省エネ、電力不足、室温28度。
2005年にクールビズが始まり、今では夏の軽装が当たり前になってきました。
最初の頃は同僚たちも「なにを着ればいいんだろう?」と戸惑っていたと思います。
そして多くの同僚たちは「上着を着ない」だけのスタイルが多かったのではないでしょうか?
そんな中、この記事をお読みのあなたは、一歩も二歩も先取りして「ジャケパン」を着こなしておられたのではないかと想像します。
でも、クールビズも当たり前の夏の風物詩となった今、同僚たちを見渡すと「ジャケパン」スタイルが増えているのではありませんか?
そうなると、もう一歩先へ行きたくなるのが、人の心理。
同時に「スーツしかダメ」だったころは楽だったなと、思い出にふける方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回は、クールビズが当たり前となった今、同僚たちよりも「さらに」一歩も二歩も前にいくために、差を付けるアイテム「夏パンツ」をご紹介します。
まだまだ、同僚たちは「ジャケパン」スタイルだけで満足し油断しています。
そこにあなたは「夏パンツ」で差を付けるのです。
似たり寄ったりの「ジャケパン」の中で、ひときわ目を引く(特に女性の)夏パンツを着こなして、10月まで視線を集め続けてください。
それでは、お話させていただきます。
クールビズで使えるパンツ
暑い夏にも快適に過ごせるのが「夏パンツ」です。
でも、残念なことに、クールビズに突入すると見かけることが増えるのがこんなスタイル。
・スーツの上着だけ着用していない
・ジャケパンだけどパンツはスーツのもの
・ジャケットと釣り合わない素材感のパンツ
そして、そして、困ったことに、スーツと同じように「いつも同じパンツ」を履いている人、あなたのまわりにもいませんか?
これでは暑い夏に好印象は見込めません。
というよりも、特にファッションチェックのきびしい女性には「イライラ」をため込ませてしまうことになります。
だから、スーツの上着を着なくても、ジャケパンでも、夏専用のパンツを準備しておくことが大切なのです。
そこで、夏専用のパンツ、略して「夏パンツ」を選ぶポイントをお話していきます。
(1)素材に注意
夏パンツを選ぶときに重視することは、暑い夏に快適に過ごすことができるのかどうか、ということです。
家から駅まで歩くだけで。
駅からオフィスへ歩くだけで。
階段を少し昇っただけで。
オフィスで少し動いただけで。
ランチから帰ってきただけで。
長い電話をしただけで。
「暑い」し、「イライラ」するものです。
特にパンツが太股の裏に貼りついたりすると、気分的にも「イライラ」。
だから春夏物のスーツのスラックスでは力不足なのです。
そこで夏パンツを選ぶときには「素材」に注意してほしいのです。
サラッとした肌感覚。
見た目にも涼しげな生地感。
高い通気性。
強撚ウールやリネン素材。
夏には肌が敏感になりやすいので、アレルギーが気になる方はコットン素材を選ぶのがいいでしょう。
最近は天然素材でも型くずれしにくいものもありますから、普段よりもワンランク上の素材を選んでほしいと思います。
(2)カラーに注意
暑いとき、あえて黒を着こなすのもいいですが、どれだけスタイリッシュにキメたとしても、暑苦しいことに違いありません。
暗いカラーは重くなりますし、何度も言いますが「暑苦しい」のです。
ジッとしていても暑いのに、目の前に居る人が「暑苦しい」と、それだけでイライラしてきます。
「もう、どっかいってよ!」と心の中で叫ばれているかもしれません。
こんな非常事態にならないためにも、忘れていけないことは、夏にふさわしい色の雰囲気を味方にすることです。
できるだけ薄めのカラーを選んでおきたいもの。
だからと言ってパステルカラーを選ぶ必要はありません。
オフィスでは、上品で信頼感もあり涼しげな装いが必要ですから、おすすめなのは「薄いグレー」カラーです。
薄いグレーカラーなら清涼感もグンとアップしますし、オフィスのどんなシーンでも浮くことがありません。
視線を集めたいからといって、とんでもないカラーで冒険する必要はありません。
薄いグレーがまずは基本。
そして、シックさが必要なときには「ネイビー」のパンツなんていかがでしょうか。
どちらにしてもポイントは「薄め」ということ。
チノパンでも「濃すぎる」カラーは、夏向きではありませんので注意しましょう。
(3)シルエットで間違えない
暑いから、少し楽なものを選らんじゃえ。
といって、大きめのシルエットのパンツを選んではいけません。
暑い時に、大きめのシルエットのパンツは「ダラダラ」とした印象を与えてしまいます。
暑いから「ダラダラ」したいのはわかりますが、印象としては良くありません。
暑い時だからこそ、シャキっとしたスリムなシルエットが好印象。
また「ダラダラ」とした大きめのシルエットは「カジュアル」感が高くなりがち。
そこでおすすめのシルエットは、もうおわかりのように「細身」です。
スラックスでもチノパンでも「細身」を選んでほしいですね。
クールビズの着こなしポイント
それでは、クールビズで夏パンツをどのように着こなせばいいのかを紹介します。
暑い季節ですから、ゴテゴテとした印象は必要ありませんし、びっくりするような派手な印象も必要ありません。
必要なのは、上品で清潔感があってスッキリとしていることです。
それでは夏パンツにスラックスを使った着こなしと、チノパンを使った着こなしをお話していきます。
(1)スラックス
スラックスの場合、見た目だけで堅い「ビジネス」シーンを連想します。
そこで、少しだけ堅さを軽減するために、足元には「スエードシューズ」を合わせてみましょう。
スエードシューズを合わせることで、軽快感のあるスタイルに変身できます。
次に、スラックスが無地だった場合です。
無地のスラックスに無地のシャツを合わせると、確かに問題ありません。
ビジネスシーンでも見かけることの多いクールビズスタイルです。
でも、このファッションは退屈です。
同僚たちと差別化できません。
そこで、便利に使えておしゃれ度がアップするのが「ギンガムチェック柄」のシャツを選ぶことです。
少し細かい柄のシャツを合わせることで、華やかさと軽快な雰囲気になります。
柄物のシャツは視覚的にもインパクトがありますから、ついつい無意識的に目で追いかけてしまいます。
さて、休日出勤のときはどうしましょうか?
普段とは違ったあなたを出していきたいところですよね。
ここでは親近感を出しながら、上品で活動的な雰囲気を大切にしたいので、スラックス+ポロシャツという組み合わせがおすすめです。
(2)チノパン
チノパンは夏パンツとして重宝します。
でも、気を抜くと「カジュアル」な印象が強まってしまい、キリッとしたビジネスモードを崩してしまうこともあります。
ここ、気をつけておきたいですね。
そこでカジュアルな印象を少し引き締めるために、チノパンの裾を少しだけロールアップしてみましょう。
ほんと、少しだけのロールアップがおすすめです。
やりすぎると、カジュアル度がアップし過ぎますから注意してください。
次におすすめの着こなしはというと、チノパンの定番色であるベージュに、暗めの色の小物を使うという着こなしです。
ジャケットに青系の少し暗めのものを選ぶ。
バッグに黒や茶系の暗めのものを選ぶ。
合わせてベルトやシューズも暗めのものを選ぶと、上下が締まった感じになりまとまりやすくなります。
チノパンでの着こなし最後のポイントは、スラックスでもお話しましたが、チノパンはスラックスの2倍注意する必要があります。
そうです、チノパンは、そもそもシルエットがカジュアルなんです。
でも、オフィスで夏パンツとして使うときは、カジュアルではない印象を持たせたいところですよね。
だからチノパンも「絶対細身」を選びましょう。
スラックス以上に細身のシルエットへこだわるくらいがちょうどいいですね。
重くなりすぎるとダメですが、チノパンの場合は、細身のシルエット+細身に見える引き締め効果のあるカラーを選んでください。
ネイビーならハズすことが少ないですね。
夏パンツにおすすめな素材
夏パンツの着こなしの次には、夏パンツにおすすめな素材についてお話しておきたいと思います。
やはり夏パンツは「見た目の素材感」が大切です。
夏にツイードなんて見たくありませんよね。
冬だからこそツイードに触れたくなりますが、夏にあの分厚い素材や生地は遠慮したいものです。
同じように、視線の先にいる人のパンツが暑苦しい素材や生地だったら。
それだけで、ジッと見つめられませんし、視界から外したいと思ってしまうことでしょう。
そこで、夏パンツにぴったりな素材を3つ紹介します。
(1)強撚ウール
強撚ウールとは、通常のウールよりも「撚る(よる)」回数が多い糸を使ったウール素材です。
撚りが多いので
・強度が増し
・シワになりにくく
・シャリ感
のある素材です。
滑らかでハリとコシがあります。
通気性もいいので、暑い季節にはぴったり。
ウール特有の吸湿性や放湿性があるので、汗をかきやすい季節も安心して着ていることができます。
また強撚の糸は、糸の密度が高くなっていますので重さがあり、下に落ちる力が増しています。
そのため、ドレープ感が高くなり、上品で優雅な雰囲気を醸し出します。
(2)リネン
リネンは亜麻(あま)の一年草で、北ヨーロッパの涼しい地方で栽培されている植物できた素材です。
リネンは
・吸水性や吸湿性
・発散性
・防虫、防カビ性
・丈夫
という優れた特性があります。
触れた感覚も、ひんやりとした冷たいので、夏の季節にはぴったりの素材だと言えるでしょう。
リネンスーツやリネンジャケット、リネンパンツなど、夏向けのアイテムに使われることが多く、夏らしい雰囲気とリゾート気分を楽しめる素材として重宝することでしょう。
(3)コットン
コットンとは、ご存じの通り「綿」のことです。
様々な繊維がある中でも、もっとも肌触りが良く、柔らかな弾力性が特徴の素材です。
コットンは先が丸みを帯びているため、肌に直接触れてもチクチクとした感覚がありません。
肌に敏感な赤ちゃんからアレルギーの方も安心して身につけられる素材です。
静電気も起こりにくいのでホコリを吸着することも少ないですし、水に強いので気軽に選択できるのもうれしいところです。
このようにコットンは
・肌ざわりがよい
・清涼感が高い
・水に強い
と言った特徴があります。
また、コットンは汗をかいても発散させようとしてくれますし、通気性もよいので夏の季節にもぴったりな素材だと言えるでしょう。
夏パンツの丈感
それでは、夏パンツだけではありませんが、スタイルに影響する部分である「パンツの丈」についても見ておきましょう。
パンツを購入したとき、店員さんに「丈はこれくらいですか?」と聞かれることがあります。
誰もが一度は聞かれたことがあるでしょう。
でも、自信を持って「ハイ」と答えた人は少ないと思います。
だって、正直「わかりません」よね?
そこでお伝えしておきたいのが「丈には3つの種類がある」ということです。
そして、丈の種類は「クッション」と呼びます。
(1)ワンクッション
靴の甲の部分に、パンツの裾がしっかりと乗っており、裾を1回折り返すことができる丈を言います。
どちらかというと、裾にたるみ感があるシルエットです。
このシルエットは、最近ではあまり見かけません。
特に夏パンツでワンクッションは選んではいけません。
(2)ハーフクッション
靴の甲の部分に、パンツの裾が「触る程度」に乗っている丈です。
スマートな印象で、貫禄を出したいならハーフクッションもありですね。
(3)ノークッション
靴の甲の部分に、パンツの裾が当たらない丈です。
もっともファッション性が高く、スマートな丈です。
夏パンツならノークッションがおすすめでしょう。
ただし、ノークッションはどうしてもカジュアルな印象になりやすいので、オフィスの雰囲気とも相談してみてください。
見逃しがちな夏パンツの着こなしをアップするアイテム
さて、夏パンツのスタイルや素材、丈感がわかったところで、最後に重要なことをお話します。
気にしている人が意外にも少ないのが、パンツと靴の連続性です。
この連続性が自然になっていると、一体感が出て非常にすっきりとした印象になります。
でも、反対に連続性がなければ、、、パンツだけが浮いてしまうことにもなりかねません。
ということで、連続性を高めるために重要なのが「くつ下」です。
「あ~、だったらクールビズだし、芸能人もやっている素足でOKじゃないの?」という声も聞こえてきそうですが違います。
クールビズと言っても「素足」はNGです。
クールビズはビジネスシーンでのこと。
ということは、ビジネスシーンでのルールは守りましょう。
くるぶしが見えるくつ下は、やめておくのが正解。
ビジネスシーンでは「素足」に見えるくつ下は印象が悪くなることがありますから、ここはおしゃれにこだわらずに定番で勝負してください。
そして、くつ下の色ですが、クールビズにぴったりなのは黒や紺のストライプや水玉柄が涼しげでぴったりです。
無地だと重い印象になりますので、クールビズのくつ下には「柄」が大切。
座ったときにチラッと見えたときのおしゃれは、あなた自身の印象を変えてくれますよ。
まとめ
夏パンツは、クールビズ期間のおしゃれを左右する大切なファッションアイテムです。
社内ではジャケットを脱ぐことも多いと思いますが、パンツは終日履いたまま。
ということは、通勤時間を入れると1日9時間以上、他人の目に晒されていることになります。
そんなパンツですから、同僚たちとは差のつくものを選んでおきたいもの。
また女性のきびしいファッションチェックをすり抜けながら、暑い夏場に好印象を与えるためにも、ワンランク上の夏パンツは必需品。
パンツひとつの選択で、あなたへの好印象、あなたとの距離感が縮まるのなら、夏パンツを持っていないことは大きな損失です。
「人は見た目が9割」と言われますが、特に暑さでイライラしやすい夏の季節、清々しい好印象を装うことは、オフィスでの人間関係の潤滑剤になれるかもしれません。
同僚たちが誘っても「OK」が出ないビアガーデンへの誘いでも、ワンランク上の夏パンツを身につけたあなたが誘うと「OK」になってしまうこともあるでしょう。
今回ご紹介した夏パンツを参考に、今年のクールビズは一歩も二歩も同僚たちから抜け出して、あなたらしい「夏スタイル」をアピールしてください。
開放的な夏には、いつもと違う夏パンツが威力を発揮することでしょうから。