「幻の超高級繊維」「神の繊維」。
そう称されているビキューナ。
ビキューナ素材のコートは高級外車1台買えるほどの高級品です。
(アルマーニで販売されているビキューナスーツは650万円以上します)
ではそもそも、ビキューナとは一体なんでしょうか?
なぜこれほどまで高価なのでしょうか?
他の素材と一体何が違うのでしょうか?
今回は、そんな疑問に答えていきます。
ビキューナとは
ビキューナとは、ビクーニャ(南アメリカ原産のラクダの仲間)の毛を織って作られる高級生地です。
ビクーニャはその愛らしい姿からアンデスに住む人々に愛されており、アンデスの象徴的な動物として数々の伝承や歌に登場します。
「カシミア以上の肌触りなのに、カシミヤよりも軽い」
そんなビクーニャは、最高級生地として16世紀ころから大量に捕獲されはじめました。
一時期は5,000頭まで減少しましたが、現在は保護策のおかげで400,000頭にまで増加しており、何とか絶滅の危機を逃れました。
ちなみにビキューナスーツをアルマーニで購入すれば650万円以上は必要です。
世界中の生地を見渡しても、ビキューナほどの素材は滅多にお目にかかれないでしょう。
ビキューナの特徴
ビキューナは、肌に吸い付くような柔らかい肌触りが特徴です。
類をみないほど肌触りが良い秘密は、厳しい生育環境にあります。
ビクーニャは南アメリカのチリ、ボリビア、ペルーなどの標高3,700〜5,000mの高山地帯に生息しています。(富士山の標高は3,776m。)
そのため、断熱性に優れた10~14ミクロンという非常に細い毛で体を覆っています。
人の髪の毛が50ミクロン、一般的なウールが20~30ミクロン、カシミヤが14.5~16.5ミクロンであることを考えると、ビクーニャの体毛の細さがわかります。
なぜ希少なの?
10~14ミクロンという極細な毛から作られる「ビキューナ」は、古くから高級生地として名を馳せていました。(インカ帝国では国王への貢物にされることもありました)。
しかし、乱獲されたことによりその数は5,000頭にまで減少。
そこでペルー政府は自然保護区を設立しました。
さらに原毛の販売を禁止。
そうした措置のおかげで、なんとかビクーニャ絶滅の危機を逃れました。
とはいえ、400,000頭まで増えた現在もビクーニャの毛を大量に入手できるわけではありません。
なぜなら、1回で刈り取れるのは1頭あたり250~350g。
しかも刈り取りは2年に1度のみ。
さらに、その貴重な原毛のほとんどは欧米の企業が買い付けています。
そのため日本には限られた量しか入ってこないのです。
ビキューナコート
そんなビキューナ素材のコートがこちらです。
高級外車1台買えるほどの高級品です。
一部の男性しか着ることができないだけあって風格漂うコートです。
まとめ
今回はビキューナについてご紹介しました。
ぜひ機会があれば一度、ビキューナコートを羽織ってみてください。
10~14ミクロンの極細の原毛があなたの肌に吸い付きます。
その肌触りを生涯忘れることはできないでしょう。