブランドのメンズライン「ディオール・オム」
・オリエンタルでカラフルな色柄で有名な「エトロ」
・最高級生地で有名なゼニアのカジュアルライン「ジーゼニア」
・高級ラグジュアリーブランド、アルマーニのジーンズライン「アルマーニ・ジーンズ」
・高級老舗ブランドのメンズライン「ディオール・オム」
・オリエンタルでカラフルな色柄で有名な「エトロ」
どのブランドのデニムパンツも個性的で美しいものばかり。
お手持ちのジャケットを思い浮かべながら、ご覧いただけたのではないでしょうか。
これを機に、ぜひ「きれいめカジュアルジャケパン」にシフトし、洗練されたスタイルを手に入れてください。