革好きのあなたなら、たくさんのレザーアイテムをお持ちのことでしょう。
鞄に靴、財布や名刺入れなど、周りは革製品で溢れているかもしれませんね?
そんなあなたなら、当然のように革の種類にもこだわっているはず。
牛革、馬革、羊革、ワニ革など、革の種類は実に様々です。
さらに同じ牛革でも、「カーフ」や「ステアハイド」など種類も色々で、「ブライドルレザー」など、仕上げによっても違いがあります。
この記事では、その数多い革の中でも、自然な風合いが人気の「ヌメ革」で、世界三大レザーの一つとされている「イタリアンレザー」についてご紹介します。
この記事を読めば、革好きなあなたは、「イタリアンレザー」の革製品をコレクションに加えたくなるでしょう!
イタリアンレザーって?
「イタリアンレザー」は、イタリアのトスカーナ地方で製造されてる一部の革の総称で、アメリカの「シェル・コードバン」、イギリスの「ブライドルレザー」とならび、世界三大レザーの一つとされている革です。
「植物タンニンなめし」製法は、紀元前3000年頃に古代オリエントで始まったとされ、紀元前8世紀頃にその技術がヨーロッパに伝わったとされています。
「イタリアンレザー」は、イタリアで作られている革すべてのことではなく、「イタリア植物タンニンなめし革協会(ベジタブルタンニン協会)」に認定されたものだけが、そう呼ばれます。
認定を受けるには、「定められた植物タンニンなめしの製造工程を遵守する」、「植物の抽出成分のみを使ってなめす」、「主要工程をトスカーナ州内で行う」の3つの基準を満たす必要があります。
トスカーナ地方にある「タンナー(革をなめす工場)」は高い技術力と、革の歴史や文化に対する知識、伝統を受け継いでいく意識をもっています。
古代中世からの長い歴史がある、伝統的な革、それが「イタリアンレザー」です。
ミネルバボックス
世界的に有名なタンナー「バダラッシカルロ社」で作られている革です。
生後2年以上の雌牛の皮「カウハイド」を原皮とし、イタリアの伝統製法の「バケッタ製法」で作られています。
「バケッタ製法」とは、植物由来の水溶性化合物「タンニン」で皮を革にする「タンニンなめし」と呼ばれる作業を行った後に、時間をかけて革に牛脚の脂を加え、手染めでしあげる、といった時間も手間もコストもかかる製法です。
その最大の特徴は、製造工程できる革表面の「シボ」と呼ばれる模様で、革の自然な風合いが楽しめます。
たっぷりと牛脂を含んでいるので、柔らかく、しっとりとした感触が特徴です。
また、使い込んでいくほどに、はじめは光沢の少ないマットな質感だった革の表面が色濃くなり、光沢が出てくるなど、天然ならではの経年変化を楽しめます。
ブッテーロ
「ワルピエ社」という小さなタンナーで作られている革です。
生後2年以上経過した去勢された雄牛の皮「ステアハイド」の一頭から採れる量が少ない「ショルダー(肩)」部を原皮としている、希少性が高く高級な革として、知られています。
イタリアの伝統的手法「タンニンなめし」でなめされ、植物性のオイルが加えられています。
花や樹皮などの天然植物でできた染料で染められ、色鮮やかで豊富なカラーバリエーションを楽しめます。
天然の染料を使っているので、革の持つ香りや質感を楽しめます。
「イタリアンレザー」らしいしっとりした手触りと艶やかな風合いが特徴です。
特にその経年変化に魅了される人は多く、使い込むほどに味わいを増していく、美しい革の移り変利を楽しめます。
花や樹皮などの天然植物でできた染料で染められているため、革の香りや風合いを保ったまま、鮮やかな発色になっていて、その多彩なカラーバリエーションも魅力の一つです。
自然な風合いを大切にして作られている革なので、表面に「トラ」と呼ばれるシワや傷があり、それも味わいの一つとなっています。
まとめ
以上、世界三大レザーの一つ「イタリアンレザー」についてご紹介しました。
イタリアの革でも「ベジタブルタンニン協会」に認定された革だけがそう呼ばれる、希少性の高い「イタリアンレザー」
1000年以上の長い歴史を持つ製法を受け継いでいる、熟練職人の手によって「ベジタブルタンニンなめし」で仕上げられたその革は、他の革にはない味わいを持っています。
あなたも、「イタリアンレザー」の革製品を手に取り、その天然素材の持つ美しさと、味わい深い経年変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。