お風呂上がり。
鏡に映る自分の顔を見て、「まぁまぁだな」
そのまま視線を下げ自分のお腹周りを見て、「ふぅ。指で腹の肉をつまめるな…」
30代も後半になってくると、お腹周りがぽっちゃりしてきますよね。
これまでと同じベルトの穴なのに、食べた後はベルトがはちきれそうなくらいキツくて苦しい。
スタイルが良く見えるから着ているスーツのベストなのに、ボタンがキツくて横にシワが寄っている。
シャツをインにしてもすっきり決まらない。
「俺もそろそろ中年太りか?」
こんな考えが脳裏に浮かび、それなら自分の体型に合わせてオーダースーツでも作ろうか、と考えるかもしれません。
せっかくオーダーで作るなら、生地にもこだわってデザインも俺好みに少し変えてみようか……
それとも裏地で差をつけるのもいいな……
オーダースーツならあなたの要望を反映できますし、あれやこれや考えるのも楽しいですよね。
でもちょっと待ってください。
オーダースーツにこだわりすぎて、あなたがスーツを着こなすのではなく、服に着られている人になってしまうかもしれません。
オーダースーツのメリットとデメリット
そもそもオーダースーツにするメリットは何でしょうか?
・既製服だと手に入りにくいサイズでも、自分の体型に合わせたスーツを作れる
・デザインに自分の要望を入れられる
・生地やボタンも自分好みに変えられる
・体型が変わってもお直しがしやすい
・作り上げる楽しみを味わえる
ざっと思いつくだけでもこれだけあります。
あるいは時間とお金をかけてオーダースーツを作ることで、自尊心が満たされるかもしれません。
時間的余裕や経済的な余裕に加え、そういったことを楽しめる精神的な余裕も感じさせます。
一度オーダーで服を作ると既製服を着られなくなる人が多いのも、こういったオーダースーツのメリットを実感するから。
このようにオーダースーツはメリットばかり強調されがちですが、デメリットもあります。
メリット・デメリット両方を知ることで、自分にあった納得いくスーツの選び方がわかります。
オーダースーツのサイズ
オーダースーツは体型に合わせて作るので、体にピタッとフィットし、見た目のシルエットもきれいに出ます。
たとえどんなに高級なスーツでも、サイズが合っていないとシルエットもカッコ悪く、かえって残念な人になってしまいます。
また、あなたの体型に合わせて作るので長時間着ていても疲れにくく、スーツも型崩れしにくいので長持ちします。
一方デメリットは、細かい採寸が必要なので時間も手間もかかるということ。
採寸は本人が店舗に出向くのが基本です。
会社や自宅で採寸をしてくれる出張サービスを行う会社も増えているようですが、休日など時間にゆとりを持って店舗に訪れるのがいいですね。
オーダースーツのデザイン
オーダースーツなら自分の要望を反映できるので、生地はもちろんのこと、裏地やボタンなど細かいディテールでこだわりを出すことも思いのまま。
ジャケットのチェンジポケットや色ステッチなどオプションを加えることで、あなただけのこだわりの一着を手に入れることができます。
デザインについてあれやこれや考えるのは楽しいですが、とくに初めての場合、自分の思い描くイメージをうまく伝えられないこともあります。
勧められるままに作ってみたものの、自分の好みとちょっとズレていて何だかしっくりこないといった残念な事態は避けたいですよね。
年齢や職業など基本的なことから、カジュアルかビジネスか、どのような場面でスーツを着るのかなど、気軽にテーラーに相談するのが早道です。
イメージに近い写真を持って行くのもいいですね。
オーダースーツの価格
大量生産の既製服と違い、オーダースーツは一人ひとりのサイズに合わせて作ります。
オプションなどさらにこだわるほど、その分価格が高くなってしまいます。
ですからオーダーの際には自分の予算をしっかり把握しておくことが必要です。
どうしてもオーダースーツは価格が高くなりがちですが、自分に合わせて作るので「お直し」の必要はありません。
自分の体型に合っているので体に合わせて動き、その分消耗も少なく長持ちします。
オーソドックスなデザインのオーダースーツを作れば、長く使える一着になります。
毎年スーツを新調する手間も省けますね。
スーツが主役ではなく、着ているあなたが主役です
ここまでオーダースーツのメリット・デメリットをあげてきましたが、スーツにばかり目が行き、スーツを着る自分は二の次になっているかもしれません。
高級スーツに釣り合う男になるという考え方もありますが、あまりにもかけ離れていたら、かえって滑稽でイタイ人に映ります。
また、例えば営業先で先方より明らかにいい生地で仕立てたオーダースーツを着ていたら、相手はどのように感じるでしょうか。
年配の人だったら眉をひそめてしまうかもしれません。
既製服ではサイズがないのでオーダースーツに関心はあるが、嫌味っぽく映るのが心配なら、生地やデザインは無難でオーソドックスなものを選ぶといいですね。
わざわざ自分から自慢げにオーダースーツだと吹聴しなければ嫌味に映りません。
「高そうな良いスーツを着ているね」と言われたら、素直にサイズがないからオーダースーツを着ていますと答えれば、相手にも悪い印象を与えません。
着ている人、着ている場所、着ている状況に合っていれば、あなたが気に病む必要はないのです。
まとめ
採寸をし、体に合わせて作るオーダースーツなら、自分にジャストフィットするスーツが手に入ります。
がっちりした肩回りに合わせて既製服を選んだら、全体的にダボっとした印象になってしまった、というような残念なことにもなりません。
既製服でジャストサイズのものを探すのが難しい人にとって、体のラインに合わせてスタイルがきれいに決まるオーダースーツは、見た目アップに一役買ってくれます。
とはいえ、スーツにこだわりすぎてスーツが主役になってしまうのも困り者。
あなたが引き立つようなオーダースーツライフをお楽しみくださいね!