ヴィンテージ(Vintage)生地とは昔の織機で織られた生地です。
今はすでに生産が停止されており、今目の前にある一枚が最後の一枚である可能性もあるということです。
ヴィンテージ生地はどちらかというと重厚な雰囲気を漂わせるものが多い印象です。
実際に着てみると最初はややゴワついた着心地のものもあり、細い糸で織られた肌触りの柔らかい生地を好む方からは敬遠されるかもしれません。
しかし大切に着続けることで自分だけのシワが生地に刻まれ、愛着が湧いてくる、という愛好家もいらっしゃいます。
もちろんヴィンテージ生地には柔らかい肌触りのものもありますので、
そういう最後の一枚を探し自分のために好みの一着を仕立てるという楽しみは確かにありそうです。
ヴィンテージ(Vintage)生地の特徴の一つとしてコーディネートしやすいこと。
実は、ヴィンテージ生地をよく見てみると、いろいろな色の糸が使われていることもあります。
一見ネイビーなのによく見ると緑や赤の糸が使われていたり、グレーなのに茶色や紺の糸が使われていたりという具合にです。
コーディネートの原則は「色を使いすぎないこと」にありますが、いろいろな色が実は使われているヴィンテージでジャケットを仕立てた場合、ネクタイやパンツ、チーフなどほかのパーツとの色が合わせやすくなるわけです。
今は生産されていない希少価値のあるヴィンテージ生地でお仕立てしたオーダージャケットが仕上がってまいりました。
今回のジャケット生地はイタリアで伝統的な織機(しょっき)で作られた生地です。
ゆっくりと時間をかけて織られた生地は重厚感のある落ち着いた雰囲気を持っています。
そして色の出し方、柄のデザインなどは現在ではあまり見ることのできない珍しい柄です。
ファッションのトレンドは移り変わると思われがちですが、ある一定の周期で回帰しています。
ヴィンテージ生地に人気が集まるのも自然な流れと言えるでしょう。
今回のジャケットはインディゴデニム・ジーンズにコーディネートしています。
カジュアルに着こなすならカラーデニム・オレンジやブルーなどを合わせても意外と納まるのはヴィンテージの生地力です。
フランネルなどのスラックスを合わせるとクラシックなジャケパンコーディネートが出来上がります。
裏地を付けない一枚仕立てでも、落ち着きのある仕上がりはさすがの生地力です。
ヴィンテージ生地と現在のデザインが融合したどこにもない1着ができあがりました。